1. 個人史と経歴
1.1. 出生と幼少期
岸田メルは、1983年〈昭和58年〉9月3日に日本の愛知県名古屋市南区で生まれた。本名は岸良 一(きしら はじめ)である。
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1.2. 学歴と初期のキャリア
同朋高等学校を卒業後、名古屋芸術大学に進学したが、後に中退している。
身長は180 cmである。
高校時代には地元の劇団に所属し、俳優として活動していた。この時期には、CBCテレビのテレビドラマ『キッズ・ウォー』シリーズに「岸良一」名義で出演している。2004年(平成16年)頃からは、実用書のカバーイラストや雑誌へのイラスト提供など、イラストレーターとしての活動も並行して開始した。劇団の解散後は、イラストレーター業に専念し、主にライトノベルの挿絵など、様々なイラストレーションの仕事を手がけるようになった。
2. 主な作品
岸田メルは、ライトノベルの挿絵、ゲームのキャラクターデザイン、アニメのキャラクター原案など、多岐にわたる分野で作品を発表している。
2.1. ライトノベル挿絵
岸田メルは数多くのライトノベルシリーズで挿絵を担当し、その独特の画風で作品世界を彩っている。
- 『楽聖少女』(杉井光、電撃文庫)
- 『アンナとプロフェッショナルズ』シリーズ(MAC、メディアファクトリー) - 全2巻
- 『パラケルススの娘』シリーズ(五代ゆう、MF文庫J) - 全10巻(2005年 - 2010年)
- 『神様のメモ帳』シリーズ(杉井光、電撃文庫) - 全9巻(2007年 - 2014年)
- 『死神姫の再婚』(小野上明夜、B's-LOG文庫) - 全19巻(2007年 - 現在)
- 『カラブルワールド』(香月紗江子、ガガガ文庫)
- 『太陽で台風』(はむばね、スクウェア・エニックス・ノベルズ)
- 『道果ての向こうの光』(秋月アスカ、レガロシリーズ)
- 『ダイエット☆パンチ!』シリーズ(令丈ヒロ子、ポプラ社)
- 『RDG レッドデータガール』(荻原規子、角川スニーカー文庫) - 全6巻(2008年 - 2012年)
- 『サクラカグラ』(久弥直樹、星海社FICTIONS)
2.2. ゲームキャラクターデザイン
ゲーム分野では、特にガスト(現コーエーテクモゲームス)の『アトリエシリーズ』や『BLUE REFLECTION シリーズ』で主要なキャラクターデザインを手がけている。
年 | シリーズ | 担当役割 | 備考 |
---|---|---|---|
2009年 | 『ロロナのアトリエ ~アーランドの錬金術士~』 | キャラクターデザイン | 2015年にリメイク版も発売 |
2010年 | 『トトリのアトリエ ~アーランドの錬金術士2~』 | キャラクターデザイン | |
2011年 | 『メルルのアトリエ ~アーランドの錬金術士3~』 | キャラクターデザイン | |
2017年 | 『BLUE REFLECTION 幻に舞う少女の剣』 | キャラクターデザイン、原案、監修 | |
2019年 | 『ルルアのアトリエ ~アーランドの錬金術士4~』 | キャラクターデザイン | |
2021年 | 『BLUE REFLECTION TIE/帝』 | キャラクターデザイン | |
不明 | 『BLUE REFLECTION SUN/燦』 | キャラクターデザイン | App Store / Google Play / DMM GAMES |
不明 | 『スクールファンファーレ』 | キャラクターデザイン | Amebaのソーシャルゲーム |
2.3. アニメキャラクターデザイン・原案
アニメ作品では、キャラクター原案として作品の世界観構築に貢献している。
年 | シリーズ | 担当役割 | 備考 |
---|---|---|---|
2010年 | 『ソ・ラ・ノ・ヲ・ト』 | キャラクター原案 | |
2011年 | 『花咲くいろは』 | キャラクター原案 | 2013年公開の映画『花咲くいろは Home Sweet Home』も担当 |
2011年 | 『神様のメモ帳』 | キャラクター原案 | |
2013年 | 『RDG レッドデータガール』 | キャラクター原案 | |
2015年 | 『うーさーのその日暮らし 夢幻編』 | エンドカードイラスト | 第10話。謎の仮面の剣士役でゲスト声優も務めた。 |
2021年 | 『BLUE REFLECTION RAY/澪』 | キャラクター原案 |
2.4. その他のデザイン活動
上記以外にも、幅広い分野でデザイン活動を行っている。
- 22/7(2018年 - ) - 柊つぼみ、織原純佳のキャラクターデザインを担当。
- 世界コスプレサミット - 2013年の公式キャラクターデザインを担当。
- ドラマCD『お護り男子!神ダーりん ~いにしえの約束~』 - キャラクターデザイン。
- 三幸製菓CM - 『ブレイクスルー篇』、『ブレイクスルー篇 あきらめない篇』のキャラクターデザイン(2020年 - 2021年)。
- アニメ『夏のあらし! ~春夏冬中~』 - 第3話エンドカード。
- アニメ『黄昏乙女×アムネジア』 - 第10話予告イラスト。
- アニメ『ニセコイ』 - 第15話提供バックイラスト。
