1. 概要
森浦 大輔(森浦 大輔もりうら だいすけ日本語、1998年6月15日生まれ)は、和歌山県新宮市出身の日本のプロ野球選手(投手)。左投左打で、現在は日本プロ野球(NPB)のセントラル・リーグに所属する広島東洋カープでプレーしている。彼は、主にリリーフ投手として活躍し、特に「魔球」と称されるチェンジアップを武器としている。プロ入り後は新人記録や連続登板記録を達成し、2024年にはNPB史上19人目となる三者連続三球三振を達成した。
2. 経歴
2.1. プロ入り前
2.1.1. 幼少期と教育
森浦は新宮市立丹鶴小学校1年次に、地元の野球チーム「新宮パワーウエーブ」に入団し、野球を始めた。その後、新宮市立緑丘中学校では軟式野球部に所属して野球を続けた。
2.1.2. アマチュア時代
天理高等学校に進学し、2年時には第87回選抜高等学校野球大会と第97回全国高等学校野球選手権大会に出場した。高校卒業後、天理大学に進学。大学1年春には3勝0敗、防御率0.92という好成績を残し、第66回全日本大学野球選手権大会の2回戦、対大阪商業大学戦では16奪三振を記録する好投を見せた。大学時代の通算成績は21勝10敗で、最優秀選手(MVP)と敢闘賞をそれぞれ2回、最優秀投手、特別賞、ベストナインを各1回受賞した。天理大学の1年先輩には、後にプロでもチームメイトとなる石原貴規がいた。
2020年のドラフト会議において、森浦は広島東洋カープからドラフト2位指名を受けた。同年12月3日に、契約金6000.00 万 JPY、推定年俸1100.00 万 JPYという条件で入団契約を結んだ。彼の背番号は13に決定し、担当スカウトは鞘師智也であった。
2.2. 広島東洋カープ時代
2.2.1. 2021年シーズン
プロ入り1年目の2021年シーズンは、3月27日の対中日ドラゴンズ戦でプロ初登板を果たした。この試合では、二死を取った後に3四死球で満塁のピンチを迎えたものの、大島洋平をセカンドゴロに打ち取り、無失点で切り抜けプロ初ホールドを記録した。5月28日の対千葉ロッテマリーンズ戦では、5回二死二塁から登板し、1回1/3を無失点に抑え、プロ初勝利を挙げた。最終的にシーズンを通じて54試合に登板し、3勝3敗17ホールド、防御率3.17の成績を残した。17ホールドは球団の新人最多記録となった。シーズンオフには、推定年俸2200.00 万 JPY(1100.00 万 JPY増)で契約を更改した。
2.2.2. 2022年シーズン
2022年シーズンは二軍で開幕を迎えたが、4月22日に一軍へ昇格した。4月28日の対東京ヤクルトスワローズ戦から6月10日の対埼玉西武ライオンズ戦にかけて14試合連続無失点を記録。6月には11試合に登板し、9ホールド、防御率1.74という好成績を残した。さらに、9月13日の対阪神タイガース戦からシーズン最終戦の10月2日の中日ドラゴンズ戦まで、リーグタイ記録となる10試合連続登板を達成した。最終成績は2年連続でチーム最多登板となる51試合に登板し、3勝6敗24ホールド、防御率3.30を記録した。2年連続50試合登板を果たし、チーム最多ホールド数も記録した。12月1日には、推定年俸4000.00 万 JPY(1800.00 万 JPY増)で契約を更改し、来季は50試合、可能であれば60試合登板を目指すと語った。
2.2.3. 2023年シーズン
2023年シーズンも開幕を二軍で迎えた。5月20日に一軍昇格を果たしたが、13試合に登板するも、ホールドを記録することなく9月4日に登録抹消された。その後、一軍に再昇格することはなかった。11月15日、推定年俸3500.00 万 JPY(500.00 万 JPY減)で契約を更改した。
2.2.4. 2024年シーズン
2024年1月28日に一般女性と結婚したことを、球団を通じて2月1日に発表した。この年の6月1日、交流戦の対福岡ソフトバンクホークス2回戦(みずほPayPayドーム福岡)の7回裏に2番手として登板した際、9番柳町達、1番佐藤直樹、2番今宮健太を三者連続三球三振に打ち取り、NPB史上19人目(21度目)となる記録を達成した。この記録は、前年6月6日に同球場でソフトバンクのリバン・モイネロが達成して以来の快挙であった。6月14日の対東北楽天ゴールデンイーグルス戦(楽天モバイルパーク宮城)では、延長10回表に5番手で登板し、満塁のピンチを無失点で切り抜け、2年ぶりの勝利投手となった。シーズン最終成績は53試合に登板し、2勝0敗17ホールド、防御率2.51を記録した。11月25日には、推定年俸6300.00 万 JPY(2800.00 万 JPY増)で契約を更改した。
3. 選手としての特徴
森浦のストレートの最速は、アマチュア時代に148 km/hを記録している。変化球はスライダー、カーブ、そして特に得意とするチェンジアップを投じる。中でもチェンジアップは「魔球」とも称されるほどの大きな武器となっており、彼がプロで成功する上で欠かせない球種である。
