1. 概要
小暮大器(こぐれ だいき)は、1994年5月17日に茨城県龍ケ崎市で生まれた日本のプロサッカー選手である。現在はJ3リーグのいわてグルージャ盛岡に所属し、主にMFやDF(特にサイドバック)としてプレーしている。相手の裏を突く動きや、突破力に優れたドリブルが持ち味であり、チームの攻撃に貢献するその器用さで知られている。
2013年にセレッソ大阪でプロキャリアを開始し、その後、徳島ヴォルティス(期限付き移籍)、Jリーグ・アンダー22選抜、セレッソ大阪U-23、愛媛FC、ブラウブリッツ秋田といった複数のクラブで経験を積んだ。特に各クラブでの重要な局面で得点を記録し、チームの勝利に貢献した実績を持つ。また、年代別の日本代表(U-19、U-20)にも選出されるなど、若くしてその才能を認められてきた。長年のJリーグでの経験を通じて、常に努力を続ける姿勢は、多くのファンに支持されている。
2. 幼少期と初期のキャリア
小暮大器のサッカー選手としての基礎は、幼少期から築かれてきた。プロデビュー以前の活動は、彼のプレースタイル形成に大きな影響を与えている。
2.1. 出生とユースサッカー
小暮大器は1994年5月17日に茨城県龍ケ崎市の南が丘で生まれた。幼少期からサッカーに親しみ、地元のパルチーダFC竜ヶ崎で本格的にサッカーを始めた。その後、セレッソ大阪U-18に加入し、清明学院高等学校に在籍しながらユース年代での経験を積んだ。ユースチームでは、プロになるための厳しいトレーニングと戦術理解を深め、後のプロキャリアの基盤を築いた。
2.2. プロデビュー
2013年、小暮はユースからの昇格組として、秋山大地、岡田武瑠、南野拓実といった将来性豊かな選手たちと共にセレッソ大阪のトップチームに昇格した。プロの舞台では、主にサイドバックとしてプレーする機会が多く、その守備能力と攻撃参加が評価された。
Jリーグでの公式戦デビューに先立ち、2013年に親善試合でマンチェスター・ユナイテッドFCを相手にトップチームデビューを果たした。Jリーグ公式戦では、同年8月3日に長居球技場で行われたJ1リーグ第19節のヴァンフォーレ甲府戦でプロ初出場を記録した。この試合でも、彼はサイドバックとしてプレーし、持ち前の運動量と突破力を発揮した。
3. クラブ経歴
小暮大器は、これまでのプロキャリアで複数のクラブに所属し、それぞれのチームで様々な役割を担い、経験を積んできた。
3.1. セレッソ大阪および徳島ヴォルティス時代 (2013-2014)
セレッソ大阪でプロデビューを果たした後、2014年には徳島ヴォルティスへ期限付き移籍した。徳島ヴォルティス在籍中には、自身のキャリアにおける記念すべきプロ初ゴールを決めている。それは2014年4月16日、埼玉スタジアム2002で行われたJリーグカップ第3節の浦和レッドダイヤモンズ戦での出来事であった。彼はドリブルで独走し、見事にゴールネットを揺らした。このゴールは、彼の得点能力と推進力を示すものであった。徳島では、リーグ戦で13試合に出場し、Jリーグカップでは1得点を挙げた。
3.2. Jリーグ・アンダー22選抜での活動 (2014-2015)
2014年から2015年にかけて、小暮はJ3リーグに参加していたJリーグ・アンダー22選抜(J-22)の一員としてもプレーした。2014年には5試合、2015年には1試合に出場し、若手育成リーグでの経験を積んだ。この期間の出場は、彼にとって実戦機会の確保と成長の場となった。
3.3. セレッソ大阪復帰とJ3リーグでの活動 (2015-2016)
2015シーズンにセレッソ大阪に復帰したが、チーム内での出場機会は限られた。J2リーグでは3試合の出場に留まったものの、天皇杯でも1試合に出場した。
2016年からは、新たに創設されたJ3リーグに参加するセレッソ大阪U-23チームでプレーする機会を得た。このチームでは、中心選手として27試合に出場し、実戦経験を積むことで選手としての成長を続けた。J3リーグでの経験は、彼にとって貴重なものとなり、試合勘を維持し、自身の技術を磨く場となった。
3.4. 愛媛FC時代 (2017-2021)
2016年12月27日、小暮は愛媛FCへの完全移籍が発表された。愛媛FCでは、2017年から2021年までの5年間在籍し、チームの主力選手として活躍した。
特に2017年シーズンでは、9月24日に行われたJ2リーグ第34節の横浜FC戦で得点を記録したが、チームは惜敗した。愛媛FCでの在籍期間中、彼はJ2リーグで通算124試合に出場し、1得点を記録した。また、天皇杯でも複数試合に出場し、チームに貢献した。彼は愛媛FCで、経験豊富な選手としてチームを支える重要な役割を担った。
3.5. ブラウブリッツ秋田時代 (2022-2023)
2021年12月23日、小暮はブラウブリッツ秋田への移籍を発表した。秋田での2022年シーズンでは、移籍後すぐにチームに貢献した。
5月7日に行われたJ2リーグ第15節の横浜FC戦では、稲葉修土のシュートのこぼれ球を押し込み、決勝点となるゴールを決めてチームを勝利に導いた。さらに、7月30日のJ2リーグ第29節ツエーゲン金沢戦では先制点を奪い、チームの13試合連続勝ちなしという苦しい状況に終止符を打つ重要なゴールとなった。また、天皇杯 JFA 第102回全日本サッカー選手権大会の2回戦、東京ヴェルディ戦では、試合開始わずか1分で得点を記録するという活躍を見せた。
ブラウブリッツ秋田では、J2リーグで通算44試合に出場し、2得点を記録した。しかし、2023年11月13日にクラブから契約満了が発表され、チームを離れることとなった。
3.6. いわてグルージャ盛岡時代 (2024-)
