1. 概要

ハリー・ディーン・スタントン(Harry Dean Stanton英語)は、アメリカ合衆国の俳優、歌手であり、60年以上にわたるキャリアを通じて、数多くの映画やテレビドラマでその存在感を示した。特に、インディーズ映画やカルト映画における彼の演技は高く評価され、批評家や同時代のアーティストに多大な影響を与えた。彼のキャリアは、単なる脇役にとどまらず、時に主役として、また時にミュージシャンとして、多岐にわたる表現活動を展開した。スタントンは、社会の周縁に生きる人々や、内面に葛藤を抱える人物を深く掘り下げて演じることで、観客に強い印象を残した。彼の演技は、人間性の複雑さと脆弱さを浮き彫りにし、大衆文化における彼の遺産は、その独特な芸術的貢献によって永く記憶されるだろう。
2. 初期生
ハリー・ディーン・スタントンは、ケンタッキー州ウェスト・アーヴィンで生まれた。彼の幼少期から第二次世界大戦中の軍務に至るまでの経験は、その後の彼の人生とキャリアに大きな影響を与えた。
2.1. 幼少期と教育
スタントンは1926年7月14日に、タバコ農家であり理髪師でもあった父シェリダン・ハリー・スタントンと、料理人であった母アーセル(旧姓モバリー)の間に生まれた。彼が高校生の時に両親は離婚し、その後それぞれ再婚している。スタントンには2人の弟と1人の異母弟がいた。彼の家族は音楽的な素養を持つ家庭であった。
彼はケンタッキー州レキシントンにあるラファイエット高校に通い、その後ケンタッキー大学でジャーナリズムとラジオ芸術を学んだ。大学では、演劇監督ウォレス・ブリッグスの指導のもと、ギニョール劇場で演技を披露した。2011年のドキュメンタリー『Harry Dean Stanton: Crossing Mulholland英語』のインタビューで、彼は「作家になることもできた」と語っている。また、「歌手になるか俳優になるかを決めなければならなかった。いつも歌っていた。俳優になれば、その全てができると思った」とも述べている。ブリッグスは彼に大学を辞めて俳優になるよう勧めた。その後、カリフォルニア州パサデナにあるパサデナ・プレイハウスで演技を学び、そこでは友人であるタイラー・マクダフやダナ・アンドリュースらが同級生であった。
2.2. 軍務
第二次世界大戦中、スタントンはアメリカ海軍に所属し、沖縄戦の際には戦車揚陸艦であるUSS LST-970の調理師として勤務した。この従軍経験は、彼の人生に深く刻まれることとなった。
3. キャリア
スタントンは、俳優および歌手として60年以上にわたる広範な活動を展開した。彼は数多くの主要作品に出演し、多くの著名な監督や同僚と協業しながら、そのキャリアを大きく変遷させていった。
3.1. デビューと初期のキャリア
スタントンは1954年にテレビシリーズ『Inner Sanctum英語』でテレビ初出演を果たした。映画デビューは1957年の西部劇『Tomahawk Trail英語』である。1959年の『Have Gun - Will Travel英語』のエピソード「Treasure Trail英語」では「ディーン・スタントン」名義でストーンマン役を演じた。また、グレゴリー・ペック主演の1959年の映画『Pork Chop Hill英語』の冒頭では、不平を言うBAR(ブローニング自動小銃)兵としてクレジットなしで出演している。
1962年には『西部開拓史』でイーライ・ウォーラック演じるチャーリー・ギャントのギャングの一員として小さな役を演じた。翌年には『The Man from the Diner's Club英語』で詩を朗読するビートニクの端役を務めている。キャリアの初期には、俳優のハリー・スタントンとの混同を避けるため、「ディーン・スタントン」という芸名を使用していた。彼は1950年代から死去するまで、100本以上の作品に出演した名脇役として知られている。
3.2. 『パリ、テキサス』でのブレイク
スタントンのキャリアにおける転機は、ヴィム・ヴェンダース監督の1984年の映画『パリ、テキサス』で主演を務めたことである。この映画の脚本を書いた劇作家サム・シェパードは、1983年にニューメキシコ州サンタフェの映画祭でスタントンを見かけ、会話を交わした。スタントンは1986年のインタビューで、「自分が演じてきた役柄にうんざりしていると彼に話した。もっと美しさや繊細さのある役を演じたいと伝えた。彼が自分の映画の主役を考えているとは全く思わなかった」と回想している。その後まもなく、シェパードはロサンゼルスのスタントンに電話をかけ、主人公トラヴィス役をオファーした。この役は、「数年前に姿を消した後、人生を立て直し、離れ離れになった家族と再会しようとする、失われた壊れた魂」を演じるために、俳優がほとんど沈黙を保つことを要求されるものであった。
3.3. 主要な映画出演作
スタントンは、インディーズ映画やカルト映画からハリウッドのメジャー映画まで、幅広い作品に出演した。彼の代表的な出演作には、以下のものが挙げられる。
