1. 概要
エミル・アルフォンス・ホルム(Emil Alfons Holmエミル・アルフォンス・ホルムスウェーデン語)は、2000年5月13日にスウェーデンのヨーテボリで生まれたプロサッカー選手である。主に右サイドバックとしてプレーし、現在はセリエAのボローニャFCに所属している。彼のキャリアは、スウェーデンのユースアカデミーから始まり、デンマークのプロリーグを経て、イタリアの最高峰リーグであるセリエAへと段階的にステップアップしてきた。特に、様々なクラブでの適応能力と貢献は、彼の成長を象徴するものである。ユース年代からスウェーデン代表に選出され、2022年にはA代表デビューも果たし、国際舞台での活躍も期待されている。
2. 幼少期とユース時代
エミル・アルフォンス・ホルムは、2000年5月13日にスウェーデン西部のヴェストラ・イェータランド県に位置する都市、ヨーテボリで誕生した。幼少期からサッカーに親しみ、2005年から2012年まで地元のアンネベリのユースチームでサッカーの基礎を学んだ。その後、2012年にヨーテボリを本拠地とする名門IFKヨーテボリの下部組織に入団し、2018年までその育成システムの中で才能を磨いた。IFKヨーテボリでのユース時代は、彼のプロキャリアに向けた重要な時期であり、様々なポジションを経験しながら、自身のプレースタイルを確立していった。
3. クラブ経歴
エミル・ホルムのプロサッカー選手としてのキャリアは、母国スウェーデンで始まり、その後デンマーク、イタリアへと舞台を移し、着実にステップアップを遂げてきた。
3.1. IFKヨーテボリ
ホルムは、2012年から所属していたIFKヨーテボリの下部組織から、2019年シーズンにトップチームへ昇格し、プロとしてのキャリアをスタートさせた。2019年6月29日に行われたリーグ戦のエステルスンドFK戦でプロデビューを果たした。このシーズンはリーグ戦で11試合に出場し、国内カップ戦であるスウェーデンカップではチームの優勝に貢献した。翌2020年シーズンには先発メンバーに定着し、リーグ戦26試合に出場して2ゴールを記録するなど、チームの主力選手として活躍した。
3.2. スナユスケ
2021年1月27日、ホルムはデンマークスーパーリーグに所属するスナユスケ・フッボルトと4年契約を締結し、デンマークへと移籍した。加入後すぐに先発の座を掴み、2020-21シーズン途中での加入ながら、リーグ戦14試合に出場して3ゴールを記録した。チームはこのシーズンを8位で終えた。その後、スペツィア・カルチョへの移籍が決定するものの、2021-22シーズンはローン移籍の形で引き続きスナユスケでプレーし、リーグ戦25試合に出場し3ゴールを挙げた。
3.3. スペツィア
2021年8月27日、ホルムはイタリア・セリエAのスペツィア・カルチョと5年契約を結んだ。しかし、即座に2021-22シーズン終了までの期限付き移籍で元の所属クラブであるスナユスケ・フッボルトへ戻り、引き続きデンマークリーグでプレーすることになった。このローン移籍期間を経て、2022-23シーズンから正式にスペツィアに合流。セリエAでのデビューを果たし、リーグ戦20試合に出場して1ゴールを記録した。
3.4. アタランタ
2023年8月31日、ホルムは同じくセリエAの強豪アタランタBCに1シーズン期間の期限付き移籍で加入した。この移籍には、初期費用として200.00 万 EURが設定されており、さらに850.00 万 EURでの買取オプションが付帯していたと報じられている。アタランタでは、かつて同クラブで活躍したヨアキム・メーレが着用していた背番号3番を引き継いだ。2023-24シーズンにはリーグ戦で22試合に出場し1ゴールを記録したほか、UEFAヨーロッパリーグでは7試合に出場し、チームの優勝に貢献した。
3.5. ボローニャ
2024-25シーズンからは、同じくセリエAのボローニャFCに所属している。ボローニャでの活動は始まったばかりだが、すでにリーグ戦13試合に出場し1ゴールを記録しており、UEFAチャンピオンズリーグにも4試合出場している。
4. 代表経歴
エミル・ホルムは、ユース世代からスウェーデン代表に招集されており、2018年から2019年にかけてはスウェーデンU-19代表で7試合に出場し、2021年から2022年にはスウェーデンU-21代表で9試合に出場して2ゴールを記録するなど、合計16試合のキャップを重ねた。
