1. 概要
オレグ・ゾテエフは、ウズベキスタンのオマリクで生まれ、2008年にパフタコール・タシュケントFKでプロキャリアをスタートさせたミッドフィールダーである。彼は、FCブニョドコルやPFCロコモティフ・タシュケントといった国内の強豪クラブで数々のタイトルを獲得し、特にロコモティフではウズベキスタン・スーパーリーグ3連覇に貢献した。
2020年には韓国の全南ドラゴンズに移籍し、Kリーグ2でのプレーを経験。2021年には同クラブで韓国FAカップ優勝の立役者となり、その年のリーグベストイレブンにも複数回選出されるなど、海外でもその能力を発揮した。代表チームでは、ウズベキスタンU-23サッカー代表としてオリンピック予選に出場したほか、A代表としても2014 FIFAワールドカップ・アジア予選やAFCアジアカップ2019などの主要国際大会で活躍している。
2. 生涯と初期キャリア
オレグ・ゾテエフは、プロサッカー選手としてのキャリアをウズベキスタン国内で築き上げた。
2.1. 出生と背景
オレグ・ゾテエフは、1989年7月5日にウズベク・ソビエト社会主義共和国のオマリクで生まれた。
2.2. ウズベキスタンでの初期クラブキャリア
2008年、ゾテエフはパフタコール・タシュケントFKでプロデビューを果たした。その後、2010シーズンに故郷のクラブであるFC AGMKへ移籍し、2012シーズンまで3シーズンにわたりAGMKの主力ミッドフィールダーとして活躍した。
2013シーズンからは、自国リーグの強豪クラブであるFCブニョドコルに2シーズン所属した。ブニョドコルでは、2013シーズンにウズベキスタン・スーパーリーグとウズベキスタン・カップの2冠(ダブル)を達成し、2014年にはウズベキスタン・スーパーカップで優勝に貢献した。また、2014シーズンにはウズベキスタン・カップで準優勝を経験している。
3. クラブキャリアのハイライト
ゾテエフは、そのキャリアを通じて複数のクラブで顕著な成功を収めてきた。
3.1. ロコモティフ・タシュケント
2015年1月6日、ゾテエフはPFCロコモティフ・タシュケントへの移籍を発表した。彼は2015シーズンから2020シーズン途中まで、同クラブの主力ミッドフィールダーとして活躍し、数々のタイトル獲得に貢献した。
ロコモティフでは、2015年3月8日のパフタコール戦で、自身のキャリアで2度目となるウズベキスタン・スーパーカップのタイトルを獲得した。このクラブでの在籍期間中、彼はウズベキスタン・スーパーリーグで3度の優勝(2016年、2017年、2018年)と2度の準優勝(2015年、2019年)を経験した。さらに、ウズベキスタン・カップでは2度の優勝(2016年、2017年)を果たし、2015年にはベスト4に進出した。国際舞台では、AFCチャンピオンズリーグ2016でチームの準々決勝進出に貢献。また、2019年にはウズベキスタン・スーパーカップでも優勝している。
3.2. 全南ドラゴンズ (韓国)
2020シーズン途中、ゾテエフはサイド攻撃の強化を目指していたKリーグ2の全南ドラゴンズの補強リストに名を連ねた。2週間の自主隔離期間を経て6月10日に仁川国際空港に入国し、6月27日には全南ドラゴンズへの移籍が確定。これにより、彼はプロデビュー以来初めて海外リーグでのプレーを経験することとなった。
移籍翌日の6月28日、光陽サッカー専用球場で行われたKリーグ2 2020第8節の水原FC戦で先発出場し、Kリーグデビューを果たした。この試合では、持ち前のオーバーラップとクロスでフル出場し、チームの攻撃を活性化した。続く第9節の安山グリナースFC戦では、ユリアン・クリストファーセンの得点をアシストし、Kリーグでの初アシストを記録。チームの4-0の大勝に貢献した。
しかし、慶南FCとの第12節で負傷し、約3か月間、13試合を欠場することになった。大田ハナシチズンとの第25節で復帰を果たし、後半にキム・ハンギルと交代するまで好プレーを見せた。復帰後も残りの3試合に全て出場したが、チームはリーグ6位に終わり、ポストシーズン進出は叶わなかった。2020シーズンは8試合出場1アシストという記録に留まったものの、シーズン中盤の負傷離脱を考慮すれば、その活躍は高く評価され、彼はKリーグ2の外国人選手として唯一、2021シーズンも全南に残留することとなった。
