1. 概要
IKKOは、メイクアップアーティスト、美容家、タレントとして、日本のみならずアジア圏で絶大な人気を誇る多才な人物である。福岡県田川郡に生まれ、幼少期から美容への関心を深め、後にヘアメイクアップアーティストとして独立。「アトリエIKKO」を設立し、独自の「女優メイク」を確立した。テレビ番組『おネエ★MANS』への出演で広く知られるようになり、歌手デビューやファッションモデル、俳優業など、その活動は多岐にわたる。
また、美容関連の著書を多数出版し、書道家「雅冬炎」としても高い評価を得ている。韓国観光名誉広報大使を務めるなど国際的な活動も展開し、BBクリームの流行を牽引するなど美容トレンドに大きな影響を与えた。自身の性同一性を肯定的に受け入れ、美容とエンターテイメントを通じて自己表現の可能性を広げた功績は、多くの人々に勇気とポジティブなメッセージを与え、ポップカルチャーのアイコンとして社会に大きな影響を与え続けている。
2. 来歴
IKKOのキャリアは、幼少期からの美容への深い関心と、美容師としての地道な修行に始まる。フリーランスとしての苦労を乗り越え、プロフェッショナルなヘアメイクアップアーティストとしての地位を確立した。
2.1. 出生地と幼少期
IKKOは1962年1月20日、福岡県田川郡福智町(旧・方城町)に4人兄弟の長男として生まれた。2人の姉と1人の妹がいる。美容師である母の影響を強く受け、本人曰く「小学校6年生くらいでは、もう日本髪を結えていた」というほど、幼い頃から美容に深い関心を抱いていた。思春期にはジェンダー・ディスフォリアを経験し、社会的に引きこもりがちになった時期もあった。
2.2. 学歴と美容師としてのキャリア
福岡県立西田川高等学校を卒業後、北九州美容専門学院(現福岡美容専門学校北九州校)に進学。卒業後は横浜市の高級美容室「髪結処 サワイイ」に住み込みで美容師として勤務した。約8年間の修行を積んだ後、ヘアメイクアップアーティストへの転身を決意し、同美容室を退職した。
2.3. フリーランスからプロフェッショナルへ
美容室退職後、フリーランスのヘアメイクアップアーティストとして活動を開始したが、当初はなかなか仕事に恵まれず苦労した。その後、多くのヘアメイクアップアーティストが所属する事務所のオーディションを受け、採用された。事務所に所属してわずか半年後には、女性誌『美しいキモノ』の表紙のヘアメイクを担当し、女優の真野あずさのヘアメイクを手がけるなど、早くも頭角を現した。
また、フリーランスになった直後の司会者、逸見政孝の専属ヘアメイクを務めたことは、キャリア初期の重要な転機となった。逸見が亡くなった際には、その死化粧も担当した。現在でも月命日には欠かさず花を贈るなど、逸見の家族とは深い親交を続けている。
3. ヘアメイクアップアーティストとしての活動
IKKOは自身のスタジオを設立し、独自のメイクアップスタイルを確立することで、日本の美容業界に大きな足跡を残した。その専門性と啓蒙活動は、多くの女性に影響を与え、「美のカリスマ」としての地位を不動のものとした。
3.1. 「アトリエIKKO」設立とスタイル確立
1992年、30歳でヘアメイクアップアーティストとして独立し、自身のスタジオ「アトリエIKKO」を設立・主宰した。以来、雑誌の表紙、テレビCM、舞台など多岐にわたる分野でヘアメイクとして活動。特に和装ヘアメイクの分野で多くの女優から支持を集め、IKKO流の「女優メイク」と呼ばれる独自のスタイルを確立した。女性誌の表紙やファッションページ、テレビ、CM、舞台、バラエティ番組への出演に加え、トークショーも積極的に行っている。
3.2. 美容業界への貢献と影響
IKKOは、女性誌『non-no』、『MORE』、『美人百花』などで連載を担当し、美容に関する実践的なノウハウを広く伝えた。ディナーショーやトークショーでは、メイクデモンストレーションを行い、本業の美容家としての活動を精力的に展開した。
2006年7月10日には、自身の故郷である福岡のホテルニューオータニ博多で、美容、ファッション、エンターテイメントを統合した初のイベント「IKKO WORLD」を開催。進行、音響、照明、舞台、出演モデルのオーディションに至るまで全てを自身で手掛け、10名のモデルの衣装やメイクもプロデュースした。このイベントは昼夜合わせて1,800名の観客を動員し、大成功を収めた。
