1. 個人背景
茶島雄介のサッカーキャリアは、幼少期から地元広島の育成組織で培われた。
1.1. 出生と成長
茶島雄介は1991年7月20日に広島県広島市安芸区で生まれた。安芸区の矢野で育ち、森崎和幸・森崎浩司兄弟は彼が通った矢野中学および吉田高校の先輩にあたる。
1998年、小学1年生の時にサンフレッチェ広島のサッカースクールでサッカーを始め、2000年には小学3年生でサンフレッチェ広島ジュニアに所属した。同期には森保翔平や岡崎和也がいた。2003年には小学6年生として全日本少年サッカー大会に広島県代表として出場している。
1.2. 学歴
2004年、茶島はサンフレッチェ広島ジュニアユースに昇格した。ここでも森保や岡崎、中山雄登、玉田道らと同期であった。2005年高円宮杯(U-15)ではチームのベスト4入りに貢献。2006年にはU-15Jリーグ選抜に選出された。
2007年にはサンフレッチェ広島ユースに昇格。同期には大﨑淳矢、森保、中山、玉田らがいた。ユースでは2年生からレギュラーの座を掴み、3年生時にはキャプテンを務めた。2009年高円宮杯(U-18)でのベスト4入りや、2009年Jユースカップでの準優勝に貢献。また、2009年JFAプリンスリーグ中国ではMVPを受賞した。しかし、ユースからトップチームへの昇格は叶わなかった。
2010年、茶島は教員免許の取得を目的として東京学芸大学へ進学した。大学では1年次からレギュラーとして活躍し、2年次には関東リーグ1部昇格に貢献するなど、4年間を通じて東京学芸大学の中心選手としてプレーした。
2. プロキャリア
茶島雄介のプロキャリアは、サンフレッチェ広島でのデビューから始まり、期限付き移籍を経て再び古巣で活躍する道を歩んでいる。
2.1. サンフレッチェ広島
2014年、茶島はサンフレッチェ広島とプロ契約を結んだ。サンフレッチェ広島の育成組織出身者で、大学を経由してトップチームに入団する初のケースとなった。同期入団には皆川佑介、ビョン・ジュンボン、高橋壮也、大谷尚輝、川辺駿、宮原和也らがおり、皆川とは2013年ユニバーシアード日本代表でも共にプレーした。
プロ初出場は2014年7月12日の天皇杯2回戦、対福岡大学戦(福山市竹ヶ端運動公園陸上競技場)で、先発フル出場を果たした。Jリーグ初出場は2014年9月13日のJ1リーグ第23節、対ガンバ大阪戦(エディオンスタジアム広島)で、先発出場し64分に佐藤寿人と途中交代した。
2015年3月22日の浦和レッドダイヤモンズ戦でJ1リーグ初先発を飾り、豊富な運動量で存在感を示した。同年開催されたFIFAクラブワールドカップ2015の準々決勝では、負傷した野津田岳人や柴崎晃誠に代わって先発出場し、正確なキックでアシストを記録した。2016年4月1日のJ1リーグ第5節、対ベガルタ仙台戦(エディオンスタジアム広島)でJリーグ初得点を挙げた。また、2016年にはFUJI XEROX SUPER CUPに1試合出場している。
2.2. ジェフユナイテッド千葉(期限付き移籍)
2017年12月28日、茶島はジェフユナイテッド市原・千葉への期限付き移籍が発表された。移籍当初は右サイドバックでの起用が多かったが、シーズン終盤になるにつれて攻撃的ミッドフィルダーやトップ下での起用が増え、チーム内での役割が変化した。
2.3. サンフレッチェ広島(復帰)
2020年より、茶島はサンフレッチェ広島に復帰した。
3. キャリア統計
茶島雄介のプロキャリアにおける各シーズン、所属クラブ、および大会ごとの詳細な出場記録、得点記録は以下の通りである。表中の「その他」は、FUJI XEROX SUPER CUP、Jリーグチャンピオンシップ、FIFAクラブワールドカップの出場記録を含む。
シーズン | クラブ | リーグ | リーグ | 天皇杯 | Jリーグカップ | AFCチャンピオンズリーグ | その他 | 総通算 | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
出場 | 得点 | 出場 | 得点 | 出場 | 得点 | 出場 | 得点 | 出場 | 得点 | 出場 | 得点 | ||||
2014 | サンフレッチェ広島 | J1 | 1 | 0 | 3 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 5 | 0 | |
