1. 概要
アレックス・ジョーダン・ミンターは、1993年にテキサス州で生まれた左腕投手である。テキサスA&M大学で大学野球を経験した後、2015年のMLBドラフトでアトランタ・ブレーブスから2巡目で指名されプロ入り。2017年にMLBデビューを果たし、主にリリーフ投手として活躍した。2021年にはブレーブスのワールドシリーズ制覇に貢献し、2020年のナショナルリーグチャンピオンシップシリーズではポストシーズン史上初の先発デビューを飾るなど、印象的な記録を残している。怪我による離脱も経験したが、2025年からはニューヨーク・メッツで新たなキャリアをスタートさせる。
2. 初期キャリア
ミンターの野球キャリアは、高校、大学での活動から始まり、プロ入り後のマイナーリーグでの経験を経てメジャーリーグへとつながった。
2.1. 高校および大学時代
ミンターはテキサス州ブラードにあるBrook Hill Schoolブルックヒル高校英語に通学した。2012年のMLBドラフトにおいて、デトロイト・タイガースから38巡目で指名されたが、契約には至らず、テキサスA&M大学に進学して大学野球でプレーした。2014年シーズン終了後には、ケープコッド・ベースボールリーグのCotuit Kettleersコトゥイット・ケトルズ英語で大学夏季野球に参加した。大学での最初の2年間はブルペンでリリーフ投手として登板していたが、3年次には先発投手に転向した。しかし、3年次のシーズン序盤に負傷し、トミー・ジョン手術が必要となったため、そのシーズンを終えることとなった。
2.2. プロキャリア開始
ミンターは2015年のMLBドラフトでアトランタ・ブレーブスから2巡目で指名された。2016年にローム・ブレーブスでプロとしてのデビューを飾り、その後カロライナ・マッドキャッツで2度の登板機会を得た。同年7月にはミシシッピ・ブレーブスに昇格し、シーズンを終えた。2016年シーズンは、34と2/3イニングを投げて防御率1.30を記録した。2017年シーズンはフロリダ・ファイアフロッグスで開幕を迎え、シーズン中にローム、ミシシッピ・ブレーブス、そしてグウィネット・ブレーブスに再配置された。
3. アトランタ・ブレーブス時代
アトランタ・ブレーブスでのキャリアは、MLBデビューから始まり、怪我による困難、役割の変化、そしてワールドシリーズ制覇という輝かしい成功を経験した。
3.1. MLBデビューと初期シーズン (2017-2018年)
ミンターは2017年8月23日に初めてメジャーリーグに昇格した。メジャーデビュー前には、フロリダ、ローム、ミシシッピ、グウィネットでの26試合のリリーフ登板で、1勝2敗、防御率3.33の成績を残していた。メジャー昇格当日のシアトル・マリナーズ戦の8回にメジャーデビューを果たした。2017年シーズン残りの期間をアトランタで過ごし、15イニングで26奪三振を奪い、0勝1敗、防御率3.00の成績を記録した。
2018年シーズンは、65試合に登板し、61と1/3イニングを投げて15セーブ、防御率3.23、69奪三振を記録した。
3.2. 怪我、役割の変化、および2020年ポストシーズン
2019年シーズンは、3月に発生した軽微な自動車事故が原因で肩に問題を抱え、シーズン開幕が遅れた。ミンターは怪我によりクローザーの役割を失ったアロディス・ビスカイノに代わってクローザーを務めたが、4月下旬にはチームメイトのルーク・ジャクソンにその役割を奪われた。5月10日にはグウィネット・ブレーブスに降格された。6月にはアトランタに復帰したが、シェーン・グリーン、クリス・マーティン、マーク・メランソンのトレード補強に伴い、8月には2度目のグウィネット降格となった。シーズン終盤にはセプテンバー・コールアップでロースターが拡大された際に再昇格したが、その直後に60日間の故障者リスト入りとなり、シーズンを終えた。2019年シーズンは、ブレーブスで36試合のリリーフ登板で3勝4敗、5セーブ、防御率7.06を記録し、29と1/3イニングで35奪三振を記録した。
2020年シーズンは、メジャーリーグのスプリングトレーニングで開幕を迎え、3月にはグウィネットに降格された。しかし、2020年のナショナルリーグチャンピオンシップシリーズ第5戦では、ポストシーズンで初めて先発デビューを飾ったMLB史上初の選手となり、歴史に名を刻んだ。この試合では3イニングを投げ、わずか1安打に抑え、7奪三振を記録し、これもまた記録となった。2020年シーズンは、22試合のリリーフ登板で1勝1敗、防御率0.83、21と2/3イニングで24奪三振を記録した。