同年7月には初のエッセイ『超オンナ磨き~美のカリスマIKKOの幸せを呼ぶゴールデンルール』を出版。「コンプレックスこそオンナ磨きの原点」と掲げ、自身の経験から得た誰でもすぐに実践できるノウハウを伝授し、「新・美のカリスマ」として注目された。世界文化社から出版された『IKKO 女の法則』と『IKKO キレイの魔法』は、合計30万部を超えるベストセラーとなった。
IKKOは、韓国観光名誉広報大使を務めるほか、韓国の化粧品会社「エチュードハウス」のキャンペーンキャラクターも担当するなど、活動の場を海外に広げた。また、自身が紹介したBBクリームやコロコロローラーが日本で人気を博すなど、美容トレンドの牽引役としても大きな影響力を持っている。
4. タレント・メディアパーソナリティとしての活動
IKKOは、そのユニークなキャラクターと美容の専門知識を活かし、テレビ番組、音楽、ファッション、俳優業など、幅広い分野で活躍している。
4.1. テレビ番組への出演
テレビ番組では、2006年10月から2009年3月まで放送された『おネエ★MANS』(日本テレビ)にレギュラー出演し、一般視聴者向けのスキンケアやメイク指導、芸能人の変身コーナーなどを担当した。番組ではエマニュエル・ウンガロやグッチなどのハイブランドを身につけて登場し、そのファッションセンスも注目を集めた。
その他の主な出演番組には、『ジャスト』(TBSテレビ、2003年 - 2005年)の「IKKOの幸せメイク」コーナーレギュラー、『めんたいワイド』(福岡放送)の水曜日コメンテーター、自身の単独番組『IKKO's セキララTV』(DATV、2009年10月 - 2010年3月、全26回)などがある。2014年4月から2019年3月までは『バイキング』(フジテレビ)の月曜日レギュラーを務めた。また、2019年12月12日に放送された『すじがねファンです!』(テレビ朝日)のIKKO回は、同時間帯の他局番組を含め最高視聴率を記録した。2021年4月からはTwitterテレビ「生IKKO」を月に1回の生配信で開始し、自身の豊富な人生経験から導き出された人生哲学「IKKOイズム」を発信している。
4.2. 音楽活動とエンターテイメント
2007年12月、エイベックスよりシングル「どんだけ~の法則」で歌手デビューを果たした。この曲は、自身の口癖である「どんだけ~!」を流行語として広く定着させるきっかけとなった。また、カップリング曲には山本リンダの1972年のヒット曲「どうにもとまらない」のカバーを収録した。
その後も「ウルトラアゲアゲDancing IKKO Happy Girls」(2009年)、「ゴージャスゥ~!」(2010年、つんく♂作詞)などのシングルをリリースしている。2009年5月から9月にかけては、全国30ヶ所を巡るツアー「IKKO 09 愛をこめて」を開催。本業のメイクアップデモンストレーションに加え、自身の半生を語る「積もる雪」と題した語りの部、そして持ち歌やカバー曲を歌い踊るエンターテイメントの部で構成され、観客を魅了した。このツアーの模様は、『今日感テレビ』(RKB毎日放送)や『カウントダウン・ドキュメント 秒ヨミ!』(中京テレビ、日本テレビ)でも放送された。
4.3. ファッション・モデル活動
IKKOは、本業の美容家としての活動にとどまらず、ファッションモデルとしても活躍している。2007年には「神戸コレクション」に大トリとして出演し、観客を沸かせた。その後も「神戸コレクションプリュス」(2009年)、「福岡アジアコレクション」(2009年)、「GirlsAward」(2010年)などの主要なファッションイベントに出演している。
2010年9月には、表参道・青山で行われた『VOGUE』主催の「FASHION'S NIGHT OUT」のオープニングセレモニー内ファッションショーで大トリを務めた。この際、モデルの冨永愛から「日本のナオミ・キャンベルだよね」と評され、そのランウェイ姿が大きな話題となった。
4.4. 俳優業(ドラマ・映画)
テレビドラマでは、2007年の『死化粧師 エンバーマー 間宮心十郎』(テレビ東京)で死装束デザイナー・麗明宏役としてゲスト出演した。その後も『バラ色の聖戦』(テレビ朝日、2011年)でYUKIKO役、『美女と男子』(NHK総合、2015年)で新見正之役、『警視庁いきもの係』(フジテレビ、2017年)でアニータ役など、様々な役柄を演じている。2015年の金曜プレミアム『潔癖クンの殺人ファイル2』(フジテレビ)や2017年の『監獄のお姫さま』では、本人役として出演した。
