1. Overview
ホラシオ・ラミレス(Horacio Ramírez英語、1979年11月24日 - )は、アメリカ合衆国カリフォルニア州カーソン出身のメキシコ系アメリカ人の元プロ野球選手(投手)であり、現在は指導者として活動している。左投左打。
彼はメジャーリーグベースボール(MLB)でアトランタ・ブレーブス、シアトル・マリナーズ、カンザスシティ・ロイヤルズ、シカゴ・ホワイトソックス、ロサンゼルス・エンゼルス・オブ・アナハイム、シカゴ・カブスに所属し、韓国プロ野球(KBOリーグ)の起亜タイガースでもプレーした。引退後はアトランタ・ブレーブスのコーチングスタッフや、メキシコ代表チームのブルペンコーチを務めるなど、指導者としてのキャリアを築いている。また、選手としてはワールド・ベースボール・クラシック(WBC)やWBSCプレミア12といった国際大会にメキシコ代表として出場した経験も持つ。
2. Personal Background
ホラシオ・ラミレスは1979年11月24日にアメリカ合衆国カリフォルニア州ロサンゼルス郡カーソンで生まれた。彼の両親はメキシコハリスコ州ハロストティトランからの移民である。彼はメキシコ系アメリカ人としてのルーツを持つ。
3. Playing Career
ホラシオ・ラミレスのプロ野球選手としてのキャリアは、メジャーリーグベースボール(MLB)でのデビューから始まり、韓国プロ野球(KBOリーグ)や独立リーグでのプレー、そして国際大会への参加と多岐にわたる。
3.1. Major League Baseball (MLB)
ラミレスは1997年のMLBドラフト5巡目(全体172位)でアトランタ・ブレーブスから指名されプロ入りした。メジャーリーグでは主に先発投手として活躍し、複数の球団を渡り歩いた。
3.1.1. Atlanta Braves
ラミレスは2003年4月2日にアトランタ・ブレーブスでメジャーデビューを果たした。このデビューシーズンは29試合に先発登板し、12勝4敗、防御率4.00という成績を残し、規定投球回にも到達した。シーズン終了後には「ベースボール・ダイジェスト・オールスター・ルーキーチーム」に選出されるなど、新人として高い評価を得た。
2004年には開幕から好調で、最初の9先発で2勝4敗、防御率2.28を記録したが、5月30日に肩の負傷により故障者リスト入りした。当初は軽傷と見られていたが、9月26日まで復帰できなかった。
2005年には33試合(32先発)に登板し、11勝9敗、防御率4.63の成績で、キャリアで初めて200イニング以上を投げた。
2006年もブレーブスの先発ローテーション3番手として起用され、14試合に先発し5勝5敗、防御率4.48を記録した。
3.1.2. Seattle Mariners
2006年12月6日、ラミレスはラファエル・ソリアーノとのトレードでシアトル・マリナーズへ移籍した。マリナーズでの唯一のシーズンとなった2007年は、20試合に先発し8勝7敗の成績を残したが、防御率は7.16と振るわなかった。
2008年3月12日、マリナーズから放出された。

3.1.3. Kansas City Royals
2008年5月21日、ラミレスはカンザスシティ・ロイヤルズとマイナー契約を結んだ。ロイヤルズではリリーフとして15試合に登板し、1勝1敗、防御率2.59の成績を挙げた。
その後、2008年12月11日にはロイヤルズと1年契約で再契約した。しかし、2009年6月6日にロイヤルズからDFA(Designated for Assignment英語、事実上の戦力外通告)となった。この2度目のロイヤルズ在籍では19試合(1先発)に登板し、0勝2敗、防御率5.96を記録している。
3.1.4. Chicago White Sox
2008年8月9日、ラミレスはパウロ・オーランドとのトレードでシカゴ・ホワイトソックスへ移籍した。ホワイトソックスでは17試合に登板したが、0勝3敗、防御率7.62と結果を残せず、シーズン終了後にフリーエージェントとなった。
3.1.5. Washington Nationals
ロイヤルズから放出された後の2009年6月15日、ラミレスはワシントン・ナショナルズとマイナー契約を結んだ。しかし、メジャーでの登板はなく、同年11月9日にフリーエージェントとなった。
3.1.6. San Francisco Giants
2010年2月1日、ラミレスはサンフランシスコ・ジャイアンツとマイナー契約を結んだ。この年もメジャーでの登板はなく、同年11月6日にフリーエージェントとなった。
3.1.7. Los Angeles Angels of Anaheim
