1. 生い立ちと初期のキャリア
ニエル・アレストリュプの幼少期と教育、そして俳優としての道のりは、彼の豊かなキャリアの基礎を築いた。
1.1. 出生と幼少期
アレストリュプは1949年2月8日にフランスのパリで生まれた。彼の家族は質素な暮らしをしており、父親はデンマーク人、母親はブルターニュ人であった。日本の情報源では、出生地はセーヌ県(現在のセーヌ=サン=ドニ県)モントルイユとされている。
1.2. 教育と初期のキャリア
若き日のアレストリュプは、タニア・バラショヴァの演劇学校で演技を学んだ。この学びが彼の俳優としての基礎となり、キャリアの初期は主に演劇界で活動を開始した。
2. キャリアと業績
ニエル・アレストリュプは、俳優としてだけでなく、演出家や脚本家としても多大な業績を残した。彼の活動は演劇、映画、テレビジョンにわたり、それぞれの分野で重要な役割を果たした。
2.1. 演劇キャリア
アレストリュプの演劇キャリアは1970年代に始まり、2020年代まで広範にわたって活動した。彼は数多くの著名な演劇作品に出演し、多様な役柄を演じることでその才能を発揮した。
年 | タイトル | 原作者 | 演出家 |
---|---|---|---|
1970 | 『人生は夢』 | ペドロ・カルデロン・デ・ラ・バルカ | ジャン・ジリベール |
1970-1971 | 『人間嫌い』 | モリエール | ジャン・ジリベール |
『愛と偶然の戯れ』 | ピエール・ド・マリヴォー | ミシェル=H・デュフレーヌ | |
1972-1973 | 『罪と罰』 | フョードル・ドストエフスキー | アンドレ・バルサック |
1973-1974 | 『ラ・ファミーユ』 | ローデウェイク・デ・ブール | デレク・ゴールドビー |
1975 | 『ホット・L・ボルチモア』 | ランフォード・ウィルソン | アレクサンドル・アルカディ |
1976 | 『ジル・ド・レ』 | ロジェ・プランション | ロジェ・プランション |
1978 | 『監視』 | ジャン・ジュネ | クロード・マチュー |
1979 | 『プラトーノフ』 | アントン・チェーホフ | ガブリエル・ガラン |
1981-1982 | 『桜の園』 | アントン・チェーホフ | ピーター・ブルック |
1982 | 『恋人』 | ハロルド・ピンター | フィリップ・フェラン |
『ラ・デルニエール・ニュイ・ド・レテ』 | アレクセイ・アルブーゾフ | イヴ・ビュロー | |
1983 | 『令嬢ジュリー』 | アウグスト・ストリンドベリ | クリスチャン・ベネデッティ & アンドレアス・ヴツィナス |
1984 | 『ドン・ジュアン』 | モリエール | モーリス・ベニシュー |
1985 | 『フール・フォー・ラブ』 | サム・シェパード | アンドレアス・ヴツィナス |
1986 | 『B29』 | アラン・パージュ | デレク・ゴールドビー |
1987 | 『2050、ル・ラドー・ドゥ・ラ・モール』 | ハラルド・ミュラー | ハンス=ペーター・クロース |
1988 | 『三人姉妹』 | アントン・チェーホフ | モーリス・ベニシュー |
1989 | 『かもめ』 | アントン・チェーホフ | アンドレイ・コンチャロフスキー |
『サド、コンセール・ダンフェール』 | エンツォ・コルマン | フィリップ・アドリアン | |
1989-1990 | 『人間嫌い』 | モリエール | ピエール・プラディナス |
1990 | 『トゥー・コントル・アン・プティ・ボワ』 | ジャン=ミシェル・リブ | ジャン=ミシェル・リブ |
1991 | 『エクリ・シュル・ロー』 | エリック=エマニュエル・シュミット | ニエル・アレストリュプ |
1993 | 『若き詩人への手紙』 | ライナー・マリア・リルケ | ニエル・アレストリュプ |
1995 | 『ラ・ムジカ・ドゥジエム』 | マルグリット・デュラス | ベルナール・ミュラ |
1996 | 『ヴァージニア・ウルフなんかこわくない』 | エドワード・オールビー | ジョン・ベリー |
1997-1998 | 『ヴァージニア・ウルフなんかこわくない』 | エドワード・オールビー | ジャン=リュック・レヴォル |
