1. 幼少期と背景
サンディ・デビッド・レオン・ロペスは1989年3月13日にベネズエラのスリア州マラカイボで生まれた。彼の家族背景、特に妻がコロンビア出身であることは、後の国際的なキャリアにも影響を与えた。
2. プロ経歴
レオンのプロ野球選手としてのキャリアは、2007年にワシントン・ナショナルズと契約して始まった。その後、いくつかのマイナーリーグ球団を経てメジャーリーグに昇格し、複数のチームで捕手としての役割を担い、時には投手としても登板した。
2.1. マイナーリーグ時代
2007年1月17日にワシントン・ナショナルズとアマチュアフリーエージェントで契約を結び、プロ入りを果たした。同年中にルーキー級のガルフ・コースト・ナショナルズでプロデビューした。
その後2年間をガルフ・コーストリーグで過ごし、2009年シーズンはニューヨーク・ペンリーグのバーモント・レイクモンスターズとサウス・アトランティックリーグのヘイガーズタウン・サンズでプレーした。2010年もヘイガーズタウン・サンズでプレーした後、2011年にはポトマック・ナショナルズに昇格した。2012年にメジャー初昇格を果たすまでには、オーバーン・ダブルデイズ、ハリスバーグ・セネターズ、シラキュース・チーフスでもプレーした。
2.2. メジャーリーグ時代
レオンは2012年にメジャーリーグデビューを果たして以降、多くの球団で経験を積んだ。
2.2.1. ワシントン・ナショナルズ時代
2012年5月13日にメジャー初昇格を果たし、翌5月14日のサンディエゴ・パドレス戦で「8番・捕手」として先発出場し、メジャーデビューした。しかし、4回表の守備中にランナーのチェイス・ヘッドリーと本塁上で交錯し、右足首を捻挫して途中交代した。この年は12試合に出場した。2013年は2試合、2014年は20試合に出場した。

2.2.2. ボストン・レッドソックス時代
2015年3月30日に金銭トレードでボストン・レッドソックスへ移籍した。7月21日に戦力外通告を受け、7月30日に傘下のAAA級ポータケット・レッドソックスへ降格した。9月1日にロースター拡大に伴い再昇格した。このシーズンは41試合に出場し、打率.184、3打点という成績だった。守備では守備率.997、盗塁阻止率50%(10盗塁許容 - 10盗塁刺)を記録した。また、1試合だけ三塁手として守った。11月6日に40人枠から外れ、AAA級ポータケットに降格した。
2016年は、スプリングトレーニングに参加したが、3月28日にAAA級ポータケットに送られた。6月5日、ブレイク・スワイハートとライアン・ハニガン両捕手の15日間の故障者リスト入りに伴い、メジャー契約を結んでアクティブ・ロースター入りした。最終的に78試合で打率.310、7本塁打、35打点という自己最高の打撃成績を残した。守備では74試合で1失策、守備率.998、盗塁阻止率41%を記録し、高い貢献度を見せた。

2017年はレッドソックスで85試合に出場し、打率.225、7本塁打、39打点を記録した。
2018年はクリスチャン・バスケスと共に控え捕手として起用された。レギュラーシーズンでは自己最多の89試合に出場し、打率.177、5本塁打、22打点、そして自身初の盗塁を記録した。守備面では、DRS+12(同年のMLB捕手で2位タイ)、捕手防御率3.28(同年600イニング以上を守ったMLB捕手で1位)という傑出した成績を残し、打撃の課題を補って余りある活躍を見せた。チームは108勝54敗という好成績でシーズンを終え、ロサンゼルス・ドジャースを破り2018年のワールドシリーズで優勝を果たした。レオン自身もワールドシリーズで6打数3安打を記録した。
2019年3月24日にウェイバーにかけられ、3月26日に40人枠外となりマイナー契約でAAA級ポータケットへ配属されたが、この処遇を受け入れフリーエージェントとはならず、2019年のサラリーは、契約金額247.50 万 USDがCBTの計算対象となった。4月16日にブレイク・スワイハートが戦力外通告されたため、メジャー契約を結んでアクティブ・ロースターに再登録された。5月17日には娘の誕生に伴い父子リスト入りしたが、5月20日にアクティブ・ロースターに復帰した。2019年シーズンは65試合に出場し、打率.192、5本塁打、19打点という成績だった。
2.2.3. クリーブランド・インディアンス時代
2019年12月2日にアデニス・バティスタとのトレードで、クリーブランド・インディアンスへ移籍した。2020年は25試合に出場し、打率.136、2本塁打、4打点を記録した。同年オフの10月28日にFAとなった。
2.2.4. マイアミ・マーリンズ時代
