1. Personal Information
文慶建の基本的な個人情報は以下の通りである。
- 生年月日:1995年2月9日
- 出身地:大韓民国 釜山広域市
- 身長:187 cm
- 体重:81 kg
- 利き足:右足
- ポジション:ゴールキーパー(GK)
2. Youth and University Career
文慶建は小学校4年時にサッカーを始めた。彼のユースキャリアは、釜山金井小学校、昌寧中学校、釜慶高等学校を経て、光云大学校へと続いた。当初のポジションはミッドフィールダーであったが、同年代の選手と比較して身長が高かったため、ゴールキーパー(GK)への転向を勧められた。父親はフィールドプレーヤーとして育成することを望んでいたため当初は反対したが、文自身はGKというポジションにすぐに魅力を感じたという。その後もGKとしてプレーを続け、トーナメントの試合でPKを頻繁に阻止したことから、「PKに強いGK」として評価を高めた。
2014年に光云大学校に入学し、同校のサッカー部に入部した。光云大学校にはGKコーチが在籍していなかったため、文は練習が休みとなる週末を利用して、龍仁大学校のGKコーチから個人的な指導を受けていた。
3. Professional Career
文慶建のプロサッカー選手としてのキャリアは、日本のJリーグと韓国のKリーグでの経験に分かれている。大学卒業後、彼は日本でのプレーを志し、大分トリニータでプロデビューを果たした。その後、韓国の複数のクラブで経験を積み、兵役期間を経て再び大分トリニータへと復帰している。
3.1. Japan J.League Entry
光云大学校に入学して以降、文慶建は本格的にJリーグでのプレーを志すようになった。当時Jリーグのベガルタ仙台に所属していた金眠泰(김민태キム・ミンテ韓国語)の試合を観戦した際、その会場の雰囲気に感銘を受け、「1歳でも若い時に(Jリーグに)チャレンジしたい」という強い思いを抱いたという。そして2017年8月3日、J2リーグに所属する大分トリニータへの加入が発表された。
3.1.1. Oita Trinita (2017-2020)
大分トリニータ加入初年度の2017年は、公式戦での出場機会はなかった。
加入2年目の2018年、J2リーグ第13節のアルビレックス新潟戦で初めて公式戦のベンチ入りを経験した。そして同年6月6日に行われた天皇杯2回戦のレノファ山口FC戦では先発出場を果たし、プロとしてのデビューを飾った。
チームがJ1リーグに昇格した2019年は、再び公式戦での出場はなかった。しかし、2020年8月5日のYBCルヴァンカップ第2節ガンバ大阪戦でのプレーが高く評価されると、続く8月8日のJ1リーグ第9節川崎フロンターレ戦で先発に起用され、Jリーグ初出場を果たした。この試合を機に、彼は一時的にチームの正ゴールキーパーであった高木駿からレギュラーポジションを奪い、リーグ戦で17試合に出場するなど存在感を示した。
しかし、韓国の徴兵制度に基づく兵役義務を果たすため、文慶建は2020年シーズン限りで大分トリニータを退団することとなった。
3.2. Return to South Korean K League and Activities
日本でのプレーを経て、文慶建は母国である韓国のKリーグへと活躍の場を移した。大邱FC、安山グリナースFC、済州ユナイテッドFCといったクラブで経験を積み、兵役期間中も金泉尚武FCで選手としての活動を継続した。
3.2.1. Daegu FC (2021)
2021年、文慶建はKリーグ1に所属する大邱FCに加入した。しかし、肩の負傷により戦線を離脱する期間があり、リーグ戦での出場はわずか2試合にとどまった。このため、同年7月20日にクラブとの契約を解除することとなった。
3.2.2. Ansan Greeners FC (2021)
大邱FCを退団した同日である2021年7月20日、文慶建はKリーグ2に所属する安山グリナースFCへの加入が発表された。
3.2.3. Jeju United FC (2022-2023)
2022年シーズンを前に、文慶建は済州ユナイテッドFCへ移籍した。
3.3. Military Service (Gimcheon Sangmu FC)
大韓民国の徴兵制度に基づき、文慶建は2022年から2023年にかけて、国軍体育部隊傘下のサッカークラブである金泉尚武FCに所属し、兵役期間中もプロサッカー選手として活動を継続した。
3.4. Return to Oita Trinita (2024-)
兵役期間を終えた文慶建は、2024年、かつて所属した大分トリニータに完全移籍で復帰した。これは4年ぶりの古巣復帰となった。
4. National Team Career
文慶建は各年代別の韓国代表に選出され、国際大会での経験も積んでいる。
- U-16韓国代表(2010年)
- U-22韓国代表(2016年)
- U-23韓国代表(2017年)
- ユニバーシアード韓国代表(2017年台北大会)
5. Player Characteristics and Style
文慶建は、特にPKの阻止能力に長けたゴールキーパーとして知られている。また、彼のプレースタイルは、単にシュートを止めるだけでなく、後方からのビルドアップにも積極的に貢献する「ビルドアップゴールキーパー」としての特徴を持つ。パスの精度や判断力も高く、チームの攻撃の起点となる役割も担うことができる。大分トリニータでのプレー時には、パスをつなぐ能力が向上し、プレーに余裕が生まれたと評価されている。
6. Statistics
文慶建のプロキャリア全体を通じた出場試合数、得点数、および各クラブや大会での詳細な記録は以下の通りである。
クラブ成績 | リーグ | カップ戦 | リーグカップ | 通算 | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
シーズン | クラブ | リーグ | 出場 | 得点 | 出場 | 得点 | 出場 | 得点 | 出場 | 得点 | |
日本 | リーグ | 天皇杯 | リーグカップ | 通算 | |||||||
2017 | 大分トリニータ | J2 | 0 | 0 | - | - | 0 | 0 | |||
2018 | 0 | 0 | 1 | 0 | - | 1 | 0 | ||||
2019 | J1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | ||
2020 | 17 | 0 | 1 | 0 | - | 18 | 0 | ||||
韓国 | リーグ | FAカップ | リーグカップ | 通算 | |||||||
2021 | 大邱FC | K1 | 2 | 0 | - | 0 | 0 | 2 | 0 | ||
安山 | K2 | 3 | 0 | - | - | 3 | 0 | ||||
2022 | 金泉尚武 | K1 | 0 | 0 | - | 0 | 0 | 0 | 0 | ||
2023 | K2 | 3 | 0 | - | 1 | 0 | 4 | 0 | |||
日本 | リーグ | 天皇杯 | リーグカップ | 通算 | |||||||
2024 | 大分 | J2 | 14 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0 | 17 | 0 | |
2025 | |||||||||||
日本通算(J1) | 17 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 18 | 0 | |||
日本通算(J2) | 14 | 0 | - | 4 | 0 | 18 | 0 | ||||
韓国通算(K1) | 2 | 0 | - | 0 | 0 | 2 | 0 | ||||
韓国通算(K2) | 6 | 0 | - | 1 | 0 | 7 | 0 | ||||
総通算 | 39 | 0 | 1 | 0 | 5 | 0 | 45 | 0 |
- 公式戦初出場 - 2018年6月6日 天皇杯2回戦 レノファ山口FC戦(維新みらいふスタジアム)
- Jリーグ初出場 - 2020年8月8日 J1リーグ第9節 川崎フロンターレ戦(等々力陸上競技場)
7. Awards
文慶建は、プロキャリアを通じて以下の個人賞やチームタイトルを獲得している。
- 光云大学校
- Uリーグ王中王戦:1回(2014年)