1. 経歴
1.1. プロ入り前
1.1.1. 高校時代
倉敷市立庄小学校で野球を始め、倉敷市立庄中学校ではファイターズ岡山に所属した。
関西高等学校入学後、1年夏からレギュラーを掴み、1年秋には二塁手に定着し、秋季中国大会優勝に貢献した。第85回記念選抜高等学校野球大会では初戦で和田恋擁する高知高校に敗れた。3年時には4番としてチームを牽引し、夏の岡山大会決勝で頓宮裕真擁する岡山理大附高校を破り、第96回全国高等学校野球選手権大会出場を決めた。甲子園の初戦では富山商業高校の森田駿哉の前に2三振を喫し、チームも1-3で敗れた。甲子園通算2試合に出場し、8打数1安打、打率.125を記録。高校通算では28本塁打を放った。プロ志望届を提出したが、指名漏れとなった。野球部には1学年先輩に児山祐斗、1学年後輩に海野隆司がいた。
1.1.2. 大学時代
立正大学進学後、3年春に1番・右翼手でレギュラーに定着した。東都大学2部リーグで優勝を果たし、専修大学との入れ替え戦にも勝ち越して15季ぶりの1部昇格に貢献。初の1部リーグでのプレーとなった3年秋にはリーグ2位となる打率.347を記録し、ベストナインに輝いた。4年秋には伊藤裕季也とクリーンアップを組み、打率.293、2本塁打、5打点、6盗塁の成績を残し、2度目のベストナインに輝き、18季ぶりの1部リーグ優勝に貢献した。第49回明治神宮野球大会では決勝の環太平洋大学戦で2点ビハインドの8回に小郷の適時打で1点差に迫り、伊藤の2点本塁打で逆転し、全国制覇を達成した。1部リーグ通算では35試合に出場し、133打数41安打、打率.308、5本塁打、15打点、16盗塁を記録した。
1.1.3. ドラフト会議
2018年10月25日に行われたドラフト会議で、東北楽天ゴールデンイーグルスから7位指名を受けた。契約金は推定2700.00 万 JPY、年俸は推定700.00 万 JPYで入団した。背番号は51。
1.2. プロ入り後(楽天時代)
1.2.1. 2019年
2019年5月19日に一軍に登録され、同日の対千葉ロッテマリーンズ9回戦で代走としてプロ初出場を果たした。6月7日の対中日ドラゴンズ1回戦でプロ入り初安打を記録。9月3日の対福岡ソフトバンクホークス21回戦の8回表にはプロ入り初本塁打を放ち、直前に本塁打を放っていた新人・辰己涼介に続いて新人による二者連続本塁打となった。これは1989年以来、ドラフト制度導入後2度目の快挙である。また、このシーズン中に楽天の新人では辰己、太田光、渡邊佳明が既に本塁打を放っており、小郷で4人目となった。新人が4人以上本塁打を打った事例は1971年の西鉄ライオンズ以来48年ぶり、ドラフト制度導入後2度目である。最終的に22試合に出場し、打率.172、1本塁打、4打点を記録したが、盗塁は0に終わった。オフには、30.00 万 JPY増となる推定年俸730.00 万 JPYで契約を更改した。
1.2.2. 2020年
2020年はプロ入り後初の開幕一軍入りを果たした。シーズン中に一度一軍登録を抹消されたものの、後半に打撃の状態を上げ、出場機会を大幅に増やした。最終的には58試合に出場し、打率.295、4本塁打、12打点、8盗塁を記録した。オフには、220.00 万 JPY増となる推定年俸950.00 万 JPYで契約を更改した。
1.2.3. 2021年 - 2022年
2021年は2年連続で開幕一軍入りを果たし、8番・指名打者として自身初の開幕先発出場を勝ち取った。しかし、打撃の状態が上がらず5月17日に一軍登録を抹消され、10月2日に再度登録されるも、最終的に38試合の出場で打率.182、2本塁打、6打点に留まった。オフには、50.00 万 JPY減となる推定年俸900.00 万 JPYで契約を更改した。
2022年は3年連続で開幕一軍入りを果たしたが、3月28日に登録抹消となった。8月26日に再び一軍登録され、9月2日の対日本ハム戦(楽天モバイルパーク宮城)では伊藤大海から先制ソロ本塁打を放ったが、9月7日に再度登録抹消された。自己最少の10試合出場に終わり、打率.167、1本塁打、2打点という成績だった。オフには50.00 万 JPY減の推定年俸850.00 万 JPYで契約を更改した。
1.2.4. 2023年
2023年は4年連続で開幕一軍入りを果たし、6月頃からは「3番・右翼手」に定着。一度も登録を抹消されることなくプロ入り後初の一軍完走を果たした。規定打席には2打席及ばなかったものの、OPSは.700を超え、10本塁打・13盗塁を記録した。特に2桁本塁打と2桁盗塁を同時に記録した選手は、このシーズンではパ・リーグ・セ・リーグ両リーグを含めて外崎修汰と小郷の2人のみ(セ・リーグには該当者なし)であった。最終的には120試合に出場し、打率.262、10本塁打、49打点、13盗塁という成績を残した。オフには2250.00 万 JPY増の3100.00 万 JPYで契約を更改した。