そして、2022年11月16日、ホルムはスウェーデンA代表に初招集され、メキシコ代表との親善試合で先発フル出場を果たし、待望のA代表デビューを飾った。この試合はスウェーデンが2対1で勝利を収めた。2023年9月12日にフレンズ・アリーナで行われたUEFA EURO 2024予選のオーストリア代表戦で、代表初ゴールを記録した。この試合はスウェーデンの1-3での敗戦に終わった。
5. 個人成績
5.1. クラブ
| クラブ | シーズン | リーグ | 国内カップ | 欧州カップ | 合計 | |||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| ディビジョン | 出場 | ゴール | 出場 | ゴール | 出場 | ゴール | 出場 | ゴール | ||
| IFKヨーテボリ | 2019 | アルスヴェンスカン | 11 | 0 | 0 | 0 | - | 11 | 0 | |
| 2020 | アルスヴェンスカン | 26 | 2 | 4 | 0 | 1 | 0 | 31 | 2 | |
| 合計 | 37 | 2 | 4 | 0 | 1 | 0 | 42 | 2 | ||
| スナユスケ | 2020-21 | デンマーク・スーパーリーグ | 14 | 3 | 4 | 2 | - | 18 | 5 | |
| 2021-22 | デンマーク・スーパーリーグ | 25 | 3 | 1 | 0 | - | 26 | 3 | ||
| 合計 | 39 | 6 | 5 | 2 | - | 44 | 8 | |||
| スペツィア | 2022-23 | セリエA | 20 | 1 | 3 | 0 | - | 23 | 1 | |
| アタランタ (期限付き移籍) | 2023-24 | セリエA | 22 | 1 | 3 | 0 | 7 | 0 | 32 | 1 |
| ボローニャ | 2024-25 | セリエA | 13 | 1 | 1 | 0 | 4 | 0 | 18 | 1 |
| キャリア合計 | 131 | 11 | 16 | 2 | 12 | 0 | 159 | 13 | ||
5.2. 代表
| 代表チーム | 年 | 出場 | ゴール |
|---|---|---|---|
| スウェーデン | 2022 | 2 | 0 |
| 2023 | 3 | 1 | |
| 2024 | 5 | 0 | |
| 合計 | 10 | 1 | |
:スウェーデンのゴール数が先に表示される。ゴール欄はホルムの各ゴール後の得点を示す。
| No. | 日付 | 会場 | 対戦相手 | スコア | 結果 | 大会 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 2023年9月12日 | フレンズ・アリーナ、ソルナ、スウェーデン | オーストリア | 1-3 | 1-3 | UEFA EURO 2024予選 |
6. タイトル
6.1. クラブ
- IFKヨーテボリ
- スウェーデンカップ: 2019-20
- アタランタ
- UEFAヨーロッパリーグ: 2023-24
7. 人物・エピソード
エミル・ホルムのキャリアにおいて、特に注目されたエピソードの一つとして、スナユスケ・フッボルト在籍時の出来事が挙げられる。2021年7月26日に行われたヴェイレBK戦の試合中、前半13分に彼が放ったフリーキックは、ゴールマウスを大きく外れ、1万人収容の本拠地シトランド・パークのゴール裏の天井をはるかに超える「場外弾」となった。この珍しいプレーは、サッカーファンの間で瞬く間に話題となり、「史上最悪のフリーキック」や「天国まで一直線」といったコメントと共に、SNS上で大きな反響を呼んだ。このエピソードは、プロ選手であっても予測不能な瞬間があることを示し、彼の人間味あふれる一面を垣間見せるものとなった。
また、アタランタBCへ期限付き移籍した際には、かつて同クラブで活躍し、ニューカッスル・ユナイテッドFCへ移籍したヨアキム・メーレが着用していた背番号3番を引き継いだ。これは、彼に対するアタランタからの期待の高さを示すものとして注目された。