1. 概要
秋葉 勝(あきば まさるAkiba Masaru日本語、1984年2月19日 - )は、山形県上山市出身の元プロサッカー選手である。ポジションはミッドフィールダー(CMF)。身長は173 cm、体重は67 kg。幼少期に兄の影響でサッカーを始め、モンテディオ山形のユースチームを経てトップチームに昇格。長年にわたりモンテディオ山形の主力選手として、クラブのJ1昇格に貢献した。その後はツエーゲン金沢やFC岐阜でもプレーし、2017年シーズンを最後に現役を引退した。引退後はモンテディオ山形のアカデミーコーチを務めるなど、サッカー界で後進の育成に尽力している。また、東日本大震災の復興支援を目的とした「東北人魂を持つJ選手の会」の発起人の一人としても知られている。
2. 初期生い立ちとサッカーとの出会い
秋葉勝は1984年2月19日に山形県上山市で生まれた。幼少期に兄がサッカーをしている姿に触発され、自身もサッカーの世界に足を踏み入れた。小学2年次には地元の西一サッカースポーツ少年団に加入し、本格的にサッカーを始めた。
その後、通学先のサッカー部の監督からの勧めもあり、プロサッカー選手になるという目標を抱くようになる。プロへの最も近い道であると考えた秋葉は、1999年にモンテディオ山形のユースチームへ加入した。ユース時代は山形県立上山明新館高等学校に在籍し、プロの舞台を目指して研鑽を積んだ。
3. 選手経歴
秋葉勝は、2002年にモンテディオ山形のトップチームに昇格してプロキャリアをスタートさせて以降、主にミッドフィールダーとして活躍した。長年にわたりモンテディオ山形の主力選手としてチームを支え、その後はツエーゲン金沢やFC岐阜といったクラブでもプレーした。
3.1. モンテディオ山形時代
2002年、秋葉はモンテディオ山形ユースからトップチームに昇格した。これは同ユース出身者としては史上2人目のトップ昇格であった。同年4月24日、山形県総合運動公園陸上競技場で開催されたJ2第11節の横浜FC戦でJリーグデビューを果たした。プロ入り当初から守備的ミッドフィールダーとして多くの試合に出場し、2006年にはレギュラー選手としての地位を確立した。
J2リーグでのキャリアを通じて、2004年6月26日に山形県総合運動公園陸上競技場で開催されたJ2第20節の湘南ベルマーレ戦でリーグ初得点を記録している。
モンテディオ山形は、2008年シーズンにJ2で2位となり、クラブ史上初めてJ1昇格を果たす。秋葉はこの歴史的な昇格に大きく貢献した。しかし、J1ではチームの成績は振るわず、2011年シーズン末には再びJ2降格となる。
この間、秋葉は負傷も経験している。2008年10月には右膝を負傷し、全治約3週間と診断された。また、2013年8月には右内転筋肉離れで全治約3週間の診断を受けている。
モンテディオ山形は2014年シーズンにJ2で6位となり、天皇杯では2位という成績を収め、再びJ1昇格を達成した。しかし、秋葉はJ1でのプレー機会を得ることなく、2015年にモンテディオ山形を離れることになった。
3.2. 後期キャリア
2015年、秋葉はJ2に昇格したばかりのツエーゲン金沢へ期限付き移籍で加入した。金沢ではレギュラー選手として活躍し、同年8月1日のJ2第27節水戸ホーリーホック戦では、史上21人目となるJ2通算300試合出場を達成する偉業を成し遂げた。
2016年にはFC岐阜へ移籍したが、ここでは公式戦出場機会がほとんどなかった。同年7月には、再びツエーゲン金沢へ期限付き移籍で復帰し、2016年シーズン後半は多くの試合に出場した。シーズン終了後に完全移籍で金沢に加入。しかし、2017年シーズンには出場機会が減少した。
4. 引退と引退後の活動
2017年シーズン終了後、秋葉勝はツエーゲン金沢を契約満了に伴い退団した。同年12月に行われたJリーグ合同トライアウトに参加したが、新たな所属チームを見つけることはできなかった。
2018年1月、秋葉はプロサッカー選手としての現役引退を発表した。同時に、長年在籍した古巣であるモンテディオ山形のアカデミーコーチに就任することが発表され、指導者としてサッカー界に貢献する新たな道を歩み始めた。
5. 個人成績
クラブパフォーマンス | リーグ | 天皇杯 | リーグカップ | 通算 | ||||||
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シーズン | クラブ | リーグ | 出場 | 得点 | 出場 | 得点 | 出場 | 得点 | 出場 | 得点 |
日本 | リーグ | 天皇杯 | Jリーグカップ | 通算 | ||||||
2002 | モンテディオ山形 | J2 | 7 | 0 | 0 | 0 | - | 7 | 0 | |
2003 | 17 | 0 | 1 | 0 | - | 18 | 0 | |||
2004 | 31 | 1 | 2 | 0 | - | 33 | 1 | |||
2005 | 11 | 1 | 1 | 0 | - | 12 | 1 | |||
2006 | 30 | 2 | 2 | 0 | - | 32 | 2 | |||
2007 | 43 | 3 | 2 | 0 | - | 45 | 3 | |||
2008 | 32 | 5 | 0 | 0 | - | 32 | 5 | |||
2009 | J1 | 31 | 2 | 2 | 0 | 6 | 1 | 39 | 3 | |
2010 | 25 | 1 | 2 | 0 | 5 | 2 | 32 | 3 | ||
2011 | 31 | 1 | 1 | 0 | 1 | 0 | 33 | 1 | ||
2012 | J2 | 41 | 8 | 2 | 0 | - | 43 | 8 | ||
2013 | 34 | 3 | 2 | 0 | - | 36 | 3 | |||
2014 | 27 | 1 | 0 | 0 | - | 27 | 1 | |||
合計 | 360 | 28 | 17 | 0 | 12 | 3 | 389 | 31 | ||
2015 | ツエーゲン金沢 | J2 | 42 | 2 | 1 | 0 | - | 43 | 2 | |
合計 | 42 | 2 | 1 | 0 | - | 43 | 2 | |||
2016 | FC岐阜 | J2 | 1 | 0 | 0 | 0 | - | 1 | 0 | |
合計 | 1 | 0 | 0 | 0 | - | 1 | 0 | |||
2016 | ツエーゲン金沢 | J2 | 17 | 0 | 0 | 0 | - | 17 | 0 | |
2017 | 4 | 0 | 0 | 0 | - | 4 | 0 | |||
合計 | 21 | 0 | 0 | 0 | - | 21 | 0 | |||
キャリア通算 | 424 | 30 | 18 | 0 | 12 | 3 | 454 | 33 |
;その他の公式戦
- 2016年
- J2・J3入れ替え戦 2試合0得点
6. 功績と影響
秋葉勝は、ピッチ上での活躍のみならず、社会貢献活動にも積極的に取り組んだ。
特に、2011年3月11日に発生した東日本大震災の復興支援を目的として結成された「東北人魂を持つJ選手の会」の発起人の一人である。この活動を通じて、彼は故郷である東北地方の復興に向けた支援を呼びかけ、被災地への訪問やチャリティーイベントへの参加など、サッカー選手としての影響力を生かした貢献を行った。彼の行動は、スポーツが地域社会に与えるポジティブな影響の好例として評価されている。
7. 外部リンク
- [https://data.j-league.or.jp/SFIX04/?player_id=6840 Jリーグ選手名鑑]
- [http://www.montedioyamagata.jp/profile/player/19/ モンテディオ山形公式サイトのプロフィール]