1. 概要
アレハンドラ・バレンシア・トルヒージョ(Alejandra Valencia Trujilloアレハンドラ・バレンシア・トルヒージョスペイン語、1994年10月17日生まれ)は、メキシコを代表するアーチェリー選手であり、主にリカーブボウ種目で活躍しています。2012年ロンドンオリンピック以降、4大会連続でオリンピックに出場しており、その継続的なパフォーマンスとメダル獲得は、メキシコのスポーツ史において特筆すべき功績となっています。彼女のキャリアは、数々の国際大会での金、銀、銅メダルによって彩られ、特にオリンピックや世界選手権、パンアメリカン競技大会での実績は、彼女が世界トップクラスの選手であることを証明しています。バレンシアは、その卓越した技術と精神力で、メキシコのアーチェリー界に大きな影響を与え、多くの人々にインスピレーションを与え続けています。

2. 生い立ちと背景
アレハンドラ・バレンシアは1994年10月17日に、メキシコのソノラ州エルモシージョで生まれました。彼女の両親は、エリザベス・トルヒージョとフランシスコ・バレンシアです。幼い頃からアーチェリーに親しみ、その才能を開花させました。彼女の身長は176 cm、体重は73 kgです。
3. アーチェリー競技のキャリア
アレハンドラ・バレンシアのアーチェリー選手としてのキャリアは、若くして国際舞台で頭角を現し、数々の主要大会でメダルを獲得してきました。彼女の卓越した技術と精神力は、メキシコのアーチェリー界に新たな歴史を刻み、国際的な評価を確立しています。
3.1. 初期のキャリアとジュニアでの実績
バレンシアは、2011年のパンアメリカン競技大会において、女子団体と女子個人で2つの金メダルを獲得し、その才能を世界に示しました。同年には、世界アーチェリーユース選手権リカーブカデット女子個人で銅メダルを獲得するなど、ジュニア時代からその実力は際立っていました。
3.2. オリンピック競技大会
バレンシアは、これまでに4回にわたる夏季オリンピックに出場し、メキシコ代表として活躍しています。
- 2012年ロンドンオリンピック**:17歳で出場したロンドン大会では、個人戦で1/16決勝で敗退しました。女子団体戦では、メキシコは日本に敗れ、準々決勝で敗退しました。
- 2016年リオデジャネイロオリンピック**:リオデジャネイロ大会では、個人戦で準決勝まで進出しましたが、後に銀メダルを獲得するドイツのリサ・ウンルーに敗れました。続く銅メダル決定戦では、ロンドン大会金メダリストの奇甫倍に惜敗し、4位となりました。団体戦では、メキシコは再び準々決勝で敗退しました。
- 2020年東京オリンピック**:東京2020オリンピックのアーチェリー競技に出場したバレンシアは、ルイス・アルバレスと共にオリンピック史上初の混成団体種目で銅メダルを獲得しました。この快挙は、メキシコのアーチェリーにとって歴史的な瞬間となりました。
- 2024年パリオリンピック**:パリ2024オリンピックのアーチェリー競技では、女子団体戦で銅メダルを獲得し、自身2つ目のオリンピックメダルを手に入れました。
3.3. 世界選手権
バレンシアは、世界アーチェリー選手権でも数多くのメダルを獲得しています。
- 2017年世界アーチェリー選手権(メキシコシティ)**:女子団体で銀メダルを獲得しました。
- 2021年世界アーチェリー選手権(ヤンクトン)**:女子団体で銀メダルを獲得しました。
- 2023年世界アーチェリー選手権(ベルリン)**:女子個人で銀メダルを、女子団体で銅メダルを獲得しました。
3.4. パンアメリカン競技大会
バレンシアは、パンアメリカン競技大会で複数の金メダルを獲得し、その地域での支配的な地位を確立しています。
- 2011年パンアメリカン競技大会(グアダラハラ)**:女子個人と女子団体で金メダルを獲得しました。
- 2015年パンアメリカン競技大会(トロント)**:女子団体で銀メダルを獲得しました。
- 2019年パンアメリカン競技大会(リマ)**:女子個人で金メダルを、女子団体で銀メダルを、混成団体で銅メダルを獲得しました。
- 2023年パンアメリカン競技大会(サンティアゴ)**:女子個人で金メダルを、女子団体で銀メダルを、混成団体で銅メダルを獲得しました。
3.5. その他の主要国際大会
バレンシアは、上記の主要大会以外にも、アーチェリーワールドカップやパンアメリカンアーチェリー選手権、中央アメリカ・カリブ海競技大会、夏季ユニバーシアードなど、多くの国際大会で優れた成績を収めています。
3.5.1. アーチェリーワールドカップ
