1. 概要
ジョン・グディソン・アーヴィングは、1989年にイングランドのポーツマスで生まれ、幼少期にリバプールへ移住後、7歳で地元の強豪エヴァートンFCのユースチームに加入し、キャリアをスタートさせました。彼のミドルネーム「グディソン」は、エヴァートンの本拠地であるグディソン・パークにちなんで名付けられました。ユース時代にはU-16イングランド代表に選出され、2シーズン連続でリザーブ年間最優秀選手賞を受賞するなど、将来を嘱望される選手でした。プロキャリアでは、ウェールズのバラ・タウンFCでウェールズ・プレミアリーグ歴代最長在籍選手の一人として活躍し、クラブ史上初のUEFAヨーロッパリーグ出場権獲得に貢献しました。その後移籍したニュージーランドのオークランド・シティFCでは、OFCチャンピオンズリーグ優勝に加え、2014 FIFAクラブワールドカップでクラブを史上最高位の3位に導く決定的な役割を果たしました。バラ・タウンFCへの復帰後も、ウェルシュカップのタイトル獲得に貢献するなど、クラブの歴史的な成功に重要な足跡を残しました。
2. 幼少期とユース時代
ジョン・グディソン・アーヴィングのサッカー選手としての初期のキャリアは、その出生地とユース時代に築かれました。
2.1. 出生と初期の生活
ジョン・グディソン・アーヴィングは1989年9月17日にポーツマスで誕生しました。2歳の時にリバプールへ移住し、そこで幼少期を過ごしました。彼のミドルネームである「グディソン(Goodison英語)」は、彼がキャリアをスタートさせることになるエヴァートンFCのホームスタジアムであるグディソン・パークにちなんで名付けられたものです。
2.2. エヴァートンでのユースキャリア
1995年、7歳だったアーヴィングは地元のクラブであるエヴァートンFCのユースチームに加入し、サッカー選手としての道を歩み始めました。14歳の時にはU-16イングランド代表に初選出され、北アイルランド戦に出場しました。2006-07シーズンにはリザーブ年間最優秀選手賞を受賞し、同年2月にはリザーブチームのキャプテンに任命されるなど、リーダーシップも発揮しました。さらに、2007-08シーズンにも2シーズン連続でリザーブ年間最優秀選手賞を受賞し、その才能を高く評価されました。2008年7月にはエヴァートンと1年契約を締結しました。
3. クラブキャリア
ジョン・グディソン・アーヴィングのプロサッカー選手としてのキャリアは、主にエヴァートンFC、バラ・タウンFC、そしてオークランド・シティFCでの活躍によって特徴づけられます。
3.1. エヴァートン
エヴァートンFCのトップチームに帯同していた期間中、アーヴィングは公式戦に出場することはありませんでしたが、チームの一員として活動しました。特に、2007年12月20日に行われたUEFAカップのAZアルクマール戦では、デビューこそなかったものの、初めてトップチームのベンチ入りを果たしました。
3.2. バラ・タウン (第一期)
エヴァートンを離れた後、アーヴィングはウェールズ・プレミアリーグに所属するバラ・タウンFCへ移籍しました。彼はバラ・タウンで4シーズンにわたり109試合に出場し、3得点を記録しました。この期間中に、彼はバラ・タウンの歴代最長在籍選手の一人となりました。2013年5月18日、バラ・タウンでの最終試合となったUEFAヨーロッパリーグのプレーオフ決勝、ポート・タルボット・タウンFC戦では、試合終了3分前に決勝ゴールを挙げ、チームを初のヨーロッパの舞台へと導く歴史的な貢献を果たしました。これは、前年に同じ大会でラネリー・タウンAFCに敗れた経験を乗り越えての快挙でした。
3.3. オークランド・シティ
2013年、アーヴィングはニュージーランドへ渡り、当時OFCチャンピオンズリーグの王者であったセミプロクラブのオークランド・シティFCに加入しました。
同年、モロッコで開催された2013 FIFAクラブワールドカップでは、開幕戦のラジャ・カサブランカ戦に先発出場し、アガディールのスタッド・アドラルで86分間プレーしました。試合は1対2で敗れました。
2013-14シーズンのOFCチャンピオンズリーグでは、全7試合に出場し、決勝でアミカルFCを2戦合計3対2で破り、優勝に貢献しました。
2014 FIFAクラブワールドカップでも再びモロッコで開催され、アーヴィングは重要な活躍を見せました。開幕戦のモグレベル・テトゥアン戦では、ラバトのスタジアムで行われたPK戦でPKを成功させ、チームの勝利に貢献しました。続く準々決勝では、同年12月13日、同じくラバトのスタジアムでESセティフを相手に決勝ゴールを決め、MOMに選出される活躍を見せました。この勝利により、オークランド・シティはクラブ史上最高位となる準決勝進出を果たしました。3位決定戦ではクルス・アスルとのPK戦でクロスバーを直撃し、PKを失敗しましたが、チームは勝利を収め、銅メダルを獲得しました。オークランド・シティでの在籍中、彼は23試合に出場し、1得点を記録しました。
3.4. バラ・タウン (第二期)
2015年、アーヴィングはバラ・タウンFCに復帰しました。
2017年2月25日、ウェルシュカップ準決勝のギルスフィールドFC戦では3対0の勝利に貢献する得点を挙げ、チームを決勝に導きました。同年4月30日、ナントポースで行われた決勝では、当時の王者であったザ・ニュー・セインツFCを2対1で破り、ウェルシュカップのタイトル獲得に貢献しました。バラ・タウンへの復帰後、彼は46試合に出場し、2得点を挙げました。
4. 栄誉
ジョン・グディソン・アーヴィングが選手キャリア中に獲得した主要なクラブおよび個人の栄誉は以下の通りです。
- オークランド・シティ
- ニュージーランド・フットボールチャンピオンシップ: 2013-14, 2014-15
- OFCチャンピオンズリーグ: 2013-14, 2014-15
- FIFAクラブワールドカップ: 3位 2014
- バラ・タウン
- ウェルシュカップ: 2016-17