映画では、2021年公開のフランスと日本の合作映画『UMAMI』に「マツバ」役で出演している。
5. 書籍・書道・プロデュース活動
IKKOは、美容やライフスタイルに関する著書を多数出版するほか、書道家としてもその才能を発揮し、「雅冬炎」の名で活動している。また、自身の美意識を反映した多様な商品のプロデュースも手掛けている。
5.1. 著書と出版物
IKKOは、美容、ライフスタイル、韓国文化紹介など、多岐にわたるテーマで数多くの書籍やエッセイを執筆している。主な著書には、初の美容エッセイ『超オンナ磨き~美のカリスマIKKOの幸せを呼ぶゴールデンルール』(2006年)のほか、『IKKO女の法則』、『IKKO キレイの魔法』といったベストセラーがある。
韓国の観光地や美容を紹介した『IKKOキレイを磨くin韓国』(2008年)は、ガイドブックとしては異例の6万部を突破するヒットとなった。また、自身の人生哲学を語る『IKKO心の格言200』や『1ミリの優しさ IKKOの前を向いて生きる言葉』、『IKKO 人生十転び八起き。ケ・セラ・セラ』なども出版している。料理の腕前を活かした『愛のオネエ飯-男をトリコにする!』や『IKKOのやみつきレシピ 料理は魔法のひと手間』といったレシピ本も人気を集めている。
5.2. 書道家「雅冬炎」としての活動
IKKOは、「雅冬炎」という名前で書道家としても本格的に活動している。50歳になる年から書家の金敷駸房に師事し、書道の腕前を磨いてきた。その成果として、数々の書道展で賞を受賞している。
主な受賞歴には、佐賀県書道展での佳作(第22回)、秀作(第23回)、特別賞(第24回)のほか、創玄展での準二科賞(第50回、第51回、第52回)、毎日書道展での入選(第65回、第67回)や漢字部佳作賞(第66回)、入賞・佳作(第68回)などがある。自身の著書や連載誌には自筆の格言を掲載しており、2009年9月に名古屋栄三越で開催された「IKKO WORLD 美の扉」では、書のみのブースも設けられた。
5.3. プロデュース商品とブランドコラボレーション
IKKOは、自身の美意識と専門知識を活かし、多種多様な商品のプロデュースやブランドとのコラボレーションを手掛けている。
2024年3月には、構想から1年半以上をかけ、韓国のCOSMAXと日本のキューサイとの三者コラボレーションにより、自身が手掛けたファンデーション「BIONIA」(ビオニア)を発表。これは、肌のマイクロバイオームに着目し、紫外線や乾燥、加齢によって失われる美肌菌を補うことを目指した画期的な商品である。
その他にも、2010年4月には「忘れられない、離れられない。」をキャッチフレーズとした香水「GORGEOUS」をプロデュースし、地域限定でCMも放送された。2005年からは、IKKOプロデュースの振袖ブランドを展開している。また、福岡パルコにセレクトショップ「Pink by IKKO」(2010年3月)や、福岡キャナルシティ博多に「まるでお人形さんのような透き通る桃色の肌」をイメージしたショップ「PEACH DOLL」(2012年9月)をオープンするなど、美容関連の店舗プロデュースも行っている。
企業とのコラボレーションも活発で、「IKKO×TRAIN」のワイヤーコサージュ、「IKKO×白鳳堂」のメイクブラシ、「IKKO×福助」のアゲアゲストッキング、「IKKO×CASIO」のBABY-Gコラボモデル時計、「IKKO×ハローキティ」コラボ商品など、幅広い分野で自身のブランドを展開している。
6. 国際的な活動と文化的影響
IKKOは、特に韓国との文化交流において重要な役割を果たし、日本の美容トレンドに大きな影響を与えてきた。
6.1. 韓国との関係・広報大使
IKKOは、2009年2月に韓国観光名誉広報大使に任命され、韓国の魅力を日本に伝える民間外交官としての役割を担っている。韓国の化粧品会社「エチュードハウス」のキャンペーンキャラクターを務め、その商品プロデュースにも携わった。こうした活動を通じて、韓国コスメを日本に広め、日韓交流の橋渡しをした功績が認められ、2009年6月4日にはソウル市から「2009ソウル観光大賞」を贈られた。