| 公開年 | 邦題 原題 | 役名 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 1957 | ララミー砦の反乱 Revolt at Fort Laramie | リンティ | |
| 1958 | 誇り高き反逆者 The Proud Rebel | ジェブ・バーリー | |
| 1962 | 西部開拓史 How the West Was Won | ギャントの手下 | クレジットなし |
| 1963 | 現金お断り The Man from the Diners' Club | クレジットなし | |
| 1965 | 旋風の中に馬を進めろ Ride in the Whirlwind | ブラインド・ディック | |
| 1967 | 大いなる砲火 A Time for Killing | ダン・ウェイ | |
| 暴力脱獄 Cool Hand Luke | トランプ | ||
| 1968 | ガンマンの対決 Day of the Evil Gun | パーカー | |
| 地獄の暴走 The Mini-Skirt Mob | |||
| 1970 | ジャック・ニコルソンの ダーティ・ライダー The Rebel Rousers | ランドルフ | |
| 戦略大作戦 Kelly's Heroes | ウィラード二等兵 | ||
| 1971 | 断絶 Two-Lane Blacktop | オクラホマ・ヒッチハイカー | |
| 1972 | 風に向って走れ Cry for Me, Billy | ルーク・トッド | |
| 1973 | デリンジャー Dillinger | ホーマー・ヴァン・ミーター | |
| ビリー・ザ・キッド/21才の生涯 Pat Garrett and Billy the Kid | ルーク | ||
| 1974 | 愛の花咲く家 Where the Lilies Bloom | カイザー・ピース | |
| 西部に来た花嫁 Zandy's Bride | ソンガー | ||
| コックファイター Cockfighter | ジャック・バーク | ||
| ゴッドファーザー PART II The Godfather Part II | FBI捜査官#1 | ||
| 1975 | ブルージーンズ・ジャーニー Rafferty and the Gold Dust Twins | ビリー・ウィンストン | |
| 荒野にさすらう若者たち Rancho Deluxe | カート | ||
| さらば愛しき女よ Farewell, My Lovely | ビリー・ロルフ | ||
| 1976 | ミズーリ・ブレイク The Missouri Breaks | カルヴィン | |
| 1978 | レナルド&クララ Renaldo and Clara | ラフケジオ | |
| ストレート・タイム Straight Time | ジェリー | ||
| 1979 | トラック・ギャルズ/爆走!18輪の怪物マシン Flatbed Annie & Sweetiepie: Lady Truckers | ダグラス | テレビ映画 |
| エイリアン Alien | ブレット | ||
| ローズ The Rose | ビリー・レイ | ||
| 1980 | SFデス・ブロードキャスト La mort en direct | ヴィンセント | |
| ブラック・マーブル The Black Marble | フィロ・スキナー | ||
| プライベート・ベンジャミン Private Benjamin | ジム・バラード | ||
| 1981 | ニューヨーク1997 Escape from New York | ブレイン | |
| 1982 | ワン・フロム・ザ・ハート One from the Heart | モー | |
| 病院狂時代 Young Doctors in Love | オリヴァー・ルドウィグ博士 | ||
| 1983 | クリスティーン Christine | ルドルフ・ジャンキンス警部 | |
| 1984 | レポマン Repo Man | バド | |
| パリ、テキサス Paris, Texas | トラヴィス・ヘンダーソン | ||
| 若き勇者たち Red Dawn | トム・エッカート | ||
| 1985 | フール・フォア・ラブ Fool for Love | 老人 | |
| クリスマスに届いた愛 One Magic Christmas | ギデオン | ||
| 1986 | プリティ・イン・ピンク/恋人たちの街角 Pretty in Pink | ジャック・ウソルシュ、アンディの父 | |
| 1987 | スラムダンス Slam Dance | ベンジャミン・スマイリー | |
| 1988 | イングリッシュマンinニューヨーク Stars and Bars | ルーミス・ゲイジ | |
