1. 初期生い立ちと背景
メル・コリンズの初期の生活と音楽的背景は、彼の家族とその音楽環境に深く根ざしている。
1.1. 家族と音楽的影響
コリンズはイギリス王室属領マン島で、音楽家の家庭に生まれた。母親のBebe Collins英語は歌手であり、父親のDerek Collins英語はサクソフォーン奏者かつスタジオ・ミュージシャンで、ジュディ・ガーランドやシャーリー・バッシーといった著名なアーティストのツアーにも参加していた。このような環境で育ったコリンズは、幼い頃からジャズに親しみ、特にチャールズ・ミンガスやソニー・ロリンズから影響を受けたと2002年のインタビューで語っている。
1.2. 音楽教育
コリンズは10歳でピアノを、12歳でクラリネットを学び始め、その後サクソフォーンへと転向した。これらの楽器の習得が、彼の後の多岐にわたる音楽キャリアの基礎を築いた。
2. 経歴
メル・コリンズの音楽キャリアは、初期のバンド活動から始まり、著名なプログレッシブ・ロックバンドであるキング・クリムゾンでの重要な役割、そして数多くのバンドやプロジェクトへの参加、さらには広範なセッションミュージシャンとしての活動へと発展していった。
2.1. 初期音楽活動
コリンズはロンドン南部クロイドンを拠点にローカルバンドで活動し、18歳の誕生日を迎えた1965年9月には、労働許可証を得てThe Dagoes英語というツアーサポートバンドに参加し、ボ・ディドリーやP.J. Proby英語のコンサートで演奏した。1966年5月16日には『メロディ・メイカー』誌の募集記事をきっかけに、Phillip Goodhand-Tait英語率いるThe Stormsville Shakers英語に加入し、初めてレコーディングに参加した。このバンドは1967年にCircus英語と改名し、同年から2枚のシングルをリリースした。テイトがソロ歌手として独立した後、1969年にはアルバムをリリースした。
2.2. キング・クリムゾン
1970年、コリンズはロバート・フリップが率いるプログレッシブ・ロックバンド、キング・クリムゾンのセカンド・アルバム『ポセイドンのめざめ』のレコーディングにゲスト参加した。その後、彼は正式メンバーとなり、『リザード』(1970年)、『アイランズ』(1971年)の制作に携わり、コンサートではフリップと分担してメロトロンも演奏した。キング・クリムゾンは1972年春のアメリカ・ツアー終了と同時に解散し、このツアーの模様はライブ・アルバム『アースバウンド』(1972年)に収録された。コリンズは同僚のボズ・バレル、イアン・ウォーレスと共にアメリカに残り、アレクシス・コーナーが率いるSnape英語のメンバーとなった。彼は『アイランズ』発表直後にキング・クリムゾンを去ったピート・シンフィールドが1973年に発表したアルバム『Still (Pete Sinfield album)スティル英語』の制作に参加し、収録曲の一曲をシンフィールドらと共作した。また、フリップが結成した新しいキング・クリムゾンのアルバム『レッド』(1974年)にはセッションミュージシャンとしてゲスト参加した。
2009年にはクリムゾン・ジャズ・トリオのセカンド・アルバム『The King Crimson Songbook, Volume Two英語』に参加した。2011年にはフリップが主導する「キング・クリムゾン・プロジェクト」のアルバム『A Scarcity of Miracles英語』の制作に参加し、1974年の『レッド』へのゲスト参加以来、37年ぶりにフリップと共演した。そして2013年9月、ロバート・フリップはメル・コリンズが「キング・クリムゾンVIII」と呼ばれるキング・クリムゾンのメンバーに再び加わることを発表し、彼は正式メンバーとして復帰した。コリンズは、キング・クリムゾンの最後のツアーとなった2021年12月の日本公演まで在籍した。
2.3. 主要バンドおよびプロジェクト
コリンズはキング・クリムゾン以外にも数多くの著名なバンドや音楽プロジェクトに参加し、その多才な才能を発揮してきた。
彼はキャメルのメンバーとして活動し、1979年1月の初の日本公演にも同行したほか、その後も度々レコーディングやライブにゲスト参加した。また、ココモの正式メンバーとして1974年から1976年にかけて活動し、1982年にはココモの再結成にも参加した。2008年5月には、Tony O'Malley英語、Neil Hubbard英語、Mark Smith英語、Adam Phillips英語、Andy Hamilton英語、Paddy McHugh英語、Dyan Birch英語、Frank Collins英語、Bernie Holland英語、Glen Le Fleur英語らと共に一時的にココモを再結成した。
