1. 概要

ユウナ(Yunaユウナ英語)は、スクウェア・エニックスのコンピュータゲーム『ファイナルファンタジーシリーズ』に登場する架空の人物で、『ファイナルファンタジーX』のヒロインおよび『ファイナルファンタジーX-2』の主人公である。彼女は世界を脅かす怪物「シン」を討伐するための旅に出る召喚士として登場し、その過程で仲間たち、特に男性主人公のティーダと共に成長していく。
ユウナは、その献身的な性格と自己犠牲の精神、そしていかなる困難の中でも希望を捨てない強い信念によって物語の核心を担う。召喚士の宿命である「シン」討伐後の死という犠牲を覚悟しながらも、より良い未来を追求するために新たな道を探し求める姿は、スピラの人々に真の「永遠のナギ節」をもたらす象徴となる。彼女の旅は、個人の犠牲と社会の宗教的・政治的構造が交錯するテーマを探求し、プレイヤーに深い感動を与える。
2. 人物像と背景
ユウナは、その出生、家族構成、育った環境、そしてアルベド族との混血という背景が、彼女のアイデンティティと召喚士としての運命に深く影響を与えている。
2.1. 出生と成長
ユウナはベベルで生まれたが、父ブラスカが「シン」を討伐し「ナギ節」が始まった年に、キマリに連れられビサイド島に移り住んだ。その後、ビサイド島で正式な召喚士となり、世界を救うという重い使命を背負い、自らの命を捨てる覚悟で「シン」を倒す旅に出る。
2.2. 家族と血筋
彼女の父は、10年前に「シン」を討伐した大召喚士ブラスカである。母はアルベド族の族長シドの妹であり、このためユウナは人間とアルベド族のハーフである。この混血の証として、彼女は左右の瞳の色が異なるオッドアイという特徴を持つ。左目は父ブラスカと同じ蒼青色、右目はアルベド族の特徴である翠緑色(エメラルドグリーン)の瞳をしている。
2.3. 性格と信念
ユウナは困っている人を見捨てられない真面目で優しい性格の少女である。父のガードであったジェクトの息子であるティーダを常に気にかけている。嘘や隠し事が苦手で、問題を一人で抱え込みやすく、甘えるのが不器用な一面もある。しかし、彼女は自分の信念を曲げない強い心を持ち、他者への献身と自己犠牲の精神を深く持っている。
一人称は「わたし」、もしくは漢字で「私」(『X-2』ではほとんど「私」である)。二人称はティーダに対しては「キミ」、目上や女性同士には「あなた」と言う。普段の語尾ではたまに「~っす」もしくは「~ッス」と言う(ティーダと同様)。
周囲からは「ユウナ(味方の大抵から。ティーダ、ワッカ、アーロン、リュックなど)」、「ユウナ様(目下の相手、他人、シェリンダなど)」、「ユウナ君(イサール)」、「ユウナ殿(シーモア)」、「ユウナちゃん(ジェクト、ルッツなど)」、「大召喚士様」、「ユウナん(リュック)」など、様々な呼称で呼ばれることが多い。
『ファイナルファンタジーX-2』では、自分を変えるため、ティーダのように明るく振る舞ったり、リュックの口調を真似て「ムカツキ」といった言葉を使うなど、新たな一面を見せるようになる。
2.4. 身体的特徴と能力
ユウナの年齢は『ファイナルファンタジーX』時点で17歳、『ファイナルファンタジーX-2』では19歳である。身長は『X』時点で161 cm、『X-2』時点で162 cm。
彼女は主に召喚士として杖を武器とするが、『ファイナルファンタジーX-2』では二丁拳銃を使用するガンナーとしての能力も持つ。七曜の武器は「ニルヴァーナ」である。出身地はベベル。
3. 召喚士としての旅
ユウナの人生において最も重要な役割は召喚士としての旅であり、これはスピラ社会の宗教的・政治的構造、そして個人の犠牲というテーマを深く探求するものである。
3.1. 「シン」討伐への道のり
『ファイナルファンタジーX』において、ユウナはスピラの世界において、フェイストと呼ばれる精霊の助けを借りて召喚獣を操ることができる召喚士として紹介される。10年前に「シン」を討伐した大召喚士ブラスカの娘であるユウナは、ルールーとワッカをガードとして「シン」を倒すための巡礼の旅に出る。この旅は、彼女が世界各地の寺院を巡り、それぞれの寺院で召喚獣を迎え入れ、最終的に自身と引き換えに「シン」を滅ぼす「究極召喚」を行うことを目的としている。しかし、究極召喚は召喚士自身の命と引き換えに行われるという過酷な宿命を背負っていた。