2023年12月17日、小暮はJ3リーグのいわてグルージャ盛岡への完全移籍が発表され、2024シーズンから新たな挑戦を開始した。岩手では背番号13を着用し、チームの主力選手として活躍を続けている。2024年2月10日時点で、いわてグルージャ盛岡でのリーグ戦出場は23試合、得点は0である。彼は岩手で経験豊富なベテランとしてチームを牽引し、攻守両面で貢献している。
4. 代表経歴
小暮大器は、若くして日本代表としての経験も積んでいる。
U-19日本代表に選出され、2013年に開催されたアルクディア国際ユースサッカートーナメントに参加した。この大会では、ディフェンダーとして起用され、国際舞台での経験を積んだ。その後、U-20日本代表にも選出され、将来を嘱望される若手選手として、その才能を披露した。
5. プレースタイルと特徴
小暮大器のプレースタイルは、その多才さと戦術的理解度の高さに特徴がある。主要なポジションはMFであるが、プロ入り後はサイドバック(SB)としての起用も多く、DFもこなせるユーティリティ性を持つ。
彼の最大の武器は、相手のディフェンスラインの裏に抜け出す動きと、ボールを持った際の強力なドリブル突破である。特に、密集したエリアでもボールをキープし、相手をかわして攻撃を推進できる能力は、チームの決定機創出に大きく貢献する。また、攻守の切り替えの早さや、ピッチ全体を広くカバーする豊富な運動量も彼の特徴である。これらの技術と身体能力に加え、試合の流れを読む戦術眼も優れており、チームの攻守両面で重要な役割を果たすことができる。
6. 人物・エピソード
小暮大器は、ピッチ上での活躍だけでなく、その人柄や個人的なエピソードでも知られている。
彼の愛称は「グレ」である。好きな食べ物として「焼肉」を挙げており、また、自身の座右の銘として「日々努力」を掲げている。この座右の銘は、彼のプロサッカー選手としてのキャリアを通じて、常に向上心を持ち続ける姿勢を反映している。日々の練習や試合に真摯に向き合い、地道な努力を重ねることで、自身の技術や身体能力を磨き続けている。

7. クラブ成績
小暮大器のプロキャリアにおけるリーグ戦、カップ戦、リーグカップ戦の出場記録および得点数を年度別、クラブ別に以下に示す。
シーズン | クラブ | 背番号 | リーグ | リーグ出場 | リーグ得点 | 天皇杯出場 | 天皇杯得点 | リーグカップ出場 | リーグカップ得点 | 合計出場 | 合計得点 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
日本 | リーグ | 天皇杯 | Jリーグカップ | 合計 | |||||||
2013 | C大阪 | 29 | J1 | 3 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 5 | 0 |
2014 | 徳島 | 23 | J1 | 13 | 0 | 2 | 0 | 4 | 1 | 19 | 1 |
2014 | J-22 | - | J3 | 5 | 0 | - | - | 5 | 0 | ||
2015 | C大阪 | 25 | J2 | 3 | 0 | 1 | 0 | - | 4 | 0 | |
2016 | 0 | 0 | 0 | 0 | - | 0 | 0 | ||||
2015 | J-22 | - | J3 | 1 | 0 | - | - | 1 | 0 | ||
2016 | C大23 | 25 | J3 | 27 | 0 | - | - | 27 | 0 | ||
2017 | 愛媛 | 17 | J2 | 32 | 1 | 2 | 0 | - | 34 | 1 | |
2018 | 37 | 0 | 1 | 0 | - | 38 | 0 | ||||
2019 | 3 | 0 | 1 | 0 | - | 4 | 0 | ||||
2020 | - | 22 | 0 | - | - | 22 | 0 | ||||
2021 | 6 | 30 | 0 | 1 | 0 | - | 31 | 0 | |||
2022 | 秋田 | 24 | J2 | 29 | 2 | 1 | 1 | - | 30 | 3 | |
2023 | 15 | 0 | 1 | 0 | - | 16 | 0 | ||||
2024 | 岩手 | 13 | J3 | 23 | 0 | 1 | 0 | 2 | 0 | 26 | 0 |
総通算 | 243 | 3 | 13 | 1 | 6 | 1 | 262 | 5 |
- Jリーグ初出場 - 2013年8月3日 J1第19節 vsヴァンフォーレ甲府戦 (長居球技場)
- プロ初得点 - 2014年4月16日ナビスコカップ第3節 浦和レッドダイヤモンズ戦 (埼玉スタジアム2002)
8. 外部リンク
- [http://www.ehimefc.com/player/17.html 愛媛FC公式プロフィール]
- [https://www.jleague.jp/player/1300035/ J.Leagueデータサイト 小暮大器]
- [https://web.archive.org/web/20161019215016/https://www.cerezo.jp/teams/players/daiki_kogure/ セレッソ大阪公式プロフィール (アーカイブ)]
- [https://twitter.com/C517Partidaf 小暮大器公式Twitter]
- [https://int.soccerway.com/players/daiki-kogure/286939/ Soccerway]