2021年1月3日にマイアミ・マーリンズとマイナー契約を結び、スプリングトレーニングに招待選手として参加した。4月21日にホルヘ・アルファロの負傷に伴い、メジャー契約を結んでアクティブ・ロースター入りした。2021年は84試合に出場し、打率.183、4本塁打、14打点という成績だった。同年オフの11月3日にFAとなった。
2.2.5. シンシナティ・レッズ傘下時代
2021年11月22日にクリーブランド・ガーディアンズとマイナー契約を結んだが、2022年3月31日に開幕ロースター入りしないことが判明したため、自ら選択して契約を途中で放棄する「オプトアウト」を行使した。その後、4月15日にシンシナティ・レッズとマイナー契約を結び、傘下のAAA級ルイビル・バッツでプレーした。
2.2.6. クリーブランド・ガーディアンズ時代
2022年6月28日、捕手不足に陥っていたクリーブランド・ガーディアンズがレッズからレオンを金銭とのトレードで獲得し、即日でメジャー契約を結んでアクティブ・ロースター入りさせた。その日のうちにミネソタ・ツインズとのダブルヘッダーに出場した。しかし、7月8日に再び戦力外通告を受け、7月10日にウェイバーを通過した後、マイナー契約でAAA級コロンバス・クリッパーズへ配属された。
2.2.7. ミネソタ・ツインズ時代
2022年8月2日にイアン・ハミルトンとのトレードでミネソタ・ツインズへ移籍した。翌8月3日にはケイレブ・ハミルトンがAAA級へオプションされたため、メジャーリーグのアクティブ・ロースター入りした。ツインズでは25試合に出場し、打率.179、0本塁打、4打点だった。9月27日、右膝の半月板手術を受け、残りのシーズンを欠場することが発表された。同年オフの11月6日にFAとなった。
2.2.8. テキサス・レンジャーズ時代
2023年1月11日にテキサス・レンジャーズとマイナー契約を結んだ。3月27日に自ら要求して契約解除されたが、翌3月28日に改めてレンジャーズと新たなマイナー契約を結び直した。4月10日、ミッチ・ガーバーの負傷に伴い、アクティブ・ロースターに登録された。レンジャーズでは22試合に出場し、打率.146、4打点に終わったため、6月14日に戦力外通告を受けた。ウェイバーを通過した後、6月17日にAAA級ラウンドロック・エクスプレスに配属されたが、本人はこれを拒否し、6月21日に再び自ら要求して契約解除された。
2.2.9. クリーブランド・ガーディアンズ復帰
2023年7月1日にクリーブランド・ガーディアンズとマイナー契約を結び、再加入した。傘下のAAA級コロンバス・クリッパーズで16試合に出場し、打率.220、2本塁打、4打点を記録した。同年オフの11月6日にFAとなった。
2.2.10. アトランタ・ブレーブス時代
2024年1月17日にカンザスシティ・ロイヤルズとマイナー契約を結んだが、3月23日に自ら要求して契約解除された。
その後、2024年4月2日にアトランタ・ブレーブスとマイナー契約を結んだ。2024年シーズン終了時点では、ブレーブスのAAA級傘下であるグウィネット・ストライパーズに所属している。10月29日、レオンはブレーブスと2025年のマイナー契約を再締結した。
2.3. 投手としての経歴
レオンはキャリアを通じて8度、投手として登板している。2021年にはマイアミ・マーリンズで6試合に登板し、6イニングを投げて防御率7.50を記録した。2022年にはクリーブランド・ガーディアンズで1試合に登板し、2イニングを投げて走者を許さない好投を見せた。2023年にはテキサス・レンジャーズで1イニングを投げ、2失点を喫した。キャリア通算では、9イニングを投げて防御率7.00である。
3. 国際的な経歴
ベネズエラ出身であるにもかかわらず、レオンは2023年のワールド・ベースボール・クラシックではコロンビア代表としてプレーすることを選択した。これは、コロンビアでの居住歴があり、また妻がコロンビア人であることに起因している。
4. 選手としての特徴と詳細成績
レオンは、特に守備面で高い評価を受ける捕手である。打撃面ではムラがあるものの、要所での勝負強さを見せることがあった。
4.1. 打撃成績
年 度 | 試 合 | 打席 | 打数 | 得点 | 安 打 | 二 塁 打 | 三 塁 打 | 本 塁 打 | 塁打 | 打点 | 盗 塁 | 盗塁死 | 犠打 | 犠飛 | 四 球 | 故意四球 | 死球 | 三 振 | 併殺打 | 打率 | 出塁率 | 長打率 | OPS | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2012 | WSH | 12 | 36 | 30 | 2 | 8 | 2 | 0 | 0 | 10 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 4 | 0 | 2 | 11 | 1 | .267 | .389 | .333 | .722 |