- アニメ『ガーリッシュナンバー』 - クースレ表紙デザイン。
- 『コミックマーケット82カタログ』 - 表紙イラスト。
- 中川翔子『nsum ~中川翔子がうたってみた!~』 - CDジャケット。
- 寺嶋由芙『好きがはじまる』 - CDジャケット。
- メイドカフェ「M's Melody」 - 衣装デザイン(2013年)。
- アイドルカフェ&Bar「Carnival☆Stars」 - 衣装デザイン(2014年)。
- アイドルグループ「虹のコンキスタドール」 - 衣装デザイン。
- 代々木アニメーション学院高等部 - 制服デザイン。
- コンセプトカフェ『IDOLY』 - プロデューサー(2023年5月 - )。
3. メディア出演と活動
岸田メルはイラストレーターとしての本業以外にも、テレビやラジオ番組、イベントなどで積極的に活動している。特に、イベント参加時やTwitterなどで見せるコスプレや変顔は強烈な印象を与え、ファンに広く知られている。中でも、仮面を付けて両手に長剣を持った姿(通称「ドヤ顔ダブルソード」)は有名で、『うーさーのその日暮らし』などの作品でパロディにされたこともある。
- テレビ番組**
- 『MAG・ネット』(2012年1月7日・5月4日、NHK総合)
- 『ドリームクリエイター』、『全力!ネットユーザーつくり場~集まれ!ドリームクリエイター~』(テレビ東京)
- 『いらこん』(2013年10月11日 - 2016年3月25日、フジテレビ)
- 『Rの法則』(2015年12月28日、NHK Eテレ)
- 『AKIBAだんじょん!』(2016年8月4日・18日、12月9日・23日、TOKYO MX) - 初めて司会を務めた番組。
- 『コノマチ☆リサーチ』(2016年8月12日・2017年4月5日 - 2018年3月14日、NHK Eテレ) - 売れない漫画家「ハジメ」役で出演し、作中で手書きのイラストも披露した。
- 『岸田メルのあっ!ふくしま行こっ!!』(2016年10月30日、TOKYO MX)
- 『激辛美女』(フジテレビONE)
- 『バズ100~バズるための100の法則!~』(2023年10月22日 - 、TOKYO MX) - 司会。
- テレビドラマ**
- 『キッズ・ウォー5~ざけんなよ~』(2003年、CBCテレビ) - 戸田哲治 役(岸良一名義で出演)。
- テレビアニメ**
- 『うーさーのその日暮らし 夢幻編』(2015年、TOKYO MX) - 謎の仮面の剣士 役で声優出演。
- ラジオ**
- 『放送してみた!』(東海ラジオ) - 不定期出演。
- 『オカザえもんと岸田メル!』(2014年4月5日 - 2016年12月31日、東海ラジオ)
- イベント**
- 『ひるなのにレイチェルNight☆』(ネイキッドロフト) - 司会。
- 『世界コスプレサミット』
- CM**
- ヤマハ・トリシティシリーズ「サウナとトリシティでととのった!」篇(2017年7月)
4. 連載
- 『岸田メルのこんなプレイはどうですか? ~めざせ! コスプレ上級者~』(『コンプティーク』連載)
5. ディスコグラフィ
- さよならポニーテール - 『新世界交響楽』(2014年3月5日、エピックレコードジャパン)
- 3曲目「放課後せれな~で with 岸田メル」にラップとして参加。
- 『「つくり場」企画アルバム~集まれ!ドリームクリエイター』(2014年2月19日発売)
- ニコニコ動画とテレビ東京の番組『全力!ネットユーザーつくり場~集まれ!ドリームクリエイター~』から生まれた企画アルバム。
- 寺嶋由芙 - 『ジュリエットのパラドクス』(アルバム『好きがはじまるII』収録)
- 作詞を担当。
6. 評価と影響
岸田メルは、その多様な活動と独特の個性で日本のポップカルチャーに大きな影響を与えている。特に、ライトノベルの挿絵、ゲームのキャラクターデザイン(『アトリエシリーズ』や『BLUE REFLECTION シリーズ』など)、アニメのキャラクター原案といった本業での実績は高く評価されており、彼の描く繊細で魅力的なキャラクターは多くのファンを魅了している。
また、イベントやメディア出演時に見せるコスプレや変顔、そして「ドヤ顔ダブルソード」に代表されるユニークなパブリックイメージは、イラストレーターという枠を超えたタレント性を示し、彼自身のブランドを確立している。この個性的な活動は、他の作品でパロディ化されるなど、文化的な影響力も持っている。イラストレーションとメディア活動の双方で存在感を発揮することで、彼は現代の日本のクリエイターとして独自の地位を築いている。
7. 外部リンク
- [http://maigo.jp/ 迷子通信] - 本人によるサイト(最終更新日:2013年12月28日)
- [https://twitter.com/mellco 岸田メル Twitter] - (2008年7月1日 17時16分49秒 - )
- [https://www.instagram.com/kishidamel/ 岸田メル Instagram] - (2019年5月1日 - )
- [https://www.youtube.com/channel/UCwuVM3Cc8o0-pq4Gnv7tg8g メルティスちゃんねる YouTube]