1. 概要
宮原和也(みやはら かずや日本語、1996年3月22日 - )は、広島県広島市安佐南区出身のプロサッカー選手である。ディフェンダー(DF)およびミッドフィールダー(MF)のポジションでプレーし、現在はJリーグの東京ヴェルディに所属している。サンフレッチェ広島の育成組織で育ち、プロ入り後はサンフレッチェ広島、名古屋グランパスを経て、2023年より東京ヴェルディで活躍している。各年代別の日本代表にも選出され、2013年には2013 FIFA U-17ワールドカップに出場した経験を持つ。
2. 生涯
宮原和也は1996年3月22日に広島県広島市安佐南区で生まれた。2人の兄がおり、彼を含め3人全員がサンフレッチェ広島ジュニアユースの出身である。長兄もサンフレッチェ広島ユースの出身である。
2.1. ユース時代とプロ入り前
宮原は幼少期に佐東FCでサッカーを始めた。小学生の頃は主にフォワード(FW)または攻撃的なミッドフィルダーとしてプレーしていた。
2008年、サンフレッチェ広島ジュニアユースに入団。同期には川辺駿や大谷尚輝らがいた。ジュニアユースでは攻撃的なミッドフィルダーとして活躍し、2010年のクラブユース選手権(U-15)ではチームの3位進出に貢献した。中学3年次にはボランチとしてプレーするようになった。
2011年、川辺、大谷らと共にサンフレッチェ広島ユースへ昇格。当初は攻撃的ミッドフィルダーを担当していたが、同年の山口国体少年の部ではボランチとしてチームの3位入賞に貢献した。また、2011年高円宮杯プレミアリーグではベンチメンバーとしてチームの大会制覇に貢献した。
2012年、高校2年次にはディフェンダーに負傷者が続出したことを受け、CBへコンバートされレギュラーを獲得し、2012年高円宮杯プレミアリーグの連覇に貢献した。同年にはU-16日本代表に選出され、AFC U-16選手権2012ではCBとしてキャプテンを務めた。
2.2. 初期プロキャリア
2013年、高校3年次には川辺、大谷らと共にサンフレッチェ広島のトップチームに2種登録選手として登録された。同年3月25日には、ユース所属のままトップチームとプロ契約を締結した。これは高校年代の選手としては髙萩洋次郎、岡本知剛に続く3例目であり、ユース所属のままプロ契約を結ぶのはクラブ史上初のケースであった。しかし、この年はトップチームでの公式戦出場はなかった。
同年には2013 FIFA U-17ワールドカップにU-17日本代表の一員として選出され、3試合に出場した。また、彼が活躍したサンフレッチェ広島ユースでは、同年のクラブユース選手権(U-18)で準優勝、Jユースカップでも準優勝という成績を収めた。
3. クラブキャリア
宮原和也は、サンフレッチェ広島の育成組織で育ち、プロ入り後は同クラブでキャリアをスタートさせた後、名古屋グランパス、東京ヴェルディへと移籍し、各クラブで重要な役割を担ってきた。
3.1. サンフレッチェ広島
2014年、宮原は正式にサンフレッチェ広島のトップチームへ昇格した。同期入団には、ユース時代を共にした川辺駿、大谷尚輝に加え、高橋壮也、皆川佑介、茶島雄介、ビョン・ジュンボンらがいた。昇格当初はボランチとしての起用が考えられていたが、チームの3バックの一角としてレギュラー選手の負傷による穴を埋める形で出場機会を得た。
2016年には、J1リーグの1stステージでボランチとして出場機会を増やしたが、2ndステージでは森崎和幸にポジションを奪われ、ベンチメンバーとなることが多かった。
3.2. 名古屋グランパス
2016年12月26日、宮原は名古屋グランパスへ期限付き移籍することが発表された。移籍後、開幕戦から3バックの一角としてレギュラーに定着し、攻守両面でチームを支える職人として活躍した。シーズン終了後の2017年12月30日には、期限付き移籍期間を1年間延長することが発表された。2018年も引き続き主力として活躍した。
2018年12月18日、名古屋グランパスはサンフレッチェ広島からの宮原の完全移籍加入を発表した。2019年シーズンからは完全移籍選手として主力として活躍し、リーグ戦31試合に出場してキャリアハイとなる4得点を記録した。しかし、2020年は新型コロナウイルス感染や怪我に見舞われ、リーグ戦の出場はわずか5試合にとどまった。2021年にはAFCチャンピオンズリーグで7試合に出場するなど国際舞台でも経験を積んだ。2022年シーズン終了後、契約満了により名古屋グランパスを退団した。
3.3. 東京ヴェルディ
2022年12月19日、宮原は東京ヴェルディへの完全移籍が発表された。東京ヴェルディでは背番号6を着用し、2023年シーズンにはJ2リーグで41試合に出場、さらに2024年シーズンにはJ1リーグで30試合に出場するなど、チームの主力として活躍している。
4. 代表歴
宮原和也は、各年代別の日本代表に選出され、国際舞台での経験を積んできた。
- 2011年:U-15日本代表
- 2012年:U-16日本代表