1.2.5. 2024年
2024年5月10日の対埼玉西武ライオンズ戦(ベルーナドーム)では自身初、及び球団タイ記録となる1試合5安打を放った。セ・パ交流戦では6月5日の対阪神タイガース戦(阪神甲子園球場)で1点を追う9回二死二塁の打席で岩崎優から逆転2点本塁打を放った。同月8日の対中日ドラゴンズ戦(バンテリンドーム ナゴヤ)では2回一死満塁の打席でウンベルト・メヒアから日本プロ野球通算2500本目の満塁本塁打となる自身初の満塁本塁打を記録。同月11日の対読売ジャイアンツ戦(楽天モバイルパーク)では1点を追う9回二死満塁の打席でアルベルト・バルドナードから自身初のサヨナラ打となる逆転サヨナラ2点適時二塁打を放つなど、2本塁打、13打点を記録し、球団の交流戦初優勝に貢献した。7月12日には6月度の「月間スカパーサヨナラ賞」に選出された。最終的に盗塁は周東佑京に次ぐリーグ2位、自己最多の32を記録し、打点は49で前年と同じながら、打率.257、7本塁打(うち3本は初回先頭打者本塁打で、いずれも対日本ハム戦(4月25日は鈴木健矢から、5月24日と9月16日は金村尚真から2本の初回先頭打者本塁打を放った))、OPS.694などの数値は前年より落ちたものの、球団として初めて、かつ同シーズン12球団唯一の全試合フルイニング出場を達成した。
2. 選手としての特徴
50メートル5.8秒の俊足と、パンチ力も持つ走攻守三拍子揃った外野手である。
3. 人物
3.1. 家族・人間関係
愛称は「おごちゃん」。
2歳年下の実弟である賢人は、裕哉と同じ関西高校に進学後、東海大学に入学した。2018年夏に行われた日米大学野球選手権大会の日本代表選考合宿では紅白戦で兄弟対決が実現した。2020年秋にはプロ志望届を提出したが、ドラフト会議で指名漏れとなった。大学卒業後は社会人野球のJFE東日本でプレーを継続していたが、2023年限りで勇退した。その後はマネージャーに転身している。
2021年12月26日、一般女性との結婚が発表された。小郷は結婚に際し、「芯の強い心で成長させてくれる存在」とコメントしている。
3.2. その他
楽天入団後は自身の打席で流れる「応援歌が欲しい」と夢見ており、応援団に作成をリクエストしていた。2023年6月19日より、かつて枡田慎太郎に使用されていた『栄光掴むために』の歌い出しで始まる曲を継承することとなった。この夢を叶えた小郷は「めっちゃうれしいです。打席に入るときにモチベーションが上がります。枡田さんの応援歌ということは知っていました。使わせていただくからにはしっかり活躍して、いつかファンのみなさんに"小郷の応援歌"と言ってもらえるよう頑張ります」と語っている。なお、2024年からは枡田からの流用曲に代わり、新たに小郷オリジナルの曲が使用されるようになった。この新しい曲の歌詞にも『栄光を掴む』というフレーズが使われている。
4. 年度別成績
4.1. 打撃成績
年度 | 球団 | 試合 | 打席 | 打数 | 得点 | 安打 | 二塁打 | 三塁打 | 本塁打 | 塁打 | 打点 | 盗塁 | 盗塁刺 | 犠打 | 犠飛 | 四球 | 死球 | 三振 | 併殺打 | 打率 | 出塁率 | 長打率 | OPS | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2019 | 楽天 | 22 | 34 | 29 | 7 | 5 | 2 | 0 | 1 | 10 | 4 | 0 | 0 | 1 | 0 | 4 | 0 | 0 | 11 | 0 | .172 | .273 | .345 | .618 |
2020 | 58 | 129 | 105 | 23 | 31 | 3 | 0 | 4 | 46 | 12 | 8 | 2 | 3 | 1 | 19 | 0 | 1 | 34 | 0 | .295 | .405 | .438 | .843 | |
2021 | 38 | 88 | 77 | 6 | 14 | 3 | 1 | 2 | 25 | 6 | 1 | 1 | 3 | 0 | 6 | 0 | 2 | 23 | 0 | .182 | .259 | .325 | .583 | |
2022 | 10 | 23 | 18 | 2 | 3 | 1 | 0 | 1 | 7 | 2 | 0 | 0 | 3 | 0 | 2 | 0 | 0 | 4 | 0 | .167 | .250 | .389 | .639 | |
