1. 生涯と学歴
イ・ソンギュ選手は、幼少期にバレーボールを始めた時期が比較的遅かったものの、その才能を開花させ、バレーボール選手としての道を歩んだ。
1.1. 出生と幼少期
イ・ソンギュは1981年3月14日にソウル特別市で生まれた。彼は中学校3年生の時に初めてバレーボールを始めた。他の選手に比べてバレーボールを始めた時期は遅かったが、持ち前の優れたブロック感覚と速攻能力を兼ね備え、その後、国家代表の主戦センターとして活躍する基盤を築いた。
1.2. 学歴
イ・ソンギュは以下の学校を卒業している。
- 大新中学校
- 文一高等学校
- 漢陽大学校
2. 選手経歴
イ・ソンギュは、プロバレーボール選手として、複数の主要クラブチームで活躍し、国家代表としても国際大会で多くの実績を残した。
2.1. クラブ経歴
イ・ソンギュは2003年に天安現代キャピタル・スカイウォーカーズに入団し、プロキャリアをスタートさせた。現代キャピタルでは、チームのVリーグ2連覇に貢献した。
2013年6月7日、大田三星火災ブルーファングスのリベロであるヨ・オヒョンがFA(フリーエージェント)資格で現代キャピタルに移籍した際、イ・ソンギュはその補償選手として三星火災に移籍した。三星火災では、翌年の2014年にチームがVリーグ通算8回目の優勝を果たすのに大きく貢献した。
三星火災で3年間プレーした後、2016年5月19日に議政府KB損害保険スターズにFA選手として移籍し、さらに3年間活動した。この期間中、2016年12月17日にはキャリア通算900ブロックを達成し、Vリーグ史上唯一の900ブロック超え選手となった。また、2017年11月22日にはキャリア通算3,000得点を達成し、Vリーグ史上唯一のミドルブロッカーとして3,000得点超えの記録を打ち立てた。2018年-19シーズンを最後に現役引退を宣言した。
2.2. 国家代表経歴
イ・ソンギュは、1999年に韓国のユース代表チームに選出され、国家代表としてのキャリアを始めた。
- 1999年アジアユースバレーボール選手権ではチームを金メダルに導き、同年開催された1999年バレーボール男子ユース世界選手権への出場権を獲得した。
- 2003年夏季ユニバーシアードでは大学代表チームの一員として金メダルを獲得し、決勝で日本を破った。また、同年天津市で開催された2003年アジア男子バレーボール選手権でも韓国代表として金メダルを獲得した。
- 2004年アテネオリンピック予選に出場した。
- 2005年アジアバレーボール選手権に出場。
- 2006年にはFIVBバレーボール男子世界選手権(日本開催)に出場し、チームは17位となった。また、2006年アジア競技大会でも代表チームの一員として金メダルを獲得した。
- 2006年にFIVBバレーボール・ワールドリーグに初出場して以来、継続的に参加し、2017年には7回目の出場を果たした。
- 2007年ワールドリーグ、アジアバレーボール選手権、ワールドカップに出場。
- 2008年ワールドリーグ、北京オリンピック予選に出場。
- 2009年アジアバレーボール選手権に出場。
- 2010年ワールドリーグに出場。
- 2011年ワールドリーグ、アジアバレーボール選手権に出場。
- 2012年ワールドリーグに出場。
- 2013年ワールドリーグに出場。
3. 記録と受賞
イ・ソンギュは、その選手キャリアを通じて、数々の優れた個人記録とチームとしてのメダルを獲得した。
3.1. Vリーグ記録
イ・ソンギュはVリーグにおいて、ミドルブロッカーとして特に顕著なブロック記録を樹立した。
- 2008年12月17日、仁川市桃源体育館で行われた仁川大韓航空ジャンボスとの試合で、プロ通算350ブロックを達成した。これはVリーグ発足後初の快挙であった。
- その後、2009年2月19日、同じ桃源体育館で行われた大韓航空との1セット15-15の状況でブロックを成功させ、通算400ブロックの記録を樹立した。
- 2016年12月17日にはキャリア通算900ブロックを達成し、Vリーグ史上唯一の900ブロック超え選手となった。
- 2017年11月22日にはキャリア通算3,000得点を達成し、Vリーグ史上唯一のミドルブロッカーとして3,000得点超えの記録を打ち立てた。
3.2. 個人賞
イ・ソンギュが獲得した主要な個人賞は以下の通りである。
- 2005年アジアバレーボール選手権 ブロック賞
- 2005年アジアバレーボール選手権 ベストスパイカー賞
- 2006年 KT&G 2005-2006 Vリーグ ブロック賞
- 2008年 NH農協 2007-2008 Vリーグ ブロック賞
- 2009年 NH農協 2008-2009 Vリーグ ブロック賞
- 2016年 Vリーグ ベストブロッカー賞
3.3. 主要国際大会でのメダル獲得歴
イ・ソンギュは国家代表として以下の国際大会でメダルを獲得している。
- 1999年アジアユースバレーボール選手権(嘉義市) - 金メダル
- 2003年夏季ユニバーシアード(大邱広域市) - 金メダル
- 2003年アジア男子バレーボール選手権(天津市) - 金メダル
- 2005年アジア男子バレーボール選手権(スパンブリー) - 銅メダル
- 2006年ドーハアジア競技大会 - 金メダル
- 2007年アジア男子バレーボール選手権(ジャカルタ) - 銅メダル
- 2008年AVCカップ(ナコンラチャシマ県) - 銀メダル
- 2009年アジア男子バレーボール選手権(マニラ) - 銅メダル
- 2011年アジア男子バレーボール選手権(テヘラン) - 銅メダル
4. 引退後の活動
選手引退後、イ・ソンギュはバレーボール界に留まり、新たな役割で貢献している。
4.1. 解説委員活動
イ・ソンギュは2018年-19シーズンを最後に現役引退を宣言した後、2019年10月22日にSBSスポーツの番組「週刊バレーボール」のパネリストとして活動を開始した。その後、2020年には正式にSBSスポーツのバレーボール解説委員として抜擢され、現在はその役割を務めている。
5. 影響と評価
イ・ソンギュは、韓国バレーボールリーグにおいて、ミドルブロッカーとしては唯一の900ブロックと3,000得点を記録した選手であり、これは彼の攻撃力と守備力の両面における卓越性を示している。彼の精密なブロック感覚と速攻能力は、韓国バレーボールの戦術に深みを与え、リーグ全体のレベル向上に貢献した。
特に、彼のキャリアを通じて見せた一貫した高いパフォーマンスと、主要な国際大会でのメダル獲得への貢献は、韓国男子バレーボールがアジアの強豪としての地位を確立する上で重要な役割を果たした。引退後も解説委員としてバレーボールの普及と発展に尽力しており、選手としてだけでなく、指導者としても韓国バレーボール界に大きな影響を与え続けていると評価されている。