1. 概要
シェーン・ケンジ・コミネ(Shane Kenji Komine英語、1980年10月18日生まれ)は、アメリカ合衆国ハワイ州ホノルル出身の元プロ野球選手で、主に投手として活躍しました。純粋な日本人の家系を持つアメリカ生まれのメジャーリーガーとしては、ライアン・クロサキ、レン・サカタに次いで3人目として知られています。ネブラスカ大学では物理学を専攻し、エース投手として活躍しました。プロ入り後は、オークランド・アスレチックスにドラフト指名され、マイナーリーグを経てメジャーリーグに昇格。メジャーリーグではハワイ出身の捕手カート・スズキと史上初のハワイ出身者バッテリーを組み、注目を集めました。現役引退後は故郷ハワイに戻り、ホテル業界に転身しました。
2. 生い立ちと背景
2.1. 出生とルーツ
シェーン・ケンジ・コミネは1980年10月18日にアメリカ合衆国ハワイ州ホノルルで生まれました。彼は日系アメリカ人3世であり、純粋な日本人の家系を持つアメリカ生まれのメジャーリーガーとしては、これまでにライアン・クロサキ、レン・サカタに次ぐ3人目として記録されています。彼のニックネームは"The Hawaiian Punch-Out"でした。
3. 経歴
3.1. アマチュア時代
3.1.1. 高校野球
コミネはハワイ州ホノルルにあるカラニ高校を1998年に卒業しました。
3.1.2. ネブラスカ大学時代
高校卒業後、コミネは1999年から2002年までネブラスカ大学に進学しました。大学では物理学を専攻し、野球部ではチームのエースとして活躍しました。特に2002年の最終学年シーズンでは10勝0敗という素晴らしい成績を収めました。この活躍により、彼はビッグ12カンファレンスの年間最優秀選手賞と年間最優秀投手賞を獲得しています。ネブラスカ大学時代には、後にオークランド・アスレチックスでチームメイトとなるダン・ジョンソンと共にプレーしていました。
3.2. プロ入り後
3.2.1. MLBドラフトとマイナーリーグ
ネブラスカ大学での活躍が評価され、コミネは2002年のMLBドラフトにおいて、オークランド・アスレチックスから9巡目(全体278位)で指名され、プロ入りを果たしました。これは、後に『マネー・ボール』という書籍で有名になった、アスレチックスによる独自のドラフト戦略が行われた年でした。
プロ入り後の最初の数年間は、主にAA級のミッドランド・ロックハウンズでプレーし、一定の成功を収めました。2003年にはミッドランド・ロックハウンズに初昇格しています。2006年7月にはAAA級のサクラメント・リバーキャッツで印象的な投球を見せ、同年7月26日にジェイソン・ウィンザーに代わって自身初のメジャーリーグ昇格を果たしました。
3.3. メジャーリーグ時代
コミネは2006年7月30日のトロント・ブルージェイズ戦でメジャーリーグ初登板初先発を飾りました。この試合では6イニングを投げ、自責点1、1奪三振、4四球に抑える好投を見せました。この年、彼はこの試合を含む2試合に先発登板しましたが、勝ち星を挙げることはできませんでした。
2007年7月17日、コミネはテキサス・レンジャーズ戦に8回から登板しました。この時、同じハワイ出身で日系人であるカート・スズキが捕手としてバッテリーを組んだことで、メジャーリーグ史上初めての「ハワイ出身者同士によるバッテリー」が実現しました。コミネはメジャーリーグでプレーしたハワイ出身投手としては19人目にあたります。また、アスレチックスでプレーしたハワイ出身選手としては、ロン・ダーリン、レン・サカタに次ぐ3人目でした。カート・スズキは2007年のアスレチックスでの彼のチームメイトでもありました。
2008年シーズンはメジャーリーグに昇格する機会はなく、同年11月3日にFAとなりました。
3.4. 独立リーグと現役引退
2009年、コミネは独立リーグであるアトランティックリーグのニューアーク・ベアーズでプレーしました。このシーズンを最後に、彼はプロ野球選手としての現役生活を引退しました。
4. 引退後の活動
4.1. 職業転換
プロ野球選手を引退した後、シェーン・コミネは故郷のハワイに帰郷し、ホテル業界に転身しました。
5. 記録と功績
5.1. 主な記録
シェーン・コミネが残した主な記録には以下のものがあります。
- メジャーリーグ史上3人目の純粋な日本人の家系を持つアメリカ生まれのメジャーリーガー(ライアン・クロサキ、レン・サカタに次ぐ)。
- メジャーリーグ史上初のハワイ出身選手によるバッテリーを構成(2007年7月17日、捕手カート・スズキと共に)。
6. 詳細情報
6.1. 年度別投手成績
年度 | 球団 | 登板 | 先発 | 完投 | 完封 | 無四球 | 勝利 | 敗戦 | セーブ | ホールド | 勝率 | 打者 | 投球回 | 被安打 | 被本塁打 | 与四球 | 与死球 | 奪三振 | 暴投 | ボーク | 失点 | 自責点 | 防御率 | WHIP | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2006 | OAK | 2 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | .000 | 45 | 9.0 | 10 | 3 | 8 | 1 | 0 | 1 | 0 | 0 | 5 | 5 | 5.00 | 2.00 |
2007 | OAK | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | .000 | 31 | 7.2 | 6 | 2 | 1 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | 4 | 4 | 4.70 | 0.91 |
MLB:2年 | 4 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | .000 | 76 | 16.2 | 16 | 5 | 9 | 1 | 1 | 2 | 0 | 0 | 9 | 9 | 4.86 | 1.50 |
6.2. 背番号
- 60(2006年 - 2007年)