ヴァンサン・ジェラール

1. 個人情報

ヴァンサン・ジェラールは1986年12月16日にフランスのモゼル県ヴォワピーで生まれた。身長は189 cm、体重は104 kgである。ポジションはゴールキーパーを務める。

2. 選手キャリア

ヴァンサン・ジェラールの選手キャリアは、フランス国内のクラブでの活動から始まり、その後フランス代表チームの主力として国際舞台で輝かしい実績を重ねてきた。

ジェラールは2003年からSMECメスでハンドボールを始め、フランス2部リーグ(Championnat de France de handball masculin de Division 2^{フランス語})で3シーズンを過ごした。SMECメスではクラブの重要な選手の一人として活躍した。

2006年にLNHディヴィジオン・アンのモンペリエ・ハンドボールへ移籍。モンペリエでは主に2番手または3番手のゴールキーパーとしてプレーしたが、2007年から2008年にかけてのシーズンでリーグ優勝を経験した。

2008年にはイストルOPHへ移籍し、2シーズンプレーした。

2010年にダンケルクHGLへ移籍。ダンケルクでは、2010年から2011年のシーズンにリーグのベストセブンに選出された。さらに2012年から2013年のシーズンには2度目、2013年から2014年のシーズンには2年連続でベストセブンを受賞するなど、チームの守護神として活躍した。

2015年には古巣のモンペリエ・ハンドボールと4年契約を結び、復帰した。モンペリエ復帰後も好調を維持し、2016年から2017年のシーズンには4度目のベストセブンに選ばれた。また、2017年から2018年のシーズンにもベストセブンに選出された。

2017年6月には、パリ・サンジェルマン・ハンドボールと2019年から2020年までの契約を結んだことが発表された。その後、ドイツのハンドボール・ブンデスリーガに所属するTHWキールでもプレーしている。

2.2. 代表チームキャリア

ヴァンサン・ジェラールは2013年からフランス代表チームに選出され、数々の国際大会で活躍した。

2014年の欧州男子ハンドボール選手権(デンマーク開催)では、フランス代表の一員として金メダルを獲得した。

2016年のリオデジャネイロオリンピックでは銀メダルを獲得した。

2017年にフランスで開催された第25回世界選手権では、フランス代表として金メダルを獲得し、大会のオールスターチーム(ベストセブン)にも選出された。

2018年の欧州男子ハンドボール選手権(クロアチア開催)では、フランス代表として銅メダルを獲得した。

2020年の東京オリンピックでは、フランス代表として金メダルを獲得し、大会のオールスターチームにも選出された。

3. 個人タイトル・受賞歴

LNHディヴィジオン・アンベストセブン(最優秀ゴールキーパー)：
- 2010-11シーズン
- 2012-13シーズン
- 2013-14シーズン
- 2016-17シーズン
- 2018年
世界男子ハンドボール選手権オールスターチーム：2017年
オリンピックオールスターチーム：2020年東京

4. 試合統計

年	リーグ	チーム	試合	FS 阻止	率	7m 阻止	率
2006-07	フランスD1	モンペリエHB	15	53/140	.379	2/18	.111
2007-08		モンペリエHB	12	30/73	.411	4/18	.222
2008-09		イストルOPH	26	233/640	.364	9/63	.143
2009-10		イストルOPH	26	278/729	.381	15/69	.217
2010-11		ダンケルクHGL	26	261/700	.373	26/100	.260
2011-12			26	249/605	.412	15/68	.221
2012-13			26	288/759	.379	17/72	.236
2013-14			26	277/677	.409	22/85	.259
2014-15			24	215/578	.372	17/72	.236
2015-16		モンペリエHB	26	252/696	.362	16/69	.232
2016-17			22	210/554	.379	14/60	.233
2017-18			26	253/692	.366	12/81	.148
2018-19			26	200/598	.334	10/61	.164
フランスD1：13年			307	2799/7441	.376	179/836	.214

各年度の太字はリーグ最高

5. 評価と影響

ヴァンサン・ジェラールは、そのキャリアを通じて一貫して高いパフォーマンスを発揮し、特にゴールキーパーとしての優れた阻止率と、重要な局面でのセーブ能力で知られている。彼は若手時代からSMECメスでチームの重要な選手として認識されており、その後も所属する各クラブで守備の要として貢献してきた。

モンペリエ・ハンドボールやダンケルクHGLでの活躍は、彼がフランス国内リーグで最も優れたゴールキーパーの一人であることを証明している。複数回にわたるリーグのベストセブン選出は、彼の技術と安定性が高く評価されている証拠である。

フランス代表チームにおいては、彼の存在がチームの国際的な成功に不可欠であった。特に2017年世界男子ハンドボール選手権や2020年東京オリンピックでのオールスターチーム選出は、彼が世界トップレベルのゴールキーパーであることを裏付けている。彼のリーダーシップと決定的なセーブは、チームの勝利に大きく貢献し、ハンドボール界における彼の影響力は大きい。