1. 概要
アメリカのプロ野球選手でありコーチであるジェイソン・ロイド・フィリップス(Jason Lloyd Phillips英語、1976年9月27日生)は、カリフォルニア州サンディエゴ郡ラ・メサ出身の元メジャーリーグ選手。現役時代は主に捕手と一塁手として、ニューヨーク・メッツ、ロサンゼルス・ドジャース、トロント・ブルージェイズでプレーした。現在はニューヨーク・ヤンキース傘下のAA級チームであるトレントン・サンダーのブルペンコーチを務めている。プロ野球選手であるカイル・フィリップスは実弟にあたる。
2. 生い立ちと家族
ジェイソン・フィリップスの出生背景と家族関係を含む個人的な情報を扱う。
2.1. 出生と背景
ジェイソン・ロイド・フィリップスは、1976年9月27日にアメリカ合衆国カリフォルニア州サンディエゴ郡ラ・メサで生まれた。
2.2. 家族
彼の弟であるカイル・フィリップスもまたプロ野球選手であり、同じく捕手としてプレーしている。
3. 選手経歴
ジェイソン・フィリップスの選手としてのキャリアを時系列で詳細に記述する。
3.1. ドラフトとマイナーリーグ時代
1997年のMLBドラフトにおいて24巡目(全体720位)でニューヨーク・メッツから指名され、プロ入りを果たした。その後、メジャーリーグにデビューを果たすまでの間、傘下のマイナーリーグで活動した。
3.2. ニューヨーク・メッツ時代
2001年9月19日、ピッツバーグ・パイレーツ戦でメジャーリーグにデビューした。
2003年には、打撃能力を生かすため、一塁手としても起用され、マイク・ピアッツァの控え捕手も兼務した。このシーズンは打撃が飛躍的に向上し、打率.298、本塁打11本、打点58を記録した。
2004年には打撃成績が大幅に低下したが、シーズンを通してエラーをわずか1つしか記録せず、守備面で高い安定性を示した。
3.3. ロサンゼルス・ドジャース時代
2005年3月20日、石井一久とのトレードでロサンゼルス・ドジャースへ移籍した。ドジャースでは打撃成績がわずかに改善し、控え捕手としての先発出場と出場試合数においてキャリアハイを記録した。
3.4. トロント・ブルージェイズ時代
2006年1月3日、トロント・ブルージェイズとマイナーリーグ契約を結び、スプリングトレーニングに招待された。ここでは、正捕手であるグレッグ・ザウンの控えの座をギレルモ・キロスと争うことになった。しかし、ブルージェイズがベンジー・モリーナを獲得したことで、控えの座を得ることは難しくなった。その後、キロスはシアトル・マリナーズにウェイバー公示され、ザウンが故障者リスト入りしたため、フィリップスはシーズン開幕をメジャーロースターで迎えた。
レギュラーシーズン開幕数日後の4月7日、ザウンが故障者リストから復帰する前日に、フィリップスは戦力外通告を受け、4月12日にはトリプルAのシラキュース・スカイチーフスにマイナー落ちした。
2006年7月にシェイ・ヒレンブランドがサンフランシスコ・ジャイアンツへトレードされた際、フィリップスはロースターの穴を埋めるために再びメジャーに昇格したが、すぐにフランシスコ・ロサリオと入れ替わる形でシラキュースに再度マイナー落ちした。
2007年には、ベンジー・モリーナがフリーエージェントでブルージェイズを去ったため、再びブルージェイズの控え捕手および時折内野手の控えとして起用された。しかし、同年7月20日にブルージェイズを放出された。このシーズンの打撃成績は打率.208、本塁打1本、打点12であった。
3.5. 独立リーグでのプレーと現役引退
2007年と2008年はマイナーリーグおよび独立リーグでプレーした。2008年にはアトランティックリーグに所属するカムデン・リバーシャークスでプレーし、この年限りで現役を引退した。
2009年にはシアトル・マリナーズのスプリングトレーニングキャンプに招待された。
3.6. プレースタイルと特徴
現役時代のフィリップスは、主に捕手としてプレーしたが、守備よりも打撃が強みであった。捕手としては肩が弱く、エラーも多かったため、2003年以降は打撃を生かす目的で一塁手としても併用されるようになった。
