1. アマチュア時代
プロ入り前のシュルツは、カリフォルニア州ヴァン・ナイズのクリーブランド・ハイスクールで野球を始め、その後ロヨラ・メリーマウント大学に進学し、学業と野球活動を両立させた。
1.1. 大学サマーリーグ
大学在学中の1999年には、大学野球の夏季リーグであるケープコッド野球リーグのコチュイット・ケトルズでプレーし、リーグのオールスターに選出されるなど、その才能を高く評価された。
2. プロ経歴
シュルツのプロ経歴は、MLBドラフトでの指名から始まり、アメリカのマイナーリーグとメジャーリーグ、そして日本のプロ野球でのキャリアに分かれる。
2.1. アメリカでの経歴
シュルツのアメリカでのプロ野球キャリアは、ドラフト指名から始まり、マイナーリーグでの経験、そしてメジャーリーグでの短いデビューに至る。
2.1.1. ドラフトとマイナーリーグ
2000年のMLBドラフトにおいて、シュルツは2巡目(全体69番目)でアリゾナ・ダイヤモンドバックスから指名され入団した。プロ入り後、2001年と2002年には右肩の手術を受けるなど故障に悩まされたが、その後回復を果たした。
2004年7月16日、シングルAのランカスター・ジェットホークスに所属していたシュルツは、ランチョ・クカモンガ・クエークス戦の7回表に1イニング5奪三振という珍しい記録を達成した。このイニングでは、先頭打者を三振で1アウトとした後、次の打者も三振に打ち取ったものの、暴投による振り逃げで出塁を許した。その後、ヒットや野手選択などで3人が出塁し、続く打者を三振で2アウトとした。さらにヒットを挟み、次の打者を三振に打ち取ったが、再び振り逃げで出塁を許した。最終的に10人目の打者をこのイニング2個目の三振で打ち取り、3アウトを完成させた。この記録はマイナーリーグでは過去に少なくとも3回記録されていたが、試合自体は4-19で大敗している。[https://web.archive.org/web/20061024192832/http://www.minorleaguenews.com/baseball/affiliated/a/california/jethawks/articles2004/073004.html マイナーリーグニュースの記事]
2005年には2Aで63試合に登板し、2006年には3Aのツーソン・サイドワインダーズで48試合に登板するなど、着実に経験を積んだ。
2.1.2. メジャーリーグデビュー
2007年4月20日、シュルツはアリゾナ・ダイヤモンドバックスでメジャーリーグ初登板を果たし、1イニングを無失点に抑えた。しかし、メジャーリーグでの登板はこの1試合のみに留まった。同年は3Aで55試合に登板し、4勝5敗4セーブ、防御率3.92の成績を残した。同年オフ、日本の広島東洋カープと契約を結んだ。
2.2. 日本での経歴
シュルツは日本のプロ野球で中継ぎ投手として大きな成功を収め、そのキャリアの大部分を日本で過ごした。
2.2.1. 広島東洋カープ時代
2008年、シュルツは広島東洋カープに入団した。キャンプ中に右肩痛を訴え、開幕には出遅れたものの、シーズン途中の交流戦から一軍に昇格。コンスタントに150 km/hを超える角度のあるストレートを武器に、抑えの永川勝浩に繋ぐセットアッパーとして活躍した。このシーズンは55試合に登板し、18ホールド、防御率3.23を記録した。
2009年は、球団記録にわずか1試合届かなかったものの、22試合連続無失点を記録した。6月5日の福岡ソフトバンクホークス戦では1球セーブを記録している。シーズン中盤には一時的に調子を落としたが、年間を通じて安定感のある投球で広島の勝利の方程式の一角を担った。最終的にはセントラル・リーグで2位となる73試合に登板し、5勝3敗、リーグ最多の35ホールド、防御率2.28という素晴らしい成績を残した。
2010年は、当初は抑えの役割を担い活躍したが、腰痛のため5月に一時帰国。腰椎椎間板ヘルニアと診断され、6月に手術を受けた。これにより残りのシーズンを棒に振り、0勝1敗7セーブの成績に留まった。
2011年は19試合の登板にとどまり、同年12月2日に自由契約選手として公示された。
広島での背番号は70(2008年 - 2011年)。
2.2.2. オリックス・バファローズ時代
2013年、シュルツはオリックス・バファローズの春季キャンプにテスト生として参加した。チーム内の練習試合2試合に登板し、2イニングを無安打に抑える好投を見せ、2月22日に球団からテスト合格が発表され、正式に入団した。しかし、シーズン中の7月29日に戦力外通告を受け、8月5日に同僚のスティーブ・ハモンドとともに自由契約選手として公示された。オリックスでの出場は1試合に留まった。
オリックスでの背番号は42(2013年)。
2.3. その他のプロ経歴
広島を退団した後の2012年3月2日、シュルツはワシントン・ナショナルズとマイナー契約を結んだ。しかし、同年7月にはナショナルズから放出され、短期間の在籍となった。
3. 投球スタイル
