1. 概要
修行智仁(しゅうぎょう ともひと)は、大阪府大阪市出身の元プロサッカー選手であり、現在はサッカー指導者として活動している。現役時代は主にゴールキーパーとして、ガイナーレ鳥取、FC町田ゼルビア、大分トリニータ、FC今治の4クラブでプレーした。特にFC町田ゼルビアでは正GKとして活躍し、Jリーグでの初出場も果たした。大分トリニータ時代にはJ3リーグ優勝に貢献し、チームの精神的支柱としても重要な役割を担った。2024年に現役を引退し、2025年からはFC今治のGKコーチに就任することが発表されている。
2. 個人情報
修行智仁は1984年6月29日に大阪府大阪市で生まれた。身長は182 cm、体重は74 kgで、ポジションはゴールキーパー(GK)である。利き足は右足。彼のマネジメントは株式会社ジャパン・スポーツ・マーケティングが行っていた。
3. ユース経歴
修行智仁はプロ入り前、以下のユースクラブおよび大学サッカー部で活動した。
- ビゴーレ鶴見ジュニア
- ビゴーレ鶴見Jrユース
- 近畿大学付属高校
- 立命館大学
立命館大学在籍時には、チームとして以下のタイトルを獲得している。
- 関西学生サッカーリーグ1部(2005年)
- 総理大臣杯全日本大学サッカートーナメント(2006年)
4. プロ経歴
修行智仁のプロサッカー選手としてのキャリアは、JFLのガイナーレ鳥取で始まった。その後、FC町田ゼルビア、大分トリニータ、FC今治と渡り歩き、各クラブで重要な役割を担った。
4.1. ガイナーレ鳥取時代
立命館大学から2007年にJFLのガイナーレ鳥取に入団した。2年目の2008年に公式戦デビューを果たしたが、当時の正GKであった井上敦史からポジションを奪うには至らず、リーグ戦での出場は3試合に留まった。
4.2. FC町田ゼルビア時代
2009年より、同じJFLに所属するFC町田ゼルビアへ移籍した。移籍初年度の2009年には正GKとしてリーグ戦30試合に出場し、チームの守備を支えた。
2010年には背番号を1に変更したが、アビスパ福岡から加入した吉田宗弘にレギュラーの座を奪われる形となった。2011年シーズンは序盤こそ吉田から定位置を奪還したものの、8月27日に行われた東京都サッカートーナメント(天皇杯予選)の専修大学戦で右足長内転筋筋腱移行部部分損傷の重傷を負い、全治4ヶ月と診断された。これに伴い、大分トリニータから石田良輔が緊急加入したため、選手枠の都合により9月16日付で選手登録抹消となった。
2012年にはクラブがJ2に昇格。開幕当初は新加入の相澤貴志の控えであったが、4月15日のJ2第8節栃木SC戦(町田)でJリーグ初出場を果たした。以降は定位置を奪取し、リーグ戦34試合に出場したが、チームはシーズン最下位となり、1年でJFLに降格した。JFL降格後の2013年は再び相澤にレギュラーを奪われ、2014年より発足したJ3でも、新加入の高原寿康とのポジション争いを強いられた。
4.3. 大分トリニータ時代
2015年、J2の大分トリニータへ完全移籍した。移籍初年度は武田洋平の控えに甘んじ、リーグ戦1試合と天皇杯2試合の出場に終わった。チームがJ3に降格した2016年には背番号を1に変更。開幕当初は上福元直人の控えであったが、8月7日のJ3第20節福島ユナイテッドFC戦でスタメン出場を果たすと、以降最終節まで11試合連続で先発出場した。この期間、出場した試合では10勝1分1敗という好成績を収め、うち8試合を無失点に抑えるなど、チームの守備の安定に大きく貢献した。結果として、大分のJ3リーグ優勝と1年でのJ2復帰に貢献した。
J2復帰後の2017年と2018年の2年間は、天皇杯での2試合出場に留まった。しかし、試合に出られない選手に対しては、トレーニング中に「腐っている時間がどれだけ無駄な時間を過ごすことになるのか」と説いたり、食事に誘って他愛のない話をして心を解きほぐしたりするなど、チームの精神的な支柱(メンタルリーダー)としての役割を担った。J1昇格を決めた2018年シーズン終了後、「選手として僕が大分でやれる事はもうありません」というコメントと共に契約満了が発表され、大分を退団した。
4.4. FC今治時代(選手)
2019年より、当時JFLに所属していたFC今治へ完全移籍した。今治では再び出場機会を得るようになり、2020年シーズンもスタメン出場を続けた。しかし、同年8月9日の藤枝MYFC戦で負傷し、右足長内転筋筋腱移行部部分損傷で全治3~4週間と診断されたが、シーズン中に回復し復帰を果たした。
2024年11月28日、現役引退を発表し、長きにわたるプロサッカー選手としてのキャリアに幕を下ろした。
5. 指導歴
選手引退後、修行智仁は指導者としての道を歩むことになった。
- 2025年 - FC今治 GKコーチ
6. 個人成績
修行智仁の個人成績は以下の通りである。
クラブ成績 | リーグ | カップ | その他 | 通算 | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
シーズン | クラブ | 背番号 | リーグ | 出場 | 得点 | 出場 | 得点 | 出場 | 得点 | 出場 | 得点 |
日本 | リーグ | 天皇杯 | その他 | 通算 | |||||||
2006 | 立命館大 | 1 | - | 3 | 0 | - | - | 3 | 0 | ||
2007 | 鳥取 | 21 | JFL | 0 | 0 | - | 0 | 0 | 0 | 0 | |
2008 | 3 | 0 | - | 0 | 0 | 3 | 0 | ||||
2009 | 町田 | 30 | 30 | 0 | - | - | 30 | 0 | |||
2010 | 1 | 9 | 0 | - | 1 | 0 | 10 | 0 | |||
2011 | 10 | 0 | - | 0 | 0 | 10 | 0 | ||||
2012 | J2 | 34 | 0 | - | 2 | 0 | 36 | 0 | |||
2013 | JFL | 3 | 0 | - | - | 3 | 0 | ||||
2014 | J3 | 23 | 0 | - | - | 23 | 0 | ||||
2015 | 大分 | 22 | J2 | 1 | 0 | - | 2 | 0 | 3 | 0 | |
2016 | 1 | J3 | 12 | 0 | - | 1 | 0 | 13 | 0 | ||
2017 | J2 | 0 | 0 | - | 2 | 0 | 2 | 0 | |||
2018 | 0 | 0 | - | 0 | 0 | 0 | 0 | ||||
2019 | 今治 | JFL | 27 | 0 | - | - | 27 | 1 | |||
2020 | J3 | 29 | 0 | - | - | 29 | 0 | ||||
2021 | 25 | 0 | - | 1 | 0 | 26 | 0 | ||||
2022 | 6 | 0 | - | 0 | 0 | 6 | 0 | ||||
2023 | 2 | 0 | - | 0 | 0 | 2 | 0 | ||||
2024 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | |||
総通算 | 214 | 0 | 0 | 0 | 12 | 0 | 226 | 0 |
- Jリーグ初出場:2012年4月15日 J2第8節 栃木SC戦(町田)
7. タイトル
修行智仁が選手として獲得した主なタイトルは以下の通りである。
- クラブ
- 立命館大学
- 総理大臣杯全日本大学サッカートーナメント(2006年)
- 関西学生サッカーリーグ1部(2005年)
- 大分トリニータ
- J3リーグ(2016年)
- 立命館大学