2002年から2007年には、キング・クリムゾンの元メンバーと共に21stセンチュリー・スキッツォイド・バンドのメンバーとして活動し、キング・クリムゾンの初期の楽曲を再演した。2003年には、フリップが主宰するDiscipline Global Mobile英語が通信販売した『キング・クリムゾン・コレクターズ・クラブ CLUB23』(フリップ、コリンズ、バレル、ウォーレスによる1972年2月27日のフロリダ州オーランドでのコンサートを収録したCD)にライナーノーツを提供した。
2013年にはピート・ヘイコックによるクライマックス・ブルース・バンドの再結成にも参加したが、ヘイコックは同年10月に死去した。現在、コリンズはダイアー・ストレイツの音楽を演奏するバンド、Dire Straits Legacy英語のメンバーとして活動しており、「最も本物に近い」と評されている。このバンドには、コリンズ(サクソフォーン)のほか、元ダイアー・ストレイツのツアーメンバーであるDanny Cummings英語(パーカッション、ボーカル)、フィル・パーマー(ギター、ボーカル)、元ダイアー・ストレイツのメンバーであるアラン・クラーク(キーボード)、ジャック・ソニー(ギター、ボーカル)が参加している。さらに、トレヴァー・ホーン(ベース、ボーカル)、Marco Cavigila英語(リードギター、ボーカル)、Primiano Dibiase英語(キーボード)もメンバーとして名を連ねている。このバンドはスタジオ・アルバム『3 Chord Trick英語』をリリースしている。
2.4. セッション演奏と主要なコラボレーション
コリンズは広範なスタジオミュージシャンとしても活動し、数多くの著名なアーティストとのコラボレーションを通じて、その卓越した演奏を披露してきた。
彼は1977年にブライアン・フェリーのワールド・ツアーのバンドに加入し、フェリーの初の日本公演で初来日した。1978年にはローリング・ストーンズの世界的なヒット曲「ミス・ユー」でサクソフォーン・ソロを担当した。1983年にはダイアー・ストレイツの8ヶ月にわたるLove over Gold Tour英語に参加し、ライブ・アルバム『アルケミー~ダイアー・ストレイツ・ライヴ』にもクレジットされている。
1984年にはティナ・ターナーの同名アルバムのタイトル曲であるヒットシングル「プライヴェート・ダンサー」でサクソフォーン・ソロを演奏し、このソロはイングランドのWessex Studios英語で録音された。同年、彼はピーノ・ダニエレのアルバム『Musicante英語』でサクソフォーンを演奏し、以前にも彼とツアーを行っていた。また、同年にはロジャー・ウォーターズのアルバム『ヒッチハイクの賛否両論』のサポートツアーにも参加した。
1985年には、ビル・ワイマンやジミー・ペイジと共にスーパーグループ「Willie and the Poor Boys英語」の一員としてビデオに出演した。同年、ウォーターズの「ヒッチハイクの賛否両論」ツアーのセカンドレグにも再び参加した。また、ティアーズ・フォー・フィアーズのアルバム『シャウト』(Songs From The Big Chair英語)に収録されている「The Working Hour英語」でサクソフォーンを演奏した。1986年にはアニメーション映画『風が吹くとき』のミュージシャンとして参加した。1987年にはウォーターズと再び共演し、アルバム『レディオ・K.A.O.S.』とその後のツアーに参加した。1988年にはダニエレのアルバム『Bonne Soirée英語』とその後のツアーにも再び参加した。
1990年には中島みゆきのアルバム『夜を往け』のレコーディングにも携わった。1996年から2004年にかけては、ヘルムート・ツェルレット率いるバンドのメンバーとして『Die Harald Schmidt Show英語』に出演した。
コリンズがレコーディングやライブをサポートした主なミュージシャンやバンドには、以下のようなものが挙げられる。
- 10cc
- アラン・パーソンズ・プロジェクト
- アルヴィン・リー
- アレクシス・コーナー
- アニー・ハズラム
- アンソニー・フィリップス
- イアン・マシューズ
- エイドリアン・ブリュー
- エリック・クラプトン
- エリック・バードン
- カーヴァン
- キャメル
- キング・クリムゾン
- クリス・スクワイア
- クリフ・リチャード
- グラハム・ボネット
- クラナド
- ゲイリー・ブルッカー