1999 | 『エトワール』 | ピエール・ラヴィル | モーリス・ベニシュー |
1999-2000 | 『コペンハーゲン』 | マイケル・フレイン | マイケル・ブレイクモア |
2000 | 『フェルナンド・クラップは私にこの手紙を書いた』 | タンクレーッド・ドルスト | ベルナール・ミュラ |
2001 | 『インサーツ』 | ジョン・バイラム | ニエル・アレストリュプ |
2002 | 『フェードル』 | ジャン・ラシーヌ | ジャック・ウェベール |
『ユヌ・ニュイ・アラブ』 | ローランド・シンメルフェニヒ | フレデリック・ベリエ=ガルシア | |
2003 | 『各々の道』 | ルイージ・ピランデッロ | ベルナール・ミュラ |
2004 | 『カルテット』 | ハイナー・ミュラー | ハンス=ペーター・クロース |
『人間、獣、そして美徳』 | ルイージ・ピランデッロ | ジャン=クロード・イデ | |
2005-2006 | 『若き詩人への手紙』 | ライナー・マリア・リルケ | ニエル・アレストリュプ |
2007 | 『エヴァ』 | ニコラ・ベドス | ダニエル・コラス |
2008 | 『ベイルート・ホテル』 | レミ・ド・ヴォス | ニエル・アレストリュプ |
2011-2012 | 『ディプロマシー』 | シリル・ジェリー | ステファン・メルデッグ |
2014-2016 | 『ル・スーペ』 | ジャン=クロード・ブリスヴィル | ダニエル・ブノワ |
2016-2018 | 『アクティング』 | グザヴィエ・デュランジェ | グザヴィエ・デュランジェ |
2018-2019 | 『スコルピオス・オ・ロワン』 | イザベル・ル・ヌーヴェル | ジャン=ルイ・ブノワ |
2019-2020 | 『レッド』 | ジョン・ローガン | ジェレミー・リップマン |
2021-2023 | 『88フォワ・ランフィニ』 | イザベル・ル・ヌーヴェル | ジェレミー・リップマン |
2.2. 映画キャリア
アレストリュプは1970年代から2023年まで、数多くの映画作品に出演し、その演技力で高い評価を得た。特にジャック・オーディアール監督作品での演技は高く評価されている。
年 | タイトル | 役名 | 監督 |
---|---|---|---|
1974 | 『スタヴィスキー』 | ルドルフ | アラン・レネ |
『ミス・オジーニと花男たち』 | イヴ | サミー・パヴェル | |
1976 | 『光』 | ナノ | ジャンヌ・モロー |
『ビッグ・ナイト』 | レオン | フランシス・ロイサー | |
『ジュ・テュ・イル・エル』 | ドライバー | シャンタル・アケルマン | |
『ドゥマン・レ・モーム』 | フィリップ | ジャン・プルトゥルレ | |
『もし私がすべてをやり直すとしたら』 | アンリ・ラノ | クロード・ルルーシュ | |
1977 | 『見習い魔術師たち』 | ダントン | エドガルド・コザリンスキー |
『行けば行くほど』 | ヴァンサン | ミシェル・ヴィアネ | |
1978 | 『ローランの歌』 | オトン | フランク・カサンティ |
1979 | 『フランス娼婦の回想』 | アンドレ | ダニエル・デュヴァル |
『心なき女の情熱』 | カール | モイーズ・マートゥーク | |
1980 | 『女刑事』 | ドミニク・アリエ | イヴ・ボワッセ |
1981 | 『セウル』 | ジャン | フランシス・ロイサー |
『デュ・ブルース・ダン・ラ・テット』 | ダン | エルヴェ・パリュ | |
1982 | 『ある男の戦争』 | ナレーター | エドガルド・コザリンスキー |
1984 | 『未来は女のもの』 | ゴードン | マルコ・フェレーリ |
1985 | 『ディーゼル』 | ネルソン | ロバート・クレイマー |
『狼たちの報酬』 | マイク | ジョゼ・ジョヴァンニ | |
『心からシャルロット』 | マチュー | キャロリーヌ・ユペール | |
1986 | 『ル・グーテ・シェ・ニエルス』 | ニエルス | ディディエ・マルティニー |
1987 | 『ラ・ルンバ』 | デテックス警視 | ロジェ・アナン |
