1. 概要
レオナルドは、1997年5月28日にブラジルのサンパウロ州ソロカーバで生まれたブラジル人サッカー選手である。フォワードとして、ブラジル、日本、中国、韓国の複数クラブで活躍してきた。特に日本ではJ3リーグとJ2リーグで得点王を獲得し、中国スーパーリーグでも2度の得点王に輝くなど、高い得点能力を示している。レッドブル・ブラジル、コリンチャンス、イトゥアーノ、サントスなどのユースチームで育った後、プロキャリアをスタートさせた。自身の故郷の困難な環境を離れ、平和な日本でサッカーをしたいという強い思いが、彼のキャリア形成に大きな影響を与えた。現在は中国スーパーリーグの上海海港に所属している。
2. 幼少期とユースキャリア
レオナルドは1997年5月28日にブラジルのサンパウロ州ソロカーバで生まれた。幼少期よりサッカーを始め、レッドブル・ブラジル(2010年 - 2012年)、コリンチャンス(2012年 - 2014年)、イトゥアーノ(2015年 - 2016年)といったブラジルの名門ユースアカデミーでその才能を磨いた。特にサントスの下部組織では、その後のキャリアの基礎を築いた。
2017年には主にサントスFCのBチーム(U-23)でプレーし、16試合に出場して3ゴールを記録した。この時期、彼の故郷であるブラジルの一部の地域では、人身売買や殺人といった治安の悪化が日常化しており、彼はこのような困難な環境に身を置いていた。そんな中で、日本のプロクラブからスカウトを受けた際、当時のガイナーレ鳥取の代表取締役GMである岡野雅行から「鳥取は日本の3部リーグで、お金もあまりない」と伝えられたにもかかわらず、「ボールさえあれば、平和な日本でサッカーがやりたい」と答えたとされている。この発言は、彼の平和な環境でサッカーを追求したいという強い動機と、故郷の困難な背景から逃れたいという思いを強く示している。この個人的な背景が、彼の初期のキャリア選択と日本での成功に大きな影響を与えたと評価されている。
3. クラブキャリア
レオナルドのプロサッカーキャリアは、ブラジルを皮切りに日本、中国、韓国へと広がり、各リーグでその得点能力を遺憾なく発揮してきた。
3.1. ブラジルでのキャリア
レオナルドは、イトゥアーノのユース出身で、2015年から2016年にかけてトップチームに登録されたが、リーグ戦での出場機会はなかった。しかし、2015年には国内カップ戦であるコパ・パウリスタで6試合に出場し1ゴールを挙げている。
2017年にはブラジルの名門サントスに所属。トップチームでのリーグ戦出場はなかったものの、サントスFCのBチーム(U-23)で16試合に出場し3ゴールを記録した。同年にはECヒオ・ヴェルジへ期限付き移籍し、カンピオナート・ゴイアーノで3試合に出場したが、得点はなかった。サントスBチームでは2017年のコパ・パウリスタで14試合2ゴールを記録するなど、若手選手としての経験を積んだ。
3.2. 日本でのキャリア
2018年、レオナルドはJ3リーグのガイナーレ鳥取に完全移籍で加入した。ブラジルでヴィートル・ガブリエルと共に、ガイナーレ鳥取のフェルナンジーニョと当時の代表取締役GMである岡野雅行の目に留まり、入団が決まった。来日1年目ながら、2018シーズンにはJ3リーグで31試合に出場し24ゴールを記録。この活躍によりJ3リーグ得点王に輝き、チームのJ3最高順位である3位進出の原動力となった。特に、10月28日の福島ユナイテッドFC戦ではハットトリックを達成するなど、その得点能力の高さを示した。
この活躍が評価され、2019年にはJ2リーグのアルビレックス新潟へ完全移籍。2019シーズンもその得点力を維持し、リーグ戦38試合に出場して28ゴールをマーク。見事にJ2リーグ得点王を獲得した。さらに、同年9月には月間4試合で5得点を記録したことが評価され、J2リーグ月間MVPを受賞。続く10月にも、鹿児島ユナイテッドFC戦で1試合4得点を挙げるなど月間7得点を記録し、2ヶ月連続で月間MVPを受賞する快挙を成し遂げた。
2020年、レオナルドはJ1リーグの浦和レッズに完全移籍。2月16日のJリーグカップ開幕戦となるベガルタ仙台戦で、移籍後初ゴールを含む2得点を挙げ、5-2の勝利に貢献した。リーグ戦では第7節から5試合連続得点を記録するなど、一時好調を維持したが、シーズン中盤以降は調子を落とした。しかし、在籍1年目ながらチームトップの11ゴールを記録し、J1リーグで28試合に出場した。
3.3. 中国でのキャリア
2021年2月22日、レオナルドは中国サッカー・スーパーリーグの山東泰山へ完全移籍した。同年4月20日に行われたリーグ開幕戦の重慶力帆戦で途中出場ながら先制点を決め、チームの勝利に貢献した。しかし、その後は得点を重ねられず、同年7月30日には同リーグの河北足球倶楽部へ期限付き移籍した。河北では12試合に出場し1ゴールを記録した。