2013 | 2 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | .000 | .000 | .000 | .000 | |
2014 | 20 | 70 | 64 | 7 | 10 | 1 | 0 | 1 | 14 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 6 | 0 | 0 | 20 | 1 | .156 | .229 | .219 | .447 | |
2015 | BOS | 41 | 128 | 114 | 8 | 21 | 2 | 0 | 0 | 23 | 3 | 0 | 1 | 6 | 0 | 7 | 1 | 1 | 28 | 4 | .184 | .238 | .202 | .439 |
2016 | 78 | 283 | 252 | 36 | 78 | 17 | 2 | 7 | 120 | 35 | 0 | 0 | 4 | 2 | 23 | 1 | 2 | 66 | 4 | .310 | .369 | .476 | .845 | |
2017 | 85 | 301 | 271 | 32 | 61 | 14 | 0 | 7 | 96 | 39 | 0 | 0 | 1 | 3 | 25 | 1 | 1 | 74 | 5 | .225 | .290 | .354 | .644 | |
2018 | 89 | 288 | 265 | 30 | 47 | 12 | 0 | 5 | 74 | 22 | 1 | 0 | 3 | 1 | 15 | 0 | 4 | 75 | 6 | .177 | .232 | .279 | .511 | |
2019 | 65 | 191 | 172 | 14 | 33 | 3 | 0 | 5 | 51 | 19 | 0 | 0 | 4 | 1 | 13 | 0 | 1 | 47 | 0 | .192 | .251 | .297 | .548 | |
2020 | CLE | 25 | 81 | 66 | 4 | 9 | 1 | 0 | 2 | 16 | 4 | 0 | 0 | 0 | 0 | 14 | 0 | 1 | 21 | 2 | .136 | .296 | .242 | .539 |
2021 | MIA | 84 | 220 | 202 | 15 | 37 | 5 | 0 | 4 | 54 | 14 | 0 | 0 | 1 | 2 | 12 | 0 | 3 | 65 | 2 | .183 | .237 | .267 | .504 |
2022 | CLE | 9 | 21 | 15 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 6 | 0 | 0 | 4 | 1 | .133 | .381 | .133 | .514 |
MIN | 25 | 65 | 56 | 6 | 10 | 3 | 0 | 0 | 13 | 4 | 0 | 0 | 2 | 0 | 7 | 0 | 0 | 23 | 1 | .179 | .270 | .232 | .502 | |
'22計 | 34 | 86 | 71 | 6 | 12 | 3 | 0 | 0 | 15 | 4 | 0 | 0 | 2 | 0 | 13 | 0 | 0 | 27 | 2 | .169 | .298 | .211 | .509 | |
MLB:11年 | 535 | 1685 | 1508 | 154 | 316 | 60 | 2 | 31 | 473 | 145 | 1 | 1 | 21 | 9 | 132 | 3 | 15 | 435 | 27 | .210 | .278 | .314 | .592 |
- 2022年度シーズン終了時
- 2023年には、テキサス・レンジャーズで22試合に出場し、打率.146、4打点を記録した。
4.2. 投手成績
年 度 | 登 板 | 先 発 | 完 投 | 完 封 | 無 四 球 | 勝 利 | 敗 戦 | セ 丨 ブ | ホ 丨 ル ド | 勝 率 | 打 者 | 投 球 回 | 被 安 打 | 被 本 塁 打 | 与 四 球 | 敬 遠 | 与 死 球 | 奪 三 振 | 暴 投 | ボ 丨 ク | 失 点 | 自 責 点 | 防 御 率 | W H I P | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2021 | MIA | 6 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | - | 26 | 6.0 | 7 | 3 | 1 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 5 | 5 | 7.50 | 1.33 |