『チャーリー・ディンゴ』 | ウィリアム | ジル・ベア | |
『バルバブル、バルバブル』 | ガストーネ | ファビオ・カルピ | |
1988 | 『異国の街』 | グレゴール・コイシュニヒ | ディディエ・ゴールドシュミット |
1989 | 『ドゥー・アメール』 | ジャン | フランク・アプレデリス |
1991 | 『ミーティング・ヴィーナス』 | ゾルタン・サント | イシュトヴァン・サボー |
1994 | 『デリ・ミヌール』 | クロード | フランシス・ジロ |
1998 | 『リワインド』 | ファブリス・リヴァイユ | セルジオ・ゴッビ |
2000 | 『ル・ピクニック・ドゥ・リュリュ・クロイツ』 | ヤシャ・シュテグ | ディディエ・マルティニー |
2002 | 『私的なこと』 | シプリアン氏 | ギヨーム・ニクルー |
『私に愛を語って』 | リシャール | ソフィー・マルソー | |
2005 | 『真夜中のピアニスト』 | ロベール・セイル | ジャック・オーディアール |
2006 | 『レ・フラグマン・ダントナン』 | ランティエ教授 | ガブリエル・ル・ボミン |
2007 | 『ル・カンディダ』 | ジョルジュ | ニエル・アレストリュプ |
『ラ・パール・アニマル』 | アンリ・ショーミエ | セバスティアン・ジョドー | |
『潜水服は蝶の夢を見る』 | ルーサン | ジュリアン・シュナーベル | |
2009 | 『預言者』 | セザール・ルチアーニ | ジャック・オーディアール |
『フェアウェル さらば、哀しみのスパイ』 | ヴァリエ | クリスチャン・カリオン | |
2010 | 『サラの鍵』 | ジュール・デュフォール | ジル・パケ=ブレンナー |
『スモール・ワールド』 | トーマス・セン | ブルーノ・シシュ | |
『ビッグ・ピクチャー』 | バルトロメ | エリック・ラルティゴ | |
2011 | 『戦火の馬』 | 祖父 | スティーヴン・スピルバーグ |
『Tu seras mon fils』 | ポール・ド・マルスール | ジル・ルグラン | |
2012 | 『愛と裏切りの開拓地』 | アンドレ・パンジェ | ヨアヒム・ラフォス |
2013 | 『フランスの大臣』 | クロード・モーパス | ベルトラン・タヴェルニエ |
2014 | 『96時間』 | ヴィクトル・カンセル | フレデリック・シェンデルファー |
『砂丘』 | ルーベン | ヨッシ・アヴィラム | |
『ディプロマシー』 | コルティッツ将軍 | フォルカー・シュレンドルフ | |
2015 | 『バイ・ザ・シー』 | ミシェル | アンジェリーナ・ジョリー |
『パパ・リュミエール』 | ジャック | アダ・ルイユ | |
2017 | 『リターン・トゥ・モントーク』 | ウォルター | フォルカー・シュレンドルフ |
『天国でまた会おう』 | マルセル・ペリクール社長 | アルベール・デュポンテル | |
2018 | 『永遠の門』 | 狂人 | ジュリアン・シュナーベル |
2020 | 『ヴィラ・カプリス』 | リュック・ジェルモン | ベルナール・ストラ |
2023 | 『ディヴェルティメント』 | セルジュ・チェリビダッケ | マリー=カスティル・メンション=シャール |
2.3. テレビジョンキャリア
アレストリュプはテレビ映画やドラマシリーズにも多数出演し、その演技の幅広さを示した。
年 | タイトル | 役名 | 監督 | 備考 |
---|---|---|---|---|
1974 | 『ラ・デルニエール・カルト』 | ヴィルヘルム・カスダ | マルセル・クラヴェンヌ | テレビ映画 |
『メシュー・レ・ジュレ』 | ジャン=ロジェ・パスキエ | アンドレ・ミシェル | テレビシリーズ(1エピソード) | |
1977 | 『タウヴェッター』 | ジャン=リュック | マルクス・イムホーフ | テレビ映画 |
『シネマ16』 | ブランディ | ベルナール・デュボワ | テレビシリーズ(1エピソード) | |
1978 | 『リュリュ』 | シュヴァルツ | マルセル・ブルワル | テレビ映画 |