4. 主要記録と受賞歴
4.1. 初記録
- 初登板・初ホールド:2021年3月27日、対中日ドラゴンズ2回戦(MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島)、7回表に2番手で救援登板、1回無失点
- 初奪三振:2021年3月28日、対中日ドラゴンズ3回戦(MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島)、7回表に根尾昂から空振り三振
- 初勝利:2021年5月28日、対千葉ロッテマリーンズ1回戦(ZOZOマリンスタジアム)、5回裏に2番手で救援登板、1回1/3を無失点
4.2. その他の記録
- 三者連続三球三振:2024年6月1日、対福岡ソフトバンクホークス2回戦(みずほPayPayドーム福岡)、7回裏に柳町達、佐藤直樹、今宮健太から(NPB史上19人目)
5. 私生活
2024年1月28日に一般女性と結婚したことを、同年2月1日に球団を通じて発表した。
6. 年度別成績
6.1. 年度別投手成績
年 度 | 球 団 | 登 板 | 先 発 | 完 投 | 完 封 | 無 四 球 | 勝 利 | 敗 戦 | セ | ブ | ホ | ル ド | 勝 率 | 打 者 | 投 球 回 | 被 安 打 | 被 本 塁 打 | 与 四 球 | 故 意 四 球 | 与 死 球 | 奪 三 振 | 暴 投 | ボ | ク | 失 点 | 自 責 点 | 防 御 率 | WHIP |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2021 | 広島 | 54 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 3 | 0 | 17 | .500 | 206 | 48.1 | 39 | 3 | 21 | 1 | 4 | 41 | 3 | 0 | 18 | 17 | 3.17 | 1.24 |
2022 | 51 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 6 | 0 | 24 | .333 | 201 | 46.1 | 47 | 4 | 16 | 3 | 3 | 48 | 1 | 1 | 17 | 17 | 3.30 | 1.36 | |
2023 | 13 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | ---- | 57 | 11.2 | 11 | 1 | 12 | 0 | 0 | 8 | 2 | 0 | 8 | 8 | 6.17 | 1.97 | |
2024 | 53 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 17 | 1.000 | 203 | 46.2 | 40 | 1 | 27 | 6 | 1 | 43 | 0 | 0 | 13 | 13 | 2.51 | 1.59 | |
通算:4年 | 171 | 0 | 0 | 0 | 0 | 8 | 9 | 0 | 58 | .471 | 667 | 153.0 | 137 | 9 | 76 | 8 | 7 | 140 | 6 | 1 | 56 | 55 | 3.24 | 1.39 |
- 2024年度シーズン終了時
- 各年度の太字はリーグ最多
6.2. 年度別守備成績
年 度 | 球 団 | 投手 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
試 合 | 刺 殺 | 補 殺 | 失 策 | 併 殺 | 守 備 率 | ||
2021 | 広島 | 54 | 1 | 11 | 0 | 0 | 1.000 |
2022 | 51 | 0 | 5 | 0 | 0 | 1.000 | |
2023 | 13 | 0 | 9 | 0 | 0 | 1.000 | |
2024 | 53 | 3 | 6 | 0 | 0 | 1.000 | |
通算 | 171 | 4 | 31 | 0 | 0 | 1.000 |
- 2024年度シーズン終了時
7. 背番号
- 13(2021年 - )
8. 関連項目
- 和歌山県出身の人物一覧
- 広島東洋カープの選手一覧
9. 外部リンク
- [https://carp.co.jp/team24/member/p13.html 13 森浦 大輔] - 広島東洋カープ公式サイト
- [https://sp.baseball.findfriends.jp/player/19980125/ 選手情報] - 週刊ベースボールONLINE
- [https://www.instagram.com/moriura_001/ 森浦大輔] - Instagram