1. 概要
コスタス・メンドリノスは、ギリシャのプロサッカー選手として長年にわたり活躍したミッドフィールダーです。特にオリンピアコスFCのユースで育成され、トップチームでプロデビューを果たした後、ギリシャ国内の多くのクラブを渡り歩き、ギリシャ・スーパーリーグやギリシャ・カップなど複数のタイトル獲得に貢献しました。彼のキャリアは、UEFAチャンピオンズリーグやUEFAヨーロッパリーグといった欧州カップ戦への出場、さらにはサッカーギリシャU-21代表での経験も含まれますが、一方で所属クラブでの八百長疑惑に巻き込まれるなど、論争の対象となった時期もありました。
2. 生涯と初期キャリア
コスタス・メンドリノスは、ギリシャの首都アテネで生まれ育ち、サッカー選手としての基礎を築きました。
2.1. 出生と育ち
メンドリノスは1985年5月28日にギリシャのアテネで生まれました。本名はコンスタンティノス・メンドリノス(Κωνσταντίνος Μενδρινόςコンスタンティノス・メンドリノスell)です。
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2.2. ユース時代と育成
彼はオリンピアコスFCのユースチームでサッカーのトレーニングを開始しました。トップチームに昇格する2002年まで、オリンピアコスで選手としての基礎技術と戦術を学び、将来のプロキャリアに向けた育成を受けました。
2.3. 初期プロフェッショナル活動
オリンピアコスFCのトップチームに昇格した2002年以降、メンドリノスはすぐにプロとしての経験を積むため、複数のクラブへのレンタル移籍を経験しました。2002年から2003年にはアトロミトスFCにレンタル移籍し、7試合に出場して1得点を記録しました。続く2003年から2004年にはイオニコスFCにレンタルされ、10試合に出場しました。2005年から2006年にも再びイオニコスFCへレンタル移籍し、7試合に出場しました。これらの初期のプロ活動を通じて、彼は貴重な実戦経験を積み、選手として成長を続けました。
3. プロキャリア
コスタス・メンドリノスは、オリンピアコスFCでのデビュー以降、ギリシャ国内の様々なクラブでプレーし、そのキャリアは多くの移籍と経験に彩られました。
3.1. オリンピアコスFC
メンドリノスは、自身が育成されたオリンピアコスFCで2002年にトップチームに昇格し、プロとしてのキャリアを開始しました。オリンピアコスでの在籍期間は2002年から2009年までで、この間にギリシャ・スーパーリーグで合計52試合に出場し、4得点を挙げました。しかし、2009年4月27日、クラブとの契約更新に関する意見の相違により、彼はオリンピアコスを退団することになりました。
3.2. PASヤニナFC
オリンピアコスFCを退団した後、メンドリノスは2009年5月27日にPASヤニナFCに加入しました。PASヤニナFCでは2009年から2010年のシーズンに24試合に出場し、1得点を記録しました。しかし、チームがフットボールリーグ(ギリシャの2部リーグ)への降格が決定した直後の2010年5月には、チームを退団することになりました。
3.3. アリス・テッサロニキFC
2010年6月15日、メンドリノスはアリス・テッサロニキに加入しました。アリスでは2010年から2011年のシーズンに20試合に出場しましたが、得点はありませんでした。しかし、在籍中の2011年6月、UEFAヨーロッパリーグのマンチェスター・シティFC戦での八百長に関与しようとしたとの報道を受け、翌月にはアリス・テッサロニキから解雇されるという事態に至りました。この疑惑は彼のキャリアにおいて大きな論争点となりました。
3.4. パナハイキGE
アリス・テッサロニキを退団した後、メンドリノスは2011年9月にパナハイキGEに加入しました。パナハイキでは2011年から2012年のシーズンに10試合に出場し、1得点を挙げました。
3.5. パニオニオスFC
パナハイキGEでの短い期間の後、メンドリノスは2012年1月16日にギリシャ・スーパーリーグに所属するパニオニオスFCに移籍しました。パニオニオスには2011年から2014年まで在籍し、リーグ戦で合計48試合に出場し、1得点を記録しました。
3.6. FCプラタニアス