- コージー・パウエル
- ココモ
- コリー・ハート
- ゴー・ウエスト
- ジョー・コッカー
- ジョーン・アーマートレイディング
- ジム・カパルディ
- スティーヴン・ウィルソン
- スティック・メン
- ストレイ・キャッツ
- ストリートウォーカーズ
- スモール・フェイセス
- ダイアー・ストレイツ
- デヴィッド・シルヴィアン
- デヴィッド・バイロン・バンド
- ティアーズ・フォー・フィアーズ
- ティナ・ターナー
- テレンス・トレント・ダービー
- 中島みゆき
- バッド・カンパニー
- ハンブル・パイ
- ピーノ・ダニエレ
- ビル・ワイマン
- フィル・ライノット
- フィル・マンザネラ
- ブライアン・フェリー
- ボブ・ディラン
- マリアンヌ・フェイスフル
- ミートローフ
- ユーライア・ヒープ
- ロジャー・チャップマン
- ロジャー・ウォーターズ
- ロバート・パーマー
- ローリング・ストーンズ
- ワン・チャン
3. ディスコグラフィ
メル・コリンズが参加した主要なアルバムを、バンドやプロジェクトごとに分類して以下に示す。
3.1. キング・クリムゾン
- 『ポセイドンのめざめ』 - ''In the Wake of Poseidon'' (1970年)
- 『リザード』 - ''Lizard'' (1970年)
- 『アイランズ』 - ''Islands'' (1971年)
- 『アースバウンド』 - ''Earthbound'' (1972年)
- 『レッド』 - ''Red'' (1974年)
- 『レディース・オブ・ザ・ロード』 - ''Ladies of the Road'' (2002年)
- ''Live at the Orpheum'' (2015年)
- ''Live in Toronto'' (2015年)
- 『ラディカル・アクション~ライブ・イン・ジャパン+モア』 - ''Radical Action to Unseat the Hold of Monkey Mind'' (2016年)
- 『ライヴ・イン・ウィーン 2016+ライヴ・イン・ジャパン 2015』 - ''Live in Vienna'' (2017年)
- ''Sailors' Tales (1970-1972)'' (2017年)
- 『ライヴ・イン・シカゴ 2017』 - ''Live in Chicago 28 June 2017'' (2018年)
- 『メルトダウン~ライブ・イン・メキシコ』 - ''Meltdown: Live in Mexico City'' (2018年)
- ''Music is our Friend: Live in Washington and Albany'' (2021年)
3.1.1. キング・クリムゾン・プロジェクト
- 『ア・スケアシティ・オブ・ミラクルズ』 - ''A Scarcity of Miracles'' (2011年)
3.2. キャメル
- 『雨のシルエット』 - ''Rain Dances'' (1977年)
- 『ブレスレス - 百億の夜と千億の夢 -』 - ''Breathless'' (1978年)
- 『ライヴ・ファンタジア』 - ''A Live Record'' (Live, 1978年)
- 『リモート・ロマンス』 - ''I Can See Your House from Here'' (1979年)
- 『ヌードの物語 - Mr.Oの帰還 -』 - ''Nude'' (1981年)
- 『プレッシャー・ポインツ - キャメル・ライヴ -』 - ''Pressure Points'' (Live, 1984年)
3.3. ココモ
- 『ファンキー・マシーン★ココモ1号』 - ''Kokomo'' (1975年)
- 『ライズ・アンド・シャイン』 - ''Rise and Shine!'' (1976年)
- 『ココモ』 - ''Kokomo'' (1982年)
- 『ライヴ・イン・コンサート』 - ''Live in Concert, 1975'' (1998年)
- 『トゥ・ビー・クール』 - ''To Be Cool'' (2004年)
3.4. アレクシス・コーナー
- 『アクシデンタリー・ボーン・イン・ニューオーリンズ』 - ''Accidentally Born in New Orleans'' (1973年) ※Alexis Korner & Snape英語名義
- 『ライヴ・オン・ツアー・イン・ジャーマニー』 - ''Live On Tour In Germany'' (1973年) ※Alexis Korner & Peter Thorup With Snape英語名義