3.3. ワールドシリーズ制覇と主要シーズン (2021-2022年)

2021年7月18日、タンパベイ・レイズに7対5で敗れた後、ミンターはグウィネット・ストライパーズに降格された。2021年シーズンはアトランタで61試合に登板し、3勝6敗、防御率3.78、57奪三振を記録した。ブレーブスは88勝73敗の成績でナショナルリーグ東地区を制し、最終的に2021年のワールドシリーズで優勝し、1995年以来となる球団のタイトルを獲得した。

2022年シーズンはアトランタで75試合に登板し、防御率2.06を記録。70イニングを投げてキャリアハイとなる94奪三振を記録した。
3.4. 契約と2023-2024年シーズン
2023年1月13日、ミンターは年俸調停を回避し、ブレーブスと1年契約の420.00 万 USDで合意した。2023年シーズンはチームで70試合に登板し、64と2/3イニングを投げて防御率3.76、82奪三振を記録した。
2024年1月11日、ミンターは再び年俸調停を回避し、1年契約の620.00 万 USDで合意した。5月下旬に故障者リスト入りし、翌月には左股関節インピンジメントであることが判明した。7月上旬には復帰したが、8月中旬に同じ問題で再び故障者リスト入りし、手術を受ける予定であることが発表された。8月20日には60日間の故障者リストに移行され、事実上シーズンが終了した。2024年シーズンは39試合に登板し、5勝4敗、防御率2.62、35奪三振を記録した。シーズン終了後、フリーエージェントとなった。
4. ニューヨーク・メッツ時代
ミンターは2025年シーズンからニューヨーク・メッツで新たな章を開始し、今後のキャリアが注目されている。
4.1. 契約と展望
2025年1月17日、ミンターはニューヨーク・メッツと2年契約の2200.00 万 USDで合意した。この契約には2025年シーズン終了後のオプトアウト条項が含まれている。
5. 年度別成績
年 度 | 球 団 | シ リ | ズ | 登 板 | 先 発 | 勝 利 | 敗 戦 | セ | ブ | 打 者 | 投 球 回 | 被 安 打 | 被 本 塁 打 | 与 四 球 | 敬 遠 | 与 死 球 | 奪 三 振 | 暴 投 | ボ | ク | 失 点 | 自 責 点 | 防 御 率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2017 | アトランタ・ブレーブス | - | 15 | 0 | 0 | 1 | - | - | 15 | - | - | - | - | - | 26 | - | - | - | - | 3.00 |
2018 | アトランタ・ブレーブス | - | 65 | 0 | - | - | 15 | - | 61と1/3 | - | - | - | - | - | 69 | - | - | - | - | 3.23 |
2019 | アトランタ・ブレーブス | - | 36 | 0 | 3 | 4 | 5 | - | 29と1/3 | - | - | - | - | - | 35 | - | - | - | - | 7.06 |
2020 | アトランタ・ブレーブス | - | 22 | 1 | 1 | 1 | - | - | 21と2/3 | - | - | - | - | - | 24 | - | - | - | - | 0.83 |
2021 | アトランタ・ブレーブス | - | 61 | 0 | 3 | 6 | - | - | - | - | - | - | - | - | 57 | - | - | - | - | 3.78 |
2022 | アトランタ・ブレーブス | - | 75 | 0 | - | - | - | - | 70 | - | - | - | - | - | 94 | - | - | - | - | 2.06 |
2023 | アトランタ・ブレーブス | - | 70 | 0 | - | - | - | - | 64と2/3 | - | - | - | - | - | 82 | - | - | - | - | 3.76 |
2024 | アトランタ・ブレーブス | - | 39 | 0 | 5 | 4 | - | - | - | - | - | - | - | - | 35 | - | - | - | - | 2.62 |