1. 概要
丸山泰資は、愛知県常滑市出身の元プロ野球選手であり、現在は野球指導者として活動している。東海大学時代には完全試合を達成するなどの輝かしい実績を挙げ、2016年のNPBドラフト会議で中日ドラゴンズから6位指名を受け入団した。プロ入り後はトミー・ジョン手術を経験し、育成選手への転換を経て、投球フォームをアンダースローに変更するなど再起を図ったが、2021年に現役を引退。その後はドラゴンズベースボールアカデミーのコーチに就任し、後進の指導にあたっている。
2. アマチュア野球選手時代
丸山泰資は、プロ野球選手となる以前から、その才能を各年代で発揮してきた。
2.1. 中学校・高校時代
常滑市立鬼崎中学校在学中は、愛知知多ボーイズに所属し、主に外野手としてプレーした。
東邦高校に進学すると、投手としての頭角を現し、控え投手ながら東海大会に出場した。3年生時には背番号1を背負い、チームは愛知県大会で優勝を飾り、東海大会ではベスト4に進出した。最後の全国高等学校野球選手権大会の愛知大会では決勝戦まで進んだものの、濱田達郎を擁する愛工大名電高校に惜敗し、甲子園出場は叶わなかった。
2.2. 大学時代
東海大学に進学後も野球を続け、2年時の春季リーグ戦から控え投手として登板。3勝(無失点)を挙げ、チームの全勝優勝に貢献し、全日本大学野球選手権では優勝を果たした。3年時の春季リーグからは先発投手に転向し、4勝を挙げてベストナインを受賞した。
2015年5月3日には、首都大学野球連盟の日本体育大学戦(大和スタジアム)において、大学野球史上2人目となる完全試合を達成した。これは上田次朗以来46年ぶりの快挙であった。

3. プロ野球選手時代
中日ドラゴンズでのプロ野球選手としてのキャリアは、ドラフト指名から始まり、故障、育成契約、フォーム変更、そして最終的な退団へと続いた。
3.1. ドラフトと中日ドラゴンズでのデビュー
2016年10月20日に行われたNPBドラフト会議で、中日ドラゴンズから6位指名を受けた。同年11月13日には、契約金3000.00 万 JPY、年俸720.00 万 JPY(金額は推定)で入団に合意した。この入団は、東邦高校の後輩である藤嶋健人との同期入団となった。
2017年6月14日、北海道日本ハムファイターズとの交流戦(ナゴヤドーム)の12回表にプロ初登板を果たした。一死一・二塁のピンチで7番手として救援登板し、杉谷拳士を二直で併殺に打ち取り、2/3回を無失点に抑えた。プロ初奪三振は同年6月16日の埼玉西武ライオンズ戦(ナゴヤドーム)で、9回表に源田壮亮から見逃し三振を奪った。また、プロ初打席は同年8月5日の読売ジャイアンツ戦(東京ドーム)で、5回表に菅野智之から見逃し三振を喫した。
3.2. 故障と育成契約
2018年は、故障の影響で一軍での登板機会がなく、同年10月にトミー・ジョン手術を受けた。これにより、2019年シーズンはリハビリに専念し、一・二軍ともに登板はなかった。同年11月19日には、育成選手として再契約することが発表された。
3.3. 投球フォーム変更と退団
2020年9月、当時二軍投手コーチだった門倉健の助言を受け、投球フォームをオーバースローからサイドスロー気味のアンダースローへと変更した。同年11月のフェニックス・リーグで実戦復帰し、この転向後最速となる球速146 km/hを記録した。同年12月8日には、引き続き育成選手として再契約した。
2021年は、キャンプ中に右肘を痛めたが、同年5月29日に復帰登板を果たした。しかし、支配下選手契約への復帰は叶わず、同年10月7日、球団から戦力外通告を受け、プロ野球選手としての現役を引退することとなった。
4. 選手としての特徴
丸山泰資は、プロ野球選手時代には自己最速となる球速150 km/hを記録した。主な持ち球はスライダー、カーブ、フォークボールであった。特に、2020年9月に投球フォームをオーバースローからアンダースローへと変更したことで、その特徴が際立った。このフォーム転向は、自身のキャリアにおける転換点となり、再起をかけた挑戦であった。
5. 引退後の活動
プロ野球選手引退後の2022年1月、NPO法人 ドラゴンズベースボールアカデミーのコーチに就任することが発表された。現在は、このアカデミーで子どもたちの野球指導にあたり、後進の育成に貢献している。
6. 詳細情報
このセクションでは、丸山泰資のプロ野球選手としての詳細な成績、記録、および背番号について記述する。
6.1. 年度別投手成績
| 年度 | 球団 | 試 合 | 勝 利 | 敗 戦 | セ 丨 ブ | ホ 丨 ル ド | 完 投 | 完 封 | 無 四 球 | 奪 三 振 率 | 投 球 回 | 打 者 | 被 安 打 | 被 本 塁 打 | 奪 三 振 | 与 四 球 | 与 死 球 | 暴 投 | ボ 丨 ク | 失 点 | 自 責 点 | 防 御 率 | W H I P | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2017 | 中日 | 8 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | .--- | 12.0 | 57 | 16 | 2 | 6 | 0 | 1 | 10 | 0 | 0 | 13 | 11 | 8.25 | 1.83 |
| NPB:1年 | 8 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | .--- | 12.0 | 57 | 16 | 2 | 6 | 0 | 1 | 10 | 0 | 0 | 13 | 11 | 8.25 | 1.83 | |
6.2. 年度別守備成績
| 年度 | 球団 | 投手 | |||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 試 合 | 刺 殺 | 補 殺 | 失 策 | 併 殺 | 守 備 率 | ||
| 2017 | 中日 | 8 | 2 | 2 | 0 | 0 | 1.000 |
| 通算 | 8 | 2 | 2 | 0 | 0 | 1.000 | |
6.3. 初記録
丸山泰資がプロキャリアにおいて達成した主な初記録は以下の通りである。
- 初登板**:2017年6月14日、対北海道日本ハムファイターズ2回戦(ナゴヤドーム)、12回表一死に7番手で救援登板・完了、2/3回無失点
- 初奪三振**:2017年6月16日、対埼玉西武ライオンズ1回戦(ナゴヤドーム)、9回表に源田壮亮から見逃し三振
- 初打席**:2017年8月5日、対読売ジャイアンツ17回戦(東京ドーム)、5回表に菅野智之から見逃し三振
6.4. 背番号
丸山泰資がプロ選手時代に着用した背番号は以下の通りである。
- 28(2017年 - 2018年)
- 69(2019年)
- 204(2020年 - 2021年)