1. 生涯と背景
カイル・ジャレッド・マーティンは1991年1月18日にアメリカ合衆国テキサス州で生まれました。身長は1.8 m (6 ft)0.2 m (7 in)、体重は104 kg (230 lb)で、右投げ右打ちの選手です。
彼の愛称は、アメリカ合衆国のスーパーマーケットチェーン「Kマート」と自身の名前の綴りを掛け合わせた「K・マート」として知られています。
2. 経歴
マーティンはプロ野球選手として、MLBのボストン・レッドソックス、日本プロ野球の埼玉西武ライオンズ、そしてアメリカの独立リーグでキャリアを築きました。
2.1. ボストン・レッドソックス時代
マーティンは、テキサスA&M大学に在学中、これまでに2009年にワシントン・ナショナルズ、2012年にシカゴ・ホワイトソックスからドラフト指名を受けましたが、いずれも契約を辞退しました。その後、2013年のMLBドラフトでボストン・レッドソックスから9巡目(全体263位)で指名を受け、契約に至りました。彼は2013年のレッドソックスのドラフト組で、ダブルAレベルに到達した最初の投手となりました。
プロ入り後の2シーズン(2013年と2014年)で、3つのマイナーリーグチームに所属し、合計54試合のリリーフ登板で8勝7敗、防御率3.16、13セーブを記録しました。また、116と2/3イニングで112奪三振、26与四球を記録しています。2015年にはシーズン中盤に怪我に苦しみ、2ヶ月間故障者リスト入りしましたが、年末には回復し、アリゾナ・フォールリーグに派遣されました。ここでは、彼の速球が最大154 km/h (96 mph)を計測し、その活躍が評価され、2016年にはトリプルAのポータケット・レッドソックスへ昇格しました。
2016年シーズンはトリプルAで36試合に登板し、3勝4敗、6セーブ、防御率3.38を記録しました。66と2/3イニングで78奪三振、21与四球を記録し、奪三振/与四球比率は3.71でした。また、WHIPは1.19を記録し、インターナショナルリーグの救援投手の中で、9イニングあたりの奪三振率10.53は2位の成績でした。このシーズン後、マーティンはMLB.comによりレッドソックスのプロスペクトランキングで22位に評価され、チームは彼を40人枠に加えました。
2017年7月20日、マーティンはMLBに昇格しメジャーデビューを果たしました。しかし、2試合の登板にとどまり、同年9月5日にDFAとなり40人枠から外されました。2018年7月25日、日本でのプレー機会を求めて、レッドソックスを退団しました。
2.2. 埼玉西武ライオンズ時代
2018年7月26日、マーティンは日本プロ野球の埼玉西武ライオンズと契約したことが発表されました。背番号は42。同年8月11日、対東北楽天ゴールデンイーグルス戦でNPB初登板を果たしました。その後はリリーフ陣の一角として22試合に登板し、2勝1セーブ10ホールドを挙げ、チームのリーグ優勝に貢献しました。
2019年シーズンは41試合に登板しましたが、5敗を喫し、防御率も3.67と悪化しました。同年10月30日に自由契約が発表され、11月5日に正式に自由契約選手となりました。
2.3. 独立リーグ時代
2020年3月5日、マーティンは北米の独立リーグであるアトランティックリーグのシュガーランド・スキーターズと契約を結びました。しかし、3試合2.2イニングのリリーフ登板で防御率16.88と苦戦し、シーズン終了後にチームを退団しました。
3. プレースタイル
マーティンの投球は、最速158 km/hの速球を軸としていました。速球はコントロールが良く、腕の振りも効果的でした。速球に加えて、134 km/h (83 mph)から138 km/h (86 mph)のスライダーと、127 km/h (79 mph)から132 km/h (82 mph)のチェンジアップを投げていました。特にチェンジアップは、どんなカウントからでも自信を持って投げられる球種でした。彼は多彩な変化球を投げる投手として知られていました。
4. 詳細情報
4.1. 年度別投手成績
年 度 | 登 板 | 先 発 | 完 投 | 完 封 | 無 四 球 | 勝 利 | 敗 戦 | セ 丨 ブ | ホ 丨 ル ド | 勝 率 | 打 者 | 投 球 回 | 被 安 打 | 被 本 塁 打 | 与 四 球 | 敬 遠 | 与 死 球 | 奪 三 振 | 暴 投 | ボ 丨 ク | 失 点 | 自 責 点 | 防 御 率 | W H I P | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2017 | BOS | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | .--- | 11 | 2.1 | 2 | 1 | 2 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 | 1 | 3.86 | 1.71 |
2018 | 西武 | 22 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 1 | 1 | 10 | .667 | 88 | 21.2 | 15 | 2 | 12 | 0 | 2 | 26 | 0 | 0 | 5 | 5 | 2.08 | 1.25 |
2019 | 41 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 5 | 1 | 10 | .286 | 199 | 41.2 | 40 | 2 | 28 | 1 | 8 | 36 | 4 | 0 | 25 | 17 | 3.67 | 1.63 | |
MLB:1年 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | .--- | 11 | 2.1 | 2 | 1 | 2 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 | 1 | 3.86 | 1.71 | |
NPB:2年 | 63 | 0 | 0 | 0 | 0 | 4 | 6 | 2 | 20 | .400 | 287 | 63.1 | 55 | 4 | 40 | 1 | 10 | 62 | 4 | 0 | 30 | 22 | 3.13 | 1.50 |
4.2. 記録
4.2.1. NPBにおける初記録
- 初登板:2018年8月11日、対東北楽天ゴールデンイーグルス19回戦(楽天生命パーク宮城)、9回裏に3番手で救援登板・完了、1回無失点
- 初奪三振:同上、9回裏に枡田慎太郎から空振り三振
- 初ホールド:2018年8月12日、対東北楽天ゴールデンイーグルス20回戦(楽天生命パーク宮城)、11回裏に5番手で救援登板、1回1/3を無失点
- 初勝利:2018年8月14日、対オリックス・バファローズ18回戦(メットライフドーム)、10回表に3番手で救援登板・完了、1回無失点
- 初セーブ:2018年10月2日、対北海道日本ハムファイターズ24回戦(札幌ドーム)、9回裏に4番手で救援登板・完了、1回無失点
4.3. 背番号
- 42(2018年 - 2019年)
4.4. 登場曲
- 「Whole Lotta Love」レッド・ツェッペリン(2018年 - 2019年)