旅の途中で、彼女はティーダ、アーロン、ワッカ、ルールー、キマリ、リュックといった仲間たちと出会い、絆を深めていく。特にティーダとは互いの過去を語り合い、故郷であるザナルカンドへの憧れを共有する中で、次第に惹かれ合っていく。究極召喚を行う地であるザナルカンド遺跡に到着した際、ティーダは犠牲を伴わない「シン」討伐の方法を模索することを提案し、ユウナたちもその道を探ることを決意する。彼らは「シン」の体内に突入し、ティーダの父であるジェクトが変貌したブラスカの究極召喚獣を倒す。最終的に、「シン」を復活させていたエボン=ジュを滅ぼすことで、スピラに真の「永遠のナギ節」が訪れる。しかし、ティーダは夢の存在であったため、「シン」の消滅と共に姿を消し、ユウナとの悲しい別れを迎える。
3.2. 犠牲と希望
召喚士の宿命として、ユウナは「シン」を倒すために自らの命を捧げる覚悟を持っていた。しかし、ティーダとの出会いと仲間たちの支えによって、彼女はその宿命に抗い、犠牲を伴わない新たな希望の道を切り開くことを選ぶ。この決断は、スピラの旧弊な宗教観に囚われず、人々の未来を自らの手で切り拓くという強い意志の表れであった。彼女は究極召喚の犠牲なしに「シン」を完全に消滅させ、スピラに真の平和をもたらすことに成功する。
4. その後の活動と個人の探求
『ファイナルファンタジーX』での旅を終えた後、ユウナは個人的な目標の追求と、スピラ社会の新たな変化に対応するための活動を展開する。
4.1. スピラ・ハンターとしての活動
『ファイナルファンタジーX』から2年後の世界を描く『ファイナルファンタジーX-2』では、ユウナは「カモメ団」の一員としてスフィアハンターとなり、新たな冒険に身を投じる。彼女の主な目的は、キマリがガガゼト山で見つけたスフィアに映っていた、ティーダに酷似した男性の映像の真実を探すことである。国際版では、ユウナはティーダに似た男性のぼやけた映像を見つけ、彼を探す旅に出ることを決意する。この映像は、ティーダがどこかに生存している可能性を示唆しており、ユウナは彼との再会を強く願っていた。
4.2. カモメ団と新たな仲間たち
「カモメ団」は、ユウナの従姉妹であるリュックと、無口な謎の少女パイン、そしてリュックの親族であるアルベド族のブラザーとバディによって結成されたスフィアハンターグループである。ゲームの国際版では、カモメ団はゲーム開始前に一時的に解散し、ユウナはビサイド島に戻っていたが、その後3人は再会し、新たに発見された塔を探索するために再び旅立つ。ユウナはカモメ団の世間的なリーダーとして、飛空艇でスピラを飛び回り、スフィアの探索を行う。
旅の過程で、ユウナはスフィアに映っていた男性が、かつて恋人レンを失いスピラを破壊しようとするシューインという魂であることを知る。ユウナはレンの歌声が記録されたスフィアを所持しており、それを使ってシューインの復讐を止めようとする。パインの過去の仲間たちの助けも借りて、カモメ団はシューインを打ち破り、レンの魂はユウナが持っていたスフィアの中でシューインの魂と再会し、共に安らかな場所へと旅立つ。プレイヤーのゲーム進行度によっては、ファルコンがティーダを復活させ、ユウナと再会させることも可能である。
『ファイナルファンタジーX/X-2 HDリマスター』に収録された新たなオーディオドラマでは、ユウナは「エボナーズ」というグループの一員となり、ビサイド島にその本拠地を置いている。この物語の中で、彼女はティーダに別の誰かを愛していると告げて別れを告げ、復活した「シン」と再び戦うことを宣言する。
5. 他メディアでの登場
ユウナは『ファイナルファンタジーシリーズ』の主要作品以外にも、様々なゲームやメディアに登場し、その存在感を示している。
5.1. ゲーム作品での役割
- 『ディシディア ファイナルファンタジー』シリーズ:
