1. 概要
ヤンネ・ラウカネン(Janne Kristian Laukkanenヤンネ・クリスティアン・ラウカネンフィンランド語)は、フィンランド出身の元プロアイスホッケー選手である。ポジションはセンター。NHLではケベック・ノードイクス(後のコロラド・アバランチ)、オタワ・セネターズ、ピッツバーグ・ペンギンズ、タンパベイ・ライトニングに所属し、通算407試合のレギュラーシーズンゲームに出場した。また、フィンランド代表としても活躍し、オリンピックで2つの銅メダル、世界選手権で3つの銀メダルを獲得するなど、国際舞台でも顕著な業績を残した。引退後は、故郷フィンランドのマイナーリーグチームで指導者として活動している。
2. 個人情報
選手個人の基本的な情報と、キャリア形成の基盤となった要素について説明する。
2.1. 生年月日と出身
ヤンネ・クリスティアン・ラウカネンは、1970年3月19日にフィンランドで生まれた。
2.2. ポジション
アイスホッケー選手としての彼の主なポジションはセンターであった。
3. 選手としてのキャリア
ラウカネンの選手としてのキャリアは、ヨーロッパのリーグでの初期の活動から始まり、北米のトッププロリーグであるNHLでの活躍、そしてフィンランド代表としての国際大会での貢献へと続いた。
3.1. ヨーロッパのリーグでのキャリア
ラウカネンは、フィンランドのユースリーグであるFIN.2 U20のキエッコレイパスでキャリアをスタートさせ、1987-88シーズンから1988-89シーズンにかけてプレーした。その後、1988-89シーズンから1990-91シーズンにかけては、フィンランドのセカンドティアリーグであるFIN.2(旧I-ディヴィジオナ)とトップリーグであるSMリーガ(現リーガ)で、キエッコレイパスおよびホッケー・レイパスに所属した。
1991-92シーズンからはHPKに移籍し、SMリーガで1993-94シーズンまでプレー。この期間中、1992-93シーズンにはプレーオフで12試合に出場し、チームの重要な選手として貢献した。また、1993-94シーズンにはチェコ・エクストラリーグのHCチェスケー・ブジェヨヴィツェでもプレーした。
3.2. 北米プロリーグ (NHL) でのキャリア
ラウカネンは1994-95シーズンにNHLのケベック・ノードイクスでデビューを果たした。ノードイクスがコロラド・アバランチに改称された1995-96シーズンも引き続き所属したが、同年中にオタワ・セネターズへ移籍した。セネターズでは1995-96シーズンから1999-2000シーズン途中までプレーし、チームの主力選手として活躍した。
1999-2000シーズン途中にはピッツバーグ・ペンギンズに移籍し、2002-03シーズン途中まで在籍。ペンギンズでのプレーオフでは、2000-01シーズンに18試合に出場し、2得点2アシストを記録した。キャリアの終盤には、2002-03シーズンにタンパベイ・ライトニングで2試合に出場し、NHLでのキャリアを終えた。
NHLでのキャリアと並行して、彼はAHLでもプレーした。1994-95シーズンと1995-96シーズンにはコルンウォール・エーシズに所属し、2002-03シーズンにはハートフォード・ウルフパックでも短期間プレーした。
3.3. 国際大会での活躍
ラウカネンは長年にわたりフィンランド代表として国際大会に出場し、数々のメダルを獲得した。
彼は1990年世界ジュニアアイスホッケー選手権に出場し、チームは4位となった。シニア代表としては、1991年カナダカップで準決勝に進出した。
オリンピックには3度出場しており、1992年アルベールビルオリンピックでは7位、1994年リレハンメルオリンピックと1998年長野オリンピックではそれぞれ銅メダルを獲得した。
世界選手権では、1992年、1994年、1998年の3大会で銀メダルを獲得する快挙を成し遂げた。また、1993年大会では7位、1996年ワールドカップでは準々決勝に進出した。
4. 成績と受賞歴
ヤンネ・ラウカネンは、そのキャリアを通じて国内外のリーグで安定した成績を残し、フィンランド代表として数々のメダルを獲得した。
4.1. レギュラーシーズンおよびプレーオフの記録
NHLではレギュラーシーズン通算407試合に出場し、22得点99アシストで合計121ポイントを記録した。ペナルティ時間は335分であった。プレーオフでは59試合に出場し、7得点9アシストで合計16ポイント、ペナルティ時間は46分を記録した。
SMリーガではレギュラーシーズン通算182試合に出場し、26得点72アシストで合計98ポイントを記録した。ペナルティ時間は238分であった。プレーオフでは12試合に出場し、1得点4アシストで合計5ポイント、ペナルティ時間は10分を記録した。
以下に、レギュラーシーズンとプレーオフの詳細な記録を示す。
レギュラーシーズン | プレーオフ | |||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
シーズン | チーム | リーグ | GP | G | A | Pts | PIM | GP | G | A | Pts | PIM | ||
1987-88 | キエッコレイパス | FIN.2 U20 | 20 | 5 | 5 | 10 | 48 | - | - | - | - | - | ||
1988-89 | キエッコレイパス | FIN.2 U20 | 19 | 13 | 10 | 23 | 85 | - | - | - | - | - | ||
1988-89 | キエッコレイパス | FIN.2 | 33 | 1 | 7 | 8 | 24 | - | - | - | - | - | ||
1989-90 | ホッケー・レイパス | FIN.2 | 44 | 8 | 22 | 30 | 60 | 4 | 1 | 1 | 2 | 6 | ||
