1. 概要
安部雄大は、日本の元プロサッカー選手であり、現在はサッカー指導者として活動している。選手としては、サンフレッチェ広島とヴィッセル神戸でミッドフィールダーとして活躍し、特にヴィッセル神戸では守備的ミッドフィールダーとしてレギュラーを務め、副キャプテンも経験した。引退後は、ユース年代の指導からキャリアをスタートさせ、アミザージFC U-15の監督やヴィッセル神戸のジュニア、ジュニアユースの指導に携わった後、2015年からはヴィッセル神戸のトップチームコーチを務めている。また、テレビ番組への出演など、サッカー以外の活動を通じて地域社会への貢献を試みたエピソードも持つ。
2. 個人情報
安部雄大の基本的な人物情報と、サッカー選手としてのキャリアを築くまでの背景について詳述する。
2.1. 出生と幼少期
安部雄大は、1974年7月31日に山口県山口市で生まれた。彼の幼少期の詳細な家庭環境については特筆すべき情報はない。
2.2. 学歴とユース時代
安部は、山口市立白石小学校、山口市立白石中学校を経て、多々良学園高等学校を卒業した。ユース時代には、この高校でサッカーの経験を積んだ。選手引退後、彼は故郷のアミザージFC U-15の監督を務めるなど、早い段階からユース年代の指導に携わっている。
3. 選手としてのキャリア
安部雄大のプロサッカー選手としてのキャリアは、サンフレッチェ広島でのデビューから始まり、ヴィッセル神戸での主力としての活躍、そして故郷のチームでの引退に至るまで、多岐にわたる。
3.1. プロデビューと初期キャリア
多々良学園高等学校を卒業後、安部は1993年にJリーグのサンフレッチェ広島に入団し、プロサッカー選手としてのキャリアをスタートさせた。同期入団には、盧廷潤、上村健一、アンドレイ、若松賢治らがいる。入団した1993年から翌1994年にかけては、イングランドの強豪クラブであるマンチェスター・ユナイテッドへ留学し、海外での経験も積んだ。しかし、サンフレッチェ広島では多くの試合に出場する機会は得られなかった。
3.2. サンフレッチェ広島時代
安部は1993年から1997年までサンフレッチェ広島に所属した。この期間中、彼はミッドフィールダーとしてプレーしたが、リーグ戦での出場機会は限られていた。特に初期の数シーズンは出場が少なく、1996年にはリーグ戦で3試合、天皇杯で6試合、Jリーグカップで3試合に出場し、天皇杯で1得点を記録した。1997年にはリーグ戦で6試合に出場した。
3.3. ヴィッセル神戸時代
1998年、安部はヴィッセル神戸へ移籍した。ここでは守備的ミッドフィルダーとしてプレーし、チームのレギュラー選手としての地位を確立した。1999年には副キャプテンを務めるなど、チーム内でのリーダーシップも発揮した。ヴィッセル神戸での3年間で、彼はリーグ戦で合計66試合に出場し、3得点を記録した。特に1998年にはリーグ戦30試合に出場し2得点、1999年にはリーグ戦25試合に出場し1得点を挙げ、チームの中心選手として活躍した。
3.4. 山口教員(地域リーグ時代)
2001年、安部は故郷の山口県にある山口教員団へ移籍した。山口教員団は当時中国サッカーリーグに所属しており、安部はここで選手としての最後のシーズンを送った。そして、2001年シーズン終了をもって現役を引退した。
4. クラブ別記録
安部雄大の選手としての公式戦におけるクラブ別出場記録は以下の通りである。
| クラブ成績 | リーグ | カップ | リーグカップ | その他公式戦 | 通算 | |||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| シーズン | クラブ | リーグ | 出場 | 得点 | 出場 | 得点 | 出場 | 得点 | 出場 | 得点 | 出場 | 得点 |
| 日本 | リーグ | 天皇杯 | Jリーグカップ | その他 | 通算 | |||||||
| 1993 | サンフレッチェ広島 | J | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 |
| 1994 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | ||
| 1995 | 0 | 0 | 0 | 0 | - | 0 | 0 | 0 | 0 | |||
| 1996 | 3 | 0 | 6 | 1 | 3 | 0 | 0 | 0 | 12 | 1 | ||
| 1997 | 6 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 6 | 0 | ||
| 1998 | ヴィッセル神戸 | J | 30 | 2 | 3 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 34 | 2 |
| 1999 | 25 | 1 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 27 | 1 | ||
| 2000 | 11 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 11 | 0 | ||
| 2001 | 山口教員 | 中国 | 1 | 0 | - | 0 | 0 | |||||
| 総通算 | 76 | 3 ! 13 | 1 ! 3 | 0 ! 1 | 0 ! 92 | 4 | ||||||
※「その他公式戦」にはJ1参入決定戦が含まれる。
5. 代表歴
安部雄大は、1993年にU-19日本代表に選出され、国際舞台での経験も積んだ。U-19日本代表として4試合に出場している。
6. 指導者としてのキャリア
選手引退後、安部雄大はサッカー指導者としての道を歩み、主にユース年代の育成に尽力した後に、トップチームのコーチとして活躍している。
6.1. ユース年代指導
現役引退後、安部は故郷である山口県に戻り、2001年から2004年までアミザージFC U-15の監督を務め、若手選手の育成に力を注いだ。その後、2005年からはヴィッセル神戸のユース組織に加わり、2008年までヴィッセル神戸ジュニアの監督を務めた。2009年から2010年にはヴィッセル神戸ジュニアユースのコーチとして指導にあたり、2011年から2014年まではヴィッセル神戸U-15の監督を務めるなど、長年にわたりヴィッセル神戸のユース育成に貢献した。
6.2. トップチームコーチ
2015年、安部雄大はヴィッセル神戸のトップチームコーチに就任した。これまでのユース年代での豊富な指導経験を活かし、プロの舞台で選手たちの指導にあたっている。
7. その他の活動とエピソード
サッカー選手および指導者としての活動以外にも、安部雄大には特筆すべきエピソードがある。2004年6月3日には、人気テレビ番組『クイズ$ミリオネア』に回答者として出演した。この番組で彼は、獲得した賞金で自身が監督を務めていたアミザージFCの遠征用バスを購入したいという希望を語った。順調に150.00 万 JPY(150万円)まで到達したが、7問目で不正解となり、惜しくも目標達成には至らなかった。