1. Overview
ダニエル・ルイス=バサン・フスタ(Daniel Ruiz-Bazán Justaダニエル・ルイス=バサン・フスタスペイン語、1951年6月28日 - )は、通称ダニ(Daniダニスペイン語)として知られるスペイン・バスク州ソプエルタ出身の元サッカー選手である。現役時代のポジションはフォワードで、特にペナルティキックの専門家として知られていた。
キャリアのほぼ全てをアスレティック・ビルバオで過ごし、「El Gran Capitán偉大なキャプテンスペイン語」や「El Pequeño小柄な男スペイン語」という愛称で親しまれた。10年以上にわたりトップチームで活躍し、公式戦で199得点を記録した。アスレティック・ビルバオでは、ラ・リーガで2連覇(1982-83シーズン、1983-84シーズン)を達成し、コパ・デル・レイも制覇(1983-84シーズン)してダブルを達成した。また、UEFAカップでは1976-77シーズンに準優勝を経験している。
スペイン代表としては4年間で25試合に出場し10得点を挙げた。1978 FIFAワールドカップとUEFA欧州選手権1980の主要な国際大会に出場し、いずれの大会でも得点を記録したが、チームはグループステージで敗退した。1986年に35歳で現役を引退した。
2. 選手経歴
ダニエル・ルイス=バサン・フスタは、プロサッカー選手としてキャリアの大部分をアスレティック・ビルバオで過ごし、クラブの黄金期に貢献した。ここでは、そのキャリアを時系列に沿って詳細に記述する。
2.1. クラブ経歴
ダニはビスカヤ県ソプエルタで生まれ、バスク自治州の様々なクラブのユースでサッカーを始めた。1968年から1969年にかけて地元ソプエルタのユースに所属した後、1969年から1970年にはCDゲチョ、1970年から1971年にはビジョーサのユースでプレーした。
20歳になった1971年、彼はアスレティック・ビルバオに加入し、テルセーラ・ディビシオンに所属するビルバオ・アスレティック(Bチーム)で1シーズンを過ごした。その後、セグンダ・ディビシオンに所属する隣接クラブのバラカルドCFに2年間レンタル移籍し、プロ選手としての経験を積んだ。バラカルドでは65試合に出場し9得点を記録した。
2.1.1. アスレティック・ビルバオでの活躍
1974年、ダニはアスレティック・ビルバオに復帰し、同年9月29日のバレンシアCF戦(0-3の敗戦)でプリメーラ・ディビシオン(1部)デビューを果たした。復帰後の10シーズンのうち9シーズンで2桁得点を記録し、チームの主要な得点源として活躍した。
特に1976-77シーズンは彼のキャリアにおいて際立つ年となった。このシーズン、アスレティックはラ・リーガで3位に入り、ダニ自身は公式戦46試合に出場して29得点を挙げた。さらに、このシーズンにはUEFAカップとコパ・デル・レイの両方で決勝に進出する快挙を達成した。サン・マメス・スタジアムでの12年間の在籍期間中、彼は2度にわたりシーズン20得点を超える記録を達成している。

キャリア晩年の1982-83シーズンと1983-84シーズンには、アスレティック・ビルバオはラ・リーガで2連覇という歴史的な成功を収め、ダニもこの連覇に貢献した。特に1983-84シーズンにはコパ・デル・レイでも優勝し、リーグとカップの二冠を達成した。
ダニはペナルティキックの専門家としても名を馳せた。また、ヨーロッパカップ戦での通算11得点は、25年間にわたりクラブの最多得点記録として保持されていたが、2012年にフェルナンド・ジョレンテによって更新された。
2.1.2. 引退
アスレティック・ビルバオでの輝かしいキャリアの終わりには、ダニの出場機会は徐々に減少していった。1983-84シーズンには、クラブの別のユース出身選手であるマヌエル・サラビアが台頭し、ダニはリーグ戦で10試合3得点に留まった。さらに、彼より11歳年下のフリオ・サリナスがトップチームに昇格したことで、彼のチーム内での序列はさらに下がった。
最終的に、ダニは35歳を迎える1986年6月に現役引退を発表した。アスレティック・ビルバオでのリーグ戦通算成績は302試合出場147得点であり、公式戦全体では199得点を記録した。
2.2. 代表経歴
ダニはスペイン代表としても活躍し、国際舞台で国を代表した。
彼のスペイン代表デビューは1977年9月21日、スイスとの親善試合で、この試合は2-1でスペインが勝利した。彼はこのデビューから4年間にわたり代表に招集され、通算25試合に出場し10得点を記録した。
国際主要大会では、1978 FIFAワールドカップに出場し、グループリーグのオーストリア戦で得点を記録したものの、試合は1-2で敗れ、スペインはグループステージで敗退した。また、UEFA欧州選手権1980本大会にも出場し、グループリーグのイングランド戦で得点を挙げたが、この試合も1-2で敗れ、スペインは再びグループステージでの敗退を余儀なくされた。
2.2.1. 代表での得点記録
ダニがスペイン代表で記録した10得点の詳細は以下の通りである。スコアの列は、ダニの得点後のスペインのスコアを示す。
No. | 日付 | 会場 | 対戦相手 | スコア | 結果 | 大会 |
---|---|---|---|---|---|---|
1. | 1978年1月25日 | サンティアゴ・ベルナベウ、マドリード、スペイン | イタリア | 2-0 | 2-1 | 親善試合 |
2. | 1978年3月29日 | エル・モリノン、ヒホン、スペイン | ノルウェー | 3-0 | 3-0 | 親善試合 |
3. | 1978年4月26日 | ロス・カルメネス、グラナダ、スペイン | メキシコ | 2-0 | 2-0 | 親善試合 |
4. | 1978年6月3日 | ホセ・アマルフィターニ、ブエノスアイレス、アルゼンチン | オーストリア | 1-1 | 1-2 | 1978 FIFAワールドカップ |
5. | 1979年4月4日 | スタディオヌル・チェントラル、クラヨーヴァ、ルーマニア | ルーマニア | 1-1 | 2-2 | UEFA欧州選手権1980予選 |
6. | 1979年4月4日 | スタディオヌル・チェントラル、クラヨーヴァ、ルーマニア | ルーマニア | 2-2 | 2-2 | UEFA欧州選手権1980予選 |
7. | 1979年9月26日 | バライードス、ビーゴ、スペイン | ポルトガル | 1-0 | 1-1 | 親善試合 |
8. | 1980年1月23日 | バライードス、ビーゴ、スペイン | オランダ | 1-0 | 1-0 | 親善試合 |
9. | 1980年6月18日 | サン・パオロ、ナポリ、イタリア | イングランド | 1-1 | 1-2 | UEFA欧州選手権1980 |
10. | 1980年11月12日 | サリア、バルセロナ、スペイン | ポーランド | 1-1 | 1-2 | 親善試合 |
3. タイトル
選手キャリアを通じて、ダニが獲得した主要なタイトルは以下の通りである。
- アスレティック・ビルバオ
- ラ・リーガ:1982-83、1983-84
- コパ・デル・レイ:1983-84
- スーペルコパ・デ・エスパーニャ:1984
- UEFAカップ準優勝:1976-77