1. 概要
ジョン・"ジョニー"・インドリサノ(Johnny Indrisano英語、1905年11月1日 - 1968年7月6日)は、アメリカ合衆国の元プロボクサー、スタントマン、俳優である。1923年から1934年にかけてウェルター級のプロボクサーとして活躍し、引退後は映画やテレビの世界で多岐にわたるキャリアを築いた。
2. 生涯
ジョン・インドリサノの生涯は、ボクシングでの成功と挫折、そしてハリウッドでの新たなキャリア、そして晩年の精神的な苦悩と突然の死によって特徴づけられる。
2.1. 出生と幼少期
ジョン・インドリサノは1905年11月1日にボストンで生まれた。彼の幼少期に関する詳細は少ないが、後にプロボクサーとして名を馳せることになる。
2.2. ボクシングキャリア
インドリサノのプロボクシングキャリアは1923年に始まり、1934年まで続いた。彼はウェルター級の選手として知られ、そのキャリアを通じて印象的な戦績を残した。彼は元世界ウェルター級チャンピオンのルー・ブルイヤール(3度の対戦のうち2度勝利)とジャッキー・フィールズという2人の強豪を破る実績を持っていた。しかし、これらの勝利にもかかわらず、インドリサノは一度も世界ウェルター級タイトルマッチの機会を得ることはなかった。彼のプロとしての最終戦績は、37勝(2KO勝ち)9敗であった。
2.3. 私生活と晩年
インドリサノは1930年代初頭にメアリー・ヴァルダロと結婚し、娘のキャスリーンをもうけた。しかし、夫婦は1940年代に離婚した。ボクシング引退後、彼はハリウッドで新たなキャリアを築いたが、晩年には長期間にわたるうつ病に苦しんでいた。
2.4. 死
ジョン・インドリサノは1968年7月6日、娘の誕生日にロサンゼルスのマウント・オリンパス地区にある自宅で自殺した。享年62歳であった。死因は首吊りであった。
3. 主な活動と功績
ボクシング引退後、ジョン・インドリサノは多才な才能を発揮し、エンターテインメント業界で様々な役割を担った。
3.1. ボクシング引退後のキャリア転換
ボクシング界を去った後、インドリサノはレフェリーとしてリングに戻ることもあったが、主に映画業界でスタントマンや俳優として活動の場を広げた。このキャリア転換は、彼の肉体的な能力と演技への関心を示すものであった。
3.2. 俳優およびスタントマンとしての活動
インドリサノは数多くの映画やテレビ番組に出演し、その多くでスタントや脇役を務めた。彼の出演作には、『お熱いのがお好き』(1959年)や『野郎どもと女たち』(1955年)といった著名な作品が含まれる。また、ボウリー・ボーイズシリーズの映画(『Live Wires (1946 film)Live Wires英語』、『Mr. Hex英語』、『Trouble Makers (1948 film)Trouble Makers英語』)や、複数のジョー・パルーカ映画にも出演した。特に、エルヴィス・プレスリー主演の3作品、『監獄ロック』(1957年)、『闇に響く声』(1958年)、『アカプルコの出来事』(1963年)にも顔を出している。テレビでは、1964年のシットコム『The New Phil Silvers Show英語』のエピソードにも出演した。
俳優業やスタント業の傍ら、彼は1937年から1942年まで女優のメイ・ウエストのボディガードとしても働いていた。また、1949年の映画『勝負師』では、ファイトシーンの振り付けも担当した。
4. 作品リスト
ジョン・インドリサノが出演した主な映画およびテレビ番組は以下の通りである。
- 『Go West, Young Man (1936 film)Go West, Young Man英語』(1936年) - 運転手役
- 『The Star Maker英語』(1939年)
- 『What a Woman! (film)What a Woman!英語』(1943年) - 体操選手役(クレジットなし)
- 『Phantom英語』(1943年)
- 『Live Wires (1946 film)Live Wires英語』(1946年) - セカンドバウンサー役
- 『Mr. Hex英語』(1946年) - レフェリー・ジョー・マクガワン役
- 『素晴らしき哉、人生!』(1946年) - ファンタジーの男役(クレジットなし)
- 『Criminal Court英語』(1946年)
- 『Christmas Eve英語』(1947年)
- 『ボディ・アンド・ソウル』(1947年)
- 『Trouble Makers (1948 film)Trouble Makers英語』(1948年) - レフティ役
- 『フォース・オブ・イーブル』(1948年)
- 『The Lady Gambles英語』(1949年) - バート役
- 『勝負師』(1949年) - コーナーマン役(クレジットなし、ファイトシーン振り付け)
- 『The Yellow Cab Man英語』(1950年) - ダニー役
- 『レモン・ドロップ・キッド』(1951年)
- 『アイアン・マン』(1951年)
- 『Callaway Went Thataway英語』(1951年) - ジョニー・テレント役
- 『Meet Danny Wilson英語』(1952年)
- 『キャディ』(1953年)
- 『Here Come the Girls英語』(1953年)
- 『Emergency Landing英語』(1954年)
- 『野郎どもと女たち』(1955年) - リヴァーリップス・ルーイ役(クレジットなし)
- 『It's Always Fair Weather英語』(1955年)
- 『監獄ロック』(1957年) - 囚人役(クレジットなし)
- 『闇に響く声』(1958年) - コレクター役(クレジットなし)
- 『Hot Spell英語』(1958年)
- 『ドナ・リード・ショー』(1958年)
- 『お熱いのがお好き』(1959年) - ウェイター役(クレジットなし)
- 『夜を楽しく』(1959年) - トラック運転手役
- 『オーシャンズ11』(1960年) - テキサス人役(クレジットなし)
- 『ベルズ・アー・リンギング』(1960年)
- 『ヒッチコック劇場』シーズン6エピソード20「The Throwback」(1961年) - ジョセフ(執事)役
- 『終身犯』(1962年) - 囚人役(クレジットなし)
- 『影なき狙撃者』(1962年) - レポーター役(クレジットなし)
- 『Who's Got the Action?英語』(1962年) - フード役
- 『アカプルコの出来事』(1963年) - ポーカープレイヤー役(クレジットなし)
- 『ハッド』(1963年) - ウェイター役(クレジットなし)
- 『Under the Yum Yum Tree英語』(1963年)
- 『The New Phil Silvers Show英語』シーズン1エピソード14「Stop the Factory, I Wanna Get Off」(1964年) - ラルフ役
- 『アルフレッド・ヒッチコック・アワー』シーズン3エピソード19「Wally the Beard」(1965年) - バーテンダー役
- 『Horse in the Gray Flannel Suit英語』(1968年)