シュルツは身長2 mを超える長身から、ナチュラルに動く最速156 km/hの速球を投げ込んだ。これに縦横のスライダーやチェンジアップなどを交え、多くの奪三振を奪う投球スタイルが特徴であった。走者を背負った場面でも闘争心あふれる投球を見せ、自身を中継ぎ向きの選手だと語っていた。
来日当初の2008年にはクイックモーションに課題があり、走者がいる状況でも脚を高く上げていたため、簡単に盗塁を許すことがあった。しかし、2009年からはモーション自体は大きいものの、摺り足に近いフォームに改良し、走者を簡単にスタートさせないように改善した。
4. 通算成績
4.1. 年度別投手成績
| 年 度 | 登 板 | 先 発 | 完 投 | 完 封 | 無 四 球 | 勝 利 | 敗 戦 | セ 丨 ブ | ホ< 丨 ル ド | 勝 率 | 打 者 | 投 球 回 | 被 安 打 | 被 本 塁 打 | 与 四 球 | 敬 遠 | 与 死 球 | 奪 三 振 | 暴 投 | ボ 丨 ク | 失 点 | 自 責 点 | 防 御 率 | W H I P | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2007 | ARI | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | ---- | 3 | 1.0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0.00 | 1.00 |
| 2008 | 広島 | 55 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 4 | 0 | 18 | .429 | 222 | 53.0 | 47 | 1 | 20 | 2 | 0 | 43 | 2 | 0 | 20 | 19 | 3.23 | 1.26 |
| 2009 | 73 | 0 | 0 | 0 | 0 | 5 | 3 | 1 | 35 | .625 | 298 | 75.0 | 57 | 0 | 22 | 0 | 0 | 72 | 2 | 0 | 19 | 19 | 2.28 | 1.05 | |
| 2010 | 11 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 7 | 1 | .000 | 43 | 10.1 | 10 | 0 | 2 | 0 | 0 | 8 | 1 | 0 | 5 | 4 | 3.48 | 1.16 | |
| 2011 | 19 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 9 | ---- | 82 | 17.0 | 22 | 1 | 11 | 0 | 1 | 7 | 1 | 0 | 7 | 2 | 1.06 | 1.94 | |
| 2013 | オリックス | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | ---- | 3 | 1.0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0.00 | 0.00 |
| MLB:1年 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | ---- | 3 | 1.0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0.00 | 1.00 | |
| NPB:5年 | 159 | 0 | 0 | 0 | 0 | 8 | 8 | 8 | 63 | .500 | 648 | 156.1 | 136 | 2 | 55 | 2 | 1 | 131 | 6 | 0 | 51 | 44 | 2.53 | 1.22 | |
- 各年度の太字はリーグ最高
5. 記録
シュルツが日本プロ野球で達成した主な記録は以下の通りである。
- 初登板:2008年5月21日、対福岡ソフトバンクホークス2回戦(福岡Yahoo!JAPANドーム)、7回裏一死に3番手で救援登板、2/3回無失点
- 初奪三振:2008年5月23日、対オリックス・バファローズ1回戦(京セラドーム大阪)、7回裏に濱中治から空振り三振
- 初勝利:2008年5月25日、対千葉ロッテマリーンズ1回戦(広島市民球場)、8回表に6番手で救援登板、1回無失点
- 初ホールド:2008年5月29日、対埼玉西武ライオンズ2回戦(広島市民球場)、8回表に2番手で救援登板、1回無失点
- 初セーブ:2009年6月5日、対福岡ソフトバンクホークス3回戦(MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島)、7回表二死に4番手で救援登板・完了、1/3回無失点(雨天コールド)
6. 評価
シュルツは、自身が中継ぎ投手として適していると認識しており、その言葉通り、特に日本のプロ野球では中継ぎとして安定した成績を残し、チームの勝利に貢献した。