2011年3月11日、ラミレスはロサンゼルス・エンゼルス・オブ・アナハイムとマイナー契約を結んだ。同年7月20日にはエンゼルスが彼の契約を購入し、メジャーに昇格した。再びリリーフとして起用されたが、12試合で1勝0敗、防御率6.00と効果的な投球はできず、9イニングで16安打を許した。シーズン終了後にフリーエージェントとなった。
3.1.8. Chicago Cubs
2012年8月17日、韓国プロ野球の起亜タイガースを放出された後、ラミレスはシカゴ・カブスと契約した。しかし、メジャーでの登板はなく、同年11月2日にフリーエージェントとなった。
3.2. Korea Baseball Organization (KBO)
ラミレスはメジャーリーグでのキャリアの後、韓国プロ野球(KBOリーグ)でもプレーした。
3.2.1. Kia Tigers
2012年2月20日、ラミレスは韓国プロ野球の起亜タイガースと契約した。しかし、肩の炎症のため一軍への合流が遅れた。一軍合流後、先発として1試合に登板したが、2イニングで降板した。彼は先発よりもリリーフでの起用を希望しており、当時の起亜タイガース監督である宣銅烈(선동열ソン・ドンヨル韓国語)との間で意見の相違があった。
最終的に、先発投手の補強を望んでいた起亜タイガースは2012年5月24日にヘンリー・ソサを獲得したため、ラミレスは同年6月5日にウェーバー公示され、チームを解雇された。起亜タイガースでの通算成績は2勝1敗、防御率3.86、5奪三振であった。
3.3. Independent Leagues
メジャーリーグやKBOリーグ以外にも、ラミレスは独立リーグやメキシカンリーグでプレーを続けた。
3.3.1. Lancaster Barnstormers
2012年6月15日、ラミレスはアトランティックリーグのランカスター・バーンストーマーズと契約した。ここでは12試合(6先発)に登板し、36.2イニングで2勝0敗、防御率1.96、22奪三振という好成績を残した。
2013年5月11日には、再びランカスター・バーンストーマーズと契約した。この2度目の在籍では9試合(8先発)に登板し、48.2イニングで5勝1敗、防御率3.51、35奪三振を記録した。
3.3.2. Tigres de Quintana Roo
2013年7月5日、ラミレスはメキシカンリーグのティグレス・デ・キンタナ・ローと契約した。ここでは6先発で40イニングを投げ、3勝2敗、防御率3.38、24奪三振の成績を残した。この年、彼は一度現役を引退した。
3.3.3. Toros de Tijuana
2016年3月5日、ラミレスはメキシカンリーグのトロス・デ・ティフアナと契約し、プロ野球選手として現役復帰した。
2016年はティフアナで21試合に先発し、102.0イニングで6勝4敗、防御率4.15、49奪三振を記録した。
2017年には11試合に先発し、62.0イニングで4勝3敗、防御率4.06、25奪三振の成績を残した。
2018年は16試合に登板(12先発)し、64.0イニングで3勝2敗、防御率3.94、28奪三振を記録した。
2019年には32試合に登板し、34.2イニングで4勝0敗、防御率2.60、9奪三振という成績だった。
2020年はCOVID-19パンデミックによるメキシカンリーグのシーズン中止のため、試合に出場しなかった。
2021年6月8日、ティフアナと再契約した。この年、ティフアナで12試合(10先発)に登板し、50.0イニングで3勝3敗、防御率4.50、17奪三振を記録した。
2022年には試合に出場せず、2023年1月19日にティフアナから放出された。
3.4. International Competition Participation
ホラシオ・ラミレスはメキシコ代表として国際大会に出場した経験を持つ。
2013年1月18日、彼はワールド・ベースボール・クラシックのメキシコ代表ロースターに選出された。
2019年にはWBSCプレミア12にメキシコ代表として出場し、チームは銅メダルを獲得した。
4. Coaching Career
現役引退後、ホラシオ・ラミレスは野球指導者としてのキャリアをスタートさせた。
4.1. Atlanta Braves
2014年3月10日、ラミレスは古巣であるアトランタ・ブレーブスのコーチングスタッフにコーチングアシスタントとして加わることが発表された。彼は試合前のフィールドでのコーチング業務を補佐し、試合中はオフフィールドからブレーブスのインスタントリプレイプロトコルを管理する役割を担った。彼は2年間この職務を務めた。
4.2. Mexico National Baseball Team
2023年、ラミレスは2023 ワールド・ベースボール・クラシックに出場するメキシコ代表チームのブルペンコーチに就任した。
4.3. Minor League Teams
2024年1月25日、ラミレスはアトランタ・ブレーブスのルーキーリーグ傘下チームであるフロリダ・コンプレックス・リーグ・ブレーブスのブルペンコーチに任命された。
