1. 概要

アントネッラ・パルミサーノ(Antonella Palmisanoアントネッラ・パルミサーノイタリア語、1991年8月6日生)は、イタリアの著名な競歩選手である。彼女は、オリンピックや世界陸上競技選手権大会を含む数々の国際大会で輝かしい成績を収め、特に2020年東京オリンピックでは女子20km競歩で金メダルを獲得し、その才能と努力を世界に示しました。また、世界選手権では2つの銅メダルを獲得するなど、長年にわたりイタリア競歩界を牽引する存在として活躍しています。彼女のキャリアは、スポーツを通じて個人の可能性を追求し、社会に貢献する模範的な例として、多くの人々に影響を与えています。彼女はグアルディア・ディ・フィナンツァのスポーツ部門であるG.S. フィアンメ・ジャッレに所属しています。
2. 初期生い立ちと背景
アントネッラ・パルミサーノは、1991年8月6日にイタリアのモットラで生まれました。彼女の幼少期に関する具体的な詳細は少ないものの、後に競歩選手として世界的な成功を収めることになる基礎が、この時期に培われたと考えられます。
3. キャリア
アントネッラ・パルミサーノの陸上競技キャリアは、ジュニア時代から始まり、数々の国際大会で顕著な成績を収めてきました。特に競歩種目において、彼女は一貫して世界のトップレベルで活躍し続けています。
3.1. ジュニアキャリア
パルミサーノはジュニア選手時代からその才能を発揮し、国際舞台で頭角を現しました。
- 2009年 ヨーロッパジュニア陸上競技選手権大会(ノヴィ・サド)**: 女子10000m競歩で2位となり、銀メダルを獲得しました。記録は46分59秒47で自己ベストを更新しました。
- 2009年 ヨーロッパ競歩カップ(メス)**: ジュニア女子10km競歩で3位に入賞し、銅メダルを獲得しました。記録は48分48秒でシーズンベストを記録しました。
- 2010年 世界競歩カップ(チワワ)**: ジュニア女子10km競歩で1位となり、金メダルを獲得しました。記録は47分52秒でした。
3.2. シニア国際キャリア
成人選手となってからも、パルミサーノは主要な国際大会で数々のメダルを獲得し、その実力を証明してきました。
3.2.1. オリンピック
オリンピックでは、競歩のトップ選手としての地位を確立しました。
- 2016年 リオデジャネイロオリンピック**: 女子20km競歩で4位に入賞しました。記録は1時間29分03秒でした。
- 2020年 東京オリンピック(札幌市開催)**: 女子20km競歩で1時間29分12秒の記録で金メダルを獲得し、オリンピックチャンピオンの栄冠に輝きました。
3.2.2. 世界陸上競技選手権大会
世界陸上競技選手権大会では、2つの銅メダルを獲得しています。
- 2013年 世界陸上競技選手権大会(モスクワ)**: 女子20km競歩で13位に入賞しました。記録は1時間30分50秒で自己ベストを更新しました。
- 2015年 世界陸上競技選手権大会(北京)**: 女子20km競歩で5位に入賞しました。記録は1時間29分34秒でした。
- 2017年 世界陸上競技選手権大会(ロンドン)**: 女子20km競歩で1時間26分36秒の記録で3位となり、銅メダルを獲得しました。この記録は自己ベストでした。
- 2023年 世界陸上競技選手権大会(ブダペスト)**: 女子20km競歩で1時間27分26秒の記録で再び3位となり、銅メダルを獲得しました。この記録はシーズンベストでした。
3.2.3. ヨーロッパ陸上競技選手権大会
ヨーロッパ選手権でも、金メダル1個と銅メダル1個を獲得しています。
- 2014年 ヨーロッパ陸上競技選手権大会(チューリッヒ)**: 女子20km競歩で7位に入賞しました。記録は1時間28分43秒でした。
- 2018年 ヨーロッパ陸上競技選手権大会(ベルリン)**: 女子20km競歩で1時間27分30秒の記録で3位となり、銅メダルを獲得しました。この記録はシーズンベストでした。
- 2024年 ヨーロッパ陸上競技選手権大会(ローマ)**: 女子20km競歩で1時間28分08秒の記録で1位となり、金メダルを獲得しました。
3.2.4. ヨーロッパ競歩チーム選手権大会・世界競歩カップ
チームベースの大会でも、彼女はイタリア代表として重要な貢献をしています。
- 2011年 ヨーロッパU23陸上競技選手権大会(オストラヴァ)**: 女子20km競歩で2位となり、銀メダルを獲得しました。記録は1時間36分26秒でした。