- 『ディシディア デュオデシム ファイナルファンタジー』では、コスモス陣営の戦士として登場する。彼女は『ファイナルファンタジーX』時代の姿で描かれているが、シリーズの他のキャラクターに合わせてデザインが一部アレンジされている。この作品では『X』直後の記憶を保持しており、記憶を失ったティーダを仲間に引き入れようとするが、皇帝の攻撃によってティーダが負傷する。物語の終盤では、他のコスモス側の戦士たちと共にマニキンによって殺害される。また、天野喜孝のイラストを基にした別デザインや、『ファイナルファンタジーX』のウェディングドレス姿も登場する。彼女の『X-2』での通常姿はダウンロードコンテンツとして提供された。
- 『ディシディア ファイナルファンタジー NT』では、コスモスの後継者であるマテリアによって召喚され、スピリタスとの戦いに参加する。しかし、彼女は戦争が終了した後に召喚された多くのキャラクターの一人であり、戦いが終わってから到着する。
- 『キングダムハーツII』:リュック、パインと共に小さな妖精のような姿で登場する。彼女たちはマレフィセントに買収され、レオン率いるラディアントガーデンの抵抗グループをスパイしていたが、マレフィセントに見捨てられた後、ソラたちの目的を知り、彼らに協力するようになる。
- 『ドラゴンクエスト&ファイナルファンタジー in いただきストリートSpecial』:ティーダ、リュック、アーロン、パインと共に参戦し、召喚士姿とガンナー姿の2種類のユウナが登場する。
- 『半熟英雄』シリーズ:
- 『半熟英雄 対3D』以降、将軍として友情出演している(グラフィックは通常の将軍と同じ)。
- 『半熟英雄7人の半熟英雄』では、カトリイヌが「元召喚士の二丁拳銃使い」としてユウナのコスプレをする。
- 『半熟英雄 対3D』のあるボス戦では、背景にティーダとユウナの公式CGイラストが使用されている。
- 『シアトリズム ファイナルファンタジー』:『ファイナルファンタジーX』を代表するキャラクターとして登場する。
その他、ユウナのフィギュアやフィギュアリンが多数製造されており、2001年にはスクウェアからフィギュアが発売された。2003年には、ユウナ、リュック、パインの日本語版声優である青木まゆこ、松本まりか、豊口めぐみによる歌唱を収録したオーディオCD『ファイナルファンタジーX-2 ボーカルコレクション』がリリースされている。また、2023年の歌舞伎版『ファイナルファンタジーX』では、中村米吉がユウナを演じた。
6. 創造とデザイン
ユウナというキャラクターは、その誕生背景からビジュアルデザイン、そして名前の由来に至るまで、綿密なコンセプトに基づいて創造されている。
6.1. コンセプトと開発過程
ユウナのコンセプトは、プロデューサーの北瀬佳範によって生み出された。『ファイナルファンタジーX』の初期構想には、人々が17歳で死を迎える世界というアイデアがあり、ユウナはこの構想に基づいて、身体的な強さではなく、強い意志と決意を持つキャラクターとして描かれた。彼女の名前は、主人公ティーダの名前(沖縄方言で「太陽」を意味するとされる)と対比され、沖縄方言で「夜」を意味するとされた。ティーダとユウナの関係は常に物語の中心として位置づけられていたが、北瀬は後にジェクトの物語の方がより感動的だったと述べている。
6.2. ビジュアルデザインの変遷

ユウナのデザインは、シリーズの常連アーティストである野村哲也が担当した。アートディレクターの直良有祐は、ゲームのエキゾチックなアジア設定に合わせて「熱帯風」の初期デザイン案を作成したが、野村はこれを却下し、より伝統的な日本風のデザインを採用した。
『ファイナルファンタジーX』では、日本の伝統的な衣装である袴と振袖をモチーフにした清楚なスタイルが特徴である。野村は、ユウナが「異界送り」という舞を披露することを知り、衣装に流れるような要素を持たせたいと考え、長袖の着物である振袖を選んだ。また、彼女の名前を暗示するハイビスカス(オオハマボウ)のモチーフが衣装にあしらわれている。ティーダとユウナの名前が持つ「太陽」と「夜」の対比は、彼女のアクセサリーのデザインにも反映されている。彼女の衣装の背中が大きく開いているのは、キャラクターのスキルや能力をタトゥーで表現するという初期の構想の名残である。聖ベベル宮ではウェディングドレスを着用するシーンもある。
