1. Overview
中美 慶哉(なかみ けいや、Keiya Nakami英語)は、1991年9月23日に栃木県宇都宮市で生まれた日本の元プロサッカー選手である。現役時代は主にミッドフィールダーとして活躍し、そのキャリアを通じて様々なクラブでプレーした。彼のサッカーキャリアは、前橋育英高等学校時代のインターハイ優勝や、松本山雅FCでのJ2リーグ優勝など、数々のチームの成功に貢献したことで知られている。本稿では、中美慶哉の幼少期からプロ経歴、引退に至るまでの詳細なキャリアを解説する。
2. 幼少期・アマチュア経歴
中美慶哉は、プロサッカー選手となる以前から、その才能を開花させていた。彼の学生時代の経験は、後のプロキャリアの礎を築いた。
2.1. 生い立ちと教育
中美慶哉は、1991年9月23日に栃木県宇都宮市で誕生した。身長は177 cm、体重は69 kgで、右利きである。学歴としては、前橋育英高等学校に進学し、その後流通経済大学でサッカーを続けた。
2.2. ユース・大学サッカー
ユース時代には、FCペンサーレに所属し、その後栃木SCのジュニアユースでプレーした。
前橋育英高等学校では、2009年にインターハイで優勝という輝かしい成績を収めた。同年には、第87回全国高等学校サッカー選手権大会でチームをベスト4に導き、自身も大会優秀選手に選出されるなど、高校サッカー界で注目を集めた。
高校卒業後、流通経済大学に進学し、大学サッカーでも研鑽を積んだ。この間、2009年には日本高校選抜に、2011年には全日本大学選抜(関東B)にも選出されている。
3. プロクラブ経歴
中美慶哉のプロサッカー選手としてのキャリアは、2014年の栃木SC入団から始まり、複数のクラブを経て、2021年のFCマルヤス岡崎でのプレーを最後に引退した。
3.1. 栃木SC (2014-2015)
流通経済大学を卒業した中美慶哉は、2014年に地元のクラブである栃木SCへ入団した。これは、栃木SCにとって初の下部組織出身選手(ジュニアユースに在籍歴あり)のトップチーム入団であり、注目を集めた。
プロデビューは、2014年7月12日に行われた天皇杯2回戦のザスパクサツ群馬戦で、初先発出場を果たした。Jリーグでの初出場は、2014年7月20日のJ2リーグ第22節ジェフユナイテッド千葉戦(栃木県グリーンスタジアム)であった。また、Jリーグ初得点は、2014年8月31日のJ2リーグ第29節ジュビロ磐田戦(ヤマハスタジアム)で記録した。栃木SCでは、2シーズンにわたり主力として活躍し、リーグ戦合計56試合に出場し11得点を挙げた。
3.2. サガン鳥栖とツエーゲン金沢への期限付き移籍 (2016-2017)
2016年、中美慶哉はJ1リーグのサガン鳥栖へ完全移籍した。しかし、サガン鳥栖での公式戦出場機会は得られず、同年6月にはJ2リーグのツエーゲン金沢へ期限付き移籍で加入することになった。
ツエーゲン金沢では、主力として定着し、2016シーズンにはリーグ戦21試合に出場し2得点、2017年シーズンにはリーグ戦40試合に出場し12得点を挙げる活躍を見せた。特に、2016年にはJ2・J3入れ替え戦に2試合出場し2得点を記録するなど、チームのJ2残留に大きく貢献した。金沢でのリーグ戦合計出場は61試合、14得点に上る。
3.3. 松本山雅FC (2018-2020)
2018年、中美慶哉はJ2リーグの松本山雅FCへ完全移籍した。松本山雅FCでは、移籍初年度にJ2リーグ優勝を経験し、チームのJ1リーグ昇格に貢献した。このシーズンはリーグ戦22試合に出場し無得点だったものの、チームの戦術に不可欠な選手として活動した。
2019年には、J1リーグでリーグ戦18試合に出場し無得点、天皇杯に2試合出場し無得点、Jリーグカップに1試合出場し無得点という記録を残した。2020年シーズンは、チームがJ2降格した後もプレーし、リーグ戦22試合に出場し1得点を挙げた。2020年12月11日、松本山雅FCは中美慶哉との契約満了を発表した。松本山雅FCでの公式戦合計出場は62試合、1得点を記録した。
3.4. FCマルヤス岡崎 (2021)
松本山雅FCを退団した後、中美慶哉は2021年2月にJFLに所属するFCマルヤス岡崎へ移籍した。このチームが、彼のプロ選手としての最後の所属クラブとなった。FCマルヤス岡崎では、リーグ戦19試合に出場し1得点を記録した。
2021年12月27日、FCマルヤス岡崎は中美慶哉の退団を発表した。
4. 個人成績
中美慶哉の各クラブにおける年度別出場記録および得点記録は以下の通りである。
クラブ成績 | リーグ | カップ | リーグカップ | その他 | 合計 | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
シーズン | クラブ | リーグ | 出場 | 得点 | 出場 | 得点 | 出場 | 得点 | 出場 | 得点 | 出場 | 得点 |
日本 | リーグ | 天皇杯 | Jリーグカップ | その他1 | 合計 | |||||||
2014 | 栃木 | J2 | 15 | 1 | 0 | 0 | - | - | 15 | 1 | ||
2015 | 41 | 10 | 1 | 0 | - | - | 42 | 10 | ||||
2016 | 鳥栖 | J1 | 0 | 0 | - | 0 | 0 | - | 0 | 0 | ||
金沢 | J2 | 21 | 2 | 0 | 0 | - | 2 | 2 | 23 | 4 | ||
2017 | 40 | 12 | 1 | 0 | - | - | 41 | 12 | ||||
2018 | 松本 | J2 | 22 | 0 | - | 2 | 0 | - | 24 | 0 | ||
2019 | J1 | 18 | 0 | 2 | 0 | 1 | 0 | - | 21 | 0 | ||
2020 | J2 | 22 | 1 | 1 | 0 | - | - | 23 | 1 | |||
2021 | マルヤス | JFL | 19 | 1 | - | - | - | 19 | 1 | |||
J1通算 | 18 | 0 | 2 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 21 | 0 | ||
J2通算 | 161 | 26 | 3 | 0 | 2 | 0 | 2 | 2 | 168 | 28 | ||
JFL通算 | 19 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 19 | 1 | ||
総通算 | 198 | 27 | 5 | 0 | 3 | 0 | 2 | 2 | 208 | 29 |
1 2016年のJ2・J3入れ替え戦を含む。
5. タイトル・選抜歴
中美慶哉は、そのキャリアを通じて以下のタイトルを獲得し、選抜チームに選出されている。
- 前橋育英高校
- インターハイ:1回(2009年)
- 松本山雅FC
- J2リーグ:1回(2018年)
- 選抜歴
- 日本高校選抜(2009年)
- 全日本大学選抜(関東B)(2011年)
6. 引退
中美慶哉は、FCマルヤス岡崎でのプレーを最後に、プロサッカー選手としてのキャリアを終えることを決断した。
2021年12月27日にFCマルヤス岡崎からの退団が発表された後、2022年2月6日に現役引退が正式に発表された。これにより、彼の12年近くにわたるプロサッカー選手としての活動に幕が下ろされた。
7. 外部リンク
- [https://data.j-league.or.jp/SFIX04/?player_id=11865 J.League Data Site]
- [http://www.zweigen-kanazawa.jp/htm/players/2017/2017_10.html ツエーゲン金沢でのプロフィール]
- [https://twitter.com/keiya0521 中美慶哉のTwitter]