岡中勇人

1. Overview

岡中勇人は、1968年9月26日に兵庫県で生まれ、幼少期に広島県、その後福岡県で育った日本の元プロサッカー選手であり、現在はサッカー指導者である。現役時代は主にゴールキーパーとして活躍し、松下電器(後のガンバ大阪)と大分トリニータに所属した。ガンバ大阪では長年にわたり正ゴールキーパーの座を争い、チームの守護神として貢献。大分トリニータではJ2優勝とJ1昇格に貢献した。2005年の引退後は、大分トリニータのユースGKコーチや日本文理大学サッカー部、大阪学院大学サッカー部のコーチ・監督として指導者の道を歩んでいる。

2. Personal Background

2.1. Birth and Childhood

岡中勇人は1968年9月26日に兵庫県で生まれた。5歳の時に広島県へ転居し、11歳からは福岡県で育った。

2.2. Education

岡中勇人は、福岡県の強豪校である東海大学付属第五高等学校(1984年 - 1986年)に進学した。高校卒業後、東海大学(1987年 - 1990年)に進み、大学時代もサッカー活動を続けた。

3. Playing Career

3.1. Early Career and Club Affiliation

大学卒業後の1991年、岡中勇人は松下電器産業サッカー部に加入し、プロサッカー選手としてのキャリアを開始した。翌1992年には、同サッカー部が母体となりJリーグに参入したガンバ大阪に所属することとなった。

3.2. Gamba Osaka Era

岡中勇人は、1991年に加入した松下電器産業サッカー部が1992年にガンバ大阪となり、Jリーグでのキャリアをスタートさせた。1993年Jリーグ開幕節前から本並健治と正ゴールキーパーの座を巡って熾烈な争いを繰り広げたが、しばらくはベンチを温める状態が続いた。しかし、本並が腎臓破裂の重傷を負い長期離脱した期間は、正ゴールキーパーとしてゴールを守り続けた。

1994年に本並が復帰すると再びベンチを温める時期が続いたが、1996年シーズン途中に本並からポジションを奪い返し、正GKの座を確保した。1997年に本並がヴェルディ川崎に移籍した後も、岡中はガンバ大阪の絶対的守護神としてゴールを守り続けた。1998年には、岡田武史監督とフィリップ・トルシエ監督の両名から日本代表に招集されるなど、その実力が認められた。

しかし、2000年に病気の影響で開幕から離脱している間に都築龍太にポジションを奪われた。復帰後も都築からレギュラーを奪った松代直樹が正GKを務めていたため、岡中の出場機会は激減した。その結果、2002年にJ2の大分トリニータへ移籍することとなった。松下電器時代から数えると、岡中はガンバ大阪に11シーズン在籍した。

3.3. Oita Trinita Era

2002年に大分トリニータへ移籍した岡中勇人は、加入直後から正ゴールキーパーとしてプレーした。チームは同年、J2リーグで優勝し、J1昇格を果たした。

2003年もJ1で正ゴールキーパーとして活躍した。特に2003年2ndステージでは、残留争いの真っ只中であった第11節の京都パープルサンガ戦(熊本で開催)で決定的なPKを阻止し、チームを1-0の勝利に導いた。この勝利は、大分にとって2ndステージ唯一の勝利(1勝8分6敗)であったが、最終的に年間16位(最下位)でJ2降格した京都とは勝点3差、15位だったベガルタ仙台とは僅か勝点1差の14位でJ1残留を決定づけた。2ndステージでは最下位ながらもチームを最小失点に導き、最終節の仙台との直接対決を引き分けで乗り切り、残留を決めている。

2004年には鹿島アントラーズから加入した高嵜理貴にレギュラーの座を奪われ、出場機会が減少した。さらに2005年は、江角浩司や高卒新人の西川周作といった若手ゴールキーパーの台頭もあり、出場機会が激減した。同年11月25日、岡中勇人は現役引退を表明し、2005年シーズンをもってプロサッカー選手としてのキャリアを終えた。

クラブ成績			リーグ		カップ		リーグカップ		通算
シーズン	クラブ	リーグ	出場	得点	出場	得点	出場	得点	出場	得点
日本			リーグ		天皇杯		リーグカップ		通算
1990-91	松下電器	JSL1部	3	0	-		-		3	0
1991-92	松下電器	JSL1部	10	0	0	0	0	0	10	0
1992	G大阪	J	0	0	0	0	0	0	0	0
1993		J	20	0	1	0	7	0	28	0
1994		J	0	0	0	0	0	0	0	0
1995		J	5	0	0	0	-		5	0
1996		J	16	0	0	0	8	0	24	0
1997		J	32	0	3	0	4	0	39	0
1998		J	33	0	1	0	4	0	38	0
1999		J1	29	0	2	0	4	0	35	0
2000			8	0	0	0	1	0	9	0
2001			0	0	0	0	3	0	3	0
2002	大分	J2	42	0	3	0	-		45	0
2003		J1	28	0	0	0	2	0	30	0
2004			11	0	0	0	1	0	12	0
2005			3	0	0	0	1	0	4	0
総通算				240	0	13	0	35	0	288	0

6. Coaching Career

現役引退後、岡中勇人はサッカー指導者としての道を歩んでいる。

2006年 - 2007年: 大分トリニータのU-12・U-15GKコーチを務めた。
2008年 - 2011年: 日本文理大学サッカー部の監督に就任し、4年間指揮を執った。2011年度をもって、由利繁弘の監督昇格に伴い退任した。
2012年 - 現在: 大阪学院大学サッカー部のコーチに就任し、現在に至る。