『ファイナルファンタジーX』の好評を受けて、開発者はユウナたちの物語を『ファイナルファンタジーX-2』で続けることを決定した。コスチュームデザイナーの塚本哲は、ユウナの劇的なデザイン変更が、スピラにおける大きな文化の変化を反映していると述べた。プロデューサーの北瀬佳範は、『X-2』を前作の単なる延長にしたくなかったため、ユウナやリュックたちの服装をより活動的に見えるように変更したと付け加えている。これは物語や設定が作られる前に行われた。ユウナ、リュック、パインがより自由な世界に生きているため、デザイナーは彼女たちに様々な衣装を着せることを望み、これがゲームプレイの重要な要素となった。シナリオライターの野島一成は、彼女の新しい衣装を「『ファイナルファンタジーX』で着ていた重い服への自然な反応」と表現した。ユウナの歌唱パフォーマンスは、ゲームが取り入れたJ-POPのようなポップな雰囲気を表現するために用いられた。『ファイナルファンタジーX』のディレクターである鳥山求は、彼女の性格の変化は、召喚士としての責任を負う必要がなくなった結果であると述べ、「全く異なる人物に見えるかもしれないが、心の奥底では昔のユウナと同じである」と付け加えている。
『X-2』では、タンクトップにホットパンツを組み合わせた活動的なスタイルへと変化する。胸にはブリッツボールチーム「ザナルカンド・エイブス」のチームシンボルを模したメタルアクセサリーを着用している。また、二丁拳銃「タイニービー」を装備したガンマンスタイル(ドレスフィア「ガンナー」モデル)も特徴である。髪型や服装はティーダを意識したものであり、ピアスやネックレスは変わらず着用し、服の色合いやつけ毛の結び方には巫女の髪の結び方など、前作の名残が見られる。
6.3. 名前の由来
「ユウナ」という名前は、かつて琉球言葉で「月」を意味すると広く流布されたが、実際には月に相当する沖縄方言は「つき」または「シノ」である。「ユウナ」は、ハイビスカスの一種であるオオハマボウ(ヤマアサ)の名称であり、夕方に開花することからこの名がついている。また、和語では「ゆうな(夕菜)」は夕食のおかずを意味し、家族の温かみや豊穣、恵みを象徴するものとして女子の名前として好まれる。
キャラクターデザイナーの野村哲也によれば、ユウナの衣服とネックレスはオオハマボウ(ユウナ)をデザインしたものであり、名前については「よる(朝に夕に~あさなゆうな)」を表す沖縄方言から取ったとしている。
6.4. 声優と演技
ユウナの日本語版声優は青木まゆこが担当している。英語版ではヘディ・バーレスが声を担当しており、バーレスはユウナの義務感、尊敬、名誉を表現しつつ、彼女の優しさや女性らしさを保つことを意識したと語っている。
2023年の歌舞伎版『ファイナルファンタジーX』では、中村米吉がユウナ役を演じた。
7. 評価と影響力
ユウナは批評家やファンから概ね肯定的な評価を受けており、ゲーム業界や文化に大きな影響を与えている。
7.1. 批評と大衆の反応
ユウナは批評家から概ね肯定的な意見を受けている。多くの雑誌で、彼女は「お気に入りのキャラクター」や「最高の『ファイナルファンタジーシリーズ』キャラクター」の一人として評されてきた。スクウェア・エニックスの公式投票では、2013年に「最も好きな女性『ファイナルファンタジーシリーズ』キャラクター」で3位に、2014年には「最も人気のある『ファイナルファンタジーシリーズ』ヒロイン」で1位に選ばれている。『ゲーム・インフォーマー』誌の読者は、2001年の最高の関係性としてユウナとティーダの関係を挙げた。また、2010年のファミ通の同様の投票では16位にランクインしている。2010年にアスキー・メディアワークスが行った「自分の子供に名付けたいゲーム・漫画キャラクター」の投票では、女性部門でユウナが2位となった。
