1. 概要
大西 広樹おおにし ひろき日本語(1997年11月8日 - )は、奈良県香芝市出身のプロ野球選手(投手)。右投右打。現在はNPBのセ・リーグに所属する東京ヤクルトスワローズに在籍している。
小学校時代から軟式野球を始め、大阪商業大学高等学校、大阪商業大学でアマチュア野球選手として活躍。大学時代には関西六大学野球連盟でリーグ通算27勝2敗という優れた成績を残し、2度のベストナインと3度の最優秀投手賞を獲得した。2019年のNPBドラフト会議で東京ヤクルトスワローズから4位指名を受けプロ入り。初勝利を2021年に挙げ、2024年にはキャリア初のオールスターゲームに出場するなど、リリーフ投手としてチームに貢献している。
2. 経歴
2.1. プロ入り前
小学校時代から軟式野球を始めた。大阪商業大学高等学校では2年秋からエースを務めたが、甲子園大会への出場は叶わなかった。しかし、高校時代から「絶対プロの世界にいきたい」と語るほど、プロ入りへの強い意志を持っていた。
高校卒業後は大阪商業大学に進学し、1年次から公式戦に出場した。関西六大学野球連盟では、リーグ通算27勝2敗という圧倒的な成績を残し、その活躍が認められてベストナインに2度選出されたほか、最優秀投手賞を3度獲得している。大阪商業大学時代の同期には、後にプロ入りする橋本侑樹や小野寺暖がいた。
2019年10月17日に行われた2019年度新人選手選択会議で、東京ヤクルトスワローズから4位で指名された。同年11月26日には、契約金に4700 JPY、年俸に720 JPYで仮契約を結び、背番号は44に決定した。
2.2. 東京ヤクルトスワローズ時代
2020年は、開幕を一軍で迎える。6月21日の対中日ドラゴンズ3回戦(明治神宮野球場)では、8回表に2番手として初登板を果たし、1回を無失点に抑える好投を見せた。8月5日の対広島東洋カープ7回戦(神宮)で初先発登板を経験するが、5回2失点の内容で敗戦投手となった。このシーズンは5試合に登板し、1敗、防御率5.00という成績で終えた。
2021年は、5月27日に一軍登録される。6月1日の対東北楽天ゴールデンイーグルス1回戦(明治神宮野球場)では、6回表に3番手として救援登板し、2回を無失点に抑えると、その直後に味方打線が逆転し、初勝利を挙げた。このウイニングボールについては、両親に贈りたいと語っている。最終的にこのシーズンは33試合に登板し、3勝0敗7ホールド、防御率2.82という成績を記録した。オフシーズンには、前年から620 JPY増となる推定年俸1400 JPYで契約を更改した。
2022年も、開幕を一軍で迎える。しかし、7月10日に新型コロナウィルスの陽性者となり、一時的にチームを離脱することになった。この影響でシーズン終盤には体力面での影響があったものの、キャリアハイとなる43試合に登板し、防御率4.45の成績を残した。オフの契約更改では、翌シーズンに向けて1年間を通してコンディションを維持できるようにしたいとコメントした。
2023年は、前年を上回る46試合に登板し、2勝2敗6ホールド、防御率3.60の成績を記録した。
2024年には、自己最多となる60試合に登板。9勝1敗1セーブ23ホールドという優れた成績で、防御率も1.34とキャリアハイの数字を残し、チームの勝利に大きく貢献した。この年のオールスターゲームにも初めて選出され、プロとしてさらなる飛躍を遂げた。
3. 選手としての特徴
大西広樹は、右投右打の投手であり、その投球スタイルと多彩な球種が特徴である。
彼の直球の最速は152 km/hを記録する。変化球としては、フォーク、シュート、スライダー、カットボール、シンカーなど、複数の球種を投げ分けることができる。特に大学時代には、当時の阪神タイガースのランディ・メッセンジャーからその投球を絶賛された逸話があり、プロ入り前からその能力は高く評価されていた。
4. 詳細情報
4.1. 出身学校
- 大阪商業大学高等学校
- 大阪商業大学
4.2. 選手経歴
- 東京ヤクルトスワローズ(2020年 - )
4.3. 個人記録
大西広樹のプロ経歴中に達成した主要な個人記録を整理する。
4.3.1. 初記録
- 投手記録**
- 初登板:2020年6月21日、対中日ドラゴンズ3回戦(明治神宮野球場)、8回表に2番手で救援登板、1回無失点
- 初先発登板:2020年8月5日、対広島東洋カープ7回戦(明治神宮野球場)、5回2失点で敗戦投手
