1. 概要
ドワイト・スミス・ジュニア(John Dwight Smith Jr.英語、1992年10月26日 - )は、アメリカ合衆国ジョージア州ファイエット郡ピーチツリーシティ出身のプロ野球選手(外野手)。右投左打。現在はリーガ・メヒカーナ・デ・ベイスボル(メキシカンリーグ)のチャロス・デ・ハリスコに所属している。過去にはトロント・ブルージェイズやボルチモア・オリオールズでメジャーリーグベースボール(MLB)の選手としてプレーした。
2. 生い立ちと背景
ドワイト・スミス・ジュニアは1992年10月26日にアメリカ合衆国ジョージア州ファイエット郡ピーチツリーシティで生まれた。彼の父親は、1989年から1996年までメジャーリーグ選手として活躍した元メジャーリーガーの外野手、ドワイト・スミスである。
3. プロ経歴
ドワイト・スミス・ジュニアのプロ野球選手としてのキャリアは、2011年のMLBドラフトでトロント・ブルージェイズに指名されたことから始まった。以降、様々なマイナーリーグや独立リーグのチームを経て、メジャーリーグの舞台でプレーし、現在はメキシカンリーグで活動している。
3.1. トロント・ブルージェイズ時代 (2011-2019)
ドワイト・スミス・ジュニアはマッキントッシュ高校に在学中、2011年のMLBドラフトでトロント・ブルージェイズから1巡目追補(全体53位)で指名を受け、同年8月4日にプロ契約を結んだ。
2012年6月17日には、ブルージェイズ傘下のルーキー級ブルーフィールド・ブルージェイズに配属され、41試合に出場して打率.226、4本塁打、21打点、36安打、1盗塁を記録した。同年8月9日にはA-級バンクーバー・カナディアンズに昇格し、18試合で打率.175、8打点、11安打を記録した。
2013年4月24日にはA級ランシング・ラグナッツへ配属され、109試合で打率.284、7本塁打、46打点、120安打、25盗塁と好成績を残した。

2014年4月1日にはA+級ダニーデン・ブルージェイズへ昇格した。同年4月6日にはフィラデルフィア・フィリーズに所属していたコール・ハメルズからキャリア初の1試合2本塁打を記録した。7月28日に7日間の故障者リストに登録され、8月6日に解除された。このシーズンは121試合に出場し、打率.284、12本塁打、60打点、134安打、15盗塁を記録し、キャリアで初めてOPSが.800を超えた。また、フロリダ・ステートリーグのオールスターにも選出され、9月24日にはダニーデン・ブルージェイズの2014年MVPに選ばれた。シーズン終了後にはアリゾナ・フォールリーグのメサ・ソーラーソックスに派遣され、11試合で打率.262、5打点、11安打、3盗塁を記録した。
2015年1月28日にメジャーのスプリングトレーニングに招待されたが、4月6日にはAA級ニューハンプシャー・フィッシャーキャッツへ配属されて開幕を迎えた。この年は117試合に出場して打率.265、7本塁打、44打点、122安打、4盗塁を記録した。また、イースタンリーグのオールスターにも選出された。シーズン終了後、ブルージェイズの40人枠には追加されなかったため、ルール5ドラフトの対象選手となった。MLB.comのコラムニストであるジョナサン・メイヨは、彼をドラフトで獲得可能な有望株のトップ10の1人として挙げた。
2016年も1月にメジャーのスプリングトレーニングに招待されたが、3月7日にマイナーリーグキャンプへ戻された。同年もAA級ニューハンプシャーで開幕を迎え、126試合に出場して打率.265、キャリアハイとなる15本塁打、74打点、125安打、12盗塁を記録した。
2017年のシーズン開幕前にもメジャーのスプリングトレーニングに招待され、4月3日にはAAA級バッファロー・バイソンズへ配属されて開幕を迎えた。同年5月18日、出場停止処分を受けたケビン・ピラーの代わりにメジャー契約を結び、アクティブ・ロースター入りし、同日のアトランタ・ブレーブス戦でメジャーデビューを果たした。この試合では2打数無安打1四球だった。5月20日にAAA級バッファローへ降格したが、5月24日にはアンソニー・アルフォードの故障者リスト入りに伴いメジャーに再昇格した。同日のミルウォーキー・ブルワーズ戦でウィリー・ペラルタから二塁打を放ち、メジャー初安打を記録した。この試合後、再びAAA級バッファローへ降格した。6月14日にはエセキエル・カレーラの故障者リスト入りに伴い、メジャーに再昇格。6月17日のシカゴ・ホワイトソックス戦でメジャー初打点を記録した。この年メジャーでは12試合に出場して打率.370、1打点、10安打、1盗塁を記録した。
2018年は35試合に出場して打率.262、2本塁打、8打点を記録した。
2019年3月5日、クレイ・バックホルツの加入に伴ってDFAとなった。
3.2. ボルチモア・オリオールズ時代 (2019-2020)
2019年3月8日、ドワイト・スミス・ジュニアはインターナショナル・ボーナスプール(海外選手契約金枠)とのトレードでボルチモア・オリオールズへ移籍した。シーズンは先発左翼手としてスタートした。5月31日にはサンフランシスコ・ジャイアンツ戦でドリュー・ポメランツからキャリア初の満塁本塁打を放ち、チームは9対6で勝利した。怪我のためシーズンが短縮され、101試合の出場にとどまったものの、打率.241、13本塁打、53打点という成績を残した。
2020年は21試合に出場し、打率.222、出塁率.306、長打率.365、6打点を記録した。同年8月22日にDFAとなり、11月2日にはFAとなった。
3.3. シンシナティ・レッズ傘下時代 (2020-2021)
2020年12月7日、ドワイト・スミス・ジュニアはシンシナティ・レッズとマイナー契約を結び、2021年のスプリングトレーニングに招待選手として参加することになった。2021年シーズンはAAA級ルイビル・バッツで開幕を迎えたが、36試合の出場で打率.220、1本塁打、17打点という成績にとどまり、同年6月20日に自由契約となった。