2023年4月7日、長春亜泰足球倶楽部へ期限付き移籍(背番号9)した。ここでは短期間で目覚ましい活躍を見せ、4月30日には天津津門虎戦で初ゴールを記録。5月19日の滄州雄獅戦ではハットトリックを達成するなど、12試合で10ゴールを挙げた。退団時には2023シーズンの得点王であった。しかし、同年6月30日、期限付き移籍が早期に終了することが発表された。
その後、2023年7月1日には、同じく中国スーパーリーグの浙江職業足球倶楽部へ期限付き移籍(背番号45)した。浙江ではすぐにチームにフィットし、7月12日には古巣の長春亜泰戦で2ゴールを挙げる活躍を見せた。この年、彼は2023シーズンの中国スーパーリーグ得点王に輝いた。2024年2月7日には浙江職業足球倶楽部への再レンタルが発表され、2024シーズンも同クラブでプレーし、2年連続で得点王を獲得した。
2025年1月27日、レオナルドは中国スーパーリーグの上海海港に加入したことが発表された。
3.4. 韓国でのキャリア
2022年2月24日、レオナルドはKリーグ1の蔚山現代FCへ期限付き移籍した。ここでは、公式戦34試合に出場し11ゴールを記録し、チームのKリーグ1優勝に貢献した。

4. キャリア成績
最終更新日:2024年12月19日
クラブ | シーズン | リーグ | 州リーグ | 国内カップ (天皇杯、韓国FAカップ、中国FAカップなど) | リーグカップ (Jリーグカップなど) | 大陸選手権 (AFCチャンピオンズリーグなど) | その他 (コパ・パウリスタなど) | 合計 | ||||||||
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ディビジョン | 出場 | ゴール | 出場 | ゴール | 出場 | ゴール | 出場 | ゴール | 出場 | ゴール | 出場 | ゴール | 出場 | ゴール | ||
イトゥアーノ | 2015 | カンピオナート・パウリスタ | - | 0 | 0 | - | - | - | 6 | 1 | 6 | 1 | ||||
2016 | セリエD | 0 | 0 | 0 | 0 | - | - | - | - | 0 | 0 | |||||
合計 | 0 | 0 | 0 | 0 | - | - | - | 6 | 1 | 6 | 1 | |||||
サントス | 2017 | セリエA | 0 | 0 | - | 0 | 0 | - | - | 14 | 2 | 14 | 2 | |||
ECヒオ・ヴェルジ (loan) | 2017 | カンピオナート・ゴイアーノ | - | 3 | 0 | - | - | - | - | 3 | 0 | |||||
ガイナーレ鳥取 | 2018 | J3リーグ | 31 | 24 | - | 2 | 0 | - | - | - | 33 | 24 | ||||
アルビレックス新潟 | 2019 | J2リーグ | 38 | 28 | - | 0 | 0 | - | - | - | 38 | 28 | ||||
浦和レッズ | 2020 | J1リーグ | 28 | 11 | - | 0 | 0 | 2 | 2 | - | - | 30 | 13 | |||
山東泰山 | 2021 | 中国サッカー・スーパーリーグ | 8 | 1 | - | 0 | 0 | - | - | - | 8 | 1 | ||||
河北FC (loan) | 2021 | 中国サッカー・スーパーリーグ | 12 | 1 | - | 0 | 0 | - | - | - | 12 | 1 | ||||
蔚山現代 (loan) | 2022 | Kリーグ1 | 34 | 11 | - | 2 | 0 | - | 7 | 3 | - | 43 | 14 | |||
長春亜泰 (loan) | 2023 | 中国サッカー・スーパーリーグ | 12 | 10 | - | 1 | 1 | - | - | - | 13 | 11 | ||||
浙江職業FC (loan) | 2023 | 中国サッカー・スーパーリーグ | 16 | 9 | - | 1 | 1 | - | 6 | 4 | - | 23 | 14 | |||
2024 | 中国サッカー・スーパーリーグ | 29 | 21 | - | 2 | 1 | - | - | - | 31 | 22 | |||||
キャリア通算 | 208 | 116 | 3 | 0 | 8 | 3 | 2 | 2 | 13 | 7 | 20 | 3 | 254 | 131 |
- Jリーグ初出場・初得点 - 2018年3月11日 J3第1節 鹿児島ユナイテッドFC戦(鹿児島県立鴨池陸上競技場)
- Jリーグ初ハットトリック - 2018年10月28日 J3第29節 福島ユナイテッドFC戦(とうほう・みんなのスタジアム)
5. タイトル・栄誉
5.1. クラブ
- Kリーグ1: 2022 (蔚山現代)
5.2. 個人
- J2リーグ得点王:1回(2019年)
- J2リーグ月間MVP:2回(2019年9月、10月)
- J3リーグ得点王:1回(2018年)
- 中国サッカー・スーパーリーグ得点王:2回(2023年、2024年)