2009年にソウルに「STAR AVENUE LOTTE TOWN」がオープンした際には、並み居る韓流スターと肩を並べ、IKKOの単独ブース「IKKOメイクルーム」が設置され、等身大パネルや手形が飾られた。また、2009年10月に開局したDATVのオープニングセレモニーや、釜山国際映画祭のオープニングセレモニーにも出席するなど、韓国での活動は多岐にわたる。
2008年5月には韓国旅行案内書『IKKOのキレイを磨くin韓国』を出版し、韓国の観光地、食文化、ショッピング、美容などを日本に紹介した。女性誌でもIKKOが紹介する韓国観光ガイドが別冊付録や特集ページとして組まれることが多く、日本の韓流ブームにも貢献している。自身もテレビドラマ『冬のソナタ』をきっかけに韓流ファンとなり、『私の名前はキム・サムスン』や『エデンの東』など多くの韓国ドラマを視聴している。
6.2. 美容トレンドの牽引と影響力
IKKOは、「美のカリスマ」として、日本の美容トレンドに大きな影響を与えてきた。2008年1月にテレビ番組『おネエ★MANS』でBBクリームを紹介したことがきっかけとなり、2008年半ばから日本でBBクリームのブームが巻き起こった。
2010年10月には、自身の経験から「輝く瞳」推進委員会より「瞳の黄金比率」親善大使に任命されるなど、美容に関する情報発信を通じて、その影響力は多方面に及んでいる。
7. 私生活と人生哲学
IKKOは、日々のライフスタイルや健康管理にこだわりを持ち、深い趣味や関心事を追求している。また、自身の性同一性を肯定的に受け入れ、そこから生まれた人生哲学やポジティブなメッセージは、多くの人々に共感と勇気を与えている。
7.1. ライフスタイルと健康管理
IKKOは、健康と美容のために日々のウォーキングを欠かさない。1日2回、1回あたり約7.5 km、合計約15 kmを歩くことを日課とし、余程のことがない限り休まないという。ウォーキングについて「朝は発想とエネルギーを貰い、夜は一日の反省」と語っている。
食生活にも気を配り、できるだけ自炊を心がけている。仕事場に手作り弁当を持参することもあり、冷蔵庫内は時間のある時に刻んでおいた野菜などがタッパーに整然と並べられている。また、冷え性対策として、湯たんぽやストールで体を保護したり、刻んだ根生姜をバッグに入れて持ち歩き、食事の際に調理して食べるなどの工夫をしている。好物はフライドポテトである。
7.2. 趣味・関心事
IKKOは、着物に対して深い愛情を抱いており、「きものは心の宝」と表現するほどである。師と仰ぐ池田重子から手ほどきを受け、着物、長襦袢、半襟、帯から帯揚げ、帯留に至るまで細部にわたってこだわりを持っている。
宝飾品ではダイヤモンドを好み、料理の腕前はプロ並みで、夕食をスタッフにふるまうこともある。自身のウェブサイトやテレビ番組でも披露されるその手際の良さ、豊富なアイデア、味付けは高く評価されており、番組内の料理コーナーを担当したり、ゲストに呼ばれることも多い。
愛犬家であり、現在は2匹の犬を飼っている。また、軽井沢(北軽井沢)には企業の保養所を改装した豪華な別荘があり、度々メディアでも公開されている。
7.3. アイデンティティと自己表現
IKKOは、自身の性同一性について、日本のソーシャルメディア「ミクシィ」の性別欄で女性と表記するなど、女性であることを公にしている。また、おネエ言葉と呼ばれる独特の話し方を用いることでも知られている。
2024年3月に「HAPPY WOMAN AWARD 2024 for SDGs」を受賞した際の言葉には、自身のアイデンティティを肯定的に受け入れ、自己表現の道を切り開いてきた過程が垣間見える。彼女は「この賞は、女性の地位向上、ボーダーレスな時代にしてゆく。垣根のない時代にしてゆくことが目的」と述べ、「今までの自身の人生の中では、垣根だらけ。色んな挫折があった中での自身の願いは、違和感のない女になること。違和感のない時代になること」と語った。そして、受賞したことで「真の意味で、違和感のなさを実感して良いのかと思えた」とし、「垣根のない、ボーダーレスを一歩、1ミリ、今までよりも越えたのかもしれない」と発言した。
7.4. 人生哲学とポジティブなメッセージ
