1. Early Life and Youth Career
シブシソ・ンコシはムプマランガ州バーバートンで生まれ育った。彼のラグビーキャリアは、ユースレベルでの活動から始まった。
1.1. Youth Rugby
2012年、ンコシは地元のプーマスU16チームに選出され、グラント・コモ・ウィークのトーナメントに出場し、3試合に出場した。彼はバーバートン高校に10年生まで通い、その後ヨハネスブルグに転居し、ジェップ高校に入学した。ジェップ高校では、2013年と2014年の両年でゴールデン・ライオンズU18のクレイブン・ウィークチームに選出された。2013年のポロクワネでのトーナメントの非公式決勝ではトライを挙げたが、チームはウェスタン・プロヴィンスに29-45で敗れた。
2. Professional Club Career
ンコシは高校卒業後、南アフリカの主要なプロフェッショナルクラブで活躍し、その才能を証明した。
2.1. Sharks
高校卒業後、ンコシはダーバンに魅了され、シャークスに加入した。2015年にはシャークスU19チームに所属し、2015年U19州選手権で11試合に先発出場し、7トライを記録した。具体的には、ダーバンでのレオパーズU19戦で2トライ、ヨハネスブルグでのゴールデン・ライオンズU19戦で2トライ、ブルー・ブルズU19とのホーム・アウェイ両試合でそれぞれ1トライ、ウェスタン・プロヴィンスU19戦で1トライを挙げている。これらの活躍により、彼はシャークスU19のトップトライスコアラーとなり、大会全体でもグループAで共同6位に入った。しかし、シャークスはこのシーズンで最下位に終わるという不本意な結果に終わった。
2016年には、UKZNインピで2016年バーシティ・シールド大会に20試合出場し、UWC戦で1トライ、TUTバイキングスとの63-30の勝利で2トライを記録した。チームは大会の8試合中7試合で勝利を収めたが、出場資格のない選手を起用したことにより12ポイントが減点され、3位に後退し、バーシティ・カップへの昇格プレーオフ出場を逃した。
2016年3月、ンコシは南アフリカU20のトレーニングスコッドに選出され、その1週間後には選抜された暫定スコッドに残った。彼は南アフリカU20のトレーニングキャンプから一時的に離れ、2016年カリーカップ予選シリーズでシャークスXVとして2試合に出場した。最初の試合ではナミビアのウェルウィッチアズに対し48-18で勝利した試合でベンチから出場し、これが彼のファーストクラスデビューとなった。その2週間後にはウェスタン・プロヴィンス戦で先発出場し、24-16の勝利に貢献した。
また、2016年にはシャークスU21チームで2016年U21州選手権に3試合出場した。2016年10月末には、2017年スーパーラグビーシーズンに向けてスーパーラグビーのシャークスに選出された。カリーカップのシャークスでは8トライを記録している。
2.2. Bulls
2022年、ンコシはブルズに加入した。しかし、同年12月には精神健康問題が報じられ、3週間にわたって連絡が取れず行方不明となる事態に発展し、警察に行方不明届が出された。彼はその後発見されたが、この一件はプロアスリートが直面する精神的困難の深刻さを浮き彫りにした。この問題を機に、ンコシはブルズを退団することとなった。
2.3. Cheetahs
ブルズ退団後、ンコシは2024年3月に1年契約でチーターズに加入した。しかし、2024年5月に受けたドーピング検査で、アナボリックステロイドの陽性反応が検出された。この結果を受け、ワールドラグビーは彼に3年間(2027年7月15日まで)の出場停止処分を科したことを、チーターズが2024年9月9日に発表した。この件は、南アフリカ共和国代表経験選手がドーピング違反で出場停止となる2例目であり、ラグビー界に大きな波紋を広げた。
3. International Career
ンコシは南アフリカ共和国のナショナルチームにおいて、ユースからシニアレベルまで幅広く活躍した。
3.1. South Africa U20
2016年3月、ンコシは南アフリカU20のトレーニングスコッドに招集され、1週間後には選抜された暫定スコッドに入った。彼はイングランドマンチェスターで開催された2016年ワールドラグビーU20チャンピオンシップの南アフリカU20最終スコッドに選出された。大会のプールC初戦では、日本に59-19で勝利した試合に先発出場した。続く2試合のプール戦でも先発出場したが、アルゼンチンに13-19で敗れた。最終プール戦ではフランスに40-31でボーナスポイント付きで勝利し、大会のベスト準優勝チームとして準決勝に進出した。しかし、ンコシは太ももの負傷により残りの大会を欠場することとなり、準決勝(イングランドに17-39で敗戦)と3位決定戦(アルゼンチンに19-49で敗戦)には出場しなかった。南アフリカは大会を4位で終えた。
3.2. Senior National Team
2018年にはスプリングボクス(成人国家代表チーム)に選出され、イングランド代表戦で初キャップを獲得した。
2019年には、ラグビーワールドカップ2019の南アフリカ代表スコッドに選出された。この大会では、プール戦のナミビア代表戦、カナダ代表戦、イタリア代表戦の3試合に出場した。南アフリカは決勝でイングランドを破り、見事優勝を果たし、ンコシもその優勝に貢献した。
2018年から2021年までの期間に、ンコシはスプリングボクスとして16回のテストマッチに出場し、9回のトライを記録している。
4. Honours
シブシソ・ンコシは、プロフェッショナルキャリアにおいて複数の主要なタイトルを獲得している。
- 2018年カリーカップ - 優勝
- ザ・ラグビーチャンピオンシップ2019 - 優勝
- ラグビーワールドカップ2019 (日本大会) - 優勝
- 南アフリカA対ブリティッシュ・アンド・アイリッシュ・ライオンズ (2021年、エキシビジョンマッチ) - 勝利
5. Controversies and Personal Challenges
ンコシのキャリアは輝かしい功績だけでなく、個人的な困難や論争にも直面してきた。これらの経験は、プロアスリートが直面する様々な課題を浮き彫りにしている。
5.1. Mental Health Issues
ブルズ所属中の2022年12月、ンコシはチームから連絡が取れなくなり、約3週間にわたって不在が続いた。この事態を受けて警察に行方不明届が出される事態となり、ラグビー界内外に大きな懸念を広げた。ンコシはその後発見されたが、この一件は精神健康問題に起因するものとして報じられた。プロアスリートとしての過度なプレッシャーや期待が、精神的な健康に影響を与える可能性を具体的に示した事例であり、スポーツ組織における選手への精神的サポート体制の重要性が再認識されるきっかけとなった。この期間の不在の後、彼はブルズを退団することとなった。
5.2. Doping Violation and Ban
2024年5月、ンコシはドーピング検査でアナボリックステロイドの陽性反応を示した。この結果を受け、ワールドラグビーはンコシに対して3年間(2027年7月15日まで)の出場停止処分を科したことを、所属クラブのチーターズが2024年9月9日に発表した。このドーピング違反は、南アフリカ共和国代表経験選手としては2例目であり、その深刻性からラグビー界に大きな衝撃を与えた。この出場停止処分は、ンコシのキャリアを一時的に中断させるだけでなく、プロスポーツにおけるドーピング防止とフェアプレーの原則に対する厳格な姿勢を再確認させる出来事となった。