2023 | 120 | 441 | 390 | 53 | 102 | 16 | 3 | 10 | 154 | 49 | 13 | 8 | 8 | 6 | 36 | 0 | 1 | 85 | 3 | .262 | .321 | .395 | .716 | |
2024 | 143 | 642 | 565 | 64 | 145 | 24 | 6 | 7 | 202 | 49 | 32 | 5 | 1 | 5 | 68 | 3 | 3 | 120 | 6 | .257 | .337 | .358 | .694 | |
通算:6年 | 391 | 1357 | 1184 | 155 | 300 | 49 | 10 | 25 | 444 | 122 | 54 | 16 | 19 | 12 | 135 | 3 | 7 | 277 | 9 | .253 | .330 | .375 | .705 |
- 2024年度シーズン終了時
- 各年度の太字はリーグ最高
4.2. 守備成績
年度 | 球団 | 試合 | 刺殺 | 補殺 | 失策 | 併殺 | 守備率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
2019 | 楽天 | 15 | 13 | 0 | 1 | 0 | .929 |
2020 | 50 | 62 | 3 | 2 | 1 | .970 | |
2021 | 18 | 28 | 1 | 0 | 0 | 1.000 | |
2022 | 9 | 13 | 1 | 0 | 0 | 1.000 | |
2023 | 115 | 214 | 7 | 5 | 2 | .978 | |
2024 | 143 | 316 | 6 | 3 | 1 | .991 | |
通算 | 350 | 646 | 18 | 11 | 4 | .984 |
- 2024年度シーズン終了時
- 各年度の太字はリーグ最高
5. 表彰・記録
5.1. 表彰
- スカパー! サヨナラ賞:1回(2024年6月)
5.2. 初記録
- 初出場:2019年5月19日、対千葉ロッテマリーンズ9回戦(ZOZOマリンスタジアム)、9回表に渡辺直人の代走で出場
- 初先発出場:2019年5月24日、対オリックス・バファローズ10回戦(楽天モバイルパーク宮城)、8番・右翼手で先発出場
- 初打席:同上、3回裏に山岡泰輔から二ゴロ
- 初安打:2019年6月7日、対中日ドラゴンズ1回戦(バンテリンドーム ナゴヤ)、3回表に柳裕也から二塁内野安打
- 初打点:同上、8回表に福敬登から左越適時二塁打
- 初本塁打:2019年9月3日、対福岡ソフトバンクホークス21回戦(福岡ドーム)、8回表に高橋礼から右越ソロ
- 初盗塁:2020年7月8日、対福岡ソフトバンクホークス3回戦(福岡PayPayドーム)、8回表に二盗(投手:古谷優人、捕手:九鬼隆平)
6. その他の詳細
6.1. 背番号
- 51(2019年 - )
6.2. 登場曲
- 「La La Laラ・ラ・ラ英語」シャキーラ(2019年)
- 「星影のエール」GReeeeN(2020年)
- 「BEAUTIFUL DAYSビューティフル・デイズ英語」SPYAIR(2021年 - 2022年)
- 「HIGH FIVEハイ・ファイブ英語」高橋優(2023年 - )
7. 関連項目
- 岡山県出身の人物一覧
- 立正大学の人物一覧
- 東北楽天ゴールデンイーグルスの選手一覧
8. 外部リンク
- [https://www.rakuteneagles.jp/team/player/detail/2024_00001076.html 51 小郷 裕哉 選手名鑑] - 東北楽天ゴールデンイーグルスオフィシャルサイト
- [https://sp.baseball.findfriends.jp/player/19960103/ 選手情報] - 週刊ベースボールONLINE
- [https://www.instagram.com/ogoh.51/ 小郷裕哉 (@ogoh.51)] - Instagram
- [http://npb.jp/bis/eng/players/81385138.html NPB.jp 日本野球機構]
- [https://www.baseball-reference.com/register/player.fcgi?id=ogo---000yuy Yuya Ogo Stats] - Baseball-Reference.com
- [http://www.thebaseballcube.com/players/profile.asp?ID=224214 Yuya Ogo Stats] - The Baseball Cube