2022 | CLE | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | - | 6 | 2.0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0.00 | 0.00 |
2023 | TEX | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | - | - | 1.0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 2 | 18.00 | 2.00 |
MLB:3年 | 8 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | - | - | 9.0 | 9 | 3 | 1 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 7 | 7 | 7.00 | 1.11 |
- 2023年度シーズン終了時
4.3. 守備成績
年 度 | 球 団 | 捕手(C) | 一塁(1B) | 三塁(3B) | ||||||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
試 合 | 刺 殺 | 補 殺 | 失 策 | 併 殺 | 守 備 率 | 捕 逸 | 企 図 数 | 許 盗 塁 | 盗 塁 刺 | 阻 止 率 | 試 合 | 刺 殺 | 補 殺 | 失 策 | 併 殺 | 守 備 率 | 試 合 | 刺 殺 | 補 殺 | 失 策 | 併 殺 | 守 備 率 | ||
2012 | WSH | 12 | 73 | 5 | 1 | 1 | .987 | 3 | 7 | 6 | 1 | .143 | - | - | ||||||||||
2013 | 1 | 2 | 0 | 0 | 0 | 1.000 | 0 | 0 | 0 | 0 | - | - | - | |||||||||||
2014 | 20 | 154 | 9 | 1 | 1 | .994 | 1 | 8 | 3 | 5 | .625 | - | - | |||||||||||
2015 | BOS | 37 | 258 | 28 | 1 | 4 | .997 | 2 | 20 | 10 | 10 | .500 | - | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | - | |||||
2016 | 74 | 561 | 35 | 1 | 6 | .998 | 7 | 34 | 20 | 14 | .412 | - | - | |||||||||||
2017 | 84 | 767 | 42 | 6 | 2 | .993 | 7 | 49 | 31 | 18 | .367 | - | - | |||||||||||
2018 | 87 | 776 | 37 | 1 | 4 | .999 | 13 | 35 | 26 | 9 | .257 | - | - | |||||||||||
2019 | 65 | 535 | 30 | 3 | 0 | .995 | 4 | 33 | 26 | 7 | .212 | 1 | 4 | 0 | 0 | 0 | 1.000 | - | ||||||
2020 | CLE | 24 | 213 | 14 | 5 | 0 | .978 | 0 | 11 | 9 | 2 | .182 | - | - | ||||||||||
MLB | 404 | 3339 | 200 | 19 | 18 | .995 | 37 | 197 | 131 | 66 | .335 | 1 | 4 | 0 | 0 | 0 | 1.000 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | - |
- 2020年度シーズン終了時
5. 背番号
- 41(2012年 - 2014年)
- 3(2015年 - 2019年)
- 9(2020年)
- 7(2021年)
- 4(2022年、ガーディアンズ)
- 39(2022年、ツインズ)
6. 私生活
レオンは妻のLiliana英語との間に、2017年生まれの息子ノアと、2019年5月生まれの娘がいる。彼はクリスチャンである。