- ''Alexis Korner'' (1974年)
- 『ザ・パーティ・アルバム』 - ''The Party Album'' (Live, 1980年)
3.5. 21stセンチュリー・スキッツォイド・バンド
- 『オフィシャル・ブートレグ Vol.1』 - ''Official Bootleg V.1'' (2002年)
- ''In The Wake of Schizoid Men'' (2003年)
- 『ライヴ・イン・ジャパン 2002』 - ''Live in Japan'' (2003年)
- 『ライヴ・イン・イタリー』 - ''Live in Italy'' (2003年)
- 『ピクチャー・オブ・ア・シティー ライヴ・イン・ニュー・ヨーク』 - ''Pictures of a City - Live in New York'' (2006年)
3.6. ダイアー・ストレイツ・レガシー
- ''3 Chord Trick'' (2017年)
3.7. その他のバンドおよびプロジェクト
- ソロ: ''Saxophone Ballads'' (1987年) ※西ドイツ盤LPのみ
- Phillip Goodhand-Tait and The Stormsville Shakers英語:
- "You can't take love / J.C.Greaseburger" (1966年12月2日) ※シングル
- ''The Stormsville Shakers'' (1966年) ※パリでの録音を含む4曲入りEP、フランス盤のみ
- ''1965 & 1966 / Ricky-Tick...40 Years On'' (2008年)
- 『1965/67』 - ''1965-1967'' (2012年) ※レア音源集
- ''One And One Is Two: Complete Recordings 1965-1967'' (2015年5月) ※ザ・ストームズヴィル・シェイカーズ時代も含めたシングル+EP+未発表曲集
- Circus英語:
- "Gone Are The Songs Of Yesterday / Sink Or Swim" (1967年8月8日) ※シングル
- "Do You Dream? / House Of Wood" (1968年3月8日) ※シングル
- 『サーカス』 - ''Circus'' (1969年)
- ''When Circus Came To Stormsville 1967'' (2009年) ※未発表スタジオ音源
- アラン・パーソンズ・プロジェクト:
- 『アイ・イン・ザ・スカイ』 - ''Eye in the Sky'' (1982年)
- 『アンモニア・アヴェニュー』 - ''Ammonia Avenue'' (1984年)
- デヴィッド・バイロン・バンド: 『オン・ザ・ロックス』 - ''On the Rocks'' (1981年)
- ダイアー・ストレイツ: 『アルケミー~ダイアー・ストレイツ・ライヴ』 - ''Alchemy'' (Live, 1984年)
- Jakko Jakszyk and Mel Collins英語: ''King Crimson's Night'' (Live, 2006年)
- Jakszyk, Fripp and Collins英語: 『ア・スケアシティ・オブ・ミラクルズ』 - ''A Scarcity of Miracles'' (2011年)
- アルヴィン・リー:
- 『イン・フライト』 - ''In Flight'' (Live, 1974年)
- ''Pump Iron!'' (1975年)
- ローリング・ストーンズ: 『女たち』 - ''Some Girls'' (1978年)
3.8. 主要セッション参加
コリンズがセッションミュージシャンとして参加した数多くのアルバムと楽曲の中から、特に重要なものや広く知られているものを以下に挙げる。
- Dana Gillespie英語: ''Ain't Gonna Play No Second Fiddle'' (1974年), ''Big Boy'' (1992年)
- ロバート・パーマー: 『スニーキン・サリー・スルー・ザ・アリー』 - ''Sneakin' Sally Through the Alley'' (1974年), 『プレッシャー・ドロップ』 - ''Pressure Drop'' (1975年)
