1. 経歴
ジャン=ポール・ルシヨンは、その長いキャリアを通じて、舞台、映画、テレビの各分野で多大な貢献を果たした。特にフランスの著名な劇団であるコメディ・フランセーズでの活動は、彼の芸術家としての基盤を築いた。
1.1. 生い立ち
ジャン=ポール・ルシヨンは1931年3月5日にフランスのパリで生まれた。彼の死は2009年7月31日にブルゴーニュのオーセールで確認されており、死因は肺癌であった。
1.2. 演劇活動
1952年、ジャン=ポール・ルシヨンはフランス国立の劇団であるコメディ・フランセーズの一員となった。彼は、モリエールやピエール・ド・マリヴォー、アルフレッド・ド・ミュッセといった古典劇作家の作品だけでなく、ジュール・ルナールやアンドレ・ジッドなどの現代劇にも出演した。コメディ・フランセーズでは俳優としてのみならず、演出家としてもその才能を発揮し、多くの舞台作品において重要な役割を担った。彼の演劇活動は、フランス演劇界に深く影響を与えた。
2. 映画・テレビ活動
ジャン=ポール・ルシヨンは、演劇での成功を収めた後、映画やテレビの世界にも活躍の場を広げた。彼は1954年から2008年までの間に80本以上の作品に出演し、その多様な役柄で視聴者や批評家から高い評価を得た。
2.1. スクリーンデビューと初期の活動
ジャン=ポール・ルシヨンのスクリーンデビューは1954年の映画『La chair et le diableフランス語』であった。初期の活動では、『殺意の瞬間』(1956年、アメデ役)や『パリのキツネ』(1957年、イヴォンヌの兄弟フランソワ役)、『ジュトコールの週末』(1964年、ラ・グアペ/ブラックガード役)など、様々なジャンルの作品に出演し、多岐にわたる演技力を見せた。
2.2. 主要作品と受賞
ジャン=ポール・ルシヨンは、数々の著名な映画に出演し、キャリアを通じて重要な成果を収めた。2003年には、彼の出演作である『Playing 'In the Company of Men'』(アンリ・ジュリュウ役)がカンヌ国際映画祭の「ある視点」部門で上映され、国際的な注目を集めた。
さらに、彼は2008年の映画『クリスマス・ストーリー』(ジュノンの夫アベル役)での演技が高く評価され、第34回セザール賞において最優秀助演男優賞を受賞した。この受賞は、彼の長年にわたる俳優としての功績と演技の深さを象徴するものであった。
3. 死去
ジャン=ポール・ルシヨンは、長年にわたり肺癌との闘病を続けていたが、2009年7月31日にフランスのオーセールで逝去した。78歳であった。
4. フィルモグラフィー
ジャン=ポール・ルシヨンは、その長いキャリアの中で数多くの映画作品に出演した。
4.1. 映画
- 『La chair et le diableフランス語』(1954年)- アポ・アンセラン役
- 『殺意の瞬間』(1956年)- アメデ役
- 『L'amour descend du cielフランス語』(1957年)- ジャン役
- 『パリのキツネ』(1957年)- フランソワ(イヴォンヌの兄弟)役
- 『Le mariage de Figaroフランス語』(1959年)- グリップ=ソレイユ役
- 『La 1000eme fenêtreフランス語』(1960年)- ブータン役
- 『ジュトコールの週末』(1964年)- ラ・グアペ / ブラックガード役
- 『Une affaire d'hommesフランス語』(1981年)- ドウザット判事役
- 『鱒』(1982年)- ヴェルジョン役
- 『La guerre des demoisellesフランス語』(1984年)- 判事役
- 『Outlawsフランス語』(1985年)- ベルリク農夫役
- 『Monsieur de Pourceaugnacフランス語』(1985年)- オロント役
- 『On ne meurt que deux foisOn ne meurt kinaseフランス語』(1985年)- レオンセ役
- 『Elsa, Elsaフランス語』(1985年)- アルベール(プロデューサー)役
- 『義兄が妹を殺した』(1986年)- ソンプテュウ・ラーバン役
- 『États d'âmeフランス語』(1986年)- アルノリ(労働組合員)役
- 『Twist again à Moscouフランス語』(1986年)
- 『Les clowns de Dieuフランス語』(1986年)- ガルニクス役
- 『ホテル・ド・フランス』(1987年)- ジャン・トリヤ役
- 『愛の病』(1987年)- ジャック役
- 『Alouette, je te plumeraiフランス語』(1988年)- ヴェールニュの友人役
- 『Comédie d'amourフランス語』(1989年)
- 『Je t'ai dans la peauフランス語』(1990年)- ベベール(労働取引所の管理人)役
- 『Plein ferフランス語』(1990年)- ナポレオン役
- 『La fille du magicienフランス語』(1990年)- ナディール役
- 『白い叫び 黒い太陽』(1991年)- ダルマス役
- 『サラの秘密』(1991年)- エミール役
- 『Cherokeeフランス語』(1991年)- フェルナンおじさん役
- 『リスト・オブ・メリット』(1992年)- アルベール・クロケボワ役
- 『ラスト・エスケープ 斬鉄』(1992年)- レイモンド役
- 『ダルタニャンの娘』(1994年)- プランシェ役
- 『Les truffesフランス語』(1995年)- ワイン生産者役
- 『Ouiフランス語』(1995年)- ムッシュ・アルチュール役
- 『Drancy Avenirフランス語』(1997年)- 探検家の声(声の出演)
- 『我々はもうシャンソンを知っている』(1997年)- 父親役
- 『Le plus beau pays du mondeフランス語』(1999年)- 劇場監督役
- 『春を告げるツバメ』(2001年)- ジャン役
- 『Mischkaフランス語』(2002年)- ミシュカ役
- 『アイドル 欲望の餐宴』(2002年)- ロジェ・カステラック役
- 『Playing 'In the Company of Men'』(2003年)- アンリ・ジュリュウ役
- 『ブラックモールの島』(2004年)- マック・グレゴール役(声の出演)
- 『キングス&クイーン』(2004年)- アベル・ヴイヤール役
- 『Zone libreフランス語』(2007年)- モーリー役
- 『クリスマス・ストーリー』(2008年)- アベル(ジュノンの夫)役