1. 幼少期と教育
チャン・ヘジは1997年8月7日に大韓民国慶尚北道義城郡で生まれた。彼女はカーリング教育で知られる義城女子高等学校に進学し、この地で本格的にカーリング選手としてのキャリアを築き始めた。義城女子高等学校での経験が、後の国家代表選手としての基盤を形成する上で重要な役割を果たした。
2. 経歴
チャン・ヘジは、義城カーリングクラブおよび慶尚北道体育会に所属し、主にミックスダブルス種目で活躍した。彼女のキャリアは、韓国におけるミックスダブルスの発展と軌を一にしており、数々の国際大会でその才能を発揮した。
2.1. ミックスダブルスチーム結成と初期の国際大会
2016年2月、チャン・ヘジは男子韓国代表選手であるイ・ギジョンとともに、大韓民国史上初のカーリングミックスダブルス国家代表チームを結成した。この新たな挑戦は、韓国カーリング界における重要な一歩となった。
同年開催された2016年世界ミックスダブルスカーリング選手権大会では、韓国代表として初めて16強入りを果たすという快挙を成し遂げた。続く2017年世界ミックスダブルスカーリング選手権大会では、総合6位の成績を収め、国際舞台での実力を示した。
2017年には、ニュージーランドで開催された大会で予選7戦全勝を記録したが、トーナメントで敗退し4位となった。また、スイスのベルンで開催されたカーリングツアー大会でも4位に入賞するなど、着実に国際経験を積んだ。
2.2. 2018年平昌冬季オリンピック
チャン・ヘジは、イ・ギジョン選手とともに2018年平昌冬季オリンピックのミックスダブルス(混合種目)に大韓民国代表として出場した。彼女は同大会のカーリング選手の中で最年少であったことでも注目を集めた。
予選ラウンドでは以下の成績を収めた。
- 2月8日、フィンランド戦:9-4で勝利。7エンドでフィンランドがギブアップし、韓国チームの大会初勝利を飾った。
- 2月8日、中国戦:序盤にリードを許すも、8エンドで7-7の同点に追いつく粘りを見せた。しかし、エキストラエンドで1点を奪われ惜敗した。
- 2月9日、ノルウェー戦:3-8で敗れた。
- 2月9日、アメリカ合衆国戦:9-1で完勝した。
- 2月10日、ロシアからのオリンピック選手戦:敗北した。
- 2月10日、スイス戦:敗北した。
- 2月10日、カナダ戦:予選最終戦で3-7で敗れた。
予選ラウンドを終え、韓国チームは最終的に総合5位という結果で大会を終えた。惜しくも準決勝進出はならなかったものの、地元開催のオリンピックで最年少選手として奮闘し、ミックスダブルスという新しい種目の魅力を広く伝える役割を果たした。
2.3. オリンピック以降の経歴と国内選手権
2018年平昌冬季オリンピック以降も、チャン・ヘジはカーリング選手としての活動を続けた。同年開催された2018年世界ミックスダブルスカーリング選手権大会にも出場し、国際経験を積み重ねた。
国内大会では、コリアミックスダブルスカーリング選手権大会で特に目覚ましい活躍を見せている。
- 2016年 義城大会:優勝
- 2017年 利川大会:優勝
- 2019年 江陵大会:優勝
- 2020年 江陵大会:優勝
これらの国内タイトルは、彼女が長きにわたり韓国ミックスダブルスカーリング界のトップ選手として君臨している証拠である。
3. 成績と記録
チャン・ヘジは、そのキャリアを通じて数々の優れた成績と記録を打ち立ててきた。
大会名 | 種目 | 年度 | 成績 | 備考 |
---|---|---|---|---|
コリアミックスダブルスカーリング選手権大会 | ミックスダブルス | 2016年 | 金メダル | |
コリアミックスダブルスカーリング選手権大会 | ミックスダブルス | 2017年 | 金メダル | |
コリアミックスダブルスカーリング選手権大会 | ミックスダブルス | 2019年 | 金メダル | |
コリアミックスダブルスカーリング選手権大会 | ミックスダブルス | 2020年 | 金メダル | |
世界ミックスダブルスカーリング選手権大会 | ミックスダブルス | 2016年 | 16強 | |
世界ミックスダブルスカーリング選手権大会 | ミックスダブルス | 2017年 | 6位 | |
世界ミックスダブルスカーリング選手権大会 | ミックスダブルス | 2018年 | 出場 | |
2018年平昌冬季オリンピック | ミックスダブルス | 2018年 | 5位 | 最年少カーリング出場選手 |