『IGN』のジェレミー・ダンハムは、『ファイナルファンタジーX-2』のレビューで、ユウナの衣装デザインを「定評のある認識可能な『ファイナルファンタジーシリーズ』スタイル」と「露出の多いネオモダンなファッションセンス」を組み合わせたものとして賞賛し、特にウォーリアーコスチュームを際立っていると評価した。また、英語版声優のヘディ・バーレスの演技は、前作よりも自然に聞こえると述べた。『GameSpot』のブラッド・シューメーカーもバーレスの演技を賞賛し、キャラクターの他の変化と相まって彼女を完全に生き生きとさせていると述べた。
一方で、『Packaging Girlhood: Rescuing Our Daughters from Marketers' Schemes』という書籍では、ユウナの『X-2』での外見が「セクシーなMTVのビデオスター」のようだと評し、「勇敢で強く、戦う準備ができているのは長くは続かない。次の冒険はファッション、ボーイフレンド、セックスだという教訓を少女たちに与えている」と批判的に述べた。『GameSpy』のレイモンド・パディーラは彼女を「夢のビデオゲーム悪女」と呼び、同じく『GameSpy』のクリスチャン・ナットは『X-2』でのバーレスのユウナの描写を「素晴らしい」と評した。
様々な出版物がユウナを他の架空のキャラクターと比較しており、『チャーリーズ・エンジェル』のナタリー・クック(キャメロン・ディアス演)や、『トゥームレイダー』のララ・クロフトに、その服装や銃を扱うスキルから例えられた。『IGN』の「トップ25『ファイナルファンタジーシリーズ』キャラクター」リストでは、デイヴ・スミスが、彼女の最初の登場は「素晴らしい目の保養」であり、異界送りのシーンはスクウェア・ヴィジュアル・ワークスの最高の作品の一つであったとしつつも、続編では彼女により自信と態度が加わり、「不必要に扇情的な衣装」を身につけたとコメントしている。
否定的な意見は、キャラクターの露出の多い服装や、歌手としての描写に集中しており、一部のゲーマーからは、これまでの『ファイナルファンタジーシリーズ』の英雄像とはかけ離れているとして、実際の『ファイナルファンタジーシリーズ』ゲームとして認識されないほどの反発を生んだ。『GameSpot』は、彼女のキャラクターが「書き換えられた」ように感じられるとしつつも、ユウナの思いやりのある部分は残っていると評価したが、衣装が「露出過多」であると感じた。『Eurogamer』は、バーレスの演技は改善されたと評価しつつも、J-POP、特にスパイス・ガールズを想起させるような歌手としてのユウナの描写は「安っぽい」と感じられる可能性があると指摘した。『GameSpy』もバーレスの演技の改善を賞賛したが、リップシンクの質の悪さを指摘した。ユウナのティーダを探す旅は、プレイヤーを動機づける強力な物語であると評価されたが、スクウェアがプロットを魅力に欠ける一連のサイドクエストに集中させたことで、その可能性が失われたと感じられた。『Gaming Age』は、カモメ団を映画『チャーリーズ・エンジェル』と否定的に比較し、特にユウナが歌い始めるシーンがゲーム全体を耐え難いものにしていると酷評した。また、『Fanbyte』は、オーディオドラマ『Will』におけるユウナのキャラクター描写について、彼女がそれまで経験したキャラクターアークを台無しにし、元のペルソナに戻ってしまったとして批判的な見解を示した。
7.2. 人気と象徴性
ユウナは『ファイナルファンタジーシリーズ』のファンコミュニティにおいて非常に高い人気を誇り、彼女はシリーズを象徴するキャラクターの一人となっている。彼女の物語における献身、自己犠牲、そして希望を追求する姿勢は、多くのプレイヤーに共感を呼び、彼女を単なるゲームキャラクター以上の存在として確立させている。特に『ファイナルファンタジーX』での「シン」討伐の旅における彼女の成長と、困難に立ち向かう強い意志は、多くのファンにとって希望の象徴となっている。