2013年末、メンドリノスはFCプラタニアスと1年半の契約を結びました。その後、2015年5月27日には、2017年夏までの契約更新を発表し、このクラブで安定した期間を過ごしました。FCプラタニアスでは2014年から2017年の間、合計83試合に出場し、4得点を挙げました。
3.7. アポロン・スミルニFC
FCプラタニアスとの契約満了後、メンドリノスは2017年5月23日にアポロン・スミルニFCにフリー移籍で加入することが発表されました。アポロン・スミルニでは2017年から2018年のシーズンに21試合に出場しましたが、得点はありませんでした。
3.8. イラクリスFC
2018年8月7日、メンドリノスはイラクリスFCと2年契約を結びました。イラクリスでは8試合に出場しましたが、得点はありませんでした。
3.9. 後期のクラブキャリア
イラクリスFCを退団した後も、メンドリノスはキャリアを続けました。2019年から2020年にはパナルギアコスFCに、2020年から2021年にはヴィザスFCに、そして2021年から2023年にはケラツィニFCにそれぞれ在籍しました。これらのクラブでの具体的な出場記録は不明ですが、キャリアの後半も様々なクラブで活動を続けました。
3.10. 欧州カップ戦
メンドリノスは、キャリアを通じてUEFAチャンピオンズリーグとUEFAヨーロッパリーグという欧州主要カップ戦での出場経験も持っています。2013年末までに、オリンピアコスFCとアリス・テッサロニキで合わせて11試合の欧州カップ戦に出場しました。
3.11. 代表キャリア
メンドリノスは、ギリシャの世代別代表チームでもプレーしました。2004年から2006年にかけて、ギリシャU-21代表に選出され、3試合に出場しました。
4. 選手としての特徴とポジション
コスタス・メンドリノスは、主にミッドフィールダーとしてプレーしました。身長は179 cm、体重は74 kgで、利き足は右足としていました。攻撃的ミッドフィールダー(OMF)としての役割も担うことができ、そのプレースタイルは中盤でのボール供給や攻撃の組み立てに貢献するものでした。
5. タイトル
コスタス・メンドリノスは、そのキャリアにおいて複数のクラブタイトルを獲得しています。
5.1. クラブタイトル
- ギリシャ・スーパーリーグ:
- 2006-07(オリンピアコスFC)
- 2007-08(オリンピアコスFC)
- 2008-09(オリンピアコスFC)
- キペロ・エラーダス(ギリシャ・カップ):
- 2007-08(オリンピアコスFC)
- 2008-09(オリンピアコスFC)
- ギリシャ・スーパーカップ:
- 2007(オリンピアコスFC)
6. 論争
コスタス・メンドリノスのキャリアにおいて、2011年に所属していたアリス・テッサロニキでの八百長疑惑は、彼の選手としての評価に影響を与えた主要な論争点です。報道によると、彼はUEFAヨーロッパリーグのマンチェスター・シティFC戦の試合開始時間操作に関与しようとしたとされ、この疑惑が浮上したことで、2011年6月にはアリス・テッサロニキを解雇される事態となりました。
7. 評価と影響力
コスタス・メンドリノスのサッカー選手としてのキャリアは、オリンピアコスFCでの数々のタイトル獲得から始まり、ギリシャ国内の多くのクラブでの経験を通じて、一貫して中盤の選手としてチームに貢献してきました。若くしてプロデビューし、ギリシャのトップリーグで長期間にわたり活躍したことは、彼の能力とプロ意識の証と言えます。一方で、八百長疑惑に巻き込まれたことは、彼のキャリアに影を落とす出来事でもありました。しかし、彼はその後も複数のクラブでプレーを続け、サッカーへの情熱を示しました。彼のプレースタイルは、特に攻撃的ミッドフィールダーとしての役割で、各チームの戦術に柔軟に対応し、中盤の要として機能しました。
8. 外部リンク
- [https://int.soccerway.com/players/kostas-mendrinos/19122/ コスタス・メンドリノス - Soccerway]
- [http://www.transfermarkt.com/konstantinos-mendrinos/profil/spieler/9707 Konstantinos Mendrinos - player profile - Transfermarkt]