さらに、2025年2月11日には、ブレーブスのハイA級傘下チームであるローマ・エンペラーズの投手コーチに就任することが発表された。
5. Statistics
ホラシオ・ラミレスのプロ野球選手としての主要な通算成績は以下の通りである。
年 | 球団 | 登板 | 先発 | 完投 | 完封 | 無四球 | 勝利 | 敗戦 | セーブ | ホールド | 勝率 | 打者 | 投球回 | 被安打 | 被本塁打 | 与四球 | 敬遠 | 死球 | 奪三振 | 暴投 | ボーク | 失点 | 自責点 | 防御率 | WHIP |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2003 | ATL | 29 | 29 | 1 | 0 | 0 | 12 | 4 | 0 | 0 | .750 | 781 | 182.1 | 181 | 21 | 72 | 10 | 6 | 100 | 5 | 1 | 91 | 81 | 4.00 | 1.39 |
2004 | ATL | 10 | 9 | 1 | 0 | 0 | 2 | 4 | 0 | 0 | .333 | 259 | 60.1 | 51 | 7 | 30 | 5 | 0 | 31 | 0 | 2 | 24 | 16 | 2.39 | 1.34 |
2005 | ATL | 33 | 32 | 1 | 1 | 0 | 11 | 9 | 0 | 0 | .550 | 847 | 202.1 | 214 | 31 | 67 | 4 | 2 | 80 | 4 | 1 | 108 | 104 | 4.63 | 1.39 |
2006 | ATL | 14 | 14 | 0 | 0 | 0 | 5 | 5 | 0 | 0 | .500 | 337 | 76.1 | 85 | 6 | 31 | 2 | 4 | 37 | 0 | 1 | 42 | 38 | 4.48 | 1.52 |
2007 | SEA | 20 | 20 | 0 | 0 | 0 | 8 | 7 | 0 | 0 | .533 | 459 | 98.0 | 139 | 13 | 42 | 1 | 2 | 40 | 1 | 0 | 86 | 78 | 7.16 | 1.85 |
2008 | KC | 15 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | 1 | .500 | 96 | 24.1 | 21 | 1 | 1 | 0 | 2 | 11 | 1 | 0 | 9 | 7 | 2.59 | 0.90 |
2008 | CWS | 17 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0 | 1 | .000 | 72 | 13.0 | 24 | 0 | 8 | 1 | 0 | 2 | 1 | 0 | 11 | 11 | 7.62 | 2.46 |
2009 | KC | 19 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 2 | .000 | 104 | 22.2 | 27 | 3 | 11 | 3 | 0 | 13 | 1 | 0 | 16 | 15 | 5.96 | 1.68 |
2011 | LAA | 12 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1.000 | 40 | 9.0 | 16 | 1 | 2 | 0 | 0 | 4 | 1 | 0 | 7 | 6 | 6.00 | 2.00 |
MLB通算 (8年) | 169 | 105 | 3 | 1 | 0 | 40 | 35 | 0 | 4 | .533 | 2995 | 688.1 | 758 | 83 | 264 | 26 | 16 | 318 | 14 | 5 | 394 | 356 | 4.65 | 1.48 | |
2012 | KIA | 3 | 1 | 0 | 0 | 0 | 2 | 1 | 0 | 0 | .667 | - | 7.0 | - | - | - | - | - | 5 | - | - | - | - | 3.86 | - |
- KBOリーグの成績は詳細なデータが不足しているため、一部項目は省略。
6. Uniform Numbers
ホラシオ・ラミレスがプロ野球選手として着用した背番号は以下の通りである。
- 30(2002年 - 2006年)
- 26(2007年)
- 52(2008年 - 同年途中、2009年)
- 49(2008年途中 - 同年終了、2011年)
- 99(2012年)
- 62(2014年 - 2015年)