| ミスター・ノース/風をはこんだ男 Mr. North | ヘンリー・シモンズ | ||
| 最後の誘惑 The Last Temptation of Christ | パウロ | ||
| 1989 | ツイスター/大富豪といかれた家族たち Twister | クリーヴランド | |
| ドリーム・ドリーム Dream a Little Dream | アイク・ベイカー | ||
| 1990 | 対決 The Fourth War | ハックワース | |
| ワイルド・アット・ハート Wild at Heart | ジョニー | ||
| 1991 | ナイト・リベンジ Payoff | フック | テレビ映画 |
| 1992 | ツイン・ピークス-ローラ・パーマー最期の7日間 Twin Peaks: Fire Walk with Me | カール・ロッド | |
| お気にめすまま Man Trouble | レドモンド | ||
| 1994 | ウォール・オブ・アッティカ/史上最大の刑務所暴動 Against the Wall | ハル | テレビ映画 |
| 刺青 BLUE TIGER | スミス | 日本映画 | |
| 百一夜 Les cent et une nuits de Simon Cinéma | クレジットなし | ||
| 1996 | ストレンジャー Never Talk to Strangers | マックス | |
| イン・ザ・ネイビー Down Periscope | ハワード | ||
| 1997 | シーズ・ソー・ラヴリー She's So Lovely | ショーティー・ルッソ | |
| 沈黙の断崖 Fire Down Below | コットン・ハリー | ||
| 1998 | ラスベガスをやっつけろ Fear and Loathing in Las Vegas | 判事 | |
| マイ・フレンド・メモリー The Mighty | グリム | ||
| 1999 | ストレイト・ストーリー The Straight Story | ライル | |
| グリーンマイル The Green Mile | トゥート=トゥート | ||
| 2000 | 耳に残るは君の歌声 The Man Who Cried | フェリックス | |
| 2001 | プレッジ The Pledge | フロイド・ケイジ | |
| 2002 | SONNY ソニー Sonny | ヘンリー・ウェイド | |
| 2003 | ブコウスキー:オールドパンク Bukowski: Born into This | ||
| N.Y.式ハッピー・セラピー Anger Management | 盲目の男 | ||
| 2004 | ビッグ・バウンス The Big Bounce | ボブ・ロジャース・Sr | |
| 2005 | The Wendell Baker Story英語 The Wendell Baker Story | スキップ・ウェルチ | |
| 2006 | インランド・エンパイア Inland Empire | フレディ・ハワード | |
| アルファ・ドッグ 破滅へのカウントダウン Alpha Dog | コスモ・ガバビーティ | ||
| 宇宙人の解剖 Alien Autopsy | ハーヴェイ | ||
| 2006-2010 | ビッグ・ラブ Big Love | ローマン・グラント | テレビシリーズ、37エピソードに出演 |
| 2009 | 最高の人生の選び方 The Open Road | アモン | |
| アリス Alice | イモムシ | テレビ・ミニシリーズ | |
| 2011 | ランゴ Rango | バルサザー | 声の出演 |
| きっと ここが帰る場所 This Must Be the Place | ロバート・プラス | ||
| 2012 | アベンジャーズ Marvel's The Avengers | 警備員 | |
| セブン・サイコパス Seven Psychopaths | |||
| 2013 | ラストスタンド The Last Stand | パーソンズ | |
| 2017 | ツイン・ピークス Twin Peaks | カール・ロッド | テレビドラマシリーズ |
| 2017 | ラッキー Lucky | ラッキー | |
| 2017 | Frank & Ava英語 Frank & Ava | シェリフ |
また、1994年には日米合作映画『刺青 BLUE TIGER』に出演し、仲村トオルと共演した。彼はサム・ペキンパー、ジョン・ミリアス、デヴィッド・リンチ、モンテ・ヘルマンといった監督たちのお気に入りの俳優であり、フランシス・フォード・コッポラやジャック・ニコルソンとも親しい友人であった。ニコルソンの1962年の結婚式ではベストマンを務めている。
3.4. テレビジョンでの活動
スタントンはテレビ分野でも数多くの作品に出演し、そのキャリアを築いた。