ベースランニングの速さで知られることはなく、2006年4月には、野球アナリストのビル・ジェームズのスピードスコアに基づいた計算により、ベースボール情報サイト『ハードボール・タイムズ』(Hardball Times英語)で「最も足の遅い現役選手」として選出されたことがある。
4. コーチ経歴
選手引退後、ジェイソン・フィリップスが務めた様々なコーチ職と活動について記述する。
4.1. シアトル・マリナーズ時代
2009年4月1日、選手としての契約が終了した直後に、シアトル・マリナーズのブルペン捕手の職務を受諾した。
4.2. トロント・ブルージェイズ時代
2016年シーズン開始前、トロント・ブルージェイズにブルペン捕手の一人として加わった。この職務を2018年までの3年間務めた。
4.3. ニューヨーク・ヤンキース傘下時代
2019年、ニューヨーク・ヤンキースはフィリップスを傘下のAA級イースタンリーグに所属するトレントン・サンダーのブルペンコーチに任命した。彼は現在もこの職務を継続している。
5. 年度別打撃成績
ジェイソン・フィリップスのメジャーリーグ選手経歴における年ごとの打撃成績を一覧表形式で提示する。
年 度 | 試 合 | 打 席 | 打 数 | 得 点 | 安 打 | 二 塁 打 | 三 塁 打 | 本 塁 打 | 塁 打 | 打 点 | 盗 塁 | 盗 塁 死 | 犠 打 | 犠 飛 | 四 球 | 敬 遠 | 死 球 | 三 振 | 併 殺 打 | 打 率 | 出 塁 率 | 長 打 率 | O P S | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2001 | NYM | 6 | 7 | 7 | 2 | 1 | 1 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | .143 | .143 | .286 | .429 |
2002 | 11 | 22 | 19 | 4 | 7 | 0 | 0 | 1 | 10 | 3 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | 1 | 1 | 1 | .368 | .409 | .526 | .935 | |
2003 | 119 | 453 | 403 | 45 | 120 | 25 | 0 | 11 | 178 | 58 | 0 | 1 | 0 | 1 | 39 | 3 | 10 | 50 | 21 | .298 | .373 | .442 | .815 | |
2004 | 128 | 412 | 362 | 34 | 79 | 18 | 0 | 7 | 118 | 34 | 0 | 1 | 2 | 5 | 35 | 4 | 8 | 42 | 11 | .218 | .298 | .326 | .624 | |
2005 | LAD | 121 | 434 | 399 | 38 | 95 | 20 | 0 | 10 | 145 | 55 | 0 | 1 | 2 | 4 | 25 | 4 | 4 | 50 | 16 | .238 | .287 | .363 | .650 |
2006 | TOR | 25 | 51 | 48 | 4 | 12 | 6 | 0 | 0 | 18 | 6 | 0 | 1 | 0 | 1 | 1 | 0 | 1 | 5 | 2 | .250 | .275 | .375 | .650 |
2007 | 55 | 158 | 144 | 11 | 30 | 7 | 0 | 1 | 40 | 12 | 0 | 1 | 2 | 0 | 10 | 0 | 2 | 21 | 5 | .208 | .269 | .278 | .547 | |
MLB:7年 | 465 | 1537 | 1382 | 138 | 344 | 77 | 0 | 30 | 511 | 168 | 0 | 5 | 6 | 12 | 111 | 11 | 26 | 170 | 56 | .249 | .314 | .370 | .684 |
6. 背番号
ジェイソン・フィリップスがメジャーリーグの各所属チームで使用した背番号のリストを提供する。
- 26(2001年)
- 7(2002年)
- 23(2003年 - 2004年)
- 9(2005年)
- 47(2006年 - 2007年)