1. 幼少期と背景
1.1. 子供時代と教育
スコット・ハミルトンはニュージーランドのクライストチャーチで生まれた。他の多くの同年代の選手とは異なり、ユース世代の代表チームに選出されることはなかった。クライストチャーチ・ボーイズ・ハイスクール在学中も、ファーストXV(トップチーム)には入れず、サードXVでプレーしていた。しかし、その高いスキルセットから、ラグビー解説者の間では将来的にさらに高レベルの栄誉を獲得することは確実視されており、「FABSH」(Future All Black Scott Hamilton、将来のオールブラックス、スコット・ハミルトン)という愛称で呼ばれていた。そのため、オールブラックスへの初選出に時間がかかったことは、多くの人々にとって驚きであった。
2. 選手としての経歴
スコット・ハミルトンはニュージーランドでの初期キャリアを経て、オールブラックスに選出された後、イングランドのプロリーグで長年にわたり活躍した。
2.1. 初期キャリアとオールブラックス選出
国内ではカンタベリーに所属し、スーパーラグビーではクルセイダーズでプレーした。2005年にはニュージーランドのジュニア代表に選ばれ、翌2006年にはオールブラックスに初招集され、アイルランド戦のスコッドに名を連ねた。
オールブラックスのグラハム・ヘンリーヘッドコーチはハミルトンの選出について、「彼はプレーを予測する能力に優れており、バックスリーでの試合感覚が非常に良い。プレーを読むのが得意で、ワークレートも非常に高い。選出に値する選手だ」と評している。
シティブニ・シビバトゥが負傷したため、2006年のミッドイヤーシリーズのアルゼンチン戦では、ベンチから先発メンバーに昇格し、これがオールブラックスでのデビュー戦となった。彼はこの試合の後半に決勝となるトライを決め、自らのデビューを飾った。オールブラックスでのキャップ数は2である。
2.2. イングランドでのプロクラブ経歴
2008年、ハミルトンはイングランドのプロクラブであるレスター・タイガースと契約し、活躍の場を移した。
2.2.1. レスター・タイガース
2008年にレスター・タイガースに加入後、7シーズンで142試合に出場した。特に初期の2シーズンでは、チームのプレミアシップ連覇(2009年、2010年)に貢献した。その後、2013年にもプレミアシップのタイトルを獲得し、合計3度のリーグ優勝を経験した。
2.2.2. コヴェントリーRFC
2015年2月、ハミルトンはコヴェントリーRFCに期限付き移籍し、同年シーズン終了後に完全移籍で契約。2015-16シーズンにはナショナルリーグ1で選手兼コーチとして活動した。
2.2.3. ヒンクリーRFC
2016-17シーズン開幕時にはヒンクリーRFCに選手兼コーチとして加入。ナショナルリーグ2・ノースにチームを留める上で重要な役割を果たした。シーズン最終戦のハロゲート戦では、相手選手2人をかわし、加速してシーズン2度目のトライを挙げた。現在は選手としては半引退状態にあり、ラグビーディレクターとしての役割に専念しているが、2019年9月のルクトニアンズ戦で決勝トライを決めるなど、時折選手としてベンチから登場することもある。
3. プレースタイルと特徴
スコット・ハミルトンは、主にウィングとフルバックの両方をこなすユーティリティプレイヤーである。身長は190 cm。彼のプレーは、グラハム・ヘンリーヘッドコーチが評したように、「プレーを読む能力」「高い予測力」「バックスリーでの優れた試合感覚」「非常に高いワークレート」が特徴である。また、若手時代から「FABSH」(Future All Black Scott Hamilton)という愛称が示すように、将来のオールブラックス入りを期待されるほどの高い潜在能力とスキルセットを持っていた。
4. 選手引退後の活動とその他の活動
ラグビー選手としては半引退状態にあるものの、現在はヒンクリーRFCでラグビーディレクターとしてチームの運営と育成に尽力している。また、ラグビー以外の活動としては、キブワースCCでクリケットをプレーしている。