1979 | 『ル・トゥールビヨン・デ・ジュール』 | ジェルマン | ジャック・ドニオル=ヴァルクローズ | テレビミニシリーズ |
1980 | 『ブリュージュ・ラ・モルト』 | ユグ・ヴィアヌ | アラン・デノー | テレビ映画 |
『ル・プティ・テアトル・ダンテンヌ2』 | 客 | ジャック・オドワール | テレビシリーズ(1エピソード) | |
1981 | 『レ・エリチエ』 | セルジュ | ブルーノ・ガンティヨン | テレビシリーズ(1エピソード) |
『モン・メイユール・ノエル』 | 父親 | ガブリエル・アクセル | テレビシリーズ(1エピソード) | |
1982 | 『ラ・セリゼ』 | ロパヒン | ピーター・ブルック | テレビ映画 |
『ラ・ダンス・ド・モール』 | クルト | クロード・シャブロル | テレビ映画 | |
『ル・ルトゥール・デリザベット・ウルフ』 | スタン・ピルグリム | ジョゼ・ダヤン | テレビ映画 | |
『カディニャン公爵夫人の秘密』 | ラスティニャック | ジャック・ドレー | テレビ映画 | |
1983 | 『レ・ポニー・ソヴァージュ』 | ベン | ロベール・マゾワイエ | テレビミニシリーズ |
1984 | 『マドモワゼル・ジュリー』 | ジャン | イヴ=アンドレ・ユベール | テレビ映画 |
1987 | 『セリエ・ノワール』 | アンジェロ | ダニエル・デュヴァル | テレビシリーズ(1エピソード) |
1988 | 『ラ・リュエル・オ・クレール・ド・リュヌ』 | ハンス・クレム教授 | エドゥアール・モリナロ | テレビ映画 |
1989 | 『マノン・ローラン』 | ダントン | エドゥアール・モリナロ | テレビ映画 |
『郵便局の少女』 | フェルディナンド・ファーナー | エドゥアール・モリナロ | テレビミニシリーズ | |
1991 | 『ラ・グランド・デュヌ』 | カイザー | ベルナール・ストラ | テレビ映画 |
1992 | 『ラ・ファム・アバンドネ』 | オスカー・ド・ヴィルノ | エドゥアール・モリナロ | テレビ映画 |
1993 | 『アルベール・サヴァリュス』 | アルベール・サヴァリュス | アレクサンドル・アストリュック | テレビ映画 |
1995 | 『レ・デルニエ・ジュール・ド・ラ・ヴィクティム』 | メンディザバル | ブルーノ・ガンティヨン | テレビ映画 |
2000 | 『ラ・パール・ド・ロンブル』 | シャルル・オベルレ | フィリップ・ヴェノー | テレビ映画 |
『フェルナンド・クラップは私にこの手紙を書いた』 | フェルナンド・クラップ | イヴ・ディ・トゥリオ & ベルナール・ミュラ | テレビ映画 | |
2002 | 『エロイーズ・ロームの捜査』 | ヴァン・ルーテン | ディディエ・ル・ペシュール | テレビシリーズ(1エピソード) |
2006 | 『ル・レインボー・ウォーリアー』 | 公爵 | ピエール・ブートロン | テレビ映画 |
2009 | 『スイート・ノワール』 | ジェラール | エマニュエル・ベルコ | テレビシリーズ(1エピソード) |
2016 | 『リパブリカン・ギャングスターズ』 | フランシス・ローギエ | ジアード・ドゥエイリ | テレビシリーズ(8エピソード) |
2017 | 『キャプテン・マルロー』 | エルヴェ・ジェルフォー | ジョゼ・ダヤン | テレビシリーズ(1エピソード) |
2019 | 『コールズ』 | アダム | ティモテ・オシェ | テレビシリーズ(1エピソード) |
2022 | 『ブラック・バタフライズ』 | アルベール・デジデリオ | オリヴィエ・アブー | テレビシリーズ(6エピソード) |
2.4. 監督・脚本活動
ニエル・アレストリュプは俳優業の傍ら、監督や脚本も手掛けた。

年 | タイトル | 備考 |
---|---|---|
1981 | 『デュ・ブルース・ダン・ラ・テット』 | 脚本 |
2007 | 『ザ・カンディダ』 | 監督・脚本 |
3. 私生活
ニエル・アレストリュプの私生活は、彼のキャリアを支える重要な要素であった。
3.1. 結婚と家族
