1. 概要
エドゥ(Eduポルトガル語)ことジョナス・エドゥアルド・アメリコ(Jonas Eduardo Américoポルトガル語、1949年8月6日 - )は、ブラジル出身の元同国代表のFWのサッカー選手である。そのキャリアの大部分をサントスFCで過ごし、数々の国内タイトル獲得に貢献したほか、FIFAワールドカップには3大会連続でブラジル代表に選出され、特に1970年大会では優勝メンバーの一員となった。1966年のワールドカップ招集時には16歳と339日であり、ワールドカップ史上最年少の招集選手という記録も保持している。引退後もサッカー界との関わりを保ち、その功績はブラジルサッカーの歴史において重要なものとして記憶されている。
2. 初期生い立ちとキャリアの開始
エドゥことジョナス・エドゥアルド・アメリコは、1949年8月6日にブラジルのサンパウロ州ジャウーで生まれた。彼のサッカーキャリアは、若くしてその才能を見出され、国内屈指の強豪クラブであるサントスFCでプロとしての道を歩み始めた。
2.1. クラブ経歴
エドゥのプロサッカー選手としてのキャリアは、主にブラジル国内のクラブで形成されたが、国外でのプレー経験も持つなど多様な経歴を誇る。
2.1.1. サントスFC時代
エドゥは1966年にサントスFCでデビューを飾り、このクラブで10シーズンにわたる長く輝かしい時期を過ごした。彼の在籍中、サントスFCはブラジル国内で圧倒的な強さを誇り、彼はその中心選手の一人として多くの成功に貢献した。この期間に、チームはカンピオナート・パウリスタで1967年、1968年、1969年、1973年の4度優勝を飾った。また、1966年にはトルネイオ・リオ-サンパウロ、1968年にはカンピオナート・ブラジレイロのタイトルを獲得している。さらに、国際舞台では1968年にインターコンチネンタル・チャンピオンズ・スーパーカップを制覇した。サントスでのエドゥは、公式戦584試合に出場し、183ゴールを記録している。
2.1.2. その後のクラブ経歴
サントスFCを離れた後も、エドゥは現役を続け、国内外の複数のクラブでプレーした。
1976年にはSCコリンチャンス・パウリスタに移籍し、40試合に出場して5ゴールを挙げた。コリンチャンスでも1977年にカンピオナート・パウリスタを制覇し、この期間にも国内トップレベルでの活躍を見せた。
1977年にはSCインテルナシオナルに短期間在籍し、9試合で2ゴールを記録した。
同年から1983年にかけてはメキシコのUANLティグレスに移籍し、国外での挑戦を経験した。UANLティグレスでは59試合に出場し、3ゴールを挙げた。
ブラジルに戻った後、1983年にはサンクリストヴァンFRでプレーした。
その後、1984年から1985年にはナシオナルFC (アマゾナス州)に所属し、22試合に出場して4ゴールを記録した。
そして1985年、CEドン・ヴァスコでのプレーを最後に現役を引退した。プロキャリア全体を通して、エドゥは合計714試合に出場し、197ゴールを記録した。
3. 代表経歴
エドゥは1966年6月から1976年6月にかけて、サッカーブラジル代表の一員として活動した。この間、彼は代表で42試合に出場し、8ゴールを挙げた。
3.1. FIFAワールドカップ
エドゥはブラジル代表として、3大会連続でFIFAワールドカップの舞台に立った。
- 1966 FIFAワールドカップ**：
彼はこの大会でブラジル代表に招集されたが、試合に出場することはなかった。しかし、大会開幕時16歳と339日という年齢でのメンバー入りは、FIFAワールドカップ史上最年少の招集選手という歴史的な記録となっている。
- 1970 FIFAワールドカップ**：
この大会でブラジル代表は優勝を果たし、エドゥもその優勝メンバーの一員となった。彼はこの大会で1試合に出場し、チームの勝利に貢献した。
- 1974 FIFAワールドカップ**：
3大会連続でワールドカップに出場したエドゥは、この大会でも1試合に出場した。
4. 引退後の活動
プロサッカー選手を引退した後、エドゥはサッカーとの関わりを続けた。近年では、かつてのスター選手たちで構成される「オールスターズマスターズチーム」の一員として、各地で開催されるエキシビションマッチに参加している。
5. 栄誉・タイトル
エドゥは選手を通じて、クラブおよび代表で数多くのタイトルを獲得した。
- サントスFC
- トルネイオ・リオ-サンパウロ: 1966
- カンピオナート・パウリスタ: 1967, 1968, 1969, 1973
- カンピオナート・ブラジレイロ: 1968
- インターコンチネンタル・チャンピオンズ・スーパーカップ: 1968
- SCコリンチャンス・パウリスタ
- カンピオナート・パウリスタ: 1977
- サッカーブラジル代表
- FIFAワールドカップ: 1970
- 個人
- ブラジリアン・シルバーボール賞: 1971
6. 遺産と評価
エドゥは、ブラジルサッカーの黄金期を支えた選手の一人として、その遺産は高く評価されている。彼はペレを擁する強力なサントスFCの一員として、クラブに数々の栄光をもたらし、その伝説の一時代を築いた。特に、1970年のFIFAワールドカップ優勝チームの重要なメンバーであったことは、彼のキャリアにおいて最も輝かしい功績である。ワールドカップ史上最年少での代表招集という記録は、彼の若くして見出された非凡な才能を物語っている。エドゥは、その技術と攻撃的なプレーで、ブラジルサッカー史に確固たる地位を築き、多くのファンに記憶される選手である。