- 初奪三振:同上、3回表に磯村嘉孝から見逃し三振
- 初勝利:2021年6月1日、対東北楽天ゴールデンイーグルス1回戦(明治神宮野球場)、6回表に3番手で救援登板、2回無失点
- 初ホールド:2021年6月10日、対千葉ロッテマリーンズ3回戦(ZOZOマリンスタジアム)、6回裏に2番手で救援登板、1回無失点
- 初セーブ:2024年7月20日、対横浜DeNAベイスターズ16回戦(明治神宮野球場)、9回表に6番手で救援登板・完了、1回無失点
- 打撃記録**
- 初打席:2020年8月5日、対広島東洋カープ7回戦(明治神宮野球場)、2回裏に野村祐輔から空振り三振
4.3.2. その他の記録
- オールスターゲーム出場:1回(2024年)
4.4. 背番号
- 44(2020年 - )
4.5. 登場曲
- 「オレガヤレバ」寿君(2020年 - 2021年)
- 「闘う貴方へ」Express(2021年 - )
4.6. 年度別成績
年度 | 球団 | 登 板 | 先 発 | 完 投 | 完 封 | 無 四 球 | 勝 利 | 敗 戦 | セ 丨 ブ | ホ 丨 ル ド | 勝 率 | 打 者 | 投 球 回 | 被 安 打 | 被 本 塁 打 | 与 四 球 | 故 意 四 球 | 死 球 | 奪 三 振 | 暴 投 | ボ 丨 ク | 失 点 | 自 責 点 | 防 御 率 | WHIP |
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2020 | ヤクルト | 5 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | .000 | 44 | 9.0 | 14 | 1 | 5 | 0 | 0 | 6 | 0 | 0 | 5 | 5 | 5.00 | 2.11 |
2021 | ヤクルト | 33 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0 | 0 | 7 | 1.000 | 159 | 38.1 | 36 | 4 | 12 | 1 | 2 | 24 | 3 | 0 | 12 | 12 | 2.82 | 1.25 |
2022 | ヤクルト | 43 | 1 | 0 | 0 | 0 | 3 | 2 | 0 | 3 | .600 | 260 | 58.2 | 74 | 8 | 15 | 4 | 2 | 42 | 1 | 0 | 34 | 29 | 4.45 | 1.52 |
2023 | ヤクルト | 46 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 2 | 0 | 6 | .500 | 226 | 55.0 | 53 | 3 | 12 | 3 | 3 | 35 | 2 | 0 | 23 | 22 | 3.60 | 1.18 |
2024 | ヤクルト | 60 | 0 | 0 | 0 | 0 | 9 | 1 | 1 | 23 | .900 | 235 | 60.1 | 53 | 3 | 12 | 3 | 2 | 31 | 2 | 0 | 12 | 9 | 1.34 | 1.08 |
通算:5年 | 187 | 2 | 0 | 0 | 0 | 17 | 6 | 1 | 39 | .739 | 924 | 221.1 | 230 | 19 | 56 | 11 | 9 | 138 | 8 | 0 | 86 | 77 | 3.13 | 1.29 |
- 2024年度シーズン終了時
- 各年度の太字はリーグ最多
年度 | 球団 | 投手 | |||||
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試 合 | 刺 殺 | 補 殺 | 失 策 | 併 殺 | 守 備 率 | ||
2020 | ヤクルト | 5 | 1 | 3 | 0 | 1 | 1.000 |
2021 | ヤクルト | 33 | 1 | 12 | 0 | 0 | 1.000 |
2022 | ヤクルト | 43 | 5 | 8 | 1 | 1 | .929 |
2023 | ヤクルト | 46 | 0 | 7 | 0 | 0 | 1.000 |
2024 | ヤクルト | 60 | 1 | 12 | 1 | 2 | .929 |
通算 | 187 | 8 | 42 | 2 | 4 | .962 |
- 2024年度シーズン終了時