2012年、ニエル・アレストリュプは女優、脚本家、作家のイザベル・ル・ヌーヴェルと結婚した。二人は10年間の交際を経て結ばれた。同年、彼らには男女の双子が誕生した。
4. 死亡
ニエル・アレストリュプは2024年12月に75歳でこの世を去った。
4.1. 死亡情報
2024年12月1日、ニエル・アレストリュプは長きにわたる病の末、フランスのヴィル=ダヴレーで75歳で死去した。ヴィル=ダヴレーはパリ近郊のコミューンである。彼の妻がその訃報を発表した。
5. 受賞歴
ニエル・アレストリュプは、その優れた演技と多岐にわたる活動により、国内外で数々の賞を受賞し、ノミネートされた。
5.1. 主要な受賞歴
年 | 賞 | 部門 | 作品名 | 結果 |
---|---|---|---|---|
1999 | シネマ批評家組合賞 | 最優秀男優賞 | 『コペンハーゲン』 | 受賞 |
モリエール賞 | 最優秀男優賞 | 『コペンハーゲン』 | ノミネート | |
2005 | モリエール賞 | 最優秀男優賞 | 『若き詩人への手紙』 | ノミネート |
2006 | セザール賞 | 助演男優賞 | 『真夜中のピアニスト』 | 受賞 |
2010 | セザール賞 | 助演男優賞 | 『預言者』 | 受賞 |
ロサンゼルス映画批評家協会賞 | 助演男優賞 | 『預言者』 | 受賞 | |
国際シネフィル協会賞 | 最優秀助演男優賞 | 『預言者』 | 受賞 | |
国際オンラインシネマ賞 | 最優秀助演男優賞 | 『預言者』 | ノミネート | |
イタリアオンライン映画賞 | 最優秀助演男優賞 | 『預言者』 | ノミネート | |
2011 | モリエール賞 | 最優秀男優賞 | 『ディプロマシー』 | ノミネート |
セザール賞 | 助演男優賞 | 『ビッグ・ピクチャー』 | ノミネート | |
2013 | シアトル国際映画祭 | 最優秀男優賞 | 『Tu seras mon fils』 | ノミネート |
2014 | セザール賞 | 助演男優賞 | 『フランスの大臣』 | 受賞 |
グローブ・ドゥ・クリスタル賞 | 最優秀男優賞 | 『フランスの大臣』 | ノミネート | |
2015 | セザール賞 | 最優秀男優賞 | 『ディプロマシー』 | ノミネート |
バリャドリッド国際映画祭 | 最優秀男優賞 | 『ディプロマシー』 | 受賞 | |
2016 | シリーズ批評家協会賞 | 最優秀男優賞 | 『バロン・ノワール』 | ノミネート |
2017 | ACS賞 | 最優秀男優賞 | 『リパブリカン・ギャングスターズ』 | ノミネート |
グローブ・ドゥ・クリスタル賞 | 演劇最優秀男優賞 | 『アクティング』 | 受賞 | |
2018 | セザール賞 | 助演男優賞 | 『天国でまた会おう』 | ノミネート |
2020 | モリエール賞 | 最優秀男優賞 | 『レッド』 | 受賞 |
2023 | ACS賞 | テレビシリーズ最優秀助演男優賞(40分) | 『ブラック・バタフライズ』 | ノミネート |
6. 映画・演劇界への貢献
ニエル・アレストリュプは、その多岐にわたる俳優活動と数多くの受賞歴を通じて、フランス国内外の映画および演劇界に計り知れない影響を与えた。彼のキャリアは半世紀に及び、その間に演じた役柄の多様性、深み、そして存在感は、批評家からも観客からも高く評価された。
特にジャック・オーディアール監督作品『真夜中のピアニスト』、『預言者』、そしてベルトラン・タヴェルニエ監督作品『フランスの大臣』での助演男優としてのセザール賞受賞は、彼の演技力がフランス映画界においていかに重要であったかを物語っている。これらの作品では、複雑な人間性を帯びたキャラクターを演じ分け、物語に深みと説得力をもたらした。
また、演劇界においても彼は重要な存在であった。モリエール賞やグローブ・ドゥ・クリスタル賞といった主要な演劇賞を受賞・ノミネートされ、舞台上での圧倒的な存在感と演技力は、多くの観客を魅了した。彼は自ら演出や脚本も手掛けるなど、表現者としての多才さも示し、フランスの芸術文化の発展に貢献した。
アレストリュプの死は、フランス映画・演劇界にとって大きな損失であったが、彼が残した膨大な作品群と、その卓越した演技は、今後も多くの人々に影響を与え続けるだろう。