3.4. メキシカンリーグ時代 (2021)
2021年7月9日、ドワイト・スミス・ジュニアはメキシカンリーグのモンクローバ・スティーラーズ(Acereros de Monclovaスペイン語)と契約した。ここでは22試合に出場し、打率.294、出塁率.362、長打率.506、5本塁打、14打点、2盗塁を記録した。
3.5. シカゴ・ホワイトソックス傘下時代 (2022)
2022年2月22日、ドワイト・スミス・ジュニアはシカゴ・ホワイトソックスとマイナー契約を結んだ。AAA級シャーロット・ナイツで13試合に出場したが、打率.236、1本塁打、5打点という成績に終わり、同年5月7日に自由契約となった。
3.6. メキシカンリーグ時代 (2022)
2022年5月25日、ドワイト・スミス・ジュニアは再びメキシカンリーグのモンクローバ・スティーラーズと再契約を結んだ。しかし、わずか6試合の出場で打率.177(17打数3安打)、0本塁打、0打点にとどまり、同年6月4日に自由契約となった。
3.7. 独立リーグ時代 (2022-2023)
2022年6月12日、ドワイト・スミス・ジュニアはアトランティックリーグのレキシントン・レジェンズと契約した。ここでは12試合に出場し、打率.171、2本塁打、7打点を記録したが、シーズン終了後に退団した。
2023年4月13日、アトランティックリーグのチャールストン・ダーティーバーズと契約した。この年は120試合に出場し、打率.331、出塁率.426、長打率.569、22本塁打、64打点、24盗塁という素晴らしい成績を挙げた。シーズン終了後、彼はアトランティックリーグのオールスターに選出された。
3.8. メキシカンリーグ時代 (2024-現在)
2024年2月19日、ドワイト・スミス・ジュニアはメキシカンリーグのチャロス・デ・ハリスコと契約した。79試合に出場し、打率.302、出塁率.413、長打率.502、11本塁打、41打点、10盗塁を記録している(現在進行中)。
4. 詳細情報
4.1. 年度別打撃成績
年度 | 球団 | 試合 | 打席 | 打数 | 得点 | 安打 | 二塁打 | 三塁打 | 本塁打 | 塁打 | 打点 | 盗塁 | 盗塁死 | 犠打 | 犠飛 | 四球 | 死球 | 三振 | 併殺打 | 打率 | 出塁率 | 長打率 | OPS | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2017 | TOR | 12 | 29 | 27 | 2 | 10 | 2 | 0 | 0 | 12 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 | 10 | 0 | .370 | .414 | .444 | .858 |
2018 | 35 | 75 | 65 | 9 | 17 | 8 | 0 | 2 | 31 | 8 | 0 | 0 | 0 | 1 | 7 | 0 | 2 | 13 | 1 | .262 | .347 | .477 | .824 | |
2019 | BAL | 101 | 392 | 357 | 46 | 86 | 16 | 3 | 13 | 147 | 53 | 5 | 1 | 1 | 4 | 26 | 0 | 4 | 82 | 8 | .241 | .297 | .412 | .708 |
2020 | 21 | 72 | 63 | 9 | 14 | 3 | 0 | 2 | 23 | 6 | 1 | 0 | 0 | 1 | 7 | 1 | 1 | 19 | 1 | .222 | .306 | .365 | .671 | |
MLB:4年 | 169 | 568 | 512 | 66 | 127 | 29 | 3 | 17 | 213 | 68 | 7 | 1 | 1 | 6 | 41 | 1 | 8 | 124 | 10 | .248 | .310 | .416 | .726 |
4.2. 年度別守備成績
年度 | 球団 | 左翼(LF) | 中堅(CF) | 右翼(RF) | |||||||||||||||
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試合 | 刺殺 | 補殺 | 失策 | 併殺 | 守備率 | 試合 | 刺殺 | 補殺 | 失策 | 併殺 | 守備率 | 試合 | 刺殺 | 補殺 | 失策 | 併殺 | 守備率 | ||
2017 | TOR | 9 | 2 | 0 | 0 | 0 | 1.000 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1.000 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | ---- |
2018 | 19 | 25 | 0 | 0 | 0 | 1.000 | - | 6 | 11 | 1 | 0 | 0 | 1.000 | ||||||
2019 | BAL | 86 | 153 | 3 | 5 | 1 | .969 | - | - | ||||||||||
2020 | 16 | 26 | 0 | 1 | 0 | .963 | - | - | |||||||||||
MLB | 130 | 206 | 3 | 6 | 1 | .972 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1.000 | 7 | 11 | 1 | 0 | 0 | 1.000 |
4.3. 記録と表彰
- フロリダ・ステートリーグ・オールスターゲーム選出:1回(2014年)
- イースタンリーグ・オールスターゲーム選出:1回(2015年)
- アトランティックリーグオールスター選出:1回(2023年)
4.4. 背番号
- 15(2017年)
- 27(2018年)
- 35(2019年 - 2020年)