1. 概要
帖雅娜は、中国河南省鄭州市出身の香港の卓球選手であり、そのキャリアを通じて数々の国際大会で顕著な成績を収めてきた。彼女は2002年から香港代表として活躍し、世界卓球選手権やワールドカップ、アジア競技大会などで多くのメダルを獲得。特に2006年7月には世界ランキングで自己最高の3位を記録した。
2. 個人情報と背景
帖雅娜の個人的な基本情報と、中国から香港へ移籍した背景について記述する。
2.1. 出生と出身地
帖雅娜は1979年5月13日に中国河南省鄭州市で生まれた。彼女は後に香港の国籍を取得し、香港を代表する選手として国際舞台で活躍した。身長は1.61 m、体重は51.3 kgである。
2.2. 中国から香港への移住
帖雅娜は7歳で卓球を始め、1990年には鄭州市のチームに入団した。1995年には中国代表の二軍に選出され、その才能を開花させた。1997年には上海にある華東理工大学に入学し、学業と卓球を両立させた。大学卒業後の2001年には、中国国家代表として北京で開催されたユニバーシアードに出場し、張怡寧を破るなどして3つの金メダルを獲得する活躍を見せた。その後、2002年に香港へ移住し、以降は香港代表選手として国際大会での活動を続けた。
3. 選手経歴
帖雅娜の卓球選手としての活動全般、主要大会への参加と成果を時系列や内容別に構成する。
3.1. 初期キャリア
帖雅娜は幼少期から卓球に打ち込み、その才能は早くから注目された。7歳で卓球を始め、1990年には地元の鄭州市のチームに加わった。1995年には中国代表の二軍に選ばれるなど、中国国内で着実にキャリアを築いた。1997年に華東理工大学に入学し、2001年には中国代表として出場した北京ユニバーシアードで3つの金メダルを獲得した。
3.2. 香港代表選手としての活動
2002年に香港へ移住した帖雅娜は、同年から香港代表として国際大会に出場するようになった。彼女は香港のトップ選手として、オリンピック、世界卓球選手権、ワールドカップ、アジア競技大会など、数多くの主要な大会で香港にメダルをもたらし、その名を世界に知らしめた。2006年7月には、自己最高の世界ランキング3位を記録した。
3.3. 主要大会記録
帖雅娜が参加した主要な国際卓球大会での成績と受賞歴を詳細に記述する。
3.3.1. オリンピック
帖雅娜は2004年のアテネオリンピックを皮切りに、複数回夏季オリンピックに出場している。

- 2004年アテネオリンピック:
- 女子シングルス: 準々決勝進出
- 女子ダブルス: 準々決勝進出
- 2008年北京オリンピック:
- 女子シングルス: 準々決勝進出
- 女子団体: 5位
- 2012年ロンドンオリンピック:
- 女子団体: 5位
3.3.2. 世界卓球選手権
帖雅娜は2003年パリ大会で世界卓球選手権に初出場して以来、多くのメダルを獲得している。
- 女子シングルス:
- 2003年、2005年、2011年: ラウンド16進出
- 女子ダブルス:
- 2005年上海大会: 準決勝進出(銅メダル)
- 2009年横浜大会: 準決勝進出(銅メダル)。この大会では石川佳純に敗れた。
- 2011年ロッテルダム大会: 準決勝進出(銅メダル)
- 混合ダブルス:
- 2007年ザグレブ大会: 準決勝進出(銅メダル)
- 女子団体:
- 2004年ドーハ大会: 準優勝(銀メダル)
- 2006年ブレーメン大会: 準優勝(銀メダル)
- 2008年広州市|広州大会: 3位(銅メダル)
- 2012年ドルトムント大会: 3位(銅メダル)
- 2014年東京大会: 3位(銅メダル)
3.3.3. ワールドカップ
帖雅娜はワールドカップに11回出場し、シングルスと団体戦でメダルを獲得している。
- 女子シングルス:
- 2008年クアラルンプール: 準優勝(銀メダル)
- 2002年シンガポール: 3位(銅メダル)
- 2004年杭州: 3位(銅メダル)
- 2011年シンガポール: 3位(銅メダル)
- ワールドチームカップ:
- 2007年、2009年、2013年: 3位(銅メダル)
3.3.4. ITTFプロツアー
ITTFプロツアーおよびプロツアー・グランドファイナルにおいて、帖雅娜は数多くの優勝と入賞を果たしている。
- 女子シングルス優勝(8回):
- 2002年韓国オープン
- 2003年ブラジルオープン
- 2004年ロシアオープン、クロアチアオープン
- 2006年韓国オープン、チャイニーズタイペイオープン
- 2007年ブラジルオープン
- 2010年ハンガリーオープン
- 女子シングルス準優勝(2回):
- 2005年USAオープン、スウェーデンオープン
- 女子ダブルス優勝(14回):
- 2005年ロシアオープン、スロベニアオープン、クロアチアオープン、チリオープン、USAオープン、ドイツオープン、スウェーデンオープン
- 2006年韓国オープン、ジャパンオープン
- 2007年ブラジルオープン、チリオープン
- 2008年チリオープン、中国(上海)オープン
- 2011年スペインオープン
- 女子ダブルス準優勝(8回):
- 2002年イタリアオープン
- 2003年デンマークオープン
- 2006年カタールオープン、シンガポールオープン
- 2007年カタールオープン、オーストリアオープン
- 2009年クウェートオープン、韓国オープン
- プロツアー・グランドファイナル出場(9回):
- 女子シングルス: 2005年準決勝進出
- 女子ダブルス: 2009年、2010年準優勝。2004年、2007年、2008年準決勝進出。
3.3.5. アジア競技大会
帖雅娜はアジア競技大会で金メダル1個、銀メダル2個を獲得している。
- 混合ダブルス:
- 2002年釜山大会: 優勝(金メダル)
- 女子シングルス:
- 2006年ドーハ大会: 準優勝(銀メダル)
- 女子ダブルス:
- 2006年ドーハ大会: 準優勝(銀メダル)
3.3.6. アジア卓球選手権
アジア卓球選手権では、個人戦および団体戦で多くのメダルを獲得している。
- 女子シングルス:
- 2003年: 準決勝進出
- 女子ダブルス:
- 2003年、2005年、2007年: 準決勝進出
- 混合ダブルス:
- 2007年: 準優勝
- 2003年: 準決勝進出
- 女子団体:
- 2005年: 優勝
- 2003年: 準優勝
3.3.7. アジアカップ
アジアカップ卓球大会では、優勝1回、3位2回の成績を残している。
- 2004年: 優勝
- 2003年、2005年: 3位
4. プレイスタイル
帖雅娜はシェークハンドグリップの右利きで、前陣攻守型のプレイスタイルを特徴とする。両サイドからの攻撃に強みを持つ一方で、フォアミドルに弱点があることが知られている。2004年アテネオリンピックの日本女子監督であった高木誠也は、当時の日本代表選手であった福原愛に対し、帖雅娜のこの弱点を徹底的に突くよう指示を出したとされている。使用用具としては、ラケットにバタフライの「張継科」モデルを、フォア面とバック面の両方に「テナジー80」のラバーを使用していた。
5. 個人生活
帖雅娜は、同じく香港を代表する卓球選手であるタン・ペンと結婚している。
6. 評価
帖雅娜は、中国から香港へ移籍後も世界トップレベルの選手として活躍し続けた。特に、世界卓球選手権やワールドカップ、アジア競技大会といった主要な国際大会で数多くのメダルを獲得したことは、彼女の安定した実力と高い競技能力を証明している。そのキャリアを通じて、彼女は香港卓球界の顔として、国際的な知名度と評価を確立した。