- ブライアン・フェリー: 『レッツ・スティック・トゥゲザー』 - ''Let's Stick Together'' (1976年), 『イン・ユア・マインド』 - ''In Your Mind'' (1978年), 『ブライド・ストリップト・ベア』 - ''The Bride Stripped Bare'' (1978年), 『タクシー'' (1993年)
- エリック・クラプトン: 『スローハンド』 - ''Slowhand'' (1977年)
- ジョーン・アーマートレイディング: 『ショウ・サム・エモーション』 - ''Show Some Emotion'' (1977年), 『ウォーク・アンダー・ラダーズ』 - ''Walk Under Ladders'' (1981年), 『ザ・キー』 - ''The Key'' (1983年)
- リチャード・ライト: 『ウェット・ドリーム』 - ''Wet Dream'' (1978年)
- ジェリー・ラファティ: 『スネイクス・アンド・ラダーズ』 - ''Snakes and Ladders'' (1980年), 『スリープウォーキング』 - ''Sleepwalking'' (1982年), 『ノース・アンド・サウス』 - ''North and South'' (1988年), 『オン・ア・ウィング・アンド・ア・プレイヤー』 - ''On a Wing and a Prayer'' (1992年), 『オーヴァー・マイ・ヘッド』 - ''Over My Head'' (1994年), 『ライフ・ゴーズ・オン』 - ''Life Goes On'' (2009年)
- Sally Oldfield英語: ''Celebration'' (1980年), ''Playing in the Flame'' (1981年), ''Strange Day in Berlin'' (1983年)
- コージー・パウエル: 『ティルト』 - ''Tilt'' (1981年)
- フィル・ライノット: 『ザ・フィリップ・ライノット・アルバム』 - ''The Philip Lynott Album'' (1982年)
- リッチー・ヘブンス: 『コモン・グラウンド』 - ''Common Ground'' (1983年)
- ティナ・ターナー: 『プライヴェート・ダンサー』 - ''Private Dancer'' (1984年)
- デヴィッド・シルヴィアン: 『ゴーン・トゥ・アース』 - ''Gone to Earth'' (1986年)
- ジョー・コッカー: 『コッカー』 - ''Cocker'' (1986年)
- ロジャー・ウォーターズ: 『レディオ・K.A.O.S.』 - ''Radio K.A.O.S.'' (1987年)
- テレンス・トレント・ダービー: 『ハードライン』 - ''Introducing the Hardline According to Terence Trent D'Arby'' (1987年)
- Phil Thornalley英語: 『スワンプ』 - ''Swamp'' (1988年)
- 中島みゆき: 『夜を往け』 (1990年)
4. 年代別所属バンド
メル・コリンズがキャリアを通じて参加したバンドや音楽プロジェクトを年代順に以下に示す。
- エリック・バードン: サクソフォーン奏者 (1965年、1980年)
- Phillip Goodhand-Tait and the Stormsville Shakers英語: サクソフォーン奏者 (1966年)
- Circus (British band)Circus英語 (以前はThe Stormsville Shakers英語): サクソフォーン奏者、フルート奏者 (1967年-1970年)
- キング・クリムゾン: サクソフォーン奏者、フルート奏者、キーボーディスト、バッキング・ボーカリスト (1970年-1972年、1974年、2013年-2021年)
- アレクシス・コーナー: サクソフォーン奏者 (1972年-1982年)
- ココモ: サクソフォーン奏者、フルート奏者 (1973年-1975年、2015年-2016年)
- アルヴィン・リー: サクソフォーン奏者 (1973年-2000年)
- バッド・カンパニー: サクソフォーン奏者 (1974年-1982年)
- Snafu (band)Snafu英語: サクソフォーン奏者 (1974年-1975年)
- ハンブル・パイ: サクソフォーン奏者 (1974年-1975年)
- ユーライア・ヒープ: サクソフォーン奏者 (1975年)
- クリス・スクワイア: サクソフォーン奏者 (1975年)
