1. Overview
ティモシー・マックス・エーデルマン(Timothy Max Adleman英語)は、アメリカ合衆国ニューヨーク州ニューヨーク市スタテンアイランド出身の元プロ野球選手(投手)。右投右打。彼の愛称は「ザ・マイクロウェイブ」であり、メディアでは「アデルマン」「アドルマン」「エイドルマン」など複数の表記が見られる。彼はMLBのシンシナティ・レッズや、韓国プロ野球のサムスン・ライオンズでプレーした。現役引退後は、2023年5月からスポーツストリーミングおよびスポンサーシップ営業担当の役員として活動している。
2. Early Life and Amateur Career
エーデルマンはニューヨーク州スタテンアイランドに生まれ、ジョージタウン大学でのプレーを経てMLBドラフトで指名されプロ入りした。
2.1. Birth and Background
エーデルマンは1987年11月13日にアメリカ合衆国ニューヨーク州ニューヨーク市スタテンアイランドで生まれた。
2.2. College Baseball and MLB Draft
エーデルマンはジョージタウン大学で大学野球をプレーした。2010年のMLBドラフトにおいて、ボルチモア・オリオールズから24巡目(全体718位)で指名され、プロ入りした。
3. Professional Career
エーデルマンのプロ経歴は、ボルチモア・オリオールズ傘下でのスタートから独立リーグでの経験、シンシナティ・レッズでのMLBデビュー、韓国プロ野球への移籍、そしてその後のアメリカ国内での活動と引退後まで多岐にわたる。
3.1. Baltimore Orioles and Independent Leagues
ボルチモア・オリオールズとの契約後、エーデルマンは傘下のA-級アバディーン・アイアンバーズでプロデビューした。2010年には13試合に先発登板し、2勝4敗、防御率3.44、62奪三振を記録した。2011年にはA級デルマーバ・ショアバーズでプレーし、28試合(うち先発9試合)に登板して5勝7敗、防御率6.01、72奪三振の成績を残した。しかし、2012年3月27日にオリオールズから自由契約となった。
オリオールズを退団後、エーデルマンは独立リーグでのプレーを続けた。2012年にはアメリカン・アソシエーションのリンカーン・ソルトドッグスとエルパソ・ディアブロスでプレーした。リンカーンでは5試合に登板し7.0回で3失点を許した。同年6月18日にはエルパソ・ディアブロスへトレードされた。エルパソでは29試合に登板し、防御率5.94、30奪三振を記録した。両球団合計では34試合に登板し、0勝2敗、防御率5.58、38奪三振の成績であった。2013年には同じく独立リーグのカナディアン・アメリカン・リーグに所属するニュージャージー・ジャッカルズでプレーし、40試合に登板して防御率1.46、62奪三振という好成績を収めた。
3.2. Cincinnati Reds (First Stint)
2013年10月14日、エーデルマンはシンシナティ・レッズとマイナー契約を結んだ。2014年には傘下のA+級ベーカーズフィールド・ブレイズとAA級ペンサコーラ・ブルーワフーズでプレーし、2球団合計で38試合(うち先発6試合)に登板して3勝9敗、防御率3.72、77奪三振を記録した。2015年はAA級ペンサコーラでシーズンを過ごし、27試合(うち先発26試合)に登板して9勝10敗、防御率2.64、150.0イニングで113奪三振という成績を残した。
2016年シーズンはAAA級ルイビル・バッツで開幕を迎えた。ルイビルで10試合に登板し防御率2.38を記録した後、同年5月1日にメジャー契約を結び、アクティブ・ロースター入りを果たした。同日、ピッツバーグ・パイレーツ戦でメジャーデビューし、6回を投げ被安打3、2失点、6奪三振を記録した。この年のメジャーでは13試合に先発登板し、4勝4敗、防御率4.00、47奪三振の成績を残した。特筆すべきは、同年8月24日のテキサス・レンジャーズ戦で、日本のプロ野球とMLBを通じてダルビッシュ有に初本塁打を献上したことである。
2017年もレッズに在籍し、ルイビルでの1試合を除いてシーズンを通してメジャーでプレーした。30試合(うち先発20試合)に登板し、5勝11敗、防御率5.52を記録した。同年11月30日、韓国でのプレー機会を求めてレッズから自由契約となった。
3.3. KBO League Career (Samsung Lions)
2017年11月30日、エーデルマンはKBOリーグのサムスン・ライオンズと1年契約を結んだ。この契約は総額105.00 万 USDであった(韓国メディアでは総額95.00 万 USDと報じられている)。2018年シーズンはサムスンで31試合に登板し、8勝12敗、防御率5.05の成績を記録した。シーズン終了後、彼は自由契約となった。
3.4. Later Professional Career
KBOリーグ退団後、エーデルマンは再びアメリカ国内のプロ野球チームや独立リーグで活動した。
3.4.1. Return to MLB System and Independent Leagues
サムスン・ライオンズとの契約終了後、エーデルマンは2019年1月23日に再びシンシナティ・レッズとマイナー契約を結び、メジャーのスプリングトレーニングに招待されたが、同年3月22日にレッズから再び自由契約となった。
