1. Overview
朝比奈伸は、1999年から2009年までプロサッカー選手として活躍した後、2010年以降は指導者やクラブの強化担当として、日本のサッカー界に多大な貢献を続けている人物である。選手としてはガンバ大阪やサガン鳥栖などで堅実なプレーを見せ、特にロアッソ熊本(旧ロッソ熊本)では初代主将としてJFL昇格に貢献した。引退後は、ガンバ大阪のスカウト担当として若手選手の育成・発掘に尽力し、その後も複数のJリーグクラブで強化担当や強化部長を歴任。クラブの強化戦略や運営に携わり、日本のサッカーの発展に貢献する活動を継続している。
2. Life
朝比奈伸の選手としてのキャリアは、彼の幼少期から学生時代に培われたサッカーへの情熱と基礎によって支えられている。
2.1. Early life and education
朝比奈伸は1976年8月20日に静岡県藤枝市で生まれた。身長は182 cm、体重は78 kgで、現役時代のポジションは主にディフェンダー、特にセンターバックだった。彼は、静岡市立清水商業高等学校(1992年から1994年)でサッカーの基礎を築き、その後同志社大学(1995年から1998年)に進学し、選手としてのさらなる能力向上に励んだ。
3. Playing career
朝比奈伸は、大学卒業後、1999年にJリーグのガンバ大阪に入団しプロの道へ進んだ。その後、複数のクラブでプレーし、それぞれのチームで重要な役割を担った。
3.1. Professional club career
1999年、同志社大学からJ1リーグのガンバ大阪に加入。手薄であったセンターバックの即戦力として期待されたものの、在籍した4年間(1999年から2002年)でのリーグ戦出場は16試合にとどまった。
2003年にはJ2リーグのサガン鳥栖へ完全移籍。鳥栖では2004年シーズンのキャプテンを務め、2年間主力選手として活躍した。しかし、シーズン終了後に戦力外通告を受け、クラブを離れることになった。
2005年からは当時九州サッカーリーグ所属のロアッソ熊本(旧ロッソ熊本)へ入団。ロッソ熊本の初代主将を任され、チームを牽引しJFL昇格に貢献した。
2007年には関西サッカーリーグ1部のバンディオンセ神戸へ移籍。翌2008年にはTDK(現在のブラウブリッツ秋田)に加入し、2シーズンにわたり多くの試合に出場。2009年シーズンを最後に現役を引退した。
3.2. Career statistics
朝比奈伸の選手キャリアにおけるリーグ戦、天皇杯、Jリーグカップなどの出場記録は以下の通りである。
| クラブ成績 | リーグ | 天皇杯 | リーグカップ | 通算 | |||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| シーズン | クラブ | リーグ | 出場 | 得点 | 出場 | 得点 | 出場 | 得点 | 出場 | 得点 | |
| 日本 | リーグ | 天皇杯 | Jリーグカップ | 通算 | |||||||
| 1999 | ガンバ大阪 | J1リーグ | 4 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 5 | 0 | |
| 2000 | 4 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 4 | 0 | |||
| 2001 | 6 | 0 | 1 | 0 | 2 | 0 | 9 | 0 | |||
| 2002 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | |||
| 2003 | サガン鳥栖 | J2リーグ | 26 | 2 | - | 0 | 0 | 26 | 2 | ||
| 2004 | 35 | 1 | - | 2 | 0 | 37 | 1 | ||||
| 2005 | 熊本 | 九州サッカーリーグ | 15 | 1 | - | 1 | 1 | 16 | 2 | ||
| 2006 | JFL | 31 | 8 | - | 1 | 0 | 32 | 8 | |||
| 2007 | バンディオンセ神戸 | 関西サッカーリーグ1部 | 11 | 2 | - | 1 | 0 | 12 | 2 | ||
| 2008 | TDK | JFL | 30 | 1 | - | 1 | 0 | 31 | 1 | ||
| 2009 | 14 | 0 | - | 0 | 0 | 14 | 0 | ||||
| 総通算 | 178 | 15 | 2 | 0 | 8 | 1 | 188 | 16 | |||
- Jリーグ初出場: 1999年4月14日 対ベルマーレ平塚戦(平塚競技場)
- Jリーグ初得点: 2003年4月5日 対アビスパ福岡戦(鳥栖スタジアム)
4. Post-retirement career
現役引退後、朝比奈伸は選手として培った経験を活かし、サッカー界の発展のために指導者およびクラブの強化担当として継続的に活動している。
4.1. Management and staff roles
2010年、現役引退後すぐにガンバ大阪の強化本部スタッフとなり、2017年まで8年間にわたりスカウトを担当した。2018年には同クラブのアカデミー運営担当を務めるなど、若手育成に尽力した。
2019年から2020年までは京都サンガF.C.で強化担当を務めた。その後、2021年から2022年まではAC長野パルセイロの強化担当に就任し、クラブの強化戦略に貢献した。
2023年からはブラウブリッツ秋田の強化部長に就任し、クラブの運営とチーム強化の中核を担っている。
5. Honors and achievements
朝比奈伸は選手キャリアにおいて、以下の個人タイトルを獲得している。
- 関西サッカーリーグDivision1 ベスト11(2007年)