| 年 | 邦題 原題 | 役名 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 1954 | Inner Sanctum英語 Inner Sanctum | テレビ初出演 | |
| 1958 | Decision英語 Decision | シメオン・ドーソン | シーズン1、エピソード4「The Tall Man」 |
| 1958-1968 | ガン・スモーク Gunsmoke | 8エピソードに出演 | |
| 1959 | Have Gun - Will Travel Have Gun - Will Travel | ストーンマン | エピソード「Treasure Trail」、ディーン・スタントン名義 |
| 1960 | Alfred Hitchcock Presents Alfred Hitchcock Presents | レモン | シーズン5、エピソード37「Escape to Sonoita」 |
| 1960-1965 | ローハイド Rawhide | 4エピソードに出演 | |
| 1961-1962 | アンタッチャブル The Untouchables | 3エピソードに出演 | |
| 1962 | ボナンザ Bonanza | 2エピソードに出演 | |
| 1962 | ライフルマン The Rifleman | 1エピソードに出演 | |
| 1967 | ワイルド・ワイルド・ウエスト The Wild Wild West | ルシウス・ブランド | シーズン3、エピソード7「絞首台の夜」、ディーン・スタントン名義 |
| 1968 | The Virginian The Virginian | クリント・ダガート | シーズン7、エピソード8「Ride to Misadventure」 |
| 1969 | Petticoat Junction Petticoat Junction | リンゴ | シーズン7、エピソード4「One of Our Chickens is Missing」、ディーン・スタントン名義 |
| 1993 | Hotel Room Hotel Room | モー | エピソード「Tricks」 |
| 2004 | Two and a Half Men Two and a Half Men | 本人 | シーズン2、エピソード1「Back Off, Mary Poppins」、カメオ出演 |
| 2006-2010 | ビッグ・ラブ Big Love | ローマン・グラント | 37エピソードに出演 |
| 2010 | CHUCK/チャック Chuck | エピソードに出演、1984年の映画『レポマン』での役を再演 | |
| 2017 | ツイン・ピークス Twin Peaks | カール・ロッド | 5エピソードに出演、テレビシリーズの続編 |
3.5. 音楽活動
スタントンは歌手やギタリストとしても活動し、時折ナイトクラブをツアーして主にカントリー調のカバー曲を演奏した。彼は「The Harry Dean Stanton Band英語」という自身のバンドでも歌とギターを担当した。
彼はドワイト・ヨアカムの楽曲「Sorry You Asked英語」のミュージックビデオに出演し、ライ・クーダーの「Get Rhythm英語」のビデオではカンティーナのオーナーを演じた。また、ボブ・ディランの「Dreamin' of You英語」のビデオにも参加している。ディラン、アート・ガーファンクル、クリス・クリストファーソンなど、多くのミュージシャンと共演し、The Callの1989年のアルバム『Let the Day Begin英語』ではハーモニカを演奏した。
3.6. 監督・同僚との協業
ハリー・ディーン・スタントンは、そのキャリアを通じて、数々の著名な監督や俳優と密接な関係を築いた。特に、彼のユニークな演技スタイルは、特定の監督たちに深く愛された。
彼はデヴィッド・リンチ監督のお気に入りの俳優の一人であり、『ワイルド・アット・ハート』、『ツイン・ピークス-ローラ・パーマー最期の7日間』、そして晩年の『ツイン・ピークス The Return』など、リンチ作品に繰り返し出演した。リンチはスタントンの持つ独特の雰囲気と存在感を高く評価していた。
また、『パリ、テキサス』で彼に主役という転機を与えたヴィム・ヴェンダースとは、その後のドキュメンタリー映画『Harry Dean Stanton: Partly Fiction英語』でも共演し、深い信頼関係を築いていたことが示されている。
フランシス・フォード・コッポラとは長年の友人であり、コッポラの作品にも出演している。さらに、ジャック・ニコルソンとも親交が深く、ニコルソンの結婚式でベストマンを務めるほどの関係であった。
これらの協業は、スタントンの演技の幅広さと、彼が映画界でいかに尊敬され、愛されていたかを物語っている。
4. 私生活