- フィル・マンザネラ: サクソフォーン奏者 (1975年-1987年)
- ブライアン・フェリー: (1976年-1993年)
- エリック・クラプトン: サクソフォーン奏者 (1977年)
- スモール・フェイセス: サクソフォーン奏者 (1977年)
- Streetwalkers英語: サクソフォーン奏者 (1977年)
- キャメル: サクソフォーン奏者、フルート奏者 (1977年-1984年)
- ジョーン・アーマートレイディング: サクソフォーン奏者 (1977年-1983年)
- ローリング・ストーンズ: サクソフォーン奏者 (1977年-1978年)
- リチャード・ライト: サクソフォーン奏者、フルート奏者 (1978年)
- Ian Matthews英語: サクソフォーン奏者 (1978年-1979年)
- Roger Chapman and the Shortlist英語: サクソフォーン奏者 (1979年)
- ジェリー・ラファティ: サクソフォーン奏者 (1978年-1994年)
- アンソニー・フィリップス: サクソフォーン奏者、フルート奏者 (1977年-1980年)
- Sally Oldfield英語: サクソフォーン奏者 (1980年-1983年)
- ジム・カパルディ: サクソフォーン奏者 (1980年-1988年)
- デヴィッド・バイロン・バンド: サクソフォーン奏者 (1981年)
- マリアンヌ・フェイスフル: サクソフォーン奏者 (1981年)
- カーヴァン: サクソフォーン奏者 (1981年)
- アラン・パーソンズ・プロジェクト: サクソフォーン奏者 (1982年-1984年)
- クリフ・リチャード: サクソフォーン奏者 (1982年-1983年)
- ダイアー・ストレイツ: サクソフォーン奏者 (1983年)
- ワン・チャン: サクソフォーン奏者 (1983年) ※ヒットシングル「Dance Hall Days英語」でのアルトサックスソロ
- ティアーズ・フォー・フィアーズ: サクソフォーン奏者 (1983年-1985年)
- 10cc: サクソフォーン奏者 (1983年)
- Eberhard Schoener英語: サクソフォーン奏者 (1983年)
- ロジャー・ウォーターズ: サクソフォーン奏者 (1984年-1987年) ※2000年のIn the Flesh英語ツアー終盤にも参加
- ゴー・ウエスト: サクソフォーン奏者 (1985年)
- クラナド: サクソフォーン奏者 (1985年、1994年-1998年)
- 21stセンチュリー・スキッツォイド・バンド: サクソフォーン奏者、フルート奏者、キーボーディスト、バッキング・ボーカリスト (2002年-2004年)
- Dire Straits Legacy英語: サクソフォーン奏者 (2020年-現在)
5. 遺産と影響力
メル・コリンズは、その半世紀にわたる音楽キャリアを通じて、特にプログレッシブ・ロックの分野において多大な貢献を果たし、その遺産と影響力は計り知れない。彼の演奏は、単なる伴奏に留まらず、楽曲に深みと色彩を与える重要な要素として認識されている。
コリンズの多才さは、サクソフォーンやフルートといった木管楽器の卓越した技術にとどまらず、キーボードやバッキングボーカルまでこなす幅広い能力に表れている。彼はキング・クリムゾンのような複雑なプログレッシブ・ロックから、ローリング・ストーンズやティナ・ターナーのようなメインストリームのポップ・ロック、さらにはR&B、ブルースロック、ジャズといった多様なジャンルにおいて、常にその音楽的ニーズに応え、楽曲の質を高めてきた。
特に、キング・クリムゾンへの二度にわたる参加は、彼のキャリアにおけるハイライトであり、バンドのサウンドに不可欠な要素をもたらした。彼のサクソフォーンは、初期クリムゾンの幻想的なサウンドスケープから、後期のよりアグレッシブなスタイルまで、バンドの進化に合わせて柔軟に対応し、その表現力を広げた。また、「ミス・ユー」や「プライヴェート・ダンサー」といった世界的なヒット曲における彼の印象的なソロは、彼のセッションミュージシャンとしての名声を確立し、多くのリスナーにその演奏を届けた。
コリンズの音楽は、ジャンルの壁を越えて多くのアーティストに影響を与え、彼が参加した数々の作品は、今日の音楽シーンにおいても重要な位置を占めている。彼の演奏は、常に高い技術と深い音楽性を兼ね備えており、後進のミュージシャンにとっても模範となっている。メル・コリンズは、単なる楽器奏者ではなく、音楽の可能性を広げ、多くの人々に感動を与え続けた真のアーティストとして、その遺産を現代に伝えている。