1. 概要
デイビンソン・ロメロは、ドミニカ共和国出身のプロ野球選手であり、主に三塁手として活躍した。アメリカ合衆国のマイナーリーグで長期間プレーした後、韓国のKBOリーグやメキシコのプロ野球リーグ、北米の独立リーグなど、様々なリーグで経験を積んだ。特に、2015年には斗山ベアーズの一員として韓国シリーズ優勝に貢献し、2019年にはアトランティックリーグのチャンピオンシップシリーズで最優秀選手(MVP)に選出されるなど、国際的な舞台でもその実力を示した。
2. 個人情報
2.1. 生年月日と出身地
デイビンソン・ロメロは1986年9月24日に生まれた。出身地はドミニカ共和国である。
3. プロ野球選手としての経歴
ロメロは、アメリカ合衆国のマイナーリーグを皮切りに、韓国、メキシコ、北米独立リーグと多岐にわたるプロ野球キャリアを築いた。彼の経歴は、各リーグでの所属チームや成績によって特徴づけられる。
3.1. アメリカ合衆国マイナーリーグ
ロメロはプロキャリアの大部分をアメリカ合衆国のマイナーリーグで過ごし、複数の球団に所属した。
3.1.1. ミネソタ・ツインズ
ロメロは2004年7月にミネソタ・ツインズと契約し、プロとしてのキャリアを開始した。2008年7月には脚を骨折する怪我を負ったが、同年11月19日にはツインズの40人枠に登録された。しかし、2009年11月20日に40人枠から外された。2010年シーズンはアドバンストA級のフォートマイヤーズ・ミラクルでプレーし、2011年と2012年のシーズンはAA級のニューブリテン・ロックキャッツで過ごした。2013年と2014年にはスプリングトレーニングに招待されたものの、いずれもメジャーリーグのロースターには入れず、両シーズンをマイナーリーグで終えた。
3.1.2. ピッツバーグ・パイレーツ
2014年12月1日、ロメロはピッツバーグ・パイレーツとマイナー契約を結んだ。彼は当時、有望なマイナーリーグのフリーエージェントとして評価されていた。パイレーツのAAA級チームであるインディアナポリス・インディアンズでは37試合に出場し、打率.301(123打数37安打)、6本塁打、27打点、出塁率.396、長打率.545を記録した。2015年5月、韓国でのプレー機会を求めてパイレーツを退団した。
3.1.3. ニューヨーク・ヤンキース
2016年2月1日、ロメロはニューヨーク・ヤンキースとマイナー契約を締結した。しかし、同年5月29日にヤンキースから放出された。
3.2. 韓国プロ野球
アメリカ合衆国でのマイナーリーグ経験を経て、ロメロは韓国プロ野球リーグでプレーする機会を得た。
3.2.1. 斗山ベアーズ
2015年5月26日、ロメロはKBOリーグの斗山ベアーズと契約し、外国人打者としてザック・ラッツの代替選手としてチームに加わった。同年6月5日にKBOリーグでデビューを果たした。6月7日のキウム・ヒーローズ戦では、韓国プロ野球デビュー後初の2打席連続本塁打を記録し、斗山ベアーズの9対4の勝利に貢献した。
このシーズン、ロメロは76試合に出場し、打率.253、12本塁打、67安打、50打点を記録した。同年、斗山ベアーズは韓国シリーズで優勝を飾ったが、ロメロ自身は後半戦で調子を落とし、韓国シリーズでは無安打に終わり、守備でも失策を記録するなど不振に陥った。このため、シーズン終了後に再契約には至らず、翌シーズンはニック・エバンスが彼の後任として入団した。
3.3. メキシコプロ野球
韓国でのプレー後、ロメロはメキシコのプロ野球リーグに活躍の場を移した。
3.3.1. デルフィネス・デル・カルメン
2016年6月7日、ロメロはメキシカンリーグのデルフィネス・デル・カルメンと契約した。同チームでは13試合に出場し、打率.262、出塁率.360、長打率.476を記録し、2本塁打、7打点を挙げた。
3.3.2. ロホス・デル・アギラ・デ・ベラクルス
2016年6月28日、ロメロはメキシカンリーグのロホス・デル・アギラ・デ・ベラクルスにトレードされた。同チームでは2試合に出場したが、6打数無安打に終わり、同年7月1日に放出された。その後、2017年3月31日に再びロホス・デル・アギラ・デ・ベラクルスに復帰したが、同年7月10日に再度放出された。2017年シーズンは72試合に出場し、打率.269、出塁率.352、長打率.370、6本塁打、36打点、1盗塁を記録した。
3.4. 北米独立リーグ
ロメロは、キャリアの後半に北米の独立リーグでプレーした。
3.4.1. ニューブリテン・ビーズ
2018年3月6日、ロメロはアトランティックリーグのニューブリテン・ビーズと契約した。このシーズン、彼は120試合に出場し、打率.255、出塁率.344、長打率.437を記録し、18本塁打、71打点を挙げた。2019年初めには同チームと再契約し、43試合で打率.266、出塁率.364、長打率.364、3本塁打、12打点を記録した。
3.4.2. ロングアイランド・ダックス
2019年6月25日、ロメロはアトランティックリーグのロングアイランド・ダックスにトレードされた。彼は2019年のALPBチャンピオンシップシリーズで最優秀選手(MVP)に選ばれ、9打点で全選手中トップとなり、15塁打と2本塁打でリーグトップタイの成績を収めた。2020年シーズンもダックスと再契約したが、COVID-19パンデミックによりALPBシーズンが中止されたため、試合に出場することはなかった。
2021年6月29日、ロメロは再びダックスと再契約した。2021年シーズンはダックスで79試合に出場し、打率.252、出塁率.388、長打率.430、10本塁打、47打点を記録した。シーズン終了後、彼はフリーエージェントとなった。2022年3月11日、ロメロは2022年シーズンに向けてダックスと再契約した。
3.4.3. スタテンアイランド・フェリーホークス
2023年3月28日、ロメロはアトランティックリーグのスタテンアイランド・フェリーホークスにトレードされた。スタテンアイランドでは29試合に出場し、打率.191、出塁率.274、長打率.286、1本塁打、12打点を記録した。同年7月18日、彼はチームから放出された。
3.5. 国際大会
ロメロはドミニカ共和国代表として国際大会に出場した経験を持つ。
3.5.1. ドミニカ共和国代表
2019年シーズン開幕前、ロメロは2019年パンアメリカン競技大会予選のドミニカ共和国代表チームに選出された。
4. 受賞歴
デイビンソン・ロメロは、そのキャリアを通じていくつかの重要な受賞歴を持つ。
4.1. ALPBチャンピオンシップシリーズMVP
2019年、ロメロはアトランティックリーグのチャンピオンシップシリーズにおいて最優秀選手(MVP)に選出された。このシリーズでは、9打点で全選手中トップの成績を収め、15塁打と2本塁打でリーグトップタイを記録し、チームの優勝に大きく貢献した。