ハリー・ディーン・スタントンは生涯結婚することはなかったが、1981年から1982年にかけて女優のレベッカ・デモーネイと短い交際期間があった。彼はかつてAP通信のインタビューで、「結婚せずに2、3人の子供がいたかもしれない。だが、それはまた別の話だ」と語っている。
5. 死去

スタントンは2017年9月15日、ロサンゼルスのシーダーズ・サイナイ医療センターで心不全のため91歳で死去した。彼の火葬された遺骨は、ケンタッキー州ニコラスビルにある墓地に小さな墓標として安置されている。
6. 遺産と文化的影響
ハリー・ディーン・スタントンのキャリアは、批評家や同時代のアーティストから高く評価され、大衆文化においてもその存在は広く言及され、記念されている。
6.1. 批評的評価
彼は映画批評家ロジャー・イーバートのお気に入りの俳優の一人であった。イーバートはかつて、「ハリー・ディーン・スタントンかM・エメット・ウォルシュのどちらかが脇役で出演している映画は、決して全くひどいものにはならない」と評した。しかし、イーバートは後に、スタントンが出演した1989年の映画『Dream a Little Dream英語』がこの原則の「明確な違反」であったことを認めている。
6.2. 大衆文化における言及と記念
スタントンは多くの楽曲で言及されている。デボラ・ハリーの1989年の楽曲「I Want That Man英語」は「ハリー・ディーンと踊りたい」という歌詞で始まる。ハリーの回顧録によると、スタントンはこの曲を聴いて、ロンドンのクラブで彼女と会う手配をしたという。
The Killersの2013年の楽曲「Christmas in L.A.英語」でもスタントンは言及されており、この曲のミュージックビデオはオーウェン・ウィルソンとハリー・ディーン・スタントンの声による対話で始まる。Pop Will Eat Itselfはアルバム『The Looks or the Lifestyle?英語』に「Harry Dean Stanton英語」というタイトルの曲を収録している。ヘイズ・カールの2019年の楽曲「American Dream英語」では、『パリ、テキサス』での彼の主役が「ドライブインのスクリーンに映るハリー・ディーン・スタントン、パリ、テキサスを吹き抜けるタンブルウィードのように、彼はアメリカン・ドリームに落ちていった」という歌詞で記念されている。イアン・マクナブは2021年1月にリリースされたアルバム『Utopian英語』に「Harry Dean Stanton英語」という曲を収録しており、この曲について「彼についてあまり知らなかったし、知りたくもなかった。彼の名前をタイトルにした曲を書かなければならないと分かっていたから、彼のために、そして彼を巡ってこれらの歌詞を書いた。彼になることがどんな感じか想像しながら、私自身の経験も物語に織り込んだ」と述べている。
2011年には、彼が青年期の多くを過ごしたケンタッキー州レキシントンで、彼を称える年次フェスティバル「ハリー・ディーン・スタントン・フェスト」がレキシントン・フィルム・リーグによって創設された。第1回のフェスティバルでは、『パリ、テキサス』、『レポマン』、『暴力脱獄』などの映画上映と、トム・サーマン監督によるPBSドキュメンタリー『Harry Dean Stanton: Crossing Mulholland英語』のプレミア上映が行われた。全ての上映は歴史あるケンタッキー・シアターで行われ、『パリ、テキサス』でスタントンと共演したハンター・カーソンもフェスティバルに参加し、映画上映後に質疑応答を行った。
2013年には、ソフィー・フーバー監督によるドキュメンタリー映画『Harry Dean Stanton: Partly Fiction英語』が公開された。この映画には、映画のクリップ、ヴィム・ヴェンダース、サム・シェパード、クリス・クリストファーソン、デヴィッド・リンチといった共演者や監督へのインタビュー、そしてスタントンの歌唱がフィーチャーされている。
7. 外部リンク
- [http://www.harrydeanstanton.org/ 公式ウェブサイト]
- [https://www.imdb.com/name/nm0001765/ ハリー・ディーン・スタントン - IMDb]
- [https://www.allcinema.net/person/38533 ハリー・ディーン・スタントン - allcinema]
- [https://www.youtube.com/watch?v=G2-QZ35P_yY Harry Dean Stanton: Partly Fiction 公式予告編]
- [https://www.youtube.com/watch?v=5jhsJTqQ-GQ 俳優ハリー・ディーン・スタントン、91歳で死去 (NJ.com)]
- [https://www.findagrave.com/memorial/183431129/harry-dean-stanton ハリー・ディーン・スタントン - Find a Grave]