1. 概要
ケテヴァン・ロサベリゼ(ქეთევან ლოსაბერიძეグルジア語、Кетеван Багратовна Лосаберидзеロシア語)は、ソビエト連邦およびジョージアの著名なアーチェリー選手である。彼女は1980年のモスクワオリンピックで女子個人戦の金メダルを獲得し、アーチェリー競技におけるソビエト連邦初のオリンピック金メダリストとなった。引退後は数学の教授として教鞭を執り、またジョージア・アーチェリー連盟の会長も務めるなど、多方面で活躍した。
2. 生涯
ケテヴァン・ロサベリゼの生涯は、ソビエト連邦時代からジョージア独立後にかけての激動の時代を背景に、スポーツと学術の両分野で顕著な足跡を残した。
2.1. 出生と家族
ケテヴァン・ロサベリゼは、1949年8月1日にソビエト連邦グルジアSSRのトクィブリで生まれた。彼女のフルネームはქეთევან ბაგრატის ასული ლოსაბერიძეグルジア語(ケテヴァン・バグラティス・アスリ・ロサベリゼ)、ロシア語ではКетеван Багратовна Лосаберидзеロシア語(ケテヴァン・バグラートヴナ・ロサベリゼ)である。
3. キャリアと業績
ロサベリゼは、1970年代から1980年代初頭にかけて、世界のアーチェリー界で最も優れた選手の一人として活躍した。彼女はソビエト連邦代表として数々の国際大会に出場し、多くのタイトルを獲得した。

3.1. オリンピック参加
ロサベリゼは、ソビエト連邦代表として2度のオリンピックに出場した。
- 1972年ミュンヘンオリンピックでは、女子個人戦で4位に入賞した。
- 1980年モスクワオリンピックでは、女子個人戦で金メダルを獲得した。この金メダルは、アーチェリー競技においてソビエト連邦が獲得した唯一のオリンピック金メダルであり、彼女をソビエト連邦アーチェリー界の歴史的人物として位置づけた。
3.2. 世界選手権・欧州選手権
彼女はオリンピック以外にも、世界アーチェリー選手権およびヨーロッパアーチェリー選手権で輝かしい成績を収めた。1971年から1981年の間に、世界選手権で2つの金メダル、ヨーロッパ選手権で4つの金メダルを獲得している。
大会 | 年 | 開催地 | 種目 | メダル |
---|---|---|---|---|
世界アーチェリー選手権 | 1973 | グルノーブル | 団体 | 金 |
1981 | プンタ・アラ | 団体 | 金 | |
ヨーロッパアーチェリー選手権 | 1972 | ワルフェルダンジュ | 個人 | 金 |
1972 | ワルフェルダンジュ | 団体 | 金 | |
1978 | ストーンリー | 団体 | 金 | |
1980 | コンピエーニュ | 団体 | 金 |
3.3. 国内大会と受賞歴
ロサベリゼは、国際大会での成功に加え、国内大会でも優れた成績を収めた。彼女は1971年から1981年の間に、ソビエト国内選手権で2つのタイトルを獲得している。また、その功績が認められ、1980年にはジョージアの年間最優秀スポーツ選手に選出された。さらに、20世紀のジョージア人女性スポーツ選手を選ぶ投票では、4位にランクインしている。
4. 引退後の活動
競技生活から引退した後も、ケテヴァン・ロサベリゼは社会貢献を続けた。彼女はトビリシ国立大学で数学の教授として教鞭を執り、学術分野でもその才能を発揮した。また、2002年から2005年までジョージア・アーチェリー連盟の会長を務め、ジョージアのアーチェリー界の発展に尽力した。
5. 死亡
ケテヴァン・ロサベリゼは、2022年1月23日に72歳で死去した。
6. 評価と影響
ケテヴァン・ロサベリゼは、その卓越した競技成績と引退後の多岐にわたる活動を通じて、ソビエト連邦およびジョージアのスポーツ界に大きな影響を与えた。
6.1. 貢献と功績
彼女の最も特筆すべき功績は、1980年のモスクワオリンピックでアーチェリー女子個人戦の金メダルを獲得したことである。これはソビエト連邦にとってアーチェリー競技初の、そして唯一のオリンピック金メダルであり、彼女は国民的英雄として称えられた。彼女の成功は、ソビエト連邦およびジョージアにおけるアーチェリーの人気向上と発展に大きく貢献した。また、引退後に数学教授として教育に携わり、ジョージア・アーチェリー連盟会長として後進の指導や組織運営に尽力したことも、彼女のスポーツ界および社会への多大な貢献として評価されている。
6.2. 批判と論争
ケテヴァン・ロサベリゼの活動や決定に関連する具体的な批判や論争については、提供された情報源からは確認されていない。
7. 関連項目
- アーチェリー
- オリンピックのアーチェリー競技
- ソビエト連邦
- ジョージア (国)
- トビリシ国立大学