IKKOは、多くの人々に勇気を与えるポジティブなメッセージを発信している。彼女の人生哲学は、困難を乗り越える力、そして自分を愛することの大切さを強調している。
彼女の口癖である「どんだけー」は2007年のユーキャン新語・流行語大賞にノミネートされるほど広く流行した。この言葉は、IKKOが作ったものではなく、FUJIWARAの藤本敏史がバラエティ番組で新宿二丁目のゲイバー「プラチナ」のヤス子ママの口癖に食いつき使っていたものを、IKKOが拡大・変化させたものであると本人が公言している。また、「まぼろし~」(都合の悪いことを言われた際に「それは現実ではなくまぼろしなのよ」という意味合い)や「おごと~」(福岡の方言で「大変」「凄い」などの意味)、「背負い投げ~」(「まぼろし~」同様、都合の悪いことなどを投げ飛ばして忘れる、という意味)、「すっからけっち~」(まったく意味はなく、語感の良さだけを追求したフレーズ)などのユニークな口癖も持つ。
彼女の人生哲学を象徴する言葉として、「人生の宝物とは、頭の中にある記憶である」や、「40代は美しさを魅せる時であり、50代からは心の在り方を美しさとして表現していかなければならず、その為には性根をもう一回直さないといけない」といった名言がある。「プライドを持って生きていれば、どんなに苦しくても、どんなに惨めになっても、ブレずに正しく生きてゆける」という言葉は、彼女の困難を乗り越える姿勢を表している。
2024年の「HAPPY WOMAN AWARD」受賞スピーチでは、「自分を愛せないことがどんなに優しい人間になれないのかを感じ、まず自分を愛していく事の大切さ。他人に優しく、真の優しさを持つ事により、垣根だらけだった自分の人生だったからこそ気付けたことを、今は誇りに思う」と語り、自己肯定と他者への優しさの重要性を訴えた。
IKKOは越路吹雪や杉村春子を敬愛しており、越路の写真を楽屋に飾るなど、常にその存在を心の支えとしている。また、ファンへの対応は芸能界随一と言われ、ショーの後にはどんなに疲れていても、楽屋に招いたファンと写真を撮ったり、書をしたためて渡したりしている。バラエティ番組に出続ける理由については、先輩共演者たちから愛を感じられ、それが自身の免疫力を高め、かえって健康的になれるからだと語っている。
8. 受賞歴と社会的な評価
IKKOは、その多岐にわたる活動と社会への影響力により、数々の賞を受賞し、日本のポップカルチャーにおいて独自のアイコンとしての地位を確立している。
8.1. 主な受賞歴
IKKOが獲得した主要な賞は以下の通りである。
- 2007年:NAIL QUEEN文化部門受賞、「どんだけぇ~」がユーキャン新語・流行語大賞にノミネート
- 2008年2月:マリ・クレール日本版「プラネット・ミューズ賞」第1号受賞
- 2009年2月:韓国観光名誉広報大使任命
- 2009年6月:2009年ソウル観光大賞(人気ソウル観光芸能人海外部門受賞)
- 2009年8月:BEST HIT賞
- 2009年11月:全国の理容美容学生が選んだBEST芸能人
- 2018年12月:QVC BEST SELLER賞
- 2019年9月:第1回ベストフォーマルウェアアワード 和装部門 Kimono Queen
- 2019年12月:QVC BEST SELLER賞
- 2020年6月:特別展「きもの KIMONO」広報大使
- 2020年11月:第2回ベストフォーマルウェアアワード 和装部門 Kimono Queen
- 2020年12月:@cosme BEAUTY PERSON OF THE YEAR、QVC BEST SELLER賞
- 2022年7月:第8回プラチナエイジスト賞 美容・アンチエイジング部門
- 2022年12月:ベストフォーマルウェアアワード 和装部門 Kimono Queen(6度目の受賞で殿堂入り)、QVC BESTSELLER賞(5年連続受賞)、韓国サイムダン功労賞、韓国化粧品産業協会功労賞
- 2023年11月:第5回ベストフォーマルウェアアワード Kimono Queen
- 2024年3月:HAPPY WOMAN AWARD 2024 for SDGs(個人部門「HAPPY WOMAN賞」)
8.2. ポップカルチャーにおけるアイコン