- 2013年 ヨーロッパU23陸上競技選手権大会(タンペレ)**: 女子20km競歩で3位となり、銅メダルを獲得しました。記録は1時間30分59秒で自己ベストを更新しました。
- 2017年 ヨーロッパ競歩カップ(ポジェブラディ)**: 女子20km競歩で1時間27分57秒の記録で1位となり、金メダルを獲得しました。また、チームとしても2位で銀メダルを獲得しました。
- 2021年 ヨーロッパ競歩チーム選手権大会(ポジェブラディ)**: 女子20km競歩で1時間27分42秒の記録で1位となり、金メダルを獲得しました。また、チームとしても3位で銅メダルを獲得しました。
- 2023年 ヨーロッパ競歩チーム選手権大会(ポジェブラディ)**: 女子20km競歩で2位となり、銀メダルを獲得しました。
3.3. 国内選手権
パルミサーノは、イタリア国内選手権で合計9回の優勝を飾っています。
- イタリア陸上競技選手権大会**
- 10km競歩(ロード):2014年、2018年、2020年(計3回)
- 20km競歩(ロード):2014年(計1回)
- イタリア室内陸上競技選手権大会**
- 3000m競歩:2013年、2015年、2017年、2018年、2019年(計5回)
年 大会 開催地 順位 種目 記録 備考 2009 ヨーロッパジュニア陸上競技選手権大会 ノヴィ・サド 銀 10000m競歩 46:59.47 自己ベスト ヨーロッパ競歩カップ メス 銅 10km競歩(ジュニア) 48:48 シーズンベスト 2010 世界競歩カップ チワワ 金 10km競歩(ジュニア) 47:52 2011 ヨーロッパU23陸上競技選手権大会 オストラヴァ 銀 20km競歩 1:36:26 2013 ヨーロッパU23陸上競技選手権大会 タンペレ 銅 20km競歩 1:30:59 自己ベスト 世界陸上競技選手権大会 モスクワ 13位 20km競歩 1:30:50 自己ベスト 2014 ヨーロッパ陸上競技選手権大会 チューリッヒ 7位 20km競歩 1:28:43 2015 世界陸上競技選手権大会 北京 5位 20km競歩 1:29:34 2016 オリンピック リオデジャネイロ 4位 20km競歩 1:29:03 2017 ヨーロッパ競歩カップ ポジェブラディ 金 20km競歩 1:27:57 世界陸上競技選手権大会 ロンドン 銅 20km競歩 1:26:36 自己ベスト 2018 ヨーロッパ陸上競技選手権大会 ベルリン 銅 20km競歩 1:27:30 シーズンベスト 2021 ヨーロッパ競歩チーム選手権大会 ポジェブラディ 金 20km競歩 1:27:42 銅 チーム20km競歩 23点 2021 オリンピック 札幌市 金 20km競歩 1:29:12 2023 世界陸上競技選手権大会 ブダペスト 銅 20km競歩 1:27:26 シーズンベスト 2024 ヨーロッパ陸上競技選手権大会 ローマ 金 20km競歩 1:28:08
4. 私生活
アントネッラ・パルミサーノは、同じくイタリアの競歩選手であり指導者でもあるロレンツォ・デシと結婚しています。デシは彼女のコーチも務めており、公私にわたるパートナーとして彼女のキャリアを支えています。
5. 功績と評価
アントネッラ・パルミサーノは、その卓越した競技能力と粘り強い精神力で、イタリア競歩界の象徴的存在となりました。特に2020年東京オリンピックでの金メダル獲得は、イタリア国民に大きな感動と誇りをもたらし、彼女のスポーツ界における地位を確固たるものにしました。世界選手権での2つの銅メダルやヨーロッパ選手権での金メダルなど、国際大会での安定した成績は、彼女が長年にわたり世界のトップレベルで活躍し続けている証です。彼女の功績は、若いアスリートたちに夢と希望を与え、スポーツの普及と発展に大きく貢献しています。パルミサーノは、単なるメダルコレクターにとどまらず、そのひたむきな努力と情熱によって、多くの人々にインスピレーションを与え続けるアスリートとして高く評価されています。
- [https://olympics.com/en/paris-2024/athlete/antonella-palmisano_1568472 アントネッラ・パルミサーノ] - パリオリンピック公式サイト
- [https://parigi2024.coni.it/it/italia-team/gli-azzurri/scheda_atleta/69:ANTONELLA_PALMISANO.html アントネッラ・パルミサーノ] - イタリアオリンピック委員会(CONI)公式サイト (イタリア語)