同年4月11日にはアトランティックリーグのロングアイランド・ダックスと契約。ダックスでは3試合に登板し、防御率1.64の好成績を残した。同年5月11日、エーデルマンの契約はデトロイト・タイガースに買い取られ、傘下のAAA級トレド・マッドヘンズに配属された。タイガース傘下では9勝4敗、防御率3.32を記録し、これは仮に規定投球回に達していればインターナショナルリーグでトップの成績となるはずであった。彼は119奪三振を記録し、シーズンをWHIP1.15で終えた。同年11月4日にマイナーリーグのFAとなったが、翌11月5日にタイガースとマイナー契約で再契約し、2020年シーズンのスプリングトレーニングに招待された。しかし、COVID-19パンデミックによるマイナーリーグシーズンの中止のため、2020年は試合に出場することなく、同年11月2日に再びFAとなった。
2021年4月30日、エーデルマンは三度シンシナティ・レッズとマイナー契約を結んだ。AAA級ルイビル・バッツで31試合に登板し、45イニングで41奪三振、防御率3.80の成績を残した。
2022年3月16日、エーデルマンはニューヨーク・メッツとマイナー契約を結んだ。傘下のAAA級シラキュース・メッツで17試合に登板したが、44.66イニングで防御率6.04と苦戦し、39奪三振を記録した。同年8月10日、メッツから自由契約となった。
3.4.2. Post-Playing Career
選手としてのキャリアを終えた後、エーデルマンは2023年5月にファイアブランド・スポーツメディア(Firebrand Sports Media)に入社し、スポーツストリーミングおよびスポンサーシップ営業担当の役員として活動している。
3.5. 背番号
- 68(2016年)
- 46(2017年)
- 35(2018年)
4. Playing Style
エーデルマンはスリークォーター投法で投球を行い、投球前に一度静止するような「二段モーション」が特徴的であった。主な球種としては、最速で約152 km/h(152 km/h (94.6 mph))、平均約146 km/h(146 km/h (91 mph))の速球(フォーシーム、ツーシーム)を中心に投げていた。その他、平均約137 km/h(137 km/h (85 mph))のチェンジアップ、平均約121 km/h(121 km/h (75 mph))のカーブも使用していた。
5. Career Statistics
5.1. Major League Baseball Statistics
年 | 球団 | 登板 | 先発 | 完投 | 完封 | 無安打 | 勝 | 敗 | セーブ | ホールド | 勝率 | 打者 | 投球回 | 被安打 | 被本塁打 | 与四球 | 敬遠 | 与死球 | 奪三振 | 暴投 | ボーク | 失点 | 自責点 | 防御率 | WHIP |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2016 | CIN | 13 | 13 | 0 | 0 | 0 | 4 | 4 | 0 | 0 | .500 | 287 | 69.2 | 64 | 13 | 20 | 1 | 5 | 47 | 0 | 0 | 32 | 31 | 4.00 | 1.21 |
2017 | CIN | 30 | 20 | 0 | 0 | 0 | 5 | 11 | 0 | 2 | .313 | 531 | 122.1 | 124 | 29 | 51 | 1 | 6 | 108 | 1 | 1 | 79 | 75 | 5.52 | 1.43 |
MLB:2年 | 43 | 33 | 0 | 0 | 0 | 9 | 15 | 0 | 2 | .375 | 818 | 192.0 | 188 | 42 | 71 | 2 | 11 | 155 | 1 | 1 | 111 | 106 | 4.97 | 1.35 |
5.2. KBO League Statistics
年 | 球団 | 登板 | 先発 | 完投 | 完封 | 無安打 | 勝 | 敗 | セーブ | ホールド | 勝率 | 打者 | 投球回 | 被安打 | 被本塁打 | 与四球 | 敬遠 | 与死球 | 奪三振 | 暴投 | ボーク | 失点 | 自責点 | 防御率 | WHIP |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2018 | サムスン | 31 | 31 | 0 | 0 | 0 | 8 | 12 | 0 | 0 | .400 | 202 | 171.0 | 101 | 20 | 54 | 0 | 11 | 137 | 0 | 1 | 101 | 96 | 5.05 | 1.50 |
KBO:1年 | 31 | 31 | 0 | 0 | 0 | 8 | 12 | 0 | 0 | .400 | 202 | 171.0 | 101 | 20 | 54 | 0 | 11 | 137 | 0 | 1 | 101 | 96 | 5.05 | 1.50 |
2018年度シーズン終了時
6. Personal Life
ティモシー・マックス・エーデルマンの愛称は「ザ・マイクロウェイブ」である。メディアでは、彼の名前が「アデルマン」「アドルマン」「エイドルマン」などと表記されることがある。