2015 | 3 | 0 | 4 | 0 | 5 | 0 | - | 3 | 0 | 15 | 0 | ||||
2016 | 22 | 3 | 0 | 0 | 1 | 0 | 2 | 0 | - | 25 | 3 | ||||
2017 | 12 | 0 | 2 | 0 | 5 | 1 | - | - | 19 | 1 | |||||
2018 | ジェフユナイテッド市原・千葉 | J2 | 39 | 3 | 1 | 0 | - | - | - | 40 | 3 | ||||
2019 | 22 | 1 | - | 0 | 0 | - | - | 22 | 1 | ||||||
2020 | サンフレッチェ広島 | J1 | 29 | 0 | 1 | 0 | - | - | - | 30 | 0 | ||||
2021 | 21 | 0 | 6 | 0 | 1 | 0 | - | - | 28 | 0 | |||||
2022 | 7 | 1 | 8 | 0 | 4 | 0 | - | - | 19 | 1 | |||||
2023 | 7 | 2 | 0 | 0 | 1 | 0 | - | - | 8 | 2 | |||||
2024 | 2 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0 | - | - | 5 | 0 | |||||
J1通算 | 104 | 6 | 27 | 1 | 18 | 0 | 2 | 0 | 3 | 0 | 154 | 7 | |||
J2通算 | 61 | 4 | 1 | 0 | 0 | 0 | - | - | 62 | 4 | |||||
総通算 | 165 | 10 | 28 | 1 | 18 | 0 | 2 | 0 | 3 | 0 | 216 | 11 |
4. 受賞歴
茶島雄介がプロキャリアを通じて獲得した主要なチームタイトルおよび個人賞は以下の通りである。
- サンフレッチェ広島
- J1リーグ:2015年
- J1リーグ セカンドステージ:2015年
- Jリーグカップ:2022年
- ゼロックススーパーカップ:2014年、2016年
- ユニバーシアード日本代表
- ユニバーシアード:2013年 カザン大会 銅メダル
5. プレースタイル
茶島雄介は、本職が中盤でありながら、その高い攻撃的ミッドフィルダーとしての能力から、サイドバックまで幅広いポジションをこなすポリバレントな選手である。豊富な運動量と正確なキックを武器に、チームの攻撃を活性化させ、守備にも貢献する。特に、FIFAクラブワールドカップ2015の準々決勝では、その正確なキックでアシストを記録するなど、重要な局面での決定的なプレーを見せる。
6. 選抜歴
茶島雄介は、シニア代表チーム以外でも、様々な選抜チームで活動し、国際大会への参加経験を持つ。
- 2011年 全日本大学選抜
- 2012年 全日本大学選抜
- 2013年 全日本大学選抜
- 2013年カザン大会ではユニバーシアード日本代表の一員として出場し、チームの3位入賞に貢献した。特にグループリーグ第3戦のウルグアイ戦では、決勝点となるフリーキックを決める活躍を見せた。
7. 関連項目
- 広島県出身の人物一覧
- 東京学芸大学の人物一覧
- サンフレッチェ広島F.Cの選手一覧
- ジェフユナイテッド市原・千葉の選手一覧
- サンフレッチェ広島F.Cの育成組織
8. 外部リンク
- [https://www.sanfrecce.co.jp/player/top/yusuke_chajima.html サンフレッチェ広島F.Cによる公式プロフィール]
- [https://www.jleague.jp/jsgoal_archive/official/detail.php?press_code=00155165&keyword=&team=451&year=2013 茶島雄介選手(東京学芸大学)の新加入内定のお知らせ - J's GOAL]
- [http://web.gekisaka.jp/92897_12867_jp 茶島雄介 - ゲキサカ]
- [https://data.j-league.or.jp/SFIX04/?player_id=9322 J.League Data Siteによるプロフィール]
- [https://twitter.com/chaji30 茶島雄介公式X(旧Twitter)]