2021シーズン、彼は開幕戦の忠南牙山FC戦で後半15分までプレー。続く慶南FCとの第2節ではKリーグでの記念すべき初ゴールを挙げ、チームを1-0の勝利に導いた。このシーズンはリーグ戦で1ゴール1アシストを記録し、チームのKリーグ2 2021準プレーオフ進出に貢献した。その活躍が評価され、リーグベストイレブンには実に4度も選出される栄誉に浴した。
2021年韓国FAカップでは、大邱FCとの決勝第2戦で後半9分に華麗なボレーシュートでチームの3点目を決め、全南ドラゴンズを14年ぶり、通算4度目のFAカップ優勝へと導いた。2021シーズン、彼は公式戦29試合に出場し、2ゴール1アシストの記録を残した。翌2022年1月4日、契約満了により全南を退団した。
3.3. ウズベキスタン復帰後のキャリア
全南ドラゴンズでの韓国FAカップ優勝を経験した後、オレグ・ゾテエフは2022シーズンにキジルクム・ザラフシャンに加入し、約2年ぶりに自国リーグに復帰した。キジルクムでは2シーズンにわたってプレーし、19年ぶりのリーグ5位という成績に貢献した。2023シーズン終了後、キジルクムがウズベキスタン・プロリーグへ降格したことに伴い、彼はFCソグディアナ・ジザフへ移籍した。
4. 代表キャリア
ゾテエフは、ウズベキスタンの各年代別代表およびA代表で国際舞台を経験している。
4.1. 各年代別代表
ウズベキスタンU-23サッカー代表に選出され、2012年ロンドンオリンピックのサッカー競技・男子アジア予選に出場した。この予選では、4試合に出場し、1ゴールを記録し、チームをプレーオフ進出に導いた。複数の情報源によると、この大会で合計2ゴールを挙げたともされている。
4.2. A代表
2012年1月17日、クウェートとの親善試合でウズベキスタンA代表として国際Aマッチデビューを果たした。2013年6月18日、ホームで行われたカタールとの2014 FIFAワールドカップ・アジア4次予選A組最終戦で、A代表初ゴールを記録。このゴールは、チームの8年ぶりとなるワールドカップ・アジア予選プレーオフ進出に貢献した。
AFCアジアカップ2019本大会では、チームが戦った4試合中3試合に先発出場し、ウズベキスタン代表の5大会連続となるアジアカップトーナメント進出を牽引した。しかし、オーストラリアとのラウンド16ではPK戦の末2-4で敗れ、5大会連続となるアジアカップ準々決勝進出は果たせなかった。
その後、2022 FIFAワールドカップ・アジア2次予選D組の4試合に出場したが、チームはサウジアラビアに次ぐ組2位に留まった。各組2位チームの中で7位に終わったため、タジキスタンやクウェートと共にAFCアジアカップ2023・3次予選に回ることになった。

5. キャリア統計
以下の表は、オレグ・ゾテエフの国際Aマッチにおける得点記録である。クラブでの詳細なキャリア統計は、本記事の参照元からは提供されていない。
No. | 日付 | 会場 | 対戦相手 | スコア | 結果 | 大会 |
---|---|---|---|---|---|---|
1. | 2013年6月18日 | ブニョドコル・スタジアム、タシュケント、ウズベキスタン | カタール | 2-1 | 5-1 | 2014 FIFAワールドカップ・アジア予選 |
6. 獲得タイトル
オレグ・ゾテエフがキャリアを通じて獲得した主要なタイトルは以下の通りである。
クラブ
; FCブニョドコル
- ウズベキスタン・スーパーリーグ: 2013
- ウズベキスタン・カップ: 2013
- ウズベキスタン・スーパーカップ: 2013
- ウズベキスタン・カップ 準優勝: 2014
; PFCロコモティフ・タシュケント
- ウズベキスタン・スーパーリーグ: 2016, 2017, 2018
- ウズベキスタン・スーパーリーグ 準優勝: 2015, 2019
- ウズベキスタン・カップ: 2016, 2017
- ウズベキスタン・カップ ベスト4: 2015
- ウズベキスタン・スーパーカップ: 2014, 2019
; 全南ドラゴンズ
- Kリーグ2 4位: 2021
- 韓国FAカップ: 2021
個人
- Kリーグ2 ベストイレブン: 2021 (4度選出)