バレンシアは、アーチェリーワールドカップの各ステージで数々のメダルを獲得し、その一貫したパフォーマンスを示しています。
- 2011年オグデン:個人銅メダル
- 2011年上海:団体銅メダル
- 2012年オグデン:団体銀メダル、個人銅メダル
- 2012年アンタルヤ:混成団体銅メダル
- 2013年ヴロツワフ:個人銅メダル
- 2014年ヴロツワフ:団体銀メダル
- 2016年メデリン:団体銅メダル
- 2017年ベルリン:個人銀メダル、団体銀メダル
- 2018年ソルトレイクシティ:団体銀メダル
- 2019年アンタルヤ:団体銀メダル
- 2021年グアテマラシティ:団体銀メダル、個人銅メダル
- 2021年ローザンヌ:団体銀メダル、混成団体銅メダル
- 2021年パリ:団体銀メダル、混成団体銅メダル
- 2023年アンタルヤ:団体金メダル
- 2024年イェチョン:混成団体金メダル、個人銅メダル
- 2024年アンタルヤ:個人銅メダル
3.5.2. アーチェリーワールドカップファイナル
ワールドカップファイナルでも、バレンシアは好成績を残しています。
- 2015年メキシコシティ:混成団体銀メダル
- 2023年エルモシージョ:個人銀メダル
- 2024年トラックスカラ:個人銅メダル
3.5.3. パンアメリカンアーチェリー選手権
パンアメリカンアーチェリー選手権でも、バレンシアは多くの金メダルを獲得しています。
- 2010年グアダラハラ:個人金メダル、団体金メダル
- 2018年メデリン:個人金メダル、団体銀メダル、混成団体銅メダル
- 2021年モンテレイ:団体金メダル
- 2022年サンティアゴ:団体金メダル、混成団体金メダル
- 2024年メデリン:個人銀メダル、団体銀メダル、混成団体銀メダル
3.5.4. 中央アメリカ・カリブ海競技大会
中央アメリカ・カリブ海競技大会では、その地域の強豪としての地位を確固たるものにしています。
- 2023年サンサルバドル:個人金メダル、団体金メダル、混成団体金メダル
3.5.5. 夏季ユニバーシアード
学生スポーツの祭典である夏季ユニバーシアードでもメダルを獲得しています。
- 2017年台北:個人銅メダル、混成団体銅メダル
4. 私生活
アレハンドラ・バレンシアは、両親であるエリザベス・トルヒージョとフランシスコ・バレンシアのもとで育ちました。彼女の個人的な興味としては、日本のアニメのファンであることが知られています。
5. 評価と影響
アレハンドラ・バレンシアは、メキシコのアーチェリー界における最も著名な選手の一人として、国内外から高い評価を受けています。彼女の4大会連続のオリンピック出場と、複数回のメダル獲得は、メキシコのスポーツ史において特筆すべき偉業であり、彼女の継続的な卓越性を示しています。
特に、2020年東京オリンピックでの混成団体銅メダルは、この新しい種目でのメキシコ初のメダル獲得として、国民に大きな喜びと誇りをもたらしました。また、2024年パリオリンピックでの女子団体銅メダルは、彼女がメキシコ代表チームのリーダーとして、国際舞台で常に高いレベルのパフォーマンスを発揮できることを証明しています。
バレンシアの功績は、単なる競技成績に留まらず、メキシコの若者たちにアーチェリー競技への関心を高め、スポーツを通じた目標達成の重要性を教える上で、大きなインスピレーションを与えています。彼女の成功は、努力と献身が報われることの証しであり、国内外のスポーツファンにとって希望の象徴となっています。
6. 外部リンク
- [https://worldarchery.sport/profile/8165/alejandra-valencia/biography 世界アーチェリー連盟 アレハンドラ・バレンシア]
- [https://www.olympedia.org/athletes/122929 Olympedia アレハンドラ・バレンシア]
- [https://web.archive.org/web/20171101000000/http://www.sports-reference.com/olympics/athletes/va/alejandra-valencia-1.html Sports Reference アレハンドラ・バレンシア]
- [https://www.instagram.com/micozito/ アレハンドラ・バレンシア Instagram]
- [https://www.facebook.com/alejandra.valencia.777/ アレハンドラ・バレンシア Facebook]
- [https://twitter.com/micozito アレハンドラ・バレンシア Twitter]