- 2013年:U-17日本代表(2013 FIFA U-17ワールドカップに3試合出場)
- 2014年:U-19日本代表
- 2015年:U-22日本代表
5. 個人成績
宮原和也のプロキャリアにおける公式戦の出場記録は以下の通りである。
クラブ | シーズン | リーグ | 国内カップ | リーグカップ | 国際大会 | その他 | 合計 | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ディビジョン | 出場 | 得点 | 天皇杯出場 | 天皇杯得点 | Jリーグカップ出場 | Jリーグカップ得点 | AFC出場 | AFC得点 | その他出場 | その他得点 | 合計出場 | 合計得点 | ||
サンフレッチェ広島 | 2014 | J1 | 4 | 0 | 2 | 0 | 2 | 0 | 1 | 0 | - | 8 | 0 | |
2015 | 3 | 1 | 4 | 0 | 5 | 0 | - | - | 12 | 1 | ||||
2016 | 13 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | - | 14 | 0 | |||
合計 | 20 | 1 | 6 | 0 | 7 | 0 | 2 | 0 | - | - | 35 | 1 | ||
JリーグU-22選抜 | 2014 | J3 | 5 | 0 | - | - | - | - | 5 | 0 | ||||
2015 | 2 | 0 | - | - | - | - | 2 | 0 | ||||||
合計 | 7 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 7 | 0 | ||
名古屋グランパス (期限付き移籍) | 2017 | J2 | 41 | 0 | 2 | 0 | - | - | 2 | 0 | 45 | 0 | ||
2018 | J1 | 26 | 0 | 1 | 0 | 2 | 0 | - | - | 29 | 0 | |||
合計 | 67 | 0 | 3 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 74 | 0 | ||
名古屋グランパス | 2019 | J1 | 31 | 4 | 1 | 0 | 5 | 0 | - | - | 37 | 4 | ||
2020 | 5 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | - | - | 5 | 0 | ||||
2021 | 26 | 0 | 3 | 0 | 2 | 0 | 7 | 0 | - | 38 | 0 | |||
2022 | 21 | 0 | 1 | 0 | 6 | 0 | - | - | 28 | 0 | ||||
合計 | 83 | 4 | 5 | 0 | 13 | 0 | 7 | 0 | 0 | 0 | 108 | 4 | ||
東京ヴェルディ | 2023 | J2 | 41 | 0 | 0 | 0 | - | - | 2 | 0 | 43 | 0 | ||
2024 | J1 | 30 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | - | - | 31 | 0 | |||
キャリア通算 | 248 | 5 | 14 | 0 | 23 | 0 | 9 | 0 | 4 | 0 | 298 | 5 |
5.1. 記録
- 公式戦初出場 - 2014年2月25日 AFCチャンピオンズリーグ2014 グループステージ第1節 vs北京国安(エディオンスタジアム広島)
- Jリーグ初出場 - 2014年3月1日 J1リーグ第1節 vsセレッソ大阪(ヤンマースタジアム長居)
- Jリーグ初得点 - 2015年7月11日 J1リーグ2ndステージ第1節 vsベガルタ仙台(ユアテックスタジアム仙台)
6. タイトル
宮原和也が獲得した主なチームタイトルおよび個人タイトルは以下の通りである。
6.1. チーム
;サンフレッチェ広島ユース
- 高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグ WEST:2回(2011年、2012年)
- 高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグ チャンピオンシップ:2回(2011年、2012年)
;サンフレッチェ広島
- J1リーグ:2回(2013年、2015年)
- J1・2ndステージ:1回(2015年)
- ゼロックススーパーカップ:2回(2014年、2016年)
;名古屋グランパス
- Jリーグカップ:1回(2021年)
6.2. 個人
- TAG Heuer YOUNG GUNS AWARD・ベストイレブン(2018年)
- J2リーグ ベストイレブン(2023年)