1990-91 | ホッケー・レイパス | SM-l | 44 | 8 | 13 | 21 | 54 | - | - | - | - | - | ||
1991-92 | HPK | SM-l | 43 | 5 | 14 | 19 | 62 | - | - | - | - | - | ||
1992-93 | HPK | SM-l | 47 | 8 | 21 | 29 | 76 | 12 | 1 | 4 | 5 | 10 | ||
1993-94 | HPK | SM-l | 48 | 5 | 24 | 29 | 46 | - | - | - | - | - | ||
1993-94 | HCチェスケー・ブジェヨヴィツェ | ELH | - | - | - | - | - | 3 | 0 | 1 | 1 | 0 | ||
1994-95 | コルンウォール・エーシズ | AHL | 55 | 8 | 26 | 34 | 41 | - | - | - | - | - | ||
1994-95 | ケベック・ノードイクス | NHL | 11 | 0 | 3 | 3 | 4 | 6 | 1 | 0 | 1 | 2 | ||
1995-96 | コルンウォール・エーシズ | AHL | 35 | 7 | 20 | 27 | 60 | - | - | - | - | - | ||
1995-96 | コロラド・アバランチ | NHL | 3 | 1 | 0 | 1 | 0 | - | - | - | - | - | ||
1995-96 | オタワ・セネターズ | NHL | 20 | 0 | 2 | 2 | 14 | - | - | - | - | - | ||
1996-97 | オタワ・セネターズ | NHL | 76 | 3 | 18 | 21 | 76 | 7 | 0 | 1 | 1 | 6 | ||
1997-98 | オタワ・セネターズ | NHL | 60 | 4 | 17 | 21 | 64 | 11 | 2 | 2 | 4 | 8 | ||
1998-99 | オタワ・セネターズ | NHL | 50 | 1 | 11 | 12 | 40 | 4 | 0 | 0 | 0 | 4 | ||
1999-2000 | オタワ・セネターズ | NHL | 60 | 1 | 11 | 12 | 55 | - | - | - | - | - | ||
1999-2000 | ピッツバーグ・ペンギンズ | NHL | 11 | 1 | 7 | 8 | 12 | 11 | 2 | 4 | 6 | 10 | ||
2000-01 | ピッツバーグ・ペンギンズ | NHL | 50 | 3 | 17 | 20 | 34 | 18 | 2 | 2 | 4 | 14 | ||
2001-02 | ピッツバーグ・ペンギンズ | NHL | 47 | 6 | 7 | 13 | 28 | - | - | - | - | - | ||
2002-03 | ピッツバーグ・ペンギンズ | NHL | 17 | 1 | 6 | 7 | 8 | - | - | - | - | - | ||
2002-03 | ハートフォード・ウルフパック | AHL | 5 | 0 | 3 | 3 | 2 | - | - | - | - | - | ||
2002-03 | タンパベイ・ライトニング | NHL | 2 | 1 | 0 | 1 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 2 | ||
SM-l 合計 | 182 | 26 | 72 | 98 | 238 | 12 | 1 | 4 | 5 | 10 | ||||
NHL 合計 | 407 | 22 | 99 | 121 | 335 | 59 | 7 | 9 | 16 | 46 |
- GP: 出場試合数 (Games Played)
- G: 得点 (Goals)
- A: アシスト (Assists)
- Pts: ポイント (Points)
- PIM: ペナルティ時間 (Penalty Infraction Minutes)
4.2. 国際大会の記録とメダル
ラウカネンはフィンランド代表として数々の国際大会に出場し、以下のメダルを獲得した。
- オリンピック
- 銅メダル: 1994年リレハンメルオリンピック、1998年長野オリンピック
- 世界選手権
- 銀メダル: 1992年世界アイスホッケー選手権、1994年世界アイスホッケー選手権、1998年世界アイスホッケー選手権
以下に、国際大会での詳細な記録を示す。
年 チーム 大会 結果 GP G A Pts PIM 1990 フィンランド WJC 4位 7 0 1 1 4 1991 フィンランド CC SF 6 1 2 3 2 1992 フィンランド OG 7位 8 0 1 1 6 1992 フィンランド WC 銀 8 2 2 4 12 1993 フィンランド WC 7位 6 1 0 1 10 1994 フィンランド OG 銅 8 0 2 2 12 1994 フィンランド WC 銀 8 1 2 3 6 1996 フィンランド WCH QF 4 0 0 0 4 1998 フィンランド OG 銅 6 0 0 0 4 1998 フィンランド WC 銀 1 0 0 0 0 ジュニア合計 7 0 1 1 4 シニア合計 46 6 9 15 43 - GP: 出場試合数 (Games Played)
- G: 得点 (Goals)
- A: アシスト (Assists)
- Pts: ポイント (Points)
- PIM: ペナルティ時間 (Penalty Infraction Minutes)
5. 引退後の活動
プロアイスホッケー選手としての現役を引退した後も、ヤンネ・ラウカネンはアイスホッケー界との関わりを続けている。彼は故郷フィンランドのマイナーリーグチームであるKarhu-Kissatで指導者として活動しており、彼の息子であるマティアス・ラウカネンもこのチームに所属している。