IKKOは、「美のカリスマ」として、その親しみやすいキャラクター性と専門知識で、日本のポップカルチャーにおいて独自のアイコンとしての地位を確立している。彼女の口癖「どんだけ~!」は社会現象となり、2007年の流行語大賞にノミネートされただけでなく、関西の大学の国文学科の授業で取り上げられたり、教材に掲載されたりするほどの影響力を持った。
2023年12月に発売された『美ST 2024年2月増刊号』では、60代近くでありながら表紙を飾り、美容雑誌における異例の快挙として話題となった。これは、彼女の美に対する揺るぎない信頼が評価された結果であり、その売り上げは同誌の歴代3位を記録した。彼女の存在は、美容業界だけでなく、自己表現やアイデンティティの多様性を肯定する社会的なメッセージとしても機能し、多くの人々に影響を与え続けている。
9. CM・広告出演
IKKOは、その知名度とキャラクター性から、数多くの企業CMや広告に出演している。
- NTT東日本「フレッツ光」(2008年) - 香取慎吾と共演
- フレンテ・インターナショナル「フラグレ」(2008年3月 - )
- シック・ジャパン「サファイア」(2008年)、「クアトロ4フォーウーマン」(2009年)
- トヨタ・パッソ「ハナ女子大」(2010年)
- ロッテ「レモビタのど飴」(2010年)、「冬のチョコパイキャンペーン『IKKO出たら、もう1個!』」(2014年12月28日 - )
- エチュードハウス「リップパフューム」
- GORGEOUS(IKKOプロデュース香水)
- 博多屋(福岡)明太子CM
- 「Bigen|美禅」トリートメントリップグロッシー
- オルビス化粧品
- NIKKO(大分)
- キューサイ「コラリッチEX」
- カネボウ化粧品「うるり」
- 創味食品「創味シャンタン 粉末タイプ」
- 資生堂「洗顔専科 オールクリア」(2018年3月 - )
- スマートニュース「SmartNews」(2019年2月4日 - )、「プレビューチャンネル」(2019年3月1日 - ) - 川口春奈、田中みな実と共演
- バンダイナムコオンライン「グラフィティスマッシュ」(2018年11月3日 - ) - 松尾駿(チョコレートプラネット)と共演
- 真誠「とろけるきな粉」(2019年4月 - )
- 千鳥屋本家「千鳥饅頭」
- プラネックスコミュニケーションズ「スマカメ」『NEKKO』篇(2019年6月17日 - )
- 森永製菓「ダース」『横浜流星×IKKO』篇(2019年10月8日 - ) - 横浜流星と共演、「カカオの力<CACAO70>」(2021年4月2日 - )
- ハウスメイトパートナーズ「珍客!?篇」(2019年12月16日 - ) - 指原莉乃と共演
- PRAIA「ヒルズアヴェニュー」『楽ヒール、デビュー』篇(2020年4月3日 - )
- P&Gジャパン「レノアリセット」「金のファブリーズ」(2020年4月18日 - )
- LGエレクトロニクス・ジャパン LG style3(2020年7月29日 - ) - WEBCM
- 富士フイルム「アスタリフト ホワイト ジェリー アクアリスタ」(2021年3月1日 - ) - WEB動画
- 愛眼「アイガンUV420レンズ」『鉄壁レンズ・新習慣』篇(2021年5月28日 - ) - 関西、中部地区限定
- 大象ジャパン「キムチの女神登場」篇など(2021年9月1日 - )
- エアトリ「安売りしない女・ブランド」篇など(2021年11月13日 - )、「超新春セール」篇など(2022年1月1日 - )
- エンパワー「買取大吉」(2021年12月7日 - )
- レック「水ではじめるラクラクバルサン」(2022年3月18日 - )
- サン・クロレラ サン・クロレラA「両方をIKKOに」篇(2022年10月1日 - )
- サントリー食品インターナショナル「クラフトボス 甘くないイタリアーノ」(2023年4月10日 - )
- 塩水港精糖「オリゴのおかげ」(2023年8月18日 - )
- 創建グループ「創建ペイント」(2023年9月1日 - )
- ネオファースト生命保健(2023年10月18日 - )
- ヤクルト本社 ラクトデュウ「乳酸菌は肌にいい」篇(2023年11月14日 - )
- 日清食品 ラ王(袋麺)3個パック(2024年9月 - ) - 広瀬アリスと共演
- 小田急電鉄「小田急でんき」(2019年4月17日 - ) - イメージキャラクター