1. 概要

ウルジバヤル・ドゥレンバヤル(Өлзийбаярын Дүүрэнбаярモンゴル語、1994年1月31日 - )は、モンゴルの柔道選手である。階級は+100kg級。世界ジュニア選手権で優勝し、世界選手権やアジア競技大会でもメダルを獲得するなど、国際舞台で活躍してきた。
2. 幼少期とジュニア時代
ウルジバヤル・ドゥレンバヤルは、幼少期から柔道の道を歩み始め、ジュニア時代には国際大会で顕著な成績を収めた。
2.1. 生い立ちと背景
ウルジバヤル・ドゥレンバヤルは、1994年1月31日にモンゴルの首都ウランバートルで生まれた。身長は184 cm、体重は135 kgで、柔道競技では+100kg級の選手として活動している。現在はモンゴル軍のクラブに所属している。
2.2. ジュニア時代の主な実績
ドゥレンバヤルはジュニア時代からその才能を開花させ、数々の国際大会でメダルを獲得した。
- 2010年アジアジュニア柔道選手権大会(バンコク): +100 kg級で優勝を果たした。同年開催された世界ジュニア柔道選手権大会では7位入賞の成績を残した。
- 2012年アジアジュニア柔道選手権大会(台北): 2度目の優勝を飾った。
- 2013年アジアジュニア柔道選手権大会(海南): 3年連続でアジアジュニア選手権を制覇した。しかし、同年開催された世界ジュニア柔道選手権大会(リュブリャナ)では決勝に進出するも敗れ、銀メダルを獲得した。
- 2014年世界ジュニア柔道選手権大会(フォートローダーデール): 金メダルを獲得し、ジュニア時代の集大成として世界チャンピオンの座に輝いた。
- 2014年アジアジュニア柔道選手権大会(香港): 銅メダルを獲得した。
3. シニアキャリアのハイライト
シニア選手に転向してからも、ウルジバヤル・ドゥレンバヤルは国際舞台で安定した活躍を見せ、特にアジア大会や世界選手権で主要な成果を上げた。
3.1. シニア初期の主要大会
シニアデビュー後、ドゥレンバヤルはグランプリ大会などで経験を積み、その実力を国際的に示し始めた。
- 2013年グランプリ・ウランバートル(ウランバートル): +100 kg級で銅メダルを獲得した。
- 2014年グランプリ・青島(青島): 決勝で日本の原沢久喜に内股で敗れ、銀メダルとなった。
- 2015年グランプリ・ウランバートル(ウランバートル): 銅メダルを獲得した。
- 2016年グランプリ・ウランバートル(ウランバートル): 銀メダル。
- 2016年グランプリ・青島(青島): 銅メダル。
- 2016年世界軍人選手権大会(スイス): 金メダルを獲得した。しかし、この年開催されたリオデジャネイロオリンピックには、国内にベテランのナイダン・ツブシンバヤルがいたため出場できなかった。
- 2017年にはキャリア最高となるIJF世界ランキング2位を記録した。
- 2017年ワールドマスターズでは7位に入賞した。
3.2. 主要国際選手権
ドゥレンバヤルは世界選手権やアジア大会といった主要な国際大会で、特に記憶に残る活躍を見せた。
- 2014年アジア競技大会(仁川): +100 kg級の決勝で日本の王子谷剛志に有効で敗れ、銀メダルを獲得した。
- 2017年アジア柔道選手権大会(香港): +100 kg級で銅メダルを獲得した。
- 2017年グランプリ・フフホト(フフホト): 銀メダル。
- 2017年グランドスラム・パリ(パリ): +100 kg級で銅メダルを獲得した。
- 2018年グランプリ・フフホト(フフホト): 決勝でナイダン・ツブシンバヤルに敗れ、銀メダルとなった。
- 2018年アジア競技大会(ジャカルタ): +100 kg級の決勝で韓国の金成民に技ありで敗れ、2大会連続の銀メダルとなった。
- 2018年世界柔道選手権大会(バクー): +100 kg級で銅メダルを獲得した。この大会ではモンゴルのバトトルガ大統領も観戦する中で奮闘し、準々決勝でリオデジャネイロオリンピック銀メダリストの原沢久喜を背負投で破るも、準決勝でグルジア(現ジョージア)のグラム・ツシシビリに敗れた。しかし、3位決定戦ではリオデジャネイロオリンピック100㎏級金メダリストであるチェコのルカシュ・クルパレクを技ありで破り、見事メダルを獲得した。
- 2019年グランドスラム・デュッセルドルフ(デュッセルドルフ): +100 kg級で銅メダルを獲得した。
- 2019年アジアパシフィック柔道選手権大会(フーコック): 団体戦で銅メダルを獲得した。
3.3. オリンピック出場
ドゥレンバヤルは2020年東京オリンピックにモンゴル代表として出場し、旗手も務めた。
- 2020年東京オリンピック(2021年開催): 個人戦の+100 kg級では32強で敗退した。また、混合団体戦にも出場し、モンゴルチームは7位入賞を果たした。この大会では、オノルバータル・フランと共にモンゴル選手団の旗手も務めた。
4. 主な戦績とメダル獲得記録
ウルジバヤル・ドゥレンバヤルの主な戦績とメダル獲得記録を以下に示す。
年 | 大会名 | 階級 | 成績 |
---|---|---|---|
2010 | アジアジュニア | +100 kg | 優勝 |
2010 | 世界ジュニア | +100 kg | 7位 |
2012 | アジアジュニア | +100 kg | 優勝 |
2013 | グランプリ・ウランバートル | +100 kg | 3位 |
2013 | 世界ジュニア | +100 kg | 2位 |
2013 | アジアジュニア | +100 kg | 優勝 |
2014 | アジア大会 | +100 kg | 2位 |
2014 | 世界ジュニア | +100 kg | 優勝 |
2014 | グランプリ・青島 | +100 kg | 2位 |
2015 | グランプリ・ウランバートル | +100 kg | 3位 |
2016 | グランプリ・ウランバートル | +100 kg | 2位 |
2016 | グランプリ・青島 | +100 kg | 3位 |
2016 | 世界軍人選手権大会 | +100 kg | 優勝 |
2017 | グランドスラム・パリ | +100 kg | 3位 |
2017 | アジア選手権 | +100 kg | 3位 |
2017 | グランプリ・フフホト | +100 kg | 2位 |
2017 | ワールドマスターズ | +100 kg | 7位 |
2018 | グランプリ・フフホト | +100 kg | 2位 |
2018 | アジア大会 | +100 kg | 2位 |
2018 | 世界選手権 | +100 kg | 3位 |
2019 | グランドスラム・デュッセルドルフ | +100 kg | 3位 |
2019 | アジアパシフィック柔道選手権 | 団体戦 | 3位 |